A Retreat to the Western Hemisphere? | The Libertarian Institute [LINK]
【海外記事より】米国のアジアや中東での影響力が相対的に低下する中、トランプ政権は「バックヤード(裏庭)」とみなすラテンアメリカへの関与を、一世代で最も攻撃的な軍事化という形で強めています。これは「モンロー主義のトランプ補完計画」とも呼ばれ、西半球を戦略的優先地帯と位置づけ、麻薬カルテルの制圧と中国の影響力排除を軍事力によって進める枠組みです。その象徴的な出来事が、2026年1月に実行されたベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領の拘束作戦です。約150機の航空機を動員したこの作戦により、マドゥロ氏はニューヨークへ移送され、麻薬テロ共謀の罪で起訴されました。トランプ大統領は、ベネズエラの膨大な石油資源の管理が主要な動機であると公に認めています。
こうした動きは、国家元首の拘束に留まりません。2025年9月以降、米南方軍はカリブ海や東太平洋で、麻薬密売の疑いがある船舶に対して系統的な致命的攻撃を開始しました。2026年2月までに44回以上の攻撃が行われ、少なくとも151人が死亡しています。法的根拠のない超法規的殺害であるとの批判が専門家から上がっていますが、軍事的な足跡は急速に拡大しています。プエルトリコでは2004年に閉鎖された海軍基地が再稼働し、F-35B戦闘機が配備されました。また、パナマでは運河の奪還を視野に入れた軍事トレーニングが再開され、エクアドルでも現地の治安部隊と米軍による共同作戦が新段階に入っています。
この戦略の中核をなすのが、2026年3月に発足した「米州反カルテル連合(別名:米州の盾)」です。これは、参加国がカルテルに関する情報を共有し、軍事力を行使して麻薬テロ組織を解体することを目的としています。アルゼンチンのミレイ大統領やエルサルバドルのブケレ大統領など17カ国が参加していますが、メキシコ、ブラジル、コロンビアといった地域の主要経済国は、トランプ政権との思想的な不一致から除外されました。特にメキシコのシェインバウム大統領は、自国領土内での米軍の作戦を拒否する姿勢を鮮明にしています。
批評家たちは、こうした軍事化の道は人権侵害を招くだけでなく、パートナーとしての信頼を損なうと警告しています。本来のモンロー主義の精神に基づけば、他国の介入を防ぎつつ経済的な自由を認める温和な覇権を追求することも可能ですが、現在のトランプ政権は、他地域での劣勢を挽回するかのように、西半球での支配を強める道を選んだと分析されています。隣国をパートナーではなく「臣民」として扱うこの姿勢が、将来的に米国自身の安全保障に対する反発を招く懸念が指摘されています。
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