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2026-04-06

空爆万能の幻想

The Pentagon Has An Air Power Addiction | The Libertarian Institute [LINK]

【海外記事より】アメリカ国防総省が抱く「空軍力への依存」という幻想が、現在のイラン紛争で大きな壁に突き当たっています。現在、「壮絶な怒り作戦」の開始から1カ月以上が経過しました。アメリカとイスラエルはイラン国内の1万2300以上の目標を攻撃し、8000回を超える出撃と850発以上のトマホーク巡航ミサイルを投入しています。最高指導者アリ・ハメネイ師や実質的な指導者と目されていたアリ・ラリジャニ氏も死亡しましたが、イランの抵抗は終わっていません。最新のインテリジェンス評価によれば、連日の猛爆にもかかわらず、イランのミサイル発射台の約半分、そして数千機の自爆ドローンが依然として健在です。革命防衛隊の海軍も能力の半分を維持しており、数百から数千の小型艇や無人艇が地域に混乱をもたらす準備を整えています。

この事態は、空軍力の歴史を研究してきた専門家たちにとっては驚くべきことではありません。シカゴ大学のロバート・ペイプ教授は、第一次世界大戦以降のあらゆる空爆作戦を分析した結果、「地上軍を投入せず空軍力だけで政権を打倒できた例は、過去100年以上一度もない」と断言しています。精密誘導兵器の時代になってもその結論は変わりません。空爆が失敗するのは技術的な問題ではなく、政治的な理由によるものです。爆撃は対象国の政府や社会にナショナリズムを呼び起こし、かえって団結を強めてしまいます。その結果、政権交代はほぼ不可能になり、むしろ以前よりも反米的で危険な指導者を生み出すという、政治的に自己破壊的な戦略に陥るのです。

同様の教訓は、ベトナム戦争でも証明されています。アメリカは9年間で800万トンもの爆弾を投下しましたが、ゲリラ戦を展開する相手に対して空軍力は目的を達成できませんでした。また、コロンビア大学のスティーブン・ビドル教授は、いかに精密兵器が進歩しても、決固たる意志を持つ敵を屈服させるには地上軍と空軍の連携が不可欠であると指摘しています。さらに、民間人への爆撃が抵抗の意志を砕くどころか、かえって国民の回復力を強化してしまうことは、第二次世界大戦時のドイツや日本に対する調査でも明らかになっています。空爆によって国民が政府に対して降伏を要求するような蜂起が起きるという期待は、歴史的に見ても幻想に過ぎません。

トランプ政権が直面している不都合な真実とは、もし目的がイランの政権交代であり、空軍力でそれが達成できないのであれば、論理的な帰結として「地上侵攻」しか選択肢が残らないという点です。しかし、9000万の人口を抱え、外国の侵略を阻むために設計された険しい地形を持つイランへの地上侵攻は、アメリカの国益には到底かないません。そもそも、過酷な制裁やソレイマニ司令官の暗殺といったアメリカ側の行動が、現在の敵対関係を増幅させてきた側面があります。現在の作戦を継続すれば、より好戦的でリスクを厭わない次世代の指導者を生むだけです。政権内では「2週間で終わる」という楽観的な見通しも語られていますが、現場の分析官はそれを「正気ではない」と一蹴しています。アメリカは今、達成不可能な目的を認めて交渉に入るか、あるいはさらなる泥沼の地上戦へと突き進むかという、極めて困難な選択を迫られています。

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