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インフレは税の一種です。しかも普通の税よりも悪質な税です。ところが、この事実はよく理解されていません。それどころか、多少のインフレはむしろ良いことだという嘘が、現在主流の国家主義的な、誤った経済学(ケインズ経済学)や、そこから派生した極端な説 (MMT=現代貨幣理論など) によっ...

2023-01-24

ウクライナ戦争と国際法の衝突

コラムニスト、テッド・スナイダー
(2023年1月19日)

ウクライナでの戦争は、さまざまな原因が絡み合っている。ニコライ・ペトロ氏が論じたように、それは同時にロシアと米国の紛争であり、ロシアとウクライナの紛争であり、ウクライナ国内の紛争でもある。しかしその核心には、北大西洋条約機構(NATO)がウクライナに門戸を開くべきかどうかをめぐる対立と、ドンバス地方がウクライナの一部か、自治区か、ロシアの一部であるべきかをめぐる対立の二つがある。
そしてこの二つの対立それぞれの核心にあるのが、NATO問題とドンバス問題にかかわる二つの国際法の対立である。いずれの場合も、それぞれの法は正当なものであり、米国は一方を、ロシアはもう一方を信奉している。リチャード・サクワ氏が論じたように、「この二つの論理の間の緊張が、後の紛争の種を含んでいた」のである。

ウクライナのNATO加盟をめぐる対立の核心は、米露が合法だが相容れない国際法に賛同していることである。この議論は、ケント大学のリチャード・サクワ教授(ロシア欧州政治学)が、少なくとも次の二つの場で展開している。一つは論文「愚行の行進の再開——ロシア、ウクライナ、米欧」、もう一つはアンドレイ・クリコヴィッチ氏との共同論文「ウクライナの戦争——規範と存在論の衝突」である。

NATO拡大問題で米国は、国家が自らの安全保障体制を選択する自由で主権的な権利という原則を挙げている。一方、ロシアは、安全保障の不可分性の原則、すなわち、ある国の安全保障を他の国の安全保障の犠牲の上に成り立たせてはならないという原則を挙げている。どちらの原則も国際法および国際協定に明記されている。どちらも正当なものであるが、両者は矛盾している。それゆえ対立するのだ。

米国は、NATOがウクライナに門戸を開いていることを正当化するため、国家が自らの安全保障上の立場を選択する権利を主張している。すべての国家が安全保障体制を選択できるのであれば、ウクライナにもNATO加盟を選択する主権的権利がある。ロシアは、NATOが国境まで拡大し、殺傷兵器をウクライナに送り込むことに反対する正当な理由として、安全保障の不可分性を主張している。どちらの原則も正しい。しかしサクワ氏が指摘するように、「それらは矛盾することがわかり、結局、双方の平和的共存の能力を損なった」。

ロシアは、平和はすべての国の利益が尊重される力の均衡によって達成されると考えている。覇権国家が自国の安全保障を確保するために、他国の安全保障を無視することはありえない。米国は、自らを覇権国とする貿易と民主主義の体系が広がることで、平和を保つ共通の領域ができると考えている。米国の主張は、その広がりが他国にとって脅威となりえないことを暗示している。

西側諸国は、選択の自由と、同盟を選択する権利という概念に非常に精通している。ロシアはさまざまな場面で、その自由を文脈の中に位置づけることを試みてきた。同国のセルゲイ・ラブロフ外相は、2022年1月27日の報道機関へのコメントを含め、関連するすべての国際協定は「不可分の安全保障とそれを必ず守ること」を国家に義務づけていると、たびたび主張している。同外相は、国家が自らの同盟を選択する主権的権利は、「他国の安全を犠牲にして自国の安全を強化しない義務」と釣り合うという法的含意を指摘する。

2021年12月7日のバイデン米大統領との対話で、プーチン露大統領は「すべての国は、自国の安全を確保するために最も受け入れやすい方法を選ぶ権利があるが、これは他の当事者の利益を侵害せず、他の国の安全を損なわないように行われるべきである。……安全保障の確保はグローバルなものであり、誰もが平等にカバーされるものでなければならないと考えている」と述べた。12月30日、プーチン氏は再びバイデン氏と会談し、「不可分な安全保障の原則が厳格に守られない限り、いかなる国の安全も確保することはできない」と強調した。

侵攻前の2月1日、プーチン氏は記者会見で同じ原則を表明し、「この過程のすべての関係者、すなわちウクライナ、他の欧州諸国、ロシアの利益と安全を確保する方法を見つける必要がある」と述べた。

アナトリー・アントノフ駐米ロシア大使は2021年12月30日付の評論でこう書いている。「NATO加盟国によるウクライナの軍事調査は、ロシアにとって存立の危機である。……平等かつ不可分の安全保障の原則を取り戻さなければならない。これは、いかなる国家も他国を犠牲にして自国の安全保障を強化する権利を持たないことを意味する」

サクワ氏が伝えるように、ロシアの指摘によれば、米国がウクライナの同盟選択権を主張することは、「1991年6月6〜7日のコペンハーゲン外相会議で『欧州情勢の変化から一方的な利益を得ない』『他国の正当な利益を脅かしたり孤立させない』『大陸に新しい分断線を引かない』とした」NATO自身の原則と矛盾する。

NATOのウクライナに対する門戸開放をめぐる対立と同様、ドンバス地方の危機に関しても、米露は正当だが相容れない二つの原則を引き合いに出している。

9月27日、ドンバス地方のドネツク、ルハンスク両共和国、ヘルソン、ザポロジエ両州で、ロシアへの加盟を問う住民投票が実施された。米国は国連憲章にある既存国家の領土保全の原則を理由に住民投票を拒否し、ロシアは同じく国連憲章にある民族自決権の原則を理由に住民投票を承認した。

プリンストン大学のリチャード・フォーク名誉教授(国際法)は「このような対立は、国際的に承認された国家の境界線内で権利を侵害された異なる民族の権利を強調し、主権国家の完全性と自己決定権の範囲という一般的な問題を提起している」と述べている。フォーク氏は筆者に対し「国家や国連の活動は矛盾しており、法律や道徳よりも権力や地政学的な優先順位によって動かされている」と述べた。

10月4日、ラブロフ露外相は新領土のロシアへの吸収に関する発言で、自決の原則を持ち出した。東部地域の決定は「住民投票による自由な意思表明に基づく」とし、「これらの共和国と地域の市民は、自己決定権に基づく意識的な選択をした」と主張したのである。

