2024-11-02

ゴールドに帰れ

ブレトンウッズ体制の致命的な欠陥は、専門家官僚の裁量に依存していることにある。19世紀末の古典的金本位制は、ブレトンウッズの金為替本位制(個人は直接の兌換を拒否された)よりもはるかに優れていた。金本位制は、通貨供給量を支配する権限を政府ではなく個人に与えた。
Gold Is Back—And So Is Judy Shelton | Mises Institute [LINK]
金(ゴールド)には人を律する力がある。権力者が自分たちの利益のためにカネを悪用する機会を制限する。裏付けのない不換紙幣とは対照的に、金の量はコストをかけず勝手に増やすことはできない。これこそが、支配者や政府が今日まで金という貨幣と戦ってきた理由なのである。
The Economic Wisdom of Antony C. Sutton’s The War on Gold | Mises Institute [LINK]

中国当局が、金に基づく決済ネットワークの成長を容認し、奨励することはありうる。それは金現物の裏付け(最も安全な証書では100%)を義務づけた預金証書を発行する、保管機関で構成されるだろう。中国と友好的な(貿易政策で米国に対立する)国々に広がる可能性がある。
Gold’s Future Depends Crucially on China | Mises Institute [LINK]

米政治家ウィリアム・ジェニングス・ブライアン(1860〜1925)はインフレ主義者と呼ばれる。しかし不換紙幣に酔いしれる今の中央銀行やポピュリストの大統領候補に比べれば、健全な通貨の味方に見える。現在のどちらの候補も、政府の貨幣創造を制限するとは考えにくい。
Today’s Pols Are All Bryanites | Mises Institute [LINK]

通貨供給量は増加しており、物価インフレの持続は当然だ。投資家にとって、この通貨破壊の下での最悪の判断は、国債に投資して現金を持つことだ。政府による通貨の購買力破壊は政策であり、偶然ではない。通貨破壊を反映して、株式と金は急騰し、債券は役に立たない。
Gold Prices Rise as the Dollar Slowly Dies | Mises Institute [LINK]

2024-11-01

木村貴の経済の法則!(2024年、随時更新)

  1. 株高をもたらす最大の要因は? 「ファンダメンタルズ」ではない(2024/1/12
  2. お金の量の変化で株価の先行きを占う 注意が必要なポイントとは?(2024/1/19
  3. インフレに最も強い運用手段は? 実質課税に対抗しよう(2024/1/26
  4. ハイパーインフレとは何か? そのとき株価はどうなる?(2024/2/2
  5. 米大統領選、誰が勝てば株高に? 民主・共和政権のパフォーマンスを点検(2024/2/9
  6. 長期の株高をもたらす政治指導者とは? 米大統領ランキング、上位は意外な顔ぶれ(2024/2/16
  7. 日本株、バブルの轍を踏まない3条件【日経平均、一時最高値】(2024/2/22*臨時解説
  8. 景気って何だろう? 株価との関係は?(2024/3/1
  9. 不況は買い、好況は売り 株と景気の奇妙な関係(2024/3/8
  10. 財政出動で株は買い? 判断のポイントはここ(2024/3/15
  11. 日本株、ここから始まる「正常化相場」 創造的破壊にかじを切れ【日銀、マイナス金利解除】(2024/3/19*臨時解説
  12. 財政危機は株投資のチャンス インフラ整備、「官から民へ」加速へ(2024/3/22
  13. 独禁訴訟、GAFA株の重しに? 競争を促すというけれど…(2024/3/29
  14. ロックフェラーに学ぶ投資の極意 石油王を襲った悲劇とは?(2024/4/5
  15. 世界経済の未来が明るい理由 グローバル資本主義の「静かな革命」は続く(2024/4/12
  16. 金が買われる本当の理由 不換紙幣への信頼揺らぐ(2024/4/19
  17. 戦争は経済にとって有益か? 第二次世界大戦や朝鮮戦争で検証(2024/4/26
  18. 円の凋落、放蕩政治のツケ【一時1ドル160円台】(2024/4/30*臨時解説
  19. お金って何だろう? ロビンソン・クルーソーに学ぶ基本のキ(2024/5/10
  20. 金と銀がお金になったのはなぜ? ピノッキオが理解しなかったその理由(2024/5/17
  21. 民力奪う国債の供給過剰、市場が警告【長期金利、11年ぶり1%到達】(2024/5/23*臨時解説
  22. 金本位制って何だろう? マネー乱造に歯止め、復権機運も(2024/5/24
  23. インフレという言葉の謎 本当は「物価上昇」ではない?(2024/5/31
  24. 産業育成は政府の仕事か? むしろ発展を妨げた戦後の歴史(2024/6/7
  25. 「五公五民」じゃ豊かになれぬ 経済復活のカギは減税(2024/6/14
  26. ウクライナ発、経済危機の足音(2024/6/21
  27. 金融危機はなぜ起こる? 名作映画に学ぶシンプルな解決法(2024/6/28
  28. 金利を決めるホントの要因 のび太もジャイアンも得する取引とは?(2024/7/5
  29. マイナス金利のファンタジー 現実逃避のツケはこれから?(2024/7/12
  30. 無税社会は「北斗の拳」の暗黒世界か? 国税庁の偏ったメッセージ(2024/7/19
  31. 「金本位制」復活は時代錯誤か? あの「マエストロ」が金融政策のお手本に(2024/7/26
  32. 南米の豊かな国をなぜハイパーインフレが襲ったのか? 経済を四半世紀で破綻させた介入政策(2024/8/2
  33. 大恐慌への道を避けるには? 政府の「景気対策」にご用心(2024/8/7*臨時解説
  34. フランス革命、恐怖政治生んだ高インフレ 不換紙幣の大量発行が破滅もたらす(2024/8/9
  35. 巨大帝国はインフレで滅びる ローマと米国、経済失政そっくり(2024/8/23
  36. 中央銀行が金を爆買いする理由 揺らぐドルの信認、1万ドル目指す? (2024/8/27*臨時解説
  37. ハイパーインフレになったらどうするか? ジンバブエに学ぶサバイバル術(2024/8/30
  38. ルパン三世はなぜ偽札を捨てたのか? 「カリオストロの城」が示す不換紙幣の罪(2024/9/6
  39. 東京海上アセット・平山氏「インフレ時代、株の選別投資強まる」(2024/9/10*臨時インタビュー
  40. 経済学者ケインズ、5つの「迷言」 その主張はなぜインフレと財政危機を招いたのか?(2024/9/13
  41. インフレ税を知っていますか? お金の価値を奪う見えない税金(2024/9/20) 
  42. 税金は「社会の会費」ってホント? 貧しい人を助ける効果は…(2024/9/27
  43. 日本政治、危機目前でも針路変わらず 約80年前のハイパーインフレと預金封鎖が鳴らす警鐘(2024/9/30*臨時解説
  44. 最初のノーベル平和賞はなぜ経済学者だったのか? 自由貿易は戦争のリスクを減らし、繁栄をもたらす(2024/10/4
  45. 経済対策が経済停滞を招く ノーベル賞経済学者ハイエクはYouTubeで何を警告したか?(2024/10/11
  46. デフレは経済問題じゃない、国語問題だ! いまだに続く「不況」との混同(2024/10/18
  47. ハイパーインフレと預金封鎖、そのときどうする? 終戦直後の日本に学ぶサバイバル術(2024/10/25
  48. 総無責任だった総選挙 亡国の「財政ファイナンス」に歯止めかからず(2024/10/28*臨時解説
  49. 減税は「バラマキ」という嘘 政府の施しではない!(2024/11/1

