2020-03-02

権力肥大の乳母(マディソン)

米建国の父マディソンは、大統領が議会に諮ることなく宣戦布告する権限を持つことを強く警戒した。マディソンは、合衆国憲法で最も思慮深い条項は、戦争開始の判断を行政府ではなく、立法府に委ねている部分だと指摘。戦争は国家権力を肥大させる「忠実な乳母」だと警告した。
Madison argued that war is the major way by which the executive office increases its power, patronage, and taxing power (1793) - Online Library of Liberty

米建国の父ジェファーソンは戦争好きな英国を、牛のように大きくなろうとして破裂するイソップ物語の蛙にたとえた。戦争と債務から成る英国の帝国組織は巨大すぎて破裂し、虐げられた国民は王侯の統治を脱し、より安上がりな共和政府の下、労働の成果を平和に楽しむと考えた。
The 8th Day of Christmas: Jefferson on the inevitability of revolution in England only after which there will be peace on earth (1817) - Online Library of Liberty

英経済学者ジェームズ・ミルは、国富創造に対する商業の貢献を強く擁護した。ナポレオン戦争のさなか、戦争は庶民に悲惨な経済的影響を及ぼすと批判。戦争による出費と経済停滞を、国の繁栄を枯らす「疫病をもたらす風」や、国の貯蓄を食い尽くす「むさぼる悪魔」にたとえた。
James Mill likens the expence and economic stagnation brought about by war to a “pestilential wind” which ravages the country (1808) - Online Library of Liberty

英政治家で自由主義者のジョン・ブライトは1854年、ロシアとのクリミア戦争に反対したが、四半世紀後の1878年、またもや英国内で対露開戦論が起こり、これにも反対した。ブライトは英外務省が昔から絶え間なく戦争を煽り、マスコミが好戦的な一派に牛耳られていると批判した。
John Bright denounces the power of the war party in England (1878) - Online Library of Liberty

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