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「反インフレ経済勉強会」開講のお知らせ

インフレは税の一種です。しかも普通の税よりも悪質な税です。ところが、この事実はよく理解されていません。それどころか、多少のインフレはむしろ良いことだという嘘が、現在主流の国家主義的な、誤った経済学(ケインズ経済学)や、そこから派生した極端な説 (MMT=現代貨幣理論など) によっ...

2025-05-05

トランプ氏の大きな政府

ライアン・マクメイケン(ミーゼス研究所編集主任)

トランプ大統領と共和党多数の米議会が承認した新予算には、今後数年間で連邦政府支出全体が減少することをうかがわせるものは何もない。予算削減は盛んに語られるが、結局のところ、連邦政府の支出は常に絶え間なく増加し、多くの場合、肥大化した軍事予算がその先頭に立つ。
Federal Spending Is Only Going Up: Trump Pushes Trillion-Dollar Defense Budget | Mises Institute [LINK]
トランプ大統領就任後2カ月間の米財政赤字は、前年同期の5320億ドルから4670億ドルに縮小した。これは歳出の減少ではなく税収の増加による。歳入源が国債による将来の課税から現在の課税にシフトした。これは政府が課税で富を吸い上げることに、より成功したことを意味する。
The Federal Government Is Still on Track for a $2-Trillion-Plus Deficit | Mises Institute [LINK]

政府債務に取り組む戦略は2つしかない。第1は、政府支出を削減する。この戦略は「無償」に慣れ親しんだ有権者には人気がない。第2は、債務の履行拒絶に真剣に取り組む。現在の納税者は、何年も前に政治家が戦争その他の大失策のために負った赤字を返済する義務はないはずだ。
Don’t Pay Down the National Debt. Just Stop the Deficit Spending | Mises Institute [LINK]

現時点で、トランプがインフレを抑え込む健全通貨派になるという期待がまったくの希望的観測にすぎなかったことは明らかだ。トランプが好む金融政策は、バイデン、オバマ、ブッシュと変わらない。これら政治家にとっての「解決策」は、いつも金融緩和であり、金利引き下げだ。
Trump the Inflationist: He Wants More Easy Money from the Fed | Mises Institute [LINK]

インフレ政策は資産家の富裕層を優遇する一方で、物価高と所得減少を裕福でない人に押し付ける。トランプの低金利政策は、自由な市場で生じるよりもはるかに大きな不平等をあおっている。低金利政策は、低所得層よりも高所得層の可処分所得をはるかに急速に増加させるからだ。
Trump's Inflationist Monetary Policy Favors Wall Street over Main Street | Mises Institute [LINK]

2025-05-04

木村貴のヤバい政治経済(2025年、随時更新)

