2015年2月20日金曜日

金本位制は不合理か

ルートヴィヒ・フォン・ミーゼス(オーストリア出身の経済学者)
――金本位制について。(1949年)
金本位制は、資本主義の時代における世界標準であった。幸福、自由、政治的・経済的な民主主義を増進した。自由貿易の支持者からみて、金本位制の卓越した点は、それがまさしく、国際貿易と国際資金・資本市場における取引に欠かせない国際標準であるというところにあった。金本位制という交換の媒介により、西洋の産業主義と西洋の資本が地の果てまで西洋文明を運び、そこここで古くからの偏見や迷信という足かせを打ち壊した。新しい生活と新しい幸福の種をまき、精神と魂を解き放ち、未曾有の豊かさをもたらした。金本位制とともに、西洋の自由主義に空前の進歩がもたらされた。遠からず、あらゆる国がまとまって一つの共同体となり、自由な国どうし、平和のうちに協力するようになるはずだった。
# 今の世の中で金本位制の復活などを唱えれば、変人扱いされるのが関の山だろう。しかしわずか百年前までは逆だった。ミーゼスが言うように金本位制は資本主義の黄金期を支えた当時のグローバル・スタンダードであり、金と交換できない紙幣はせいぜいのところ、戦争など急場しのぎの便法としか思われていなかった。だから第一次世界大戦で一時停止された金本位制に、先進各国が曲がりなりにも復帰を急いだのは当然だった。現代の不換紙幣信者はそれを「金本位制心性」と呼び、不合理な衝動であるかのように嘲笑する。そして金本位制への執着が不況をもたらしたと言い募る。ある意味、それは正しい。金本位制とはマネーの洪水によるうわべだけの好況を防ぐ仕組みだからである。しかし今やその仕組みは失われ、裏づけのない紙切れと電子のマネーが恐るべき勢いで積み上がり、世界経済を危機の淵に追い詰めている。不合理なのは金本位制か、それとも不換紙幣か。答えは徐々に明らかになろうとしている。(木村)
The gold standard was the world standard of the age of capitalism, increasing welfare, liberty, and democracy, both political and economic. In the eyes of the free traders its main eminence was precisely the fact that it was an international standard as required by international trade and the transactions of the international money and capital market. It was the medium of exchange by means of which Western industrialism and Western capital had borne Western civilization into the remotest parts of the earth’s surface, everywhere destroying the fetters of age-old prejudices and superstitions, sowing the seeds of new life and new well-being, freeing minds and souls, and creating riches unheard of before. It accompanied the triumphal unprecedented progress of Western liberalism ready to unite all nations into a community of free nations peacefully cooperating with one another.
- Ludwig von Mises

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