2021-02-19

金はなぜ憎まれる

中央集権の政策にはお金の中央集権が必要だ。だが金(きん)はきわめて分権的な性質上、中央集権になじまない。操作・破壊されにくいし、中央銀行が価値を決めることはできない。不変で揺るぎなく、政治的ビジョンとは頑固なまでに相容れない。だから政治エリートは金を憎む。

Why Fed Bugs Really, Really Hate Gold | Mises Wire

米政府はベトナム戦争と福祉政策で財政が悪化。ニクソン大統領は1971年、ドルと金の交換を停止した。ニクソン・ショックだ。ニクソンは国民に停止は一時的で、この政策でドルを安定させると約束したが、どちらも実現しなかった。以来、米国と世界は完全な不換紙幣制度となる。

A Brief History of the Gold Standard, with a Focus on the United States | Mises Wire

ドイツは東西に分裂した国家を再統一する際、米仏英の承認を求めた。フランスは条件としてドイツマルクの放棄とユーロの採用を求めたとされる。ドイツのユーロ脱退とマルク復活を妨げるのは政治要因しかない。経済学的にはマルクの裏付けとして金本位制の採用だってありうる。

The World Needs a Gold-Backed Deutsche Mark | Mises Wire

ロシア中央銀行は2016年から金準備を増やし始め、2020年末にその残高は初めて米ドルを上回った。プーチン大統領はロシア経済の非ドル化を進めている。金は今やユーロに次いで二番目に多い準備資産となり、準備全体(5830億ドル)の3分の1を占める。人民元の割合は12%だ。

The Dollar's Reserve Currency Status Won't Last Forever | Mises Wire

>>翻訳@時事

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