  1. ドイツのハイパーインフレ 破滅した人、大儲けした人(2025/01/06
  2. 古代ローマ帝国はインフレで滅びた(2025/01/07
  3. フランス革命、インフレが招いた恐怖政治(2025/01/09
  4. イカゲームに学ぶ 資本主義は殺人ゲーム?(2025/01/14
  5. 平凡な市場経済、それは奇跡だ!(2025/01/16
  6. 預金封鎖の悲劇 紙くずになった日本国債(2025/01/18
  7. ジンバブエのハイパーインフレ 大盤振る舞いの末路(2025/01/21
  8. ベネズエラのハイパーインフレ 社会主義の大惨事(2025/01/23
  9. 個性は分業を生み、繁栄をもたらす 「国富論」はここがヘン!(2025/01/25
  10. ハイパーインフレ・サバイバル術 ジンバブエに学ぶ(2025/01/28
  11. 預金封鎖サバイバル術 終戦直後の日本に学ぶ(2025/01/30
  12. 比較優位の法則とは? 超人ヒーローも取引で得をする(2025/02/01
  13. 金(ゴールド)が買われる本当の理由(2025/02/04
  14. さらば不換紙幣? ドルの没落、金の復権(2025/02/06
  15. トレードオフと機会費用 公共事業の見えないコスト(2025/02/08
  16. 株価を上げる原動力は◯◯の量! (ヒント)企業業績ではない(2025/02/11
  17. ハイパーインフレで株価はどうなる?(2025/02/13
  18. お金を刷っても楽園はできない 希少性って何だろう?(2025/02/15
  19. お金って何だろう? 孤島から考える(2025/02/18
  20. お金に国家は必要ない! 中世社会の事実(2025/02/20
  21. ダイヤは水よりなぜ高い? 限界効用で考えよう(2025/02/22
  22. 金と銀、どうしてお金になった? ピノッキオが理解しなかったその理由(2025/02/25
  23. 金本位制って何? ドル没落で再び脚光、真のグローバルスタンダード(2025/02/27
  24. 幸せの道しるべ、それは心のランキング 満足度は「量」でなく「順序」に注目(2025/03/01
  25. 本当は怖い信用創造 経済を不安定に!(2025/03/04
  26. 金利がゆがむと経済がゆがむ のび太とジャイアンの取引とは?(2025/03/06
  27. 経済に「等価交換」は存在しない! 価値が違うから、取引は生まれる(2025/03/08
  28. マイナス金利の幻想とツケ 「モモ」の思想が招いた経済のひずみとは?(2025/03/11
  29. ハイパーインフレより怖いもの(2025/03/13
  30. 金が再びお金になる日 価値保存の力、輝き増す(2025/03/15
  31. まだ信じてる? デフレは悪という嘘(2025/03/18
  32. 「反インフレ経済勉強会」開講のお知らせ(2025/03/18
  33. ああ勘違い! デフレは不況のことじゃない(2025/03/20
  34. 政府が金を没収する日 大恐慌の米、「非常事態」口実に強行(2025/03/22
  35. フォートノックスに金はあるのか? 米金融最大のタブー、市場の波乱要因に(2025/03/25
  36. 超大物中銀総裁が愛した金本位制 グリーンスパン氏、金融政策のお手本にしていた!(2025/03/27
  37. インフレの本当の意味って? 物価上昇じゃない!(2025/03/29
  38. 米政府、デフォルトの黒歴史 なぜ「なかったこと」に?(2025/04/01
  39. インフレは税だ! 最悪の税だ!(2025/04/03
  40. 偽金づくり、親玉は国家! ルパン三世が嫌った卑怯な犯罪(2025/04/05
  41. 大恐慌の影、輝き増す金 世界経済、トランプ関税で視界不良(2025/04/08
  42. 本当は怖い ケインズ5つの迷言 資本家に安楽死を!(2025/04/10
  43. ケインズ対ハイエク どっちが正しい? 経済に必要なのは介入か自由か(2025/04/12
  44. ドルの衰退、保護主義で加速 金の存在感、一段と(2025/04/15
  45. 好景気・不景気はなぜ起こる? 「犯人」は中央銀行(2025/04/17
  46. 不景気はなぜ良いか? バブルを正常に戻す!(2025/04/19
  47. 金融危機はなぜ起こる? 銀行ビジネスモデルに潜むもろさ(2025/04/22
  48. 国債デフォルトという選択 早いほうが痛みは小さい?(2025/04/24
  49. 財政破綻より怖いもの Nスペ「国債発行チーム」の正しい見方とは?(2025/04/26
  50. 「双頭の怪物」スタグフレーション、日本が退治できない理由(2025/04/29
  51. 減税がバラマキになるとき 国債頼みはごまかし(2025/05/01
  52. 赤字国債を今すぐやめよう! 禁止なのに大量発行、財政規律失う(2025/05/03
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2025-05-02

税控除をなくすな

マレー・ロスバード(経済学者)

所得税率を一律10%に引き下げるフラット課税を導入するなら、現行の控除や免税をすべて維持しよう。原則は明確でなければならない。税率の引き下げであれ控除の拡大であれ、すべての減税を支持し、税率の引き上げや免税の縮小には反対しよう。課税の弊害をつねに取り除こう。
Rothbard: The Myth of Tax "Reform" | Mises Institute [LINK]
政府が望む支出に税収がいつも足りないなら、どうやってその差額を補うのか。通貨供給の操作である。はっきりいえば、通貨偽造だ。偽造者は経済に偽札を持ち込むことによって、すべての人から通貨の価値を奪い、盗むことができる。その盗みは、追いはぎよりも経済を破壊する。
Rothbard: Essentials of Money and Inflation | Mises Institute [LINK]

公共部門は民間部門を補完するどころか、民間部門を養分とすることしかできず、民間経済に寄生する。これは社会の生産資源が消費者の欲求を満たすのではなく、無理やり遠ざけられることを意味する。経済の資源は消費者から、寄生虫のような官僚や政治家が望む活動へと流れる。
The Fallacy of the “Public Sector” | Mises Institute [LINK]

