2022-04-14

経済制裁の悪

経済学者、マイケル・ロゼフ(2014年)

経済制裁の背後にある理論は、標的となった国の指導者が要求に屈するまで、その国の罪のない人々をできるだけ多く傷つけ、没落させ、殺すことだ。大量殺人、大量の不幸の理論だ。罪のない人々を標的にし、彼らの不幸が政府の政策変更につながると期待する。それ自体間違っている。

ロシアは、米国が暴力団(政府)に率いられているのと同様、暴力団に率いられている。暴力団のリーダーに自分たちの食い違いを解決させるのが正しい道だ。両国の国民は、自国政府の指導者の争いから離れたところにいる。オバマ(当時)やプーチンの行動の責任を、米露の有権者に押し付けるのは無理だ。

モスクワへの水爆投下が間違いであるのと同じ理由で、制裁は間違っている。罪のない人々を標的にしているからだ。ビンラディンが告発された際にアフガニスタンのタリバン政府を攻撃したこと、サダム・フセインのイラク、カダフィのリビアを攻撃したのと同じ理由で、間違っている。

制裁では米国のギャングが同時に告発者、検察官、裁判官、陪審員、死刑執行人として振る舞った。どの事件も証拠が不十分。証拠と情報は改竄・捏造された。シナリオが創作・宣伝され、事実として提示された。問題を引き起こした米国の役割は葬り去られた。「敵」が悪者扱いされた。すべて間違っていた。

制裁の結果も間違っていた。相手国の国民を罰しても指導者の政策が変わらないため、争いが長引き、ときに戦争に発展した。オバマの不支持率が上がり、支持率が最低になっても、政策は変わらない。民主主義を自慢する国でこれなのに、民主的でない国で国民の不幸が指導者に影響を与えるはずがない。

(次より抄訳)
The Evil of Economic Sanctions - LewRockwell
https://www.lewrockwell.com/2014/03/michael-s-rozeff/the-evil-of-economic-sanctions/

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