NATOの原則と同様に、領土保全の原則は自決の原則と矛盾せず、バランスがとれている必要があるとラブロフ氏はあらためて主張した。1970年の国連宣言(友好関係原則宣言)では、「人民の平等な権利と自決の原則を遵守し、領土に属する全人民を代表する政府を有すること」を条件に、「国家の領土保全の尊重を国家の義務として定めている」と主張したのである。ラブロフ氏は、領土保全は住民投票で行使された自決を尊重していないと両論を展開した。

米露が互いの立場を理解し、その相違を解決することができないのは、等しく正当でありながら相容れない国際法に固執していることが根底にある。

(次を全訳)
War in Ukraine: When International Laws Collide - Antiwar.com Original [LINK]

2023-01-23

異論許さぬダボス会議

ジャーナリスト、ジョーダン・シャクテル
(2023年1月20日)

今週〔スイス東部の〕ダボスで開かれている世界経済フォーラム(WEF)の支配者層会議を見ていると、そこにいる金持ちや権力者たちの間に意見の相違がないことに驚くかもしれない。ダボス会議の各討論は強化された共鳴室として機能し、そこには一つの問題、一つの目的、一つの解決策しかない。ダボス会議の討論や講演の参加者が、企業メディア、政府関係者、企業経営者の誰であれ、反対意見や異論が出ることはない。
世界経済フォーラムが、世界の支配階級のための物語と発想の場として最もよく理解されていることを考えると、ダボス会議は健全で強固な議論の場であるとの印象を持つかもしれない。そのためダボス会議の新しい参加者の多くは、このスイスの隠れ家〔=ダボス〕で講演者や参加者が示す信じられないほどの意見の一致に困惑している。

元CNNの司会者だったブライアン・ステルター氏は報道の自由の重要性を主張したが、ある共同パネリストが言論の自由に対し悪意ある攻撃をした際、微笑んでうなずいていたことに多くの人が気がついた。

元ニューヨーク・タイムズ紙編集主幹のジル・エイブラムソン氏は、この問題に関して臆することなく、独自の論評〔ニューヨーク・タイムズ紙と同紙発行人アーサー・グレッグ・サルツバーガー氏のダボス会議参加を批判〕を展開した。

作家のウォルター・カーン氏は、「意見の相違の少なさ」が不思議だとツイートしている。

問題の真実は、世界経済フォーラムとその指導者たちは、議論よりも一致を好むということだ。実際、議論はあまり奨励されず、一線を越えるようなこと、つまり物語(ナラティブ)違反は、クラブ・ダボスから永久に追放される根拠となる。

クラウス・シュワブ氏は、その悪名高い『グレート・リセット』シリーズの二冊目である『グレート・ナラティブ』という本で、まさにこの話題を論じている。

シュワブ氏は世界経済フォーラムの目標について、自分の組織はあらゆる思想・政治的視点に開かれていると主張することから始めている。しかし、シュワブ氏のいう「あらゆる思想・政治的視点」とは、自分が正当と考えるものだけを指していることがすぐにわかる。

ある特定の人々は、例外なく否定される。それはもちろん、世界経済フォーラムの気候変動に関する物語や、気候問題に対する非常に具体的な「解決策」を受け入れない個人や団体である。

「気候変動対策、持続可能性、包摂性、国際協力、心身の健康」は、「いま最も重要」だとシュワブ氏は書いている。「いますぐ断固とした行動を起こさなければ地球の生物圏は生存に適さないものとなり、世界経済の成長を妨げ……政治や社会の安定をさらに危険にさらすことになる」

ようするに、シュワブ氏の物語によれば、世界は火の海であり、この問題には議論の余地はなく、人類の進歩を後退させることが唯一の解決策なのだ。

外交的なシュワブ氏は、コンプライアンス(規範遵守)に反するこうした振る舞いを行う人々を完全に軽蔑しており、そうした人々はおもに米国にいると苦々しげに指摘している。

シュワブ氏は非協調的な人々を憎み、非協調的な人々は陰謀論者であり、世界のあらゆる悪の元凶であると決めつけている。同氏は、これらの「科学的な知見をかたくなに否定する運動」が「COVID-19のパンデミックの収束を遅らせている」とし、「公衆衛生の改善と、より根本的には私たちが集団として危機に対処することの両方を妨げている」と付け加えている。

世界経済フォーラムはすべての大項目について、すでに完全な合意が得られている課題として取り組んでいる。同フォーラムにとって重要なことはすべて、何らかの形で「緊急事態」として分類され、ダボス会議ではこれらの問題に議論の余地はないと主張している。この「緊急事態」は、ダボス会議の発言者にとってあまりにも深刻であり、その物語に挑戦することはできない。すでに問題は確定し、解決策も合意されている。残されたのは、この問題と解決策をどれだけ早く進めるか、その過程で個人の権利をどれだけ激しく踏みにじろうとするか、という議論しかない。

(次を全訳)
At Davos, conformity is required, and debate is a cancel-worthy sin [LINK]

2023-01-22

アサンジ迫害とバイデンの偽善

アイスクリーム製造会社「ベン&ジェリーズ」共同創業者、ベン・コーエン
(2023年1月18日)

バイデン米大統領は、報道の自由に関する自らの言辞に応えるべきときが来た。

2020年大統領選の候補者として、バイデン氏は報道の自由の重要性について力強い声明を発表し、こう書いた。

 

国境なき記者団によると、現在、世界で少なくとも360人がジャーナリズムの仕事を理由に投獄されている。私たちは皆、このジャーナリストたちと連帯する。トーマス・ジェファーソンが1786年に書いたように、「我々の自由は報道の自由にかかっている。報道の自由を制限すれば、それは必ず失われる」からだ。

バイデン氏が無視したことがある。投獄された人々の一人がウィキリークスの発行人ジュリアン・アサンジ氏であり、アサンジ氏がロンドンの最大警備の刑務所で独房に閉じ込められているのは、米政府が彼を見せしめにしたいからだという事実だ。

アサンジ氏はトランプ政権によって、ジャーナリストや人権団体から広く非難された、前例のない攻撃的な動きで起訴された。バイデン大統領とメリック・ガーランド司法長官は、約二年の間に正しいことを行い、この危険な起訴を取り下げることができたはずだ。

ところがバイデン政権は、報道の自由と偽情報について世界に説教を続けている。バイデン氏とその仲間たちは、権威主義的な政権が報道を検閲し、反対意見を取り締まり、真実の公表を犯罪としていることを正しく非難している。国境なき記者団は、イラン、中国、ミャンマーなどにおける報道の自由の侵害を非難している。しかし報道の自由の侵害はこのような体制に限ったことではないとも述べている。国境なき記者団は、フィリピンにおけるノーベル平和賞受賞者マリア・レッサ氏の迫害を非難し、16のジャーナリズム擁護団体の連合を率いて、英政府に対してアサンジを解放するよう求めている。

