6月15日は「マグナ・カルタ(大憲章)」の制定から800周年。同文書が署名されたロンドン西郊ラニーミードで記念式典が行われ、英国のエリザベス女王やキャメロン首相、米国のリンチ司法長官ら数千人が参列した。
マグナ・カルタは英国の立憲主義や世界の人権思想の礎とされる文書として有名だ。しかし制定直後に起こったことは、一般にはあまり知られていない。
みずからの権限を制限する文書に署名を強いられたジョン王は傭兵を雇い、署名をさせた貴族たちの虐殺を企てたのである。さらに、ジョン王を支持するローマ教皇インノケンティウス3世によって、マグナ・カルタは廃棄を命じられた。
マグナ・カルタを源流とする近代憲法は、政府権力を縛るルールとしてそれなりの意味はある。しかし問題は、政府が警察・軍隊など国内の武力を完全に握っていたら、いつルールを無視して国民の権利を犯してもおかしくないことだ。
政府に憲法を守らせることは大切だ。しかしそれ以上に、政府、とくに中央政府に強大な武力をもたせないよう用心しなければならない。
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