ラマポーザ大統領、特定国の「扱いが不公平」
RT
(2023年4月25日)
南アフリカ政府は国際刑事裁判所(ICC)からの脱退を改めて試みることを決定したと、同国のシリル・ラマポーザ大統領が25日表明した。オランダのハーグを拠点とする同裁判所がロシアのプーチン大統領を標的にしたことで、8月に同国ダーバンで予定するBRICS首脳会議(サミット)が、開催上の問題を抱えることになったことを受けてのもの。
South Africa has announced its intention to withdraw from the International Criminal Courthttps://t.co/omz7NapSlm pic.twitter.com/auMOIWJCAL
— RT (@RT_com) April 25, 2023
ラマポーザ大統領によれば、この決定は週末の会議の後、与党アフリカ民族会議(ANC)によって下されたものだという。
ラマポーザ大統領は、南アフリカの首都プレトリアを外交訪問中のフィンランドのサウリ・ニーニスト大統領との共同記者会見で、「与党は南アフリカがICCを脱退することが賢明だという決定を下した。ICCがこの種の問題に対処する際に見られてきた態度が大きな理由だ」と述べた。
ラマポーザ大統領がここで言及したのは、ICCによる特定の国への「不公平な扱い」と呼ぶものだ。
南アフリカは2016年、初めてICCからの脱退を試みたが、高等裁判所の違憲判決を受け、この動きは撤回された。
この判決は、2015年にアフリカ首脳会議のために同国を訪れたスーダンのバシル大統領(当時)を逮捕しなかったことで、南アフリカがICCに対する義務に違反したと認定された後に下された。バシル氏は、長く続いたダルフール紛争に関連しICCでジェノサイド(集団殺害)罪に問われていた。
今回の脱退表明は、3月にICCがロシアのウラジーミル・プーチン大統領に逮捕状を出したことを受けたもの。ICCは、プーチン氏を「ウクライナの占領地域」から子供たちを「不法に追放」した罪で訴えた。
この容疑は、ロシア語話者の多い(ウクライナ東部)ドンバス地方から民間人を避難させる努力だとロシアが述べていることに関連する。同地方はウクライナ軍によって激しい砲撃を受けていた。
南アフリカは、8月に開くBRICSサミットで、世界最大の新興経済国(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)の首脳を迎える予定。2002年のローマ規程の署名国として、ICCのプーチン氏逮捕状を執行する義務を負うことになる。
ラマポーザ大統領は25日、南アフリカがプーチン氏を逮捕するかどうか尋ねられ、その問題は「検討中」だと答えた。しかし与党のフィキレ・ムバルラ書記長は、プーチン氏はいつでも歓迎され、ICCは「少数の利益」の役にしか立たないと述べた。
今月初め、ラマポーザ大統領はプーチン氏とウクライナ情勢に対する「非同盟」の姿勢を明らかにするため、米ワシントンに代表団を派遣すると発表している。
South Africa vows to quit ICC following Putin warrant — RT Africa [LINK]
<追記>(4/27)
RTの報道によると、南アフリカ大統領府は4月25日、同国が国際刑事裁判所(ICC)から離脱するというラマポーザ大統領の発言は誤りだったと発表した。ウェブサイトに掲載された声明によれば、「今回の(大統領の)説明は、政権与党であるアフリカ民族会議(ANC)が開いた記者説明会で、ICCに関する南アフリカの地位について述べた誤ったコメントを受けたものである。遺憾ながら、大統領は本日の記者会見で同様の立場を誤って肯定してしまった」という。大統領府は、南アフリカがICCの重要文書であるローマ規程の締約国であり続け、「国際法の平等で一貫した適用を求める運動を続けていく」と断言した。
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