防衛にとって重要なのは国の規模ではなく、豊かさだとエコノミストのライアン・マクメイケンは指摘する。
豊かな社会は重要で高価な兵器を購入できるし、戦争の素人である一般国民を徴兵で集める代わりに、高度に訓練されたプロの軍隊を維持できる。外国の傭兵を雇うこともできるし、敵対国の要人を賄賂で買収することもできる。
また豊かな社会では、政府が認めるかぎり、国民が個人や小組織レベルで武装することができる。これは政府軍とともに、二段構えの防衛力となる。
世界を見渡せば、大国に近接していながら侵略を受けず、独立を保ってきた小国は少なくない。フランスの隣のモナコ、ドイツの隣のルクセンブルク、イタリアに囲まれたバチカン市国、米国と目と鼻の先のコスタリカなどだ。
大国の政府がとくに道徳的に立派だから侵略をためらったわけではない。侵略は不正で、それに抵抗するのは正しいという国内外の輿論を無視できなかったのである。
物質的な豊かさと、侵略を許さない国民の高い士気と国際輿論の後ろ盾があれば、小国が独立を守ることはけっして無理ではない。
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