2016年2月4日木曜日

〔本〕黒田基樹『百姓から見た戦国大名』


侵掠のための国家


戦国大名を英雄として描くテレビドラマなどでは語られない、驚くべき事実。戦国大名を度重なる戦争に駆り立てたのは、戦国時代に慢性化した飢饉だった。飢えから逃れたい民衆(百姓)の後押しを受け、戦国大名は攻め入った敵国で掠奪の限りを尽くした。現代日本国家の起源は、侵略戦争を目的に形成された戦国大名の領国にあると著者はみる。一方、民衆は自分たちを守る能力のない大名をあっさり見捨て、より有能な大名に乗り換えていたという。国家や国防の本質について考えさせてくれる本。

<抜粋とコメント>

"戦国大名があれほどまで侵略戦争を続けた根底には、慢性的な飢饉状況があったとみても、的はずれではなかろう。常に侵略戦争を繰り広げていた武田信玄や上杉謙信は、その典型"
# 飢えと侵掠。市場なき社会の悲劇。

"御国のために、という……論理は、戦国時代に、戦国大名が領国内の村々に、大名の戦争に協力させようと、生み出したものだった。"
# お国のために死ねという言葉はあっても、生きろという言葉はない。

"村は…その領国に住んでいる、というそれだけで、大名の戦争に動員される事態に直面するようになった。…現代の私たちが認識する国家は…この戦国大名の国家から展開してきたもの"
# 国家とは戦争の申し子。

"現在みられるような国家への奉公=忠節が、決して国家が本来的に備えていたものではなく、あくまでも歴史的に形成されたもの"
# 国家に忠誠を尽くすのは、全然当たり前ではない。

"村にとっては、自村の存立こそが最大の課題であり、そのためには…誰であってもいいから、ただ強い領主に従うのみといって、村の存立を保障してくれる大名・領主を選択した。"
# 無能な政府より有能な防衛会社を。

*寸評はアマゾンレビューにも投稿。
*抜粋とコメントはツイッターより転載。

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