2016-11-28

貿易は職を奪わない

Benjamin Powell, Protectionism Will Make America Poor, Not Great(保護主義は米国を偉大にせず、貧しくする)より抜粋。

トランプ米次期大統領はブルーカラー有権者の票を多く集めた。その理由は、「貿易は米国の雇用を破壊する」というよくある誤り(popular fallacy)を有権者が信じていることだ。経済学者なら誰もが知っているとおり、貿易は雇用を生みも壊しもしない。

輸入が増えると、それと競合する国内産業(domestic industries)の雇用はしばしばなくなる。これは有権者に見える。有権者が気づかないのは、まさにその輸入によって他に雇用が生み出されることだ。

輸入の半分以上は部品や原料(raw materials)で、他の製品・サービスの生産に使われる。貿易で部品や原料が値下がりし、手に入れやすくなると、それを使う国内産業は競争力が高まって販売量が伸び、その結果、雇用を生み、増やす。

同じく、外国人(foreigners)が米国に輸出してドルを受け取ると、より多くのものが買えるようになり、米国の輸出市場が広がる。これは米国で輸出産業の雇用を増やす。

国際貿易は国内雇用の数ではなく、組み合わせ(mix)を変える。それによって、米国の労働者も外国の労働者も、それぞれ相対的に生産性の高い仕事を行うことができるようになる。

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