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2026-03-28

ペトロ人民元の誕生

New World Busy Being Born While Old One Is Busy Dying - LewRockwell [LINK]

【海外記事より】トランプ政権がイランに提示した15項目の和平案は、事実上の「降伏勧告」であり、すでに破綻していると言わざるを得ません。この案はイラン国内でのウラン濃縮の完全停止や核施設の解体、ミサイル開発の制限などを一方的に要求する一方で、見返りは制裁再発動の脅威をなくすという曖昧なものに留まっています。これに対し、イランはペルシャ湾からの米軍基地撤去や全制裁の解除、さらには戦争被害の賠償を求めるという厳しい条件で対抗しており、両者の溝は埋まるどころか、エスカレーションの歯車が回り続けています。

こうした激しい対立の裏で、世界経済の枠組みを根底から覆すような変化が起きています。イランは制裁下にもかかわらず、石油生産量を日量150万バレルまで増やし、その大半を中国へ高値で販売しています。決済は米ドルを介さない代替手段で行われており、実質的に制裁は無効化されています。さらに衝撃的なのは、世界のエネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡に、イランの革命防衛隊が独自の「通行料徴収所」を設置したことです。現在、この海峡を通過するタンカーは、1隻につき200万ドルの通行料を、米ドルではなく人民元や暗号資産で支払うよう求められています。

この「ホルムズ海峡の民営化」とも言える仕組みは、単なる資金稼ぎではありません。米国と関わりのない国や、中国、インド、ロシアといった「友好国」には通行を認め、日本や韓国のような国には依然として許可を出さないという選別が行われています。ここで人民元による決済、いわゆる「ペトロ人民元」が定着したことは、長年続いた米ドル支配の決済システムに対する強力な代替手段が、戦火の中で誕生したことを意味します。各国のタンカーが支払う通行料は、米ドルの覇権や国際決済ネットワークのSWIFTを一度にバイパスするものであり、脱ドル化の動きをかつてないスピードで加速させています。

この戦いは、ロシア、イラン、中国の3カ国による強力な戦略的パートナーシップをより強固にしました。ロシアはエネルギーを供給し、中国はそれを人民元で買い、その人民元は上海の市場で現物の金に交換されるという、「エネルギーと金を結ぶ決済網」が完成しつつあります。一方で、カタールをはじめとする湾岸諸国はエネルギーインフラに甚大な被害を受けており、世界経済の崩壊を防ぐために米ドル市場から多額の資金を引き揚げる可能性も指摘されています。多極化する新しい世界の秩序は、会議室での話し合いではなく、今まさにこの戦場での攻防を通じて、現実のものとして形作られようとしています。

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