2023-04-17

米精密誘導弾、ウクライナで役に立たず 米国防当局が流出情報を確認

ウクライナ軍が精密誘導弾を正しく装備していないことと、ロシアによるGPS信号の妨害が、米国製の兵器が標的を外す原因となっている

アンチウォー・ドット・コム
(2023年4月16日)

米国防総省の関係者が(米政治専門サイト)ポリティコに語ったところによると、ジャック・テシェイラ容疑者が流出させた文書の情報を裏付けるように、多くの米国製精密誘導爆弾がウクライナで目的を達成できないでいる。

ホワイトハウスは昨年末、JDAM-ER(統合直接攻撃弾の射程延伸装置)をウクライナに送るよう命じた。3月には国防総省がこの兵器の運用開始を確認した。テシェイラ容疑者が流出させた文書は日付がないものの、ウクライナが2月15日と21日にJDAMを発射したことが示されている。

JDAM-ERは無誘導爆弾に取り付ける装置で、武器を射程距離50マイル以上のGPS(全地球測位システム)誘導式の精密爆弾にアップグレードするものだ。

先週、国防総省の極秘文書が明らかにしたところによると、ウクライナの操縦士が発射した9発のJDAMのうち4発が、ロシアのGPS妨害機能により目標を外れたという。同文書によると、M270 (多連装ロケットシステム)やHIMARS (高機動ロケット砲システム)といった他の砲撃システムも、GPS妨害機能を使用するロシア軍によって影響を受けているという。

ロシアの戦術に対して、文書はウクライナ軍が「JDAM-ERの利用前に可能な限り通信妨害装置を破壊または妨害すること」を推奨している。

ウクライナでJDAMの失敗を引き起こす第2の問題は、弾薬の不適切な作動である。ポリティコが匿名の防衛当局者に確認したところによれば、「いくつかのケースで、信管の安全装置が解除されても作動せず、起爆に失敗する原因となった」。同当局者によれば、ウクライナ軍はミスを繰り返さないように安全装置を装着したという。

米国がウクライナに送ったJDAM-ERの数は不明だが、文書には「1000本の兵器用ストラップ」がウクライナに提供され、米国はすぐにもっと送る予定だったと記されている。これは、ホワイトハウスが1000個以上の精密誘導弾の部品をウクライナに送るよう計画していたことを示唆している。

テシェイラ容疑者は先週逮捕され、スパイ防止法で起訴された。21歳の同容疑者は、マサチューセッツ州空軍州兵の一員である。文書を(SNS=交流サイト=の)「ディスコード」に投稿した。

同容疑者が投稿した文書の多くは、ウクライナの軍事能力について厳しい描写をしており、ホワイトハウスが米国民に示した前向きな評価とは矛盾している。投稿した約50の文書は現在公開されているが、ワシントン・ポスト紙はさらに数百の文書を閲覧したと主張している。

Defense Official Confirms Leak: American Smart Bombs Are Failing in Ukraine - News From Antiwar.com [LINK]

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