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2026-04-06

NATOを手放せない米帝国

End of NATO? The Military Bloc Is an Essential Tool for U.S. Warmongering - LewRockwell [LINK]

【海外記事より】米大統領が、欧米秩序の柱とされる北大西洋条約機構(NATO)に対し、公然と軽蔑の意を示しています。トランプ大統領は今週、NATOを「張子の虎」と呼び、脱退を示唆する発言を行いました。これに対し、ヨーロッパの同盟国側は「保護者」に見捨てられることを恐れ、戦々恐々としています。80年にわたり欧米関係を規定してきた大西洋同盟には、確かに歴史的な亀裂が生じています。しかし、軍事的・政治的な道具としてNATOを利用するアメリカの好戦的な姿勢を考えれば、同盟がすぐに終焉を迎えると判断するのは時期尚早です。

今回の緊張の再燃は、トランプ大統領による無謀なイラン攻撃に端を発しています。5週間にわたる壊滅的な紛争を経て、大統領は予期せぬ反動に直面しているようです。彼は国民向けの演説でイランに対する「勝利」を誇示しましたが、現実は甘くありません。イランはホルムズ海峡を5週間にわたって封鎖し続けており、世界の石油供給を遮断することでアメリカを含む国際経済に大混乱を招いています。その結果、トランプ氏の支持率は急落しました。大統領は、ヨーロッパの同盟国がイランやイスラエルによる攻撃に加わらないことに憤慨し、彼らを「臆病者」と罵り、NATOがアメリカを裏切ったと非難しています。「ウクライナでは助けてやったのに、対イランでは協力しない」というのが彼の言い分です。

アメリカの宣伝工作を信じる多くの国民と同様、トランプ氏は自国を同盟国の「恩人」や「守護者」であると考えています。国防費の6割から7割をアメリカが負担していることを根拠に、その寛大さが恩知らずな国々を守っていると主張します。しかし、NATOの真の姿は1949年の結成以来、ヨーロッパを軍事化し、アメリカが大陸に膨大な軍事力を維持するための口実を提供することにありました。この軍事的プレゼンスこそが、第二次世界大戦後のアメリカ型資本主義のエンジンである軍産複合体を支えてきたのです。表向きはソ連からの防衛を掲げていましたが、実態はワシントンが主導する「みかじめ料」を要求するような利権構造であり、ヨーロッパの政治・経済的な独自発展を阻み、ロシアとの正常な関係構築を妨げるための装置でした。

トランプ氏の不満は、この利権構造をさらに強化したいという点にあります。「金を払わなければ窓ガラスを叩き割るぞ」というマフィアのような脅しは、ある意味で成功しており、ヨーロッパ諸国は社会開発を犠牲にして、F35戦闘機などのアメリカ製軍備への支出を2割も増やしました。1991年にソ連が崩壊した後、NATOはその役割を終えて解散すべきでしたが、逆に加盟国を倍増させ、ロシアの国境へと拡大し続けました。これは、この同盟の真の目的がアメリカの軍事力を投影し、ロシアを威嚇することにあることを裏付けています。トランプ氏はウクライナ紛争を「アメリカが騎士道精神で介入した欧州の問題」と捉えていますが、実際にはアメリカがNATOを道具として使い、2014年のクーデター以来、ロシアに対する代理戦争を仕掛けてきたのが実態です。

NATOは過去80年間、ユーゴスラビア、イラク、アフガニスタン、リビアといったアメリカの違法な戦争に対して「国際的な合意」という見せかけの正当性を与えるための政治的・兵站的ツールとして機能してきました。トランプ氏がどれほど不満を漏らそうとも、アメリカの帝国主義的なディープステートがこの便利な戦争マシンを手放すことは考えにくいでしょう。大統領が一時的な感情で脱退を口にし、同盟国を侮辱したとしても、アメリカの好戦的な姿勢が世界の脅威であり続ける限り、NATOは軍事資本主義の道具として存続し続けるでしょう。この組織が真に崩壊するのは、アメリカによる帝国主義的な脅威そのものが消滅する時だけなのです。

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