こうした事例は、不正行為を暴露し、不快な現実を国民に知らせ、政府のプロパガンダに反発することのできる、自由で独立した報道機関の重要性を明確に示している。言い換えれば、自由な報道は、米政府が私たちを欺いたときに、私たちが真実に近づけるよう守ってくれる。

私はジュリアン・アサンジ氏の知人であることを誇りに思っている。ロンドンのエクアドル大使館でアサンジ氏と会ったとき、私はその知性と思いやり、嘘と戦争プロパガンダの毒に対する解毒剤としての真実に対する信念に、最も感銘を受けた。アサンジ氏が言ったように、「戦争が嘘によって始められるのなら、平和は真実によって始められる」。

アサンジ氏は三年以上にわたって、「英国のグアンタナモ」と呼ばれる最高警備の刑務所に独房で拘束されている。その大半は、刑務所で新型コロナ感染症が発生し、生命が脅かされた期間である。この原稿を書いている今も、アサンジ氏ははコロナで24時間隔離されている。昨年、同氏は軽度の脳梗塞に見舞われた。国連特別報告者ニルス・メルツァー氏は、アサンジ氏の監禁状態が拷問にあたると判断している。

殺人犯のいる最大警備の刑務所に収監される前、アサンジ氏はエクアドル大使館に何年も監禁され、適切な医療を受けられないまま過ごしていた。その間、米政府は弁護士や面会者(私を含む)、家族、医師を監視した。アサンジ氏が逮捕された際には、書類やメモまで押収された。なぜか。アサンジ氏のウィキリークスでの活動は、政府に世界で恥をかかせるものだったからだ。

オバマ大統領は「ニューヨーク・タイムズ問題」を理由に、アサンジ氏の起訴を拒否した。もし真実の情報を公開したアサンジを起訴したら、ニューヨーク・タイムズ紙も起訴しなければならなくなるからだ。しかしバイデン氏は今回、真実を公表することは犯罪だというトランプ氏の主張を肯定した。アサンジ氏は1917年のスパイ活動法に基づいて起訴されている。この法律は、検察が内部告発者を標的に使用するのも大いに問題含みだが、出版者に対してはこれまで一度も成功したことがない。バイデン氏がアサンジ氏を起訴することで本当に言いたいことは、米政府は国民に嘘をつくし、犯罪行為を隠しもするし、あえて真実を追求しようとする人々を滅ぼすこともできるということだ。

司法省は、内部告発者チェルシー・マニング氏〔元米陸軍上等兵〕が漏らした、真実でニュース価値のある情報を受信し公開したことでアサンジ氏を起訴したが、不正行為を暴露された軍や政府の高官は誰一人として起訴していない。

21世紀版の使者殺し〔悪い知らせをもたらした使者を殺害する王の話〕である。

法律違反や嘘、不正隠しが発覚した政治家の評判を傷つけたことを除けば、アサンジ氏の報道で被害を受けた者はいない。英法廷手続きで証言した専門家によれば、アサンジ氏は、情報源と、機密情報の公開によって損害を受ける可能性のある人々の双方を保護するために、最大限の努力をした。政府は、ウィキリークスが暴露した不正行為を調査したり、法を犯した者や隠蔽した者を罰したりするのではなく、内部告発者とそれに協力するジャーナリストの攻撃に力を入れている。

なぜか。政府の不正行為を国民に知らせる誘惑に駆られかねない他の人々に、メッセージを送れるからだ。政府はお前の人生を破壊することができる、と。

トーマス・ジェファーソンは正しかったし、大統領候補時代のジョー・バイデン氏がジェファーソンの言葉を引用したのも正しかった。政府の責任を追及する自由な報道機関なくして、民主主義はありえない。国境なき記者団が米国の報道の自由について懸念するのは正しい。そのファクトシートは不吉な一行で始まっている。「かつて報道と言論の自由の模範とされた米国で、報道の自由に対する侵害が驚くべき速さで増加している」

ジュリアン・アサンジ氏の自由なくして、報道の自由はない。公益のために真実の情報を公開したアサンジ氏を政府が起訴できる限り、バイデン政権の人権、「フェイクニュース」、プロパガンダに関する物言いは偽善の極みである。

(次を全訳)
Killing the messenger: Joe Biden's disturbing hypocrisy on Julian Assange | Salon.com [LINK]

2023-01-21

新たな終わりなき戦争

ジャーナリスト、ジョセフ・ソリス=ミューレン
(2023年1月16日)

米国はウクライナ紛争について政策を変更し、ウクライナ政府が要求する限りの資金や武器を提供するのではなく、交渉に入る働きかけを始めるのかと尋ねられるたびに、バイデン政権は一貫して「今やっていることを必要なだけ続けるつもりだ」と繰り返してきた。
何に必要なだけか。

ウクライナがロシアとの戦争に「勝利」し、2014年以降にロシアに占領・併合されたすべての土地を取り返すのに必要なだけだ。

これが可能かどうかは明らかではないし、そのような最大主義的な結果を追求することが米国の国益にかなうかどうかはもっと明らかではないが、ジョー・バイデン大統領とその政権関係者は、米政権が戦争を終わらせることができるという考えに対し絶えずとぼけている。あるいは、終戦の決定はウクライナだけではできないとか、バイデン政権はその決定に何ら影響を及ぼすことができないし及ぼすべきでもないとかいう指摘に対し、不快感を装っている。——結局、戦争に関する公約を掲げるゼレンスキー氏を選出したのはウクライナ人だったのだ。

もちろん、ゼレンスキー氏が掲げたのは平和の公約だったことを除けばの話だが。

今や公然と認められているように、ゼレンスキー大統領がウクライナ東部の超国家主義者らを中央政府に服従させ、ウクライナ、ロシア、フランス、ドイツの四カ国政府が交渉したミンスク合意を履行するため、「シュタインマイヤー方式」(ウクライナによるドンバス地方の特別地位の承認と欧州監視下のドンバスでの完全選挙を前提とする)に基づく選挙に同意させようとした際、米トランプ政権はゼレンスキーを支援するのでなく、肩をすくめ、「失せろ」と言ったのである。ゼレンスキー氏に「地獄に落ちろ」と言った最前線の超国家主義者は、米政府が2014年から協力し、2017年から重火器で武装させている連中である。

誰も驚かなかったように、すべての武器がウクライナに届いているわけではないし、それどころか資金もあまり届いていない。状況は受け入れがたくなっており、ワシントン・ポスト紙は、ウクライナのために計上されたすべての新しい予算が急いで可決されることをまだ支持しているものの、ウクライナに届かない武器と資金がどこに行くのかをあえて公然と質問している。CBSテレビはウクライナ支援策に批判的なドキュメンタリー番組を制作したが、圧力によってすぐに一部撤回した。企業メディアに言わせれば、政策批判は「大問題」なのだ。

米国防総省はこうした正当な反対意見に応え、支援を止めたり遅らせたりするのではなく、10月に米軍をウクライナに派遣し、監督することにした。

え、何だって?

