ユーロとのつながりを断ったら、ギリシャは新通貨を金に固定すべきである。
- フランク・ホレンベック(エコノミスト、2015年)
ギリシャの債務問題でユーロ圏が揺れている。スイスの大学で教鞭をとるホレンベックは、ギリシャ政府に5段階の大胆な解決法を提案する。
(1)国債の支払い拒否。ギリシャは現在財政がほぼ黒字で、欧州連合(EU)に政府支出を援助してもらう必要がない。
(2)政府支出の大幅削減。ギリシャの銀行から預金が流出した場合、政府には救済する資金が足りない。このため高額な公務員給与を半分に減らし、資金を捻出する。
(3)銀行業の真の自由化。銀行危機の原因は、普通・当座預金の払い戻しにいつでも応じると約束しておきながら、大半を融資に回して利息を稼ぐいびつな仕組みにある。手数料をもらってお金を安全に保管する「預金銀行」と、リスクを承知で利息を狙う「融資銀行」を明確に分けたうえで、それぞれ自由に競争させる。
(4)通貨の競争。通貨同盟を離脱し、新ドラクマを発行した後も、国民にはユーロの利用を禁止せず、自由にどちらでも使えるようにする。
(5)金本位制の採用。新ドラクマを金と固定価格で交換できるようにする。これにより政府が紙幣を乱発して支出に充てるのを防ぐ。ギリシャの金準備は現在多くないが、第一次世界大戦後のドイツにならい、初めは金以外の商品(ドイツはライ麦パン)に固定してもよい。
以上のような改革は、最初はギリシャに厳しい選択となるが、将来の問題を避けることができるとホレンベックは述べる。西洋文明を切り拓いた国にふさわしく、借金まみれの欧州経済から脱するさきがけとなってほしいものだ。
Once the tie to the euro is broken, Greece should then fix its new currency to gold.参考記事:ユーロの悲劇
- Frank HollenbeckSaurce: mises.org
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