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2026-01-02

社会主義が失敗する理由

リンク先の記事(ルートヴィヒ・フォン・ミーゼスの著書『社会主義(Socialism)』における「経済計算」の問題)について解説します。

この理論は、1920年に発表された論文「社会主義共同体における経済計算」に基づき、後に大著『社会主義』としてまとめられたもので、「なぜ社会主義(計画経済)は経済的に失敗せざるを得ないのか」を論理的に証明した、経済学史上で最も重要な批判の一つです。

主な論点は以下の通りです。

1. 経済計算とは何か?

経済計算とは、限られた資源(原材料、労働、土地、機械など)を、どの生産にどれだけ投入するのが最も効率的かを判断するための「計算」のことです。

  • 私たちの世界には無限のニーズがありますが、資源は限られています。

  • 鉄道を敷くのに、「金(ゴールド)」で作るべきか「鉄」で作るべきか。技術的にはどちらも可能ですが、どちらが経済的に合理的かを判断するには、共通の物差しが必要です。

2. 「価格」こそが唯一の羅針盤

ミーゼスは、合理的な経済計算には「貨幣価格」が不可欠であると説きました。

  • 市場経済では、消費者の需要と資源の希少性が「価格」として反映されます。

  • 起業家はこの価格を比較することで、コストを最小に抑え、価値を最大化する選択ができます。

3. 社会主義で「経済計算」が不可能な理由

社会主義体制では、生産手段(工場、土地、資源)がすべて公有化(国家所有)されます。これが致命的な問題を引き起こすとミーゼスは指摘しました。

  1. 市場の消失: 生産手段が国家のものであれば、それらを売り買いする「市場」が存在しなくなります。

  2. 価格の消失: 市場での交換がなければ、生産手段に対する「価格」が形成されません。

  3. 計算の不能: 価格がなければ、あるプロジェクトが利益を生むのか、あるいは資源を浪費しているのかを判断する客観的な数値(利益・損失)が出せなくなります。

4. 「暗闇の中の模索」

ミーゼスは、価格のない計画経済を「暗闇の中を歩くようなもの」と表現しました。

  • 中央計画当局がいかに優秀な統計学者を集めても、数百万種類に及ぶ生産財の相対的な価値を計算することは不可能です。

  • 結果として、社会主義経済は「生産」はできても「合理的な生産」はできず、膨大な資源の浪費と、人々のニーズとのミスマッチ(物不足や不要なものの大量生産)を招くと予言しました。

5. 結論と影響

ミーゼスのこの指摘は、当時「社会主義計算論争」を引き起こし、オスカー・ランゲなどの社会主義経済学者たちを窮地に追い込みました(彼らは後に、市場を模倣した疑似価格を使う「市場社会主義」を提案せざるを得なくなりました)。

要点まとめ:

「私有財産がなければ市場はなく、市場がなければ価格はなく、価格がなければ経済計算はできず、経済計算ができなければ合理的な経済は成り立たない」。これがミーゼスの下した結論です。

(Geminiを利用)
Economic Calculation from Mises's Socialism | Mises Institute [LINK]

2026-01-01

起業家の利潤と損失

この著作は、ミーゼスの主著『ヒューマン・アクション(人間の行為)』の一部としても知られ、市場経済における「利益」と「損失」が果たす不可欠な役割を解き明かしたものです。


1. 起業家的利潤の源泉は「不確実性」

ミーゼスによれば、利潤(利益)は、単に資本を投下したことへの報酬でも、単なる技術的なスキルの対価でもありません。

  • 不確実性への挑戦: 将来の市場(消費者の需要)がどうなるかは誰にも確実には分かりません。起業家は、その「不確実な未来」を予測し、リスクを取って資源を投入します。

  • 予測の的中: 起業家の予測が他の人々よりも正確で、消費者が望むものを効率的に提供できたときに初めて、売上から費用(労働、土地、資本のコスト)を差し引いた「残差」として利潤が生まれます。

2. 利潤と損失の「社会的な役割」

利益と損失は、単に個人の富を増減させるだけではなく、社会全体の資源を最適に配置するための「信号(シグナル)」として機能します。

要素社会的な機能
利潤(利益)消費者の満足度を高めた証拠。その起業家により多くの資源(資本)を任せるべきだという市場のサイン。
損失消費者が望まないものに資源を浪費した証拠。その起業家から資源を取り上げ、他へ回すべきだという市場の警告。

「市場の投票」: ミーゼスは、消費者が毎日行う購買行動を「投票」に例えています。消費者は買うか買わないかを通じて、誰を富ませ、誰を市場から去らせるかを決めています。

3. 他の収入との明確な区別

ミーゼスは、古典派経済学が混同しがちだった「起業家的利潤」を他の項目から厳密に区別しました。

  • 利子(Interest): 資本を貸し出すことや、時間の経過に伴う対価(現在価値と将来価値の差)。

  • 賃金(Wages): 起業家自身の労働に対する対価。

  • 起業家的利潤(Profit): これらすべてを支払った後に残る、不確実性を的中させたことによる純粋なプラス分。

4. 利潤に対する誤解の論破

ミーゼスは、利潤に対する一般的な批判を以下のように否定します。

  • 「利潤は搾取である」という説: 利益は他人の犠牲の上に成り立つものではなく、消費者に提供した価値の証明です。利益が出るということは、投入した資源の価値(コスト)よりも、生み出した製品の価値(価格)の方が高いと消費者が認めたことを意味します。

  • 「利潤は不当に高い」という説: 自由な市場では、高い利益が出る分野にはすぐに競合が現れます。利益は常に「不均衡」を解消する方向に働き、最終的には消費者がより安く、より良いものを手に入れられるように作用します。

5. 結論:利潤のない社会は停滞する

もし政府が介入して利潤を没収したり損失を補填したりすれば、市場の「信号」は壊れてしまいます。

  • 誰が有能で、どの資源をどこに使うべきかという判断基準が失われ、経済は混乱し、人々の欲求は満たされなくなります。


(Geminiを利用)
Entrepreneurial Profit and Loss | Mises Institute [LINK]