しかし死者が出て膠着状態が続く間、米国人はこれがすべて計画の一部であることを心に留めておくべきだ。他人を殺すことで、米政府はロシアを弱め、中国を威嚇することができる。少なくとも政府はこの計画がうまくいっていると考えている。たしかなことを言うのは難しい。ロシアは長い目で経済的・技術的に弱体化するだろうし、誰も米財務省の逆鱗に触れることを好まない。しかし明らかにロシアと中国を接近させるように思える。これも計画の一部だったのだろうか。もしそうなら、それは良い計画だったのだろうか。

前からわかっていたこと、つまり先進国中、最も腐敗した国の一つである、地球の裏側にあるブラックホール〔=ウクライナ〕に武器を流すのは悪い考えだということをようやく認めた以外、いわゆる第四勢力(言論界)は実にひどい失敗をしてきた。ウォールストリート・ジャーナル紙やワシントン・ポスト紙が掲載しているのは、裸の戦争ポルノだ。北大西洋条約機構(NATO)がオデッサを封鎖するロシア船を爆破する夢や、中国に対し優位に立って台湾海峡を軍事化、いや、一段と軍事化して、アンクル・サム〔米国〕が脅かされることはないと中国に示す夢などである。

だって、キューバ・ミサイル危機はそうやって〔ソ連に対するこわもての強硬策で〕、世界を吹き飛ばさずに解決したんだから。


それから、その名に全然ふさわしくない「シンクタンク」だ。たいてい、外国のお金と、ロッキード・マーチン社やノースラップ・グラマン社〔いずれも大手兵器メーカー〕のような利害関係のない第三者からの親切な寄付の組み合わせで資金を供給されており、そのすべてがまったく、明らかに合法的である。ミュンヘン会談〔ナチスの東欧侵略を容認する宥和政策が第二次世界大戦への道を開いたと批判される〕の二の舞になる危険や、米国の安全保障の信頼性を維持する必要について息を切らして叫ぶとき、利益相反を表明する必要はない。たとえその安全保障が、以前は考えが浅く、あいまいで、現在の状況の変化に照らして明らかに不適切であってもだ。

たとえトム・コットン上院議員(共和党、アーカンソー州)が、七十年前にまったく異なる状況下で立案された安全保障政策に疑問を呈するべきでないと考えていたとしても、それは賢明な判断であると思われる。

この戦争は何のためなのか。ウクライナが参加する資格もなければ、強化もされない、すでに半分以上大きくなりすぎていて、もう米国の利益に具体的に貢献することさえない安全保障同盟のためか。それとも民主主義のためか。欧州の片隅の最も腐敗した国の一つで、ロシア並みの評価しかない国で民主主義が失われれば、世界中の民主主義が危機にさらされるのだろうか。

一か八か、やってみよう。

新たな終わりなき戦争に「ノー」と言おう。終わりなき対テロ戦争は、数兆ドルの追加費用と数千人の(米国人の)命を静かに費やしながら、放置されたままくすぶり、視界から安全に消えていく可能性がある。対テロ戦争は、NATOとロシアの間で起こりうる直接交戦の本質的な危険に近づくことはなかった。その影響は、世界中の多くの人々の飢餓と貧困をもたらすものでもなかった。

対テロ戦争はもう十分長く続いている。

間違いがあったのは事実だが、それは仕方がない。誰もそれを認めようとしない。予測可能なことではあったが、それももうほとんど重要ではない。

重要なのは、多極化が事実であること(フォーリン・アフェアーズ誌へのショルツ独首相の寄稿を参照)と、米国自身のお粗末な行為が何よりも「自由なルールに基づく国際秩序」を損なったこと(過去三十年間の相次ぐ侵略を参照)である。米政府が事実に抵抗する能力は、事実をでっち上げる能力と同じくらい伝説的だが、米国民が自分たちの政府を抑制できる時間と希望はまだ残っている。大多数の人々はまだ地図でウクライナを見つけることができないし、白紙委任が良い政策でないことを知っているし、ウクライナが勝利するとは思っていない。

新しい道を切り開くのに必要な勇気と展望を備えた米国の政治的リーダーシップの見通しは暗いかもしれないが、だからといって現在の政策に反対する人たちが反対の声を上げるのを止めるべきでない。

それどころではない。

米国防総省がウクライナによるロシア内奥への攻撃を「黙認」しているという英タイムズ紙の報道が明らかにしているように、現在の交戦国間の不安定な均衡は突然崩れ、恐ろしい結末を迎える可能性がある。

ロシアとNATOの戦争に進展し、人類の文明が滅亡する可能性を除けば、この戦争を終わらせる唯一の方法は、交渉による解決だ。銃ではなく、ペンによる領土分割が望ましい。

ロシアのウクライナ侵攻によって明らかになったことが他にあるとすれば、欧州の他地域には何の危険もないことだ。20世紀最大の大量殺人者であるスターリンや毛沢東と取引ができ、スハルト、ソモサ、モブツ、李承晩〔それぞれインドネシア、ニカラグア、ザイール、韓国の独裁者〕など抑圧的な独裁政権に直接支援ができるなら、ロシアの現支配者ともきっと取引できるに違いない。

(次を全訳)
Just Say No to the New Forever War | Mises Wire [LINK]

2023-01-20

ウクライナ戦争と米タカ派政策

マグネット・スクール卒業生、ジョン・ケネディ
(2023年1月13日)

12月21日、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、米政府からさらなる財政・軍事支援を得るため、議会で演説を行った。ゼレンスキー氏はウクライナの戦いの主な目標として平和、自由、連携を挙げ、ウクライナには米国の決意が必要だと話した。ゼレンスキー氏はこう述べた。
米国から中国まで、欧州から中南米まで、アフリカからオーストラリアまで、世界はあまりにも相互に結びついており、このような戦いが続くと、誰かが傍観していると同時に、安心していられなくなる。私たち両国は、この戦いにおける同盟国であり、来年は、ウクライナの勇気とアメリカの決意が、私たち共通の自由の未来を保証しなければならない、転換点となるであろう . . . 