官僚の成功は、自分の長所について上司、議員、国民を説得するためにプロパガンダを用いるのが最も得意な者、そして大統領や高級官僚が聞きたいことを伝えれば出世すると理解している者にもたらされる。したがって、官僚の階級が上がれば上がるほど、イエスマンが増えやすい。
Why the Bureaucracy Keeps Getting Bigger | Mises Institute [LINK]

カルト思想は無神論的で反宗教的であっても、カルト宗教と同じ特徴を備えうる。ヒトラー、ムッソリーニ、スターリン、トロツキー、毛沢東のカルトは明白な無神論であるにもかかわらず、本質は宗教的だ。指導者崇拝、階層構造、忠誠心、心理的・物理的制裁などに明らかだろう。
The Sociology of the Ayn Rand Cult | Mises Institute [LINK]

2025-04-30

法人税は労働者の敵

ルートヴィヒ・フォン・ミーゼス(経済学者)

資本主義は賃金労働者の生活水準をかつてないほど向上させた。この幸福はすべて、貯蓄と資本蓄積の増加によってもたらされている。したがって、所得税や法人税のように、資本の蓄積を妨げ、資本の消耗さえも目的とするすべての政策は事実上、反労働者的であり反社会的である。
Wages, Unemployment, and Inflation | Mises Institute [LINK]
私有財産を制限し自由の尊重を拒む性癖は、政府機構を支配する人々の心理に深く根付いている。彼らが自発的にそれに抵抗することはできない。自由主義的な政府とは、形容矛盾である。政府は国民の一致した意見の力によって、自由主義を強制的に採用させられなければならない。
Governments Never Give Up Power Voluntarily | Mises Institute [LINK]

今日、多くの人がインフレと呼ぶのは、通貨供給の増加ではなく、その結果、つまり物価の上昇だ。インフレの結果にすぎない物価上昇と闘うという、無益で望みのない試みに取り組む人々は、インフレとの闘いを装っている。単に症状と闘うだけで、悪の根元と闘うふりをしている。
The Real Meaning of Inflation and Deflation | Mises Institute [LINK]

介入主義の本質は、没収と分配である。その根底にある考えによれば、豊かな人々の所得と富は、豊かでない人々の状況を改善するために自由に使うことができる財源である。それは永遠に搾り取ることのできる無尽蔵の泉だ。この泉が枯渇すれば、介入主義の教義はすべて崩壊する。
Mises Explains the Santa Claus Principle | Mises Institute [LINK]

企業家や資本家は、資本主義が繁栄していた時代には自由主義で特別な利益を守っていたが、今は介入主義で利益を守っているというのは、まったく成り立たないマルクス主義的な見解だ。企業家にはつねに、介入主義によって守られ、自由主義によって損なわれる特別な利益がある。
The Myth of the Failure of Capitalism | Mises Institute [LINK]

2025-04-28

国家は損得で動く

アーロン・ソブザック(ジャーナリスト)

対外介入論者はロシア、イラン、中国など敵対国の行動を、米国が十分に行動しなかったせいだという。国際社会の主体をおとぎ話のような善と悪に分類する。実際は、いかなる政府も利己的な考えから行動し、イデオロギーはその行動を正当化し、政治的支持を得る道具でしかない。
Realism as a Libertarian Foreign Policy | Mises Institute [LINK]
対外援助を削減しようとするトランプ大統領の試みは軍事支援に触れていない。イスラエル、ウクライナ、台湾などが主な支援先だ。大統領は最近、イスラエルに10億ドルの軍事装備と武器を送るよう命じた。この支援は米国を外国との紛争に巻き込み、政治家や国防請負業者を潤す。
Cuts to Foreign Aid Are a Good Start | Mises Institute [LINK]

トランプ大統領はウクライナの和平で私利私欲が頭にある可能性が高い。鉱物資源協定で経済的な利益を得るかもしれない。だがすべての政治家は利己的な考えを抱く。バイデン、ゼレンスキー、欧州の指導者も、どんな美辞麗句を並べようとも、公共選択の落とし穴と無縁ではない。
Russia and Realpolitik: Making Sense of the Trump-Zelensky Clash | Mises Institute [LINK]

バイデン政権最大の外交政策の失敗は、イスラエルによるガザ攻撃などを抑えられなかったことだろう。米大統領なら誰でも、テロ行為に報復するイスラエルの権利を支持しただろう。しかしバイデンは、ガザの市民が爆撃されるなか、イスラエルに記録的な額の援助と武器を与えた。
Joe Biden’s Failed Foreign Policy Legacy | Mises Institute [LINK]

