元米下院議員、ロン・ポール
(2024年11月11日)
トランプ氏がクリーブランド以来の米大統領返り咲きを決めた2日後、米連邦準備理事会(FRB)は金利を0.25%引き下げると発表した。この発表に続いてパウエル議長は記者会見を開き、任期が切れる2026年5月までに退任するよう求める大統領の要請には応じないと述べた。
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— Ron Paul Institute (@RonPaulInstitut) November 11, 2024
パウエル議長は、大統領にはFRB議長を解任する法的権限がないと主張した。したがって、トランプ大統領がパウエル議長に「お前はクビだ」と言った場合、パウエル氏は裁判所にトランプ大統領の行動を再検討するよう求める訴訟を起こす可能性がある。
トランプ氏とパウエル議長は、金利変更など重要な措置を講じる前にFRBが大統領と協議するよう義務づけるというトランプ氏の意向を巡って対立している。同議長は、金融政策の策定において大統領に何らかの公式な役割を与える法案を議会が否決するよう説得するため、全力を尽くす可能性が高い。要するにパウエル議長はFRBの独立性を非常に重視しており、FRBの監査にも、独立性を脅かす可能性があるという理由で反対している。監査法案には、金融政策の実施に関して大統領や議会に新たな権限を与える内容はないにもかかわらず、である。
FRBが金融政策に関して大統領と協議するよう義務づけると、物価上昇とドル安が進む可能性が高い。政治家は通常、低金利を好む。低金利を経済成長に結びつけて考えるからだ。政治家はまた、政府が巨額の債務を積み上げ続けられるようにFRBが低金利を維持するよう望んでいる。財政ファイナンス(財政赤字の穴埋め)を行う準備と意志、能力のある中央銀行がなければ、福祉戦争国家は存在しえない。
パウエル議長や他の中央銀行擁護派の主張にもかかわらず、FRBは政治圧力から逃れたことは一度もない。トランプ氏がパウエル議長について「意地悪なツイート」を投稿し始めるずっと前から、大統領たちはFRBに影響を与えようとしていた。FRBに大統領との協議を義務づければ、少なくとも金融政策に影響を与えようとする大統領の努力はオープンで透明になるだろう。
トランプ氏やウォーレン上院議員(マサチューセッツ州選出)らFRB批判派は、自分たちがFRBよりも「正しい」金利を決定できると考えている。金利がお金の価格であり、他の価格と同様に、常に変化する様々な要因によって形成されるという事実を無視しているのだ。FRBが金利を操作すると、投資家に送られるシグナルがゆがめられる。その結果、好景気・不景気の経済循環が生まれる。不換紙幣制度は所得格差の拡大やドルの購買力の低下にも責任があり、ほとんどの米国人の生活水準を低下させている。
トランプ次期大統領は、FRBが金利を低く抑える必要性をなくすよう努力すべきだ。軍産複合体から始めて、大規模な支出削減に取り組むことで、それが可能になる。また、議会にFRB監査法案を可決するよう働きかけるべきだ。トランプ氏はさらに、競合するすべての通貨の合法化を支持すべきだ。今度の税制改革法案には、貴金属と暗号通貨をキャピタルゲイン課税から免除する条項を含めるべきだ。米国を再び偉大にするためのカギは、お金を再び自由にすることだ。
(次を全訳)
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【感想】リバタリアンは現実離れした夢想家だといわれることがある。たしかに、たとえばロン・ポール氏が持論とする中央銀行廃止は、実現不可能な夢物語だと思われるかもしれない。しかし何か問題を解決するためには、まず最終ゴールを示す必要がある。そうやって初めて、そこに至る適切な手順や補強手段を考えることができる。ポール氏が挙げるFRBの監査や貴金属と暗号通貨へのキャピタルゲイン課税免除はその例だ。
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