ミーゼス研究所編集主任、ライアン・マクメイケン
(2024年11月7日)
2024年の米大統領選は終了し、一部の州では大多数の人が勝者のトランプに投票した。ワイオミング州ではトランプが72%の票を獲得した。実際、13州で投票者の60%以上がトランプに投票した。これらの州の大多数にとっては幸運なことに、自分が投票した大統領を得ることになる。
The current system is based on the idea that even if whole regions of the country vote overwhelmingly against a president, they are still forced to submit to four years of that president’s rule-by-decree. | @ryanmcmakenhttps://t.co/qxfJ7YWRvV
— Mises Institute (@mises) November 7, 2024
しかしペンシルベニア、アリゾナ、ミシガン各州で100万人弱の人が投票を変えていたら、ハリスが次期大統領になっただろう。ハリスに60%以上の票が集まったのはマサチューセッツ州の1州だけだったにもかかわらず。
2012年、ロムニーは9つの州で60%以上の票を獲得した。ユタ州では72%にも達した。しかし結局、こうした圧倒的多数は意味をなさず、ユタ、オクラホマ、アラバマ、その他多くの(ロムニーが多数だった)州の住民が得た大統領はオバマだった。
評論家や政治家は「民主主義とは人々の声」「多数派の意志」と言う。しかし全国的にはわずかな多数派が、多くの州で圧倒的多数派を無効にする場合、それがどのように「多数派の意志」を表すのか、理解に苦しむ。
これらの「ルール」は、大統領が国内でほとんど権限を行使しなかった時代に作られたものだ。19世紀初め、大統領は議会の承認なしに国内でほとんど何もできず、その権限さえもわずかだった。しかし今日では、大統領は各州内で大きな権限を行使している。
この制度の不条理・不公平は、州の過半数が大統領やその政策にどれほど反対しても、どの州も州の一部も連邦から離脱することは決して許されないという事実によって、一層明らかになる。
州の3分の2の多数が連邦政府に対して何度も反対票を投じたとしても、ただ黙って、行政機関が決めたことは何でも受け入れるしかない。「ルールはルール」なのだ。
民間ではありえないことだ。会社の経営陣がどんなに意に反する行動をとっても、株を売って会社を去ることは決して許されないとしたら? 組織のリーダーがどんなに会員を騙しても、会費の支払いをやめることは決して許されないとしたら?
中央政府が州の有権者の大多数をどれだけ無視しても、決して(連邦から)立ち去ることは許されない。税金の支払いをやめることは絶対に許されず、あなたの考えなど気にもとめない連中を支えなければならない。
ただ一つの解決策は、地方分権と分離独立、現在の政治システムの解体にある。トランプの返り咲きはこれらを根本的に変えるものではない。トランプが2期目で反体制の夢の候補者になったとしても、2028年の選挙はわずか数年先だ。
現状を受け入れることは、遠く離れた連邦の官僚があなたの地域に政策を指図し続けるよう許すことだ。残念ながら、多くの人が中央政府を支持し続けるだろう。「ルールはルール」というプロパガンダが非常にうまく機能しているからだ。
(次を抄訳)
National Elections Expose the Sham that Is Centralized "Democracy" | Mises Institute [LINK]
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