情報機関はしょせんお役所
昨年惜しくも死去した著者の処女作。政府の情報機関が全知全能の神などではなく、非効率な官僚組織にすぎないことを強調し、組織に翻弄されるスパイの姿を描く。「日本版CIA」が必要と信じている人は、読んで目を覚ますべし。
<抜粋とコメント>
"いいか、どんなことがあっても国家や組織なんかを信用しちゃあならん!これほど簡単に人間を裏切るものは他にないんだからな!"
# 国家に尽くし裏切られた老スパイの苦い教訓。スパイ以外の国民にとっても。
"組織の中でも、とくに情報機関はとことん疑ってかかる必要がある!たいそうな目的を掲げてるくせに、やることなすことと言ったら組織の維持だけだ。"
# CIAもしょせんお役所。
"敵国人を収容所の中にぶち込むのはあたりまえじゃないか。みな殺しにしてもよかったんだ。"
# この敵国人とは日系米国人のこと。つまり立派な米国人。政府は国民を守ってくれない。
"局も組織が肥大化している。局が完全に一体化して、ことを行なえる時代は過ぎた。"
# 国鉄や郵便局だけが不効率で、スパイ組織や軍隊だけは効率的という理由なし。
"この国の情報組織はもうばらばらだ。それぞれの組織が勝手に肥大化して、たがいにセクショナリズムでがんじがらめになっている。"
# それでは意見調整のため、もうひとつ組織を作ろう……
*寸評はアマゾンレビューにも投稿。
*抜粋とコメントはツイッターより転載。
0 件のコメント:
コメントを投稿