2015年6月5日金曜日

経済予測はあてになるか

経済メディアでは毎日のように、世界各国や地域の経済成長予測が伝えられ、それを専門家がもっともらしく解説してみせます。しかしこの予測、果たしてどれほど意味があるものなのでしょうか。

複雑な数理モデルを使えば経済の将来を予測できるという考えは誤りです。なぜなら経済学の対象である人間は、自然科学の対象である物質と異なり、同じ刺激に対して同じ反応を示すとは限らないからです。

フランスの古典派経済学者ギヨーは経済学における数学の利用に反対で、経済学に数学を導入したワルラスを厳しく批判しました。それにもかかわらず、ギヨーは経済予測をよく的中させました。

このため、優雅な数理経済モデルを考案したワルラスやパレートを高く評価したシュンペーターでさえ、こう認めざるをえませんでした。「もし私が実業家であり政治家であって、たとえば来たるべき六カ月間における雇用とか金属の価格とかの見通しについて教えを受けようとするなら、私はパレートよりもギュヨー――彼は実際の診断における名工であった――と相談したはずである」(『経済分析の歴史』下巻、岩波書店、175頁)


ところが今や経済学は、自然科学の方法を適用しようとする実証主義に支配されています。経済学者は、ともすればモデルの論理的一貫性を気にかけるよりも、過去のデータを予測に役立てるモデルの考案に明け暮れがちです。

しかし方程式からは個人がどのように行動するかについて何もわからないし、したがって経済の仕組みもわかりません。もし優れた経済予測をしたければ、人間行動の基本法則を習得しなければなりません。そうして初めて、数値や経験的事実を正しく解釈できるようになるのです。

参照記事: Don’t Trust the Economic Oracles

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