中国がアジアでの影響力を自制するよう期待するのは現実離れしているし、全面戦争になれば米国自身やその他諸国に壊滅的な打撃を与える。対中攻撃をけしかけるのは危険である。経済制裁は効かないし、大国は私利私欲のために行動する。米国に中国との敵対を促すべきではない。
The Fentanyl China Bogeyman | Mises Institute [LINK]

2025-04-27

木村貴の経済の法則!(2025年、随時更新)

  1. 「イカゲーム」が語る2025年経済のキモ 資本主義はゼロサムじゃない(2025/1/6*臨時解説
  2. 経済って何だろう? 自然に生まれる秩序の不思議(2025/1/10
  3. 個性は分業を生み、繁栄をもたらす アダム・スミスは何を見落としたか?(2025/1/17
  4. 超人ヒーローも取引で得をする 比較優位って何だろう?(2025/1/24
  5. 公共事業の見えないコストとは? トレードオフと機会費用で考える(2025/1/31
  6. お金を刷っても楽園はできない 希少性って何だろう?(2025/2/7
  7. ダイヤは水よりなぜ高い? 限界効用で考えよう(2025/2/14
  8. 幸せの指針、心のランキングとは? 満足度は「量」でなく「順序」に注目(2025/2/21
  9. 経済に「等価交換」は存在しない 価値が違うから、取引は生まれる(2025/2/28
  10. 金が再びお金になる日 価値保存の力、輝き増す(2025/3/7
  11. 政府が金を没収する日 大恐慌の米、「非常事態」口実に強行(2025/3/14
  12. フォートノックスに金はあるのか? 米金融最大のタブー、市場の波乱要因に(2025/3/21
  13. 米政府がデフォルトした日 黒歴史、なぜ「なかったこと」に?(2025/3/28
  14. トランプ関税、大恐慌の影 世界貿易、縮小のリスク(2025/4/4
  15. ドルの衰退、保護主義で加速 金の存在感、一段と(2025/4/11
  16. 財政破綻より怖いものとは? Nスペ「国債発行チーム」の正しい見方(2025/4/18
  17. 「双頭の怪物」スタグフレーション、日本が退治できない理由(2025/4/25

2025-04-25

古典的自由主義は十分過激

リバタリアンと古典的自由主義者は相容れないという主張がなされる。これは歴史的な検証に耐えない。19世紀後半に自由主義の大御所だった仏経済学者モリナリは政府の必要性を否定し、英哲学者スペンサーは国家を無視する権利について無政府主義的な論文を書いたことで有名だ。
Why We’re Stuck with the Term “Classical Liberalism” | Mises Institute [LINK]

ハイエクの自由に関する法的制度の説明は、一種の英国中心主義を映している。イタリア共和国、ドイツの自由都市や、コンスタン、バスティアらフランスの自由主義者に至るまで、自由の法的伝統は英国のロック、コーク、権利章典よりもずっと以前から欧州大陸全域で栄えていた。
Beyond England: A Classical Liberal Critique of Hayek’s “The Origins of the Rule of Law” | Mises Institute [LINK]

自由主義は通常、最も広い意味での市場、つまり自発的な交換のネットワークが、持続的な制度や風俗を生むよう期待する。一方、保守主義は生命、自由、財産の単純な保護を超えた、特に宗教に対する支援を含む、不可欠な基盤が国家によって提供されなければならないと主張する。
What Is Classical Liberalism? | Mises Institute [LINK]

地方分権と権力分立は欧州史の特徴だ。ローマ帝国滅亡後、大陸を支配する帝国は現れなかった。欧州は競合する国家、公国、都市国家の複雑なモザイクとなった。支配者は互いに競争した。略奪的な課税や恣意的な財産没収に手を染めれば、生産性の高い市民を資本とともに失った。
The Rise, Fall, and Renaissance of Classical Liberalism | Mises Institute [LINK]

古典的自由主義の柱の一つは平和だ。戦争が好きであってはならないし、戦争が起こったとしても、英雄視してはならない。戦争は経済に良いといわれるが、実際はつねに資源の配分を誤り、破壊する。勝者でさえも敗北する。ランドルフ・ボーンいわく、戦争は国家の健康法である。
An American Classical Liberalism | Mises Institute [LINK]