演説の後、議会は1兆7000億ドルの支出計画を可決し、450億ドルがウクライナに支払われることになった。この資金はウクライナの戦費に充てられることになっているが、バイデン米大統領は、ウクライナに米軍の戦闘部隊を派遣するつもりはないと主張している。

歴史の中の類似性


第一次世界大戦、第二次世界大戦、ベトナム戦争と同様、決して軍事支援だけではない。ウィルソン、ルーズベルト、ジョンソン各米大統領も、米国人を戦争に巻き込まないよう約束した。ウィルソン大統領は「彼のおかげで戦争に巻き込まれずにすんだ」という選挙スローガンを作った。ルーズベルト大統領は「中立」を維持しながら、英国や後のソ連を武装させるために武器貸与法を作成した。ケネディ、ジョンソン両大統領は、トンキン湾事件後に米国が戦闘部隊を派遣するまで、南ベトナム政府を支援するために軍事援助と顧問を派遣した。これらの政治家の約束とは裏腹に、戦争は結果的に起こってしまった。

欧米の政府高官の計画はわからないが、過去の計画や政策を分析することはできる。約束違反、条約違反、制裁、クーデターなどが東西間の不信を築き、今日見られるような有害な結果を招いたのである。

西側の東方拡大


最初の侵攻からわずか数時間後の2022年2月24日、プーチン露大統領はテレビに出演し、次のように侵攻の理由を述べた。

北多西洋条約機構(NATO)の東方拡大についてだ。NATOは軍事インフラをロシア国境にどんどん近づけている。過去三十年間、我々がNATOの主要国と辛抱強く協定を結ぼうとしてきたのは事実だ。それに対し、つねに皮肉なごまかしや嘘、圧力や恐喝の試みに直面してきた。

NATOの拡大は1991年のロシア連邦発足以来、ロシアにとってつねに懸念事項だった。このとき米国、英国、フランス、ドイツの外交官はNATOを拡大しないと約束していた。しかしこの約束は守られなかった。元米陸軍士官学校戦略研究部長のアラン・サブロスキー氏は次のように述べる。

まあ、我々にもできるようなことではあった。ロシアの大統領にはエリツィンという酔っぱらいのチンピラがいたが、我々ができないことはほとんどなかった。ロシアを経済的に、政治的に略奪したのだ。エリツィンはNATOが国境を越えて拡大することに対して、うまい対応をすることがまったくできなかった。我々はNATOを拡大できたし、実際拡大したのだ。

ビル・クリントン〔米大統領〕は以前の約束を破ってポーランドやハンガリーといった国々をNATOに加盟させたが、2000年にはロシアのNATO加盟要請を拒否している。ブッシュ大統領は2004年にバルト諸国とスロバキアに加盟を拡大し、2008年にはグルジアとウクライナを加盟させる方向で動いている。しかしこれはウクライナ戦争の始まりではない。始まったのは2014年、NATOの支援によるウクライナ政府の転覆によってだ。

マイダン革命として知られるNATO支援のクーデターは、ウクライナのビクトル・ヤヌコビッチ大統領を転覆させた。これがNATOの支援によることは、エストニアのウルマス・パエト外相が欧州連合(EU)の外交政策責任者であるキャサリン・アシュトン氏にかけた電話の録音からわかっている。この電話でパエト外相は、新政府の連立政権の怪しげなメンバーが、独立広場でデモ隊と警察をともに殺害した銃撃を指示したと語っている。実際、マイダン活動家のイワン・ブベンチクはこの虐殺の際、ウクライナの警察官を射殺したと告白している。このクーデターの後、ロシアはクリミアを併合し、分離独立派の反政府勢力はウクライナからドンバス地方を奪取し、今日まで続く内戦の火種となった。

この怪しげなメンバーは、アゾフやスボボダといったネオナチ団体出身で、警察との激しい衝突を引き起こしたのと同じ集団である。2014年に記録文書が流出した電話で、ビクトリア・ヌーランド国務次官補とジェフリー・パイアット駐ウクライナ米大使は、野党新政府で誰を優遇するかを話し合い、バイデン副大統領〔いずれも当時〕が彼らを 「激励」するべきだとの意見で一致した。その記録にはこうある。

パイアット では、クリチコ〔キエフ市長〕については私に任せて、あなたはただ . . .こちらでは海外で名の売れた誰かを呼び寄せ、この件の仲介役を務めてもらいたいと考えています。もう一つの問題は、ヤヌコビッチ〔元ウクライナ大統領〕に対する何らかの働きかけですが、これについては明日、物事がうまく回り始めるのを見ながら、再度検討することになるでしょう。

ヌーランド そのことだけどジェフ〔パイアット大使〕、サリバン〔米副大統領補佐官(国家安全保障担当)〕にメモを書いたら、直接、バイデンが必要だと言ってきたの。明日にでも、激励と詳細説明をお願いしますと言ってあげたわ。バイデンはご機嫌よ。

この通話でヌーランド氏とパイアット氏は、オレハ・タヤニボック党首とそのネオナチ政党スボボダとの協力についても話している。スボボダやアゾフ大隊のメンバーは、再び警察への攻撃の先鋒となった。ヌーランド氏はこの電話で、タヤニボック氏は「問題」だが、オレクサンドル・シチ氏のようなスボボダ党員は新政府の内閣で地位を得るだろう〔シチ氏は副首相に就任〕と述べた。

まとめ


ウクライナ戦争から生まれた最高のたとえの一つは、反戦ニュースサイト、アンチウォー・ドットコムのスコット・ホートン氏の言葉だ。「ロシア政府がカナダ政府を転覆させ、反米になった政府が米国の海軍基地をアラスカから追い出すと脅し、ブリティッシュ・コロンビア州のバンクーバーで分離主義者と戦争を始めたら、米国は数時間で政権交代を目論むことになるだろう」

この戦争は、米国のタカ派政策が直接招いた結果である。米国はウクライナに反露政権を据え、ロシアの目前まで軍事同盟を拡大し、ロシアが支援するドンバス分離主義者との戦いに数十億ドル相当の武器を与え、ミサイル廃棄条約を破棄してポーランドとルーマニアにサイロを設置し、制裁を通じてロシア国民に経済戦争をしかけた。私たちは今、米政府の行動がもたらした結果を目の当たりにしている。

(次を全訳)
Make No Mistake, War Hawk American Policy Helped Start This War in Ukraine | Mises Wire [LINK]

2023-01-19

キング牧師、軍事介入への警告

クインシー研究所上級研究員、ウィリアム・ハートング
(2023年1月15日)