アルゼンチン大統領が外相更迭

USニュース&ワールド・リポート
(2024年10月30日)

[ブエノスアイレス30日 ロイター]アルゼンチンのミレイ大統領は30日、国連で米国の対キューバ禁輸措置解除に賛成票を投じたモンディノ外相を更迭した。
2023年末に就任したリバタリアンであるミレイ氏は、臆面もない親米派であり、アルゼンチンをキューバやベネズエラから遠ざける措置をとるなど、地域内外の左派貿易相手国に対して冷淡な態度をとってきた。

これに先立ち国連総会は同日、米国とイスラエルだけが反対する拘束力のない決議で、米国に対し、数十年にわたるキューバへの制裁体制を終わらせるよう圧倒的多数で求めた。

アルゼンチンが米国やイスラエルと歩調を合わせることを望むと発言しているミレイ氏は、「独裁者を支持せず、共犯者にもならない」と自国政府を称賛する下院議員の投稿をソーシャルメディアでシェアした。

大統領報道官はXで、モンディノ氏の後任として、ヘラルド・ウェルテイン駐米大使が外相に就任すると発表した。

モンディノ氏は、ミレイ大統領の最初の閣僚の一人で、ブラジルや中国といった国々に対する大統領の扇動的な発言にもかかわらず、国際的なパートナーとの外交関係を円滑に保つうえで重要な役割を果たしてきた。

ミレイ大統領の昼食中、ウェルテイン氏から電話があり、共産主義に支配されたキューバに対する禁輸措置の解除にアルゼンチンが賛成したことについて問い合わせがあり、右派の同大統領を怒らせたと地元ニュースメディアのTNは報じている。

今年初め、アルゼンチンの国営エネルギー会社YPFは、キューバの国営キューバ航空に燃料を提供しないと発表し、同航空は40年近くハバナとブエノスアイレスを結んでいた路線を閉鎖することになった。

当時キューバ外務省によると、アルゼンチン政府関係者はこの動きを擁護するために、米国の禁輸措置を理由にしたという。

(以下を全訳)
Argentine President Milei Fires Foreign Minister After Vote to Lift Embargo Against Cuba [LINK]