Remembering Paul Ehrlich (Even If We Would Rather Not) | Mises Institute [LINK]
【海外記事紹介】かつて米国の環境政策に多大な影響を与えたスタンフォード大学の生物学者、故ポール・エーリック氏について振り返ります。彼は1968年の著書『人口爆弾』などで、人口増による地球規模の破滅を予測し、時代の寵児となりました。しかし、その主張の多くは事実に反しており、彼を英雄視したエリート層が主導した強制的な人口抑制策は、結果として途上国の貧困層に多大な苦しみを与えることになりました。
エーリック氏は、人類の活動が文明の崩壊を招くと断言し続けました。1960年代には、6500万人のアメリカ人が餓死し、2000年までにイギリスが消滅するといった過激な予測を立てていました。これらの予測は外れましたが、彼は晩年まで自身の信念を変えることはありませんでした。彼の理論がいかに経済的無知に基づいていたかを象徴するのが、経済学者ジュリアン・サイモン氏との有名な賭けです。エーリック氏は人口増で資源が枯渇し価格が高騰すると主張しましたが、技術革新を信じたサイモン氏の予測通り、対象となった5つの金属価格は下落し、エーリック氏は敗北を認めざるを得ませんでした。
それにもかかわらず、彼はマッカーサー財団の「天才賞」を受賞するなど、政界や学界のエリート層から支持され続けました。彼の理論は、政府が「劣った者」に産児制限を強いる正当な理由として利用されたからです。実際に中国の「一人っ子政策」やインドでの強制不妊手術など、非人道的な政策の背景には彼の影響がありました。また、こうした思想は宗教界や教育機関にも浸透し、環境危機への恐怖を煽る数々の著作の土台となりました。
エーリック氏の主張が支持された理由は、食料供給は人口増に追いつかないとしたマルサスの理論に通じる単純な論理があったからです。彼はインドの貧困地域での個人的な恐怖体験から「人類を養う戦いは終わった」と結論づけましたが、現実には市場経済が資源を保存し、新たな手段を生み出したことで、人類はより豊かになりました。
もし彼が経済学を理解し、真実を語っていれば、これほどの名声を得ることはなかったでしょう。しかし、誤った予測で世界を翻弄し続けた結果、彼は誠実な学者としてではなく、欺瞞に満ちた人物としてその生涯を閉じることになったと、この記事は締めくくっています。
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