マーティン・ルーサー・キング牧師の誕生日〔1月15日〕は、彼の人生と仕事の意義について一歩下がって考える機会を与えてくれる。人種差別が拡大し、冷戦の雰囲気が漂う今年は、とりわけそのことが重要である。

キング牧師は、暗殺される一年前の1967年4月4日、ニューヨークのリバーサイド教会で行われたベトナム戦争反対の演説で、米内外の苦境の関連について深い理解を示した。
キング牧師は、ベトナムが米国の軍事的冒険主義における孤立した事例ではないことを理解していた。

ベトナム戦争は、米国人の精神が抱える深い病の徴候にすぎない。もしこの深刻な現実を無視するならば……次の世代のために、(ベトナム戦争に反対するような)「聖職者と信徒のための」委員会を組織することになるだろう。この委員会はグアテマラ、すなわちグアテマラとペルーについて関心を抱くだろう。タイとカンボジアに関心を抱くだろう。モザンビークや南アフリカにも関心を抱くだろう。米国の生活と政策に、重大で深遠な変化がない限り、私たちはこれらや他の多くの〔国の〕名前のために行進し、集会に参加し続けるだろう。

米国がどこに介入するかというキング牧師の予測は正確ではなかったが、その述べた経過は、アフガニスタンからイラク、リビア、ソマリア、シリア、そしてそれ以降と、悲しくも実現してきた。

これらの直接的な介入は、世界有数の武器貿易国としての米国の役割を考慮していない。サウジアラビアやアラブ首長国連邦などの国に軍備を供給し、それがイエメンでの残忍な戦争で使われ、直接・間接的に40万人に迫る死者を出している。ストックホルム国際平和研究所によると、米国が2017年から2021年の間に武器を供給した国は103カ国にのぼり、これは世界の国々の半数以上にあたる。世界の多くの市民にとって米国との最初の関わりは、自国政府や敵対国が手にした、米軍や米国が供給した武器である。

このような米国の広範な軍事介入と武器売却の記録は、バイデン政権が公約に掲げた「外交第一」の外交政策とはかけ離れたものである。バイデン政権は、アフガニスタンでの二十年にわたる悲惨な交戦から米国を解放するという公約を守ったことは評価できる。またウクライナのように、ロシアの残忍な侵略をかわすために防衛目的で米国の武器が提供されたケースもある。しかし米国は依然として、五十年以上も前にキング牧師が警告したような、軍国主義的な外交政策に固執している。

クインシー研究所の非常勤研究員でタフツ大学教授のモニカ・トフト氏は、フォーリン・アフェアーズ誌の最近の記事で、米国の軍事力依存がもたらす広範な影響について指摘している。

これは不幸な傾向である。アフガニスタン、イラク、リビアへの米国の悲惨な軍事介入を見ればわかるだろう。武力行使に過度に依存すれば、世界における米国の正当性をも損なう。米国の外交団と海外における米国の影響力が縮小する一方で、米国の軍事的な足跡は増える一方である。

トフト氏は、米国の介入主義が世界における米国の評判に与える影響も指摘している。2013年から2018年にかけて行われたピューリサーチの世論調査では、米国を脅威と考える外国人の数は、その期間に25%から45%へとほぼ倍増した。

キング牧師はまた、横行する介入主義がもたらす国内の影響についても強調した。

数年前、闘争の中で輝く瞬間があった。貧困対策を通じて、黒人も白人も含め、貧しい人々の希望が本当に約束されているかのように思えた。実験があり、希望があり、新しい始まりがあった。その後、ベトナム戦争が勃発し、この政策が壊され、まるで戦争に熱狂した社会の怠惰な政治的おもちゃであるかのように解体されるのを見た。ベトナムのような冒険が、悪魔のような破壊的な吸引管のように、人と技術とお金を引き寄せ続ける限り、米国が貧困層の立ち直りに必要な資金やエネルギーを投資することはないと思った。

軍国主義がもたらす国内の犠牲は今日、痛ましいほど明白である。先月バイデン米大統領が署名した予算は、国防総省とエネルギー省の核兵器関連業務に8580億ドルを提供している。これは連邦政府の裁量予算全体の半分をはるかに超える額である。裁量予算には、社会保障やメディケア(米高齢者向け公的医療保険)のような強制的な給付政策以外に、環境保護、公衆衛生、司法行政、職業訓練、教育など、政府が行うほぼすべての業務が含まれる。一方、議会はコロナ対策に追加資金を得ようとする政権の試みに抵抗し、貧困をなくす最も効果的な手段の一つである児童税額控除を打ち切った。

キング牧師は、戦争国家の根は深く、「人種差別、極端な物質主義、軍国主義という巨大な三つ子」によって動かされていることを理解していた。キング牧師に影響を受け、ウィリアム・バーバー牧師とリズ・セオハリス牧師が共同議長を務める「貧しい人々のキャンペーン」のような団体は、これらの問題に取り組むよう呼びかけている。米国と世界の安全保障、自国の繁栄と平等に多大な利益をもたらす、真の「外交第一」の外交政策を育むには、より多くの団体や個人がそうする必要がある。

(次を全訳)
MLK's anti-war views are more relevant than ever - Responsible Statecraft [LINK]

2023-01-18

ウクライナの偽りの民主主義

ケイトー研究所主任研究員、テッド・ガレン・カーペンター
(2023年1月9日)

ウクライナの米欧応援団は、恥を知らないようだ。事実は異なるという証拠が次々と出てきているにもかかわらず、ウクライナを自由を愛する民主主義国として描き続けている。12月下旬、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領のワシントン公式訪問と議会での演説に伴う政治とメディアの熱狂は、その最新の例である。
ボイス・オブ・アメリカは、ゼレンスキー大統領の演説を、1941年12月に行われたウィンストン・チャーチル英首相の議会演説と比較して、その英雄的な調子と実質的な意義について論じる記事を掲載した。ニューヨーク・タイムズ紙は、ワシントンでゼレンスキー氏が「英雄として歓迎」されたことによって、ウクライナ国民の士気が大いに高まったと主張した。米安全保障関連シンクタンク「19fortyfive」のシニアエディター、マット・スキュ氏は、コロラド州のローレン・ボーバート議員とフロリダ州のマット・ゲーツ議員が「先週行われたゼレンスキー・ウクライナ大統領の議会演説で拍手とスタンディングオベーションに加わることを拒否した」と非難し、ロシアのメディアが彼らの反対意見を強調したと指摘した。評論家デビッド・フラム氏はアトランティック誌に寄稿し、ゼレンスキー氏は「我々を自分自身に立ち返らせ」、民主主義の価値を思い出させたと主張した。フラム氏は、ウクライナの大統領が「ウクライナを支援してくれている私たちに感謝するために米国に来た。感謝すべきは米国人だ」とほめちぎった。

