2022-06-24

アサンジは米国防総省とCIAを裁判にかけよ

作家、ジェイコブ・ホーンバーガー
(2022年6月20日)

先日、英国のプリティ・パテル内務相が(ウィキリークス創始者)ジュリアン・アサンジの米国への引き渡しを承認したことで、アサンジがまもなく米国で裁判にかけられることが事実上確実となった。 
この機会に、ペンタゴン(米国防総省)とCIA(米中央情報局)を裁判にかけることを期待しよう。裁判長に任命された連邦判事が、それを許さないために最善を尽くすだろうことはわかっている。しかし、ちょっとした市民的不服従の何がいけないのだろう。有罪という結果があらかじめ決まっている、不正ないかさま裁判になることは必至なのだから。

忘れてはならないのは、結局のところ、アサンジが犯罪者ではないということだ。彼はウィキリークスという組織を通じて、犯罪行為を世界に公表した人物である。その犯罪行為は、米連邦政府の行政府と立法府の支援を受けている国防総省とCIAによって行われたものだ。

公正な社会であれば、犯罪行為を暴露した者は英雄として迎えられ、犯罪行為に関与した者は刑務所に入ることになるだろう。しかし、国家安全保障国家という奇怪な世界では、正反対だ。犯罪者が告発し、投獄する。一方で犯罪行為に反対する者は罰せられ、拷問され、監獄に入れられる。

アサンジの弁護士が裁判中にできる大きなことのひとつは、ウィキリークスが公開した米国人職員が関与したあらゆる暗黒面の行動に加え、ウィキリークスが公開していないものをあらためて公表し、強調することだ。そうすれば、いかさま裁判の結果が変わるとは限らないが、少なくとも、なぜ米当局がアサンジを追いかけているのかを世界に示すことができるだろう。

当時の極端な反ロシア感情の一環として、「神なき共産主義」とソ連との冷戦を戦うために、アメリカ政府が建国の構造である限定政府共和国から国家安全保障国家に転換されたとき、国家安全保障体制とアメリカ国民の間で暗黙の交渉が交わされたのです。ペンタゴン、CIA、NSAは全体主義的な暗黒権力に関与する権限を与えられるが、人々の良心に迷惑がかからないように、その不愉快な行動をアメリカ国民に秘密にする。

米政府が建国時に築いた小さな政府の共和国から安全保障国家に転換し、極端な反ロシア感情の一環として「神なき共産主義」とソ連に対する冷戦を戦った際、安全保障支配層は米国民の間に暗黙の取引を交わした。ペンタゴン、CIA、国家安全保障局(NSA)は全体主義的な暗黒権力に関わる権限を与えられるが、その不愉快な行動を秘密にし、国民の良心をわずらわせないようにした。

アサンジは、そうした暗黒面の行為のいくつかを世界に公開することで、その協定を妨害したのだ。それに関しては、エドワード・スノーデンも同じだ。そのために、彼ら二人は罰せられる必要があった。そして世間の人々に、こうメッセージを送ったのだ。もし我々の暗黒面の犯罪行為を世界に公表したらこうなるのだ、と。

オーストラリア国籍のアサンジが、米政府の犯罪行為を公開した罪で強制的に米国に連行され、裁判を受けることになったら、見世物の裁判を覚悟しておくことだ。わずかでも正義らしいものは期待できない。

(次より抄訳)
The Ron Paul Institute for Peace and Prosperity : Assange Should Put the Pentagon and the CIA on Trial [LINK]

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