2015年2月23日月曜日

野蛮な保護貿易

ハーバート・スペンサー(英社会学者)
--保護貿易について。(1882年)
「外国人に依存したくない」という欲求は、軍事型社会に似つかわしい。国際紛争のせいで外国から必需品の供給が途絶えるおそれのあるかぎり、どうしても国内でこれらの必需品を作る力を確保し、その目的に必要な社会構造を維持しなければならない。だから軍事活動と保護貿易政策の間には明らかに直接のつながりがある。
# 先日のエントリーで軍事評論家、田母神俊雄氏の「これ以上自由貿易というのは我が国にとってメリットがない」という文章を経済学に無知な例として紹介した。貿易にメリットがあるかないかはそれぞれの日本人が判断することであって、田母神氏が「これ以上」は良いとか悪いとか言えることではない。ただし経済の道理を無視すれば、田母神氏の言い分にはそれなりの根拠がある。政治家や高級軍人は一般国民と違い、市場で取引をして稼ぐことを知らない。彼らの富の源泉は、課税でなければ、国際紛争である。だから互いに外国を信頼できず、貿易による外国への「依存」を恐れ、自給自足を理想とする。暴力を嫌うスペンサーは、人間の社会は時代とともに軍事型社会から産業型社会に進化すると説いたが、残念ながら今の日本や世界は、野蛮な軍事型社会と保護貿易への回帰を目指しているようである。(木村)
Whence it follows that the desire "not to be dependent on foreigners" is one appropriate to the militant type of society. So long as there is constant danger that the supplies of needful things derived from other countries will be cut off by the breaking out of hostilities, it is imperative that there shall be maintained a power of producing these supplies at home, and that to this end the required structures shall be maintained. Hence there is a manifest direct relation between militant activities and a protectionist policy.
- Herbert Spencer
出所:oll.libertyfund.org

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