ゼレンスキー氏の演説は、ウクライナはロシアの攻撃から自由の城壁を守る勇敢な民主主義国だという神話を永続させた。バイデン米大統領は、ロシア・ウクライナ戦争の初期に、この紛争は一方では自由と民主主義、他方では権威主義との間の世界的な闘争の一部だと主張し、その態度を象徴していた。ニューヨーク・タイムズ紙のコラムニスト、ジャーマン・ロペス氏は、「ウクライナに関する西側の永続的な結集は、将来の世界の出来事に影響を与えうる2022年の重要な傾向を例証している」と論じた。ジャナン・ガネッシュ氏がフィナンシャル・タイムズ紙に書いたように、「今年は自由民主主義が反撃した年だった」のである。

複雑な世界をこのように痛々しいほど単純化することは、たとえウクライナが本物の民主主義国であったとしても、十分に悪いことである。しかしウクライナはロシアの侵攻以前からその地位に値しなかったし、同国政府の組織的抑圧への傾斜は、この紛争の勃発以来、はるかに悪化している。今日のウクライナは腐敗し、権威主義的な国家である。最も寛大な定義に照らしても、民主主義国とは言えない。残念ながら、西側諸国のウクライナ支持者はゼレンスキー政権の抑圧的な行動を無視・軽視し、正当化し続けている。

真の民主主義国は、複数の野党を禁止したり、野党系メディアを閉鎖したりはしない。また、存続を許したメディアを厳しく検閲する(政府の厳しい管理下に置く)こともない。真の民主主義国は、政府が嫌う政策を主張する教会を非合法化することもない。政権に反対する者を投獄することもなく、ましてや意味のある正当な手続きなしに、政治犯の拷問を容認することもない。真の民主主義国は、国内外の批評家の「ブラックリスト」を公表し、それによって背中に標的を置くようなことはしない。しかしウクライナ政府はこれらの行為を一つや二つではなく、すべて行っている。

国内批判者の息の根を止める努力は、マイダン革命〔米国に支援された民族主義者が親露派政権を倒した2014年のクーデター〕のわずか数カ月後に明らかになり、この一年ほどで劇的に加速している。ウクライナ当局は早くから、政治的反体制者への嫌がらせ、検閲措置の採用、政府やその政策に対する批判者とみなした外国人ジャーナリストの出入りを禁止していた。こうした攻撃的な行為は、アムネスティ・インターナショナル、ヒューマン・ライツ・ウォッチ、欧州安全保障協力機構などの独立した監視団体から批判を浴びた。

ロシアの侵攻が始まる前から、ゼレンスキー政権下の国内弾圧の度合いはひどくなっていた。今回の戦争以前の民主主義と市民的自由に関するウクライナ政府の実績は、立派だったとはいえない。フリーダムハウスの2022年の報告書では、ウクライナは100点満点中61点を獲得し、「部分的自由」のカテゴリーにリストアップされている。ヒューマン・ライツ・ウォッチの2021年のウクライナに関する報告書も、政府軍による虐待を挙げ、「恣意的な拘束、拷問、虐待を含む」と、好ましいものとは程遠いものであった。ジャーナリストやメディア関係者は「報道に関連した嫌がらせや脅迫に直面」している。2021年2月、ウクライナ政府は、いくつかの野党系メディアをロシアのプロパガンダの道具であるという申し立てに基づき閉鎖した。

2022年秋にロシア系の正教会が直面したように、宗教機関さえも政府の嫌がらせや弾圧から安全なわけではない。12月2日、ゼレンスキー氏はロシアと関係のあるすべての宗教の禁止を目指すと発表し、この動きは「ウクライナに精神的独立を保証する」ために必要だと主張した。この禁止令は、特にロシア正教徒を自認する数百万人のウクライナ人に影響を与えるだろう。実際、ウクライナ政府はすぐに特定の正教会の宗教家に対して制裁を課した。西側諸国の典型的な態度は、あるゼレンスキー擁護者の「この問題は非常に複雑だ」という反応だった。信教の自由を守るための積極的な姿勢とは言いがたい。

政治・メディアによる抑圧の雰囲気はますます濃くなり、政権反対派に対する勝手な投獄や拷問さえも報告されている。しかしウクライナ支持者の中には、同国の政権がネオナチに媚びを売っていることを非難する気さえないように見える人もいる。特にひどいのは、ウクライナ防衛におけるアゾフ大隊(現アゾフ連隊)の役割についてである。アゾフ大隊はロシアの侵攻以前から、極端な民族主義者と完全なナチスの拠点として悪名高い存在だった。

そのため、アゾフ連隊がマリウポリ市の戦いで重要な役割を果たした際、米欧のウクライナ崇拝者にとっては問題となるはずだった。しかしほとんどの報道は、マリウポリの住民の苦しみ、ロシアの侵略者の冷酷な悪意、街の勇敢な守備隊の粘り強さに焦点を当てるだけだった。これらの記事は通常、防衛側にアゾフの戦闘員が目立つことを無視し、そのイデオロギー的な血統を明らかにすることができなかった。しかしアゾフ隊員との共謀は、ウクライナの政治エリートがネオナチ分子やその活動を長年にわたって全面的に許容してきたことの一つの表れでしかない。

おそらく民主主義の規範を軽んじていることが最もよく分かるのは、ゼレンスキー氏とその親しい同僚らが、国内外を問わず最も平和的な反対者たちに対してさえ寛容でないことだろう。外国の批判者を標的にし、威嚇しようとする意欲は2022年の夏、ウクライナ政府の情報対策センター(一部は米国の納税者が出資)がそうした反対者の「ブラックリスト」を公表した際、はっきりと明らかになった。そのリストには、シカゴ大学のジョン・ミアシャイマー教授、FOXニュースの司会者タッカー・カールソン氏、元下院議員トゥルシー・ギャバード氏、ケイトー研究所上級研究員で元レーガン大統領補佐官のダグ・バンドウ氏ら、多数の著名な米国人が名を連ねていた。

ブラックリストの脅威的な性質は、9月下旬に同センターが上位35人の標的の住所などを修正した名簿を発表した際にさらに明確になった。このブラックリストは、「情報操作テロリスト」「戦争犯罪人」と糾弾している。批判者をテロリストや戦争犯罪人と表現すれば、狂信者が危害を加えるために直接行動を起こすよう奨励することになる。ブラックリストは簡単に殺害リストとなり得るが、ウクライナ政府は自らが煽った危険に対してせいぜい無関心でしかない。

