経済教育財団(FEE)名誉理事長、ローレンス・リード
(2021年1月8日)
「市民的不服従における偉大な瞬間」を簡単にリストアップしてみた。年代順に並んでいるわけではないし、これらがすべて歴史上の「最高」の例だとも言わない。少なくとも、考えるための興味深い材料にはなる。
Here’s a short list of what might be called “great moments in civil disobedience.” https://t.co/FJeLG5jrmD
— FEE (Foundation for Economic Education) (@feeonline) August 21, 2022
古代エジプトにおけるファラオへの反抗
旧約聖書の出エジプト記の第1章には、おそらく最古の市民的不服従の事例が記録されている。今から約3500年前のことだ。エジプトのシフラとプアという二人の助産婦が、ヘブライ人の男児を出生時に皆殺しにするというファラオ(エジプト王)の命令に背いたのである。彼女らは責任を問われたとき、その痕跡を消すために嘘をついた。出エジプト記によると、二人の助産婦の反抗は神を喜ばせ、神は助産婦らに報酬を与えたという。
ソフォクレスが描いたアンティゴネー
劇作家ソフォクレスは数々の文学的悲劇を書いたが、その中の一つにアンティゴネーの物語(フィクション)がある。テーベの王クレオンは、アンティゴネーが弟ポリュネイケースを埋葬するのを邪魔しようとする。アンティゴネーは、自分の良心がどんな王命よりも大切であると宣言した。彼女はその反抗心から死刑を宣告されるが、決して撤回することはなかった。
ユダヤと無辜の民の殺戮
新約聖書のマタイ伝によると、ユダヤ人のメシア(救世主)がベツレヘムで生まれたと聞かされたヘロデ王は、個人的に脅威を感じたという。そこでヘロデ王は、マギ(三賢者)に「ベツレヘムに行って赤ん坊を探し出し、報告せよ」と命じた。ご存じのように、マギはたしかにベツレヘムに行き、ヨセフ、マリア、赤ん坊のイエスに贈り物をしたが、その後ヘロデに従わず姿を消してしまった。怒った王は、ベツレヘム近辺の二歳以下の男児をすべて処刑するよう命じたのである。
ボストン茶会事件
1773年、英国議会は英国東インド会社に紅茶の貿易を独占させることを決定した。このことと「代表者なき課税」がきっかけとなり、サミュエル・アダムズをはじめとする愛国者たちは、有名な「ボストン茶会事件」を起こす。夜陰に乗じて英国船に乗り込み、積み荷の茶をボストン港に投げ入れたのである。その3年後、市民の不服従は独立宣言へと発展し、英国とアメリカ植民地との間に戦争が勃発した。
ガンジーの塩の行進
英統治下のインドでは、英企業が独占的な特権を享受していた。1882年、塩法が制定され、インド人は主食である塩の採取や販売を禁じられた。この法律と英支配に対する反発から、1930年、モハンダス・ガンジーは有名な塩の行進を行った。大勢のインド人がガンジーの後に続き、アラビア海まで約386キロメートルにわたって平和的な抗議を行った。5万5000人以上が逮捕されたが、結局、インドは1947年に独立を果たした。
ゾフィーとハンス・ショルの英雄的な抵抗
ミュンヘン大学の学生だったゾフィー・ショルと兄のハンスは、1942年、ヒトラーの権力の絶頂期に、「白バラ抵抗運動」を結成した。彼女らは、ナチスの支配とユダヤ人に対する残虐行為を非難するビラを何千枚と印刷し、配布した。決して暴力を振るうことなく、政権への支持を弱めるために活動した。しかし最後は逮捕され、裁判にかけられ、処刑された。2005年に公開された映画『白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々』では、ゾフィーらの物語が悲しくも美しく描かれている。
(次より抄訳)
11 of the Most Memorable Acts of Civil Disobedience in History - Foundation for Economic Education [LINK]
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