2023-03-10

ロシアがカナダに軍事支援したら?

米経済学者、ウォルター・ブロック
(2023年3月6日)

もし米国がカナダと戦争したらどうなるだろう。笑ってはいけない。アニメ「サウスパーク」では、1話まるまる使ってこのような紛争を描いている。いつもの鋭い洞察力でこのような事態を描くことができれば、実際に起こりうることだ。また、ロシアがカナダの味方をしたとする。ロシアは米国に宣戦布告はしなかったが、カナダを支援するために、それ以外のあらゆることを行った。戦車、戦闘機、弾薬をカナダに送り、米国からの不当な侵略と思われるものを撃退するために、カナダを支援したとする。
米国はどう反応するだろうか。はっきりさせるのは難しい。この種の歴史シミュレーションには困難がつきものだ。しかしこの難題に挑戦し、想像力を飛躍させてみよう。米国の指導者たちは、決して愉快な仲間たちではなかっただろうと推測するのである。米国は、完全に北米の問題だと考えることについて、ロシアが弱者を支援することを祝福するどころか、憤りを覚えるだろう。この純粋に地域的な問題は、ロシアの熊には関係ないことだと思うだろう。

さいわい、この結論を導くのに、想像力に頼る必要はない。キューバ・ミサイル危機という歴史的事実があるからだ。米国は、ロシアが自国の海岸から90マイル離れた場所にミサイルを設置することを、まったく好意的に見なかった。むしろ、その逆だ。米国はこの事態を非常に不愉快に思い、キューバ全体を海軍で封鎖した。少なくともいくつかの正規の辞書では、これは実際の戦争行為だとされる。

そう、相手の目を通して物事に向き合うことは難しい。そのようなことをするためには、特別な意志と、並外れた知力がいる。しかしロシアが、米国とその同盟国によるウクライナの武装支援などを、カナダとの仮想戦争におけるロシアのカナダ支援と同じようにとらえていることは明らかだ。

1991年にソ連が解体した際、ワルシャワ条約機構も解体された。冷戦の終結とともに、北大西洋条約機構(NATO)も解体されるはずだった。それが西側諸国による約束だった。しかし、そのようなこと起こらなかった。それどころか、NATOの東方への進撃はとどまるところを知らなかった。ウクライナは、米国にとってのキューバよりも、はるかにロシアに近い国である。米国が今やっていることは、実際の戦争行為にあまりにも近いと言わざるをえない。もし米国が誠実で、憲法に則って行動するならば、今頃はロシアに対して宣戦布告をしていることだろう。幸いなことに、米国はまったく誠実ではない。よかった。核戦争は、一日を台無しにしてしまうのだから。

米上院で一番の自由主義者であるランド・ポール議員は、米国側からロシアに対し宣戦布告を行うよう、議会に申し出るべきだ。もちろん神に誓って、そのような恐ろしい事態をもたらすためではない。むしろその可能性を小さくするためだ。なぜそうなるのか。そうすることで、米国の政策がまさに現在そうなっていることを、最も劇的な方法で指摘することができるからだ。もし戦争屋に信念を貫く勇気があれば(ないことを祈るが)、このような提案に賛成することだろう。そうすれば、米国人はこの人々の正体を見抜くことができるだろう。狂人だ。

Is America at War With Russia? - Antiwar.com Original [LINK]

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