社会に出回る通貨と当座預金の量が増えるにつれ、商品とサービスの価格は全般に上昇する。企業は景気がよくなる。しかしそうした好景気は通貨と信用の膨張によって人為的に作り出されたもので、永遠には続かない。早晩終わりを迎えなければならない。世界同時株高の様相が強まり、景気も上向く兆しを見せている。しかし素直には喜べない。株高は世界的な金融緩和政策に支えられた可能性が大きいからだ。- ルートヴィヒ・フォン・ミーゼス(経済学者、1951年)
2月は中国が預金準備率を引き下げたのをはじめ、イスラエル、インドネシア、スイス、オーストラリア、ヨルダン、トルコ、デンマーク、インドが金融政策を緩和した。今年に入り、金融緩和した国・地域は20に及ぶという。なかでも中国が3月1日付で政策金利を引き下げたことで、同国も通貨安戦争に本格参入したとの見方が強まった。
政治家は国民の人気を得るため景気を良くしようとする。その方法はある。中央銀行を通じて金融を緩和し、社会をカネでジャブジャブにすることだ。そうすれば景気は良くなる。株価も上がる。ただしミーゼスが言うように、そのような空景気は長続きしない。いつか反動で不況に突入する。
しかし政治家はそれで構わない。選挙のときさえ景気が良ければ、それでいいのだから。いや、もしタイミング悪く反動不況に陥ったとしても、したたかな政治家はそれを他の誰かの責任にし、不況を政府の力で克服してあげますと国民に約束してみせる。そして人為的な好況と不況が不毛にも繰り返され、経済は疲弊してゆく。
As the quantity of money in circulation and deposits subject to check increases, there prevails a general tendency for the prices of commodities and services to rise. Business is booming. Yet such a boom, artificially engineered by monetary and credit expansion, cannot last forever. It must come to an end sooner or later.関連記事:政府が起こした大恐慌- Ludwig von MisesSource: libertyfund.org
0 件のコメント:
コメントを投稿