こうした警告のサインにもかかわらず、西側諸国のウクライナ熱烈擁護派はプロパガンダに固執している。その典型的な例が、ブレット・スティーブンス氏によるニューヨーク・タイムズ紙のコラムで、米国人が「ゼレンスキー氏を賞賛するのは、自由世界の理念を本来の位置に回復させたからだ」と主張した。スティーブンス氏によれば、「自由世界の一員とは、国家権力は何よりもまず個人の権利を守るために存在するという考えに賛同する、すべての国である」。スティーブンス氏が言っているのはどの国のことなのだろうか。ウクライナはそのような表現には当てはまらない。

ウクライナを賞賛する西側諸国は、自分たちの大切な外国顧客に関する不愉快な現実に直面する必要がある。ウクライナは民主主義国ではないし、ゼレンスキー氏は民主主義的価値観の高貴で悩める擁護者でもない。ロシアとウクライナの戦争は、自由と権威主義の存亡をかけた戦いの一部ではない。腐敗した抑圧的な両政府間の醜い縄張り争いである。米国をはじめとする西側社会は、この戦いに利害関係を持たない。少なくとも持つべきではない。

(次を全訳)
False Democracy - The American Conservative [LINK]

2023-01-17

ディープステートは目の前に

陰謀を一切信じなくても、ディープステートと呼べるものが本当に存在することは理解できる。本当のディープステートは、陰謀や秘密の会議などとは何の関係もない。白昼堂々、公然と活動している。それは政府の行政部門だ。秘密の陰謀団という物語よりも、はるかに大きな脅威である。
Yes, Virginia, There IS a Deep State—and It Is Worse than You Think | Mises Wire
CIAはMKウルトラ作戦の下で、自組織の職員を含む米国人に対し、知らせないまま実験を行っていた。チャーチ委員会が明らかにしたように、この実験の目的は、ソ連圏に対して使用する洗脳薬の開発、ソ連のスパイ容疑者を尋問するための完璧な自白剤の製造、その他の洗脳の可能性を探ることだった。
JOHN KIRIAKOU: CIA Should Get Out of the Laboratory

CIAはMKウルトラと呼ばれる邪悪な(洗脳実験)作戦が明るみに出た時点で、廃止されるべきだった。ケネディ大統領は国防総省、CIA、国家安全保障局(NSA)とは異なる方向に国を動かそうとしたために、米国の国家安全保障機構によって暗殺された。この結論に多くの米国人が達する日は近い。
A Major Shift in the JFK Assassination – The Future of Freedom Foundation

戦後、米国の安全保障国家への転換を正当化するために使われた公式の敵は共産主義だ。米当局者は、ソ連を拠点とする共産主義者の国際的陰謀が存在すると国民に告げた。この陰謀には共産主義中国も含まれるという。米国内で共産主義者のシンパを探し出し、排除するための十字軍の行進が行われた。

外交政策シンクタンクが資金提供者から受ける影響力について調べた最近の研究によると、シンクタンクはいずれも、核大国の関係組織から寄付を受けていた。調査対象にはブルッキングス研究所、戦略国際問題研究所(CSIS)、大西洋評議会など世界有数の外交政策シンクタンクが含まれる。

今日の米軍上層部に、デビッド・シャウプ(ベトナム戦争に反対した海兵隊将軍)はどこにいるのか。大量殺戮を伴う核戦争に反対を表明する指導者はどこにいるのか。中国やロシアとの新たな冷戦を拒否する指導者はどこにいるのか。戦争ではなく、平和を提唱する勇気のある指導者はどこにいるのか。
The Madness of US Militarism - Antiwar.com Original

米連邦総利払費は2022年5月31日までの12カ月で計6660億ドルだった。短期国債と満期を迎える中期国債の差し迫った追加利息を含めると、その数字は8630億ドルに上る。これは驚異的なコストだ。過去12カ月の国の軍事費は7460億ドル、メディケア(高齢者向け公的医療保険)支出は7000億ドルである。
When Federal Interest Payments Come To Exceed the Military Budget: Time To Stop Defending the Rest of the World - Antiwar.com Original

政府はせいぜい必要悪

社会は交流を促し、政府は区別を生み出す。社会は人間を庇護し、政府は人間を罰する。いかなる形のものであれ、社会は望ましい。しかし政府は、たとえ最良のものであっても、必要悪にすぎない。最悪のものにいたっては、耐えがたい害悪である。
- トマス・ペイン『コモン・センス』
Common Sense (1776) - Foundation for Economic Education
米国民の祖先は、政府が法の正当な手続きなしに人々の財産を奪うことをはっきりと禁止する憲法修正第5条の制定を要求した。この条項の対象は米国人だけではない。すべての人だ。祖先は連邦政府の役人が、外国人を含む誰からも、法の正当な手続きなしに財産を取り上げることを望まなかった。
The U.S. Stealing of Russian Yachts – The Future of Freedom Foundation

「他人の権利を侵害することで、誰の権利も守ることはできない」
「世界一小さなマイノリティは個人だ。個人の権利を否定する者は、マイノリティを守ると言うことはできない」
「個人の権利は国民の投票に左右されない。……権利の役割は、多数派の抑圧から少数派を守ることにある」
- アイン・ランド
35 of Ayn Rand’s Most Insightful Quotes on Rights, Individualism, and Government - Foundation for Economic Education

植民地時代のインドでコブラが大量発生し、政府がコブラに賞金をかけたところ、コブラが減った。すると人々は起業し、自宅でコブラを飼育し、殺して賞金を得るようになった。政府が賞金を廃止すると、コブラを家で飼っていた人々は、すべて路上に放した。結局コブラ問題は、前より大きくなった。
The Cobra Effect: Lessons in Unintended Consequences - Foundation for Economic Education

なぜ女性は男性より収入が少ないのか。市場における生産性が平均して男性よりも低いからだ。有力な根拠は「夫婦の非対称性仮説」だ。既婚の女性は家事、育児、料理、掃除、買物などの大半を担う。彼女たちの関心が向くのは家庭であり、ビジネスではない。だからビジネスの領域では生産性が低い。
Can Wage Transparency Fix the Pay Gap? - LewRockwell

欧米では、主流派のジャーナリストが他の主流ジャーナリストの虚偽の報道、プロパガンダの助長、ジャーナリズムの不正行為について責任を問うのは非常にまれだ。欧米のジャーナリストは、仲間からの承認を得ることに人生のすべてを費やす、価値のない卑屈な臆病者だからだ。
Western Journalists Are Cowardly, Approval-Seeking Losers

2023-01-16

ゼレンスキーの胸像

ウィルソン米下院議員(共和党)は米議事堂にゼレンスキー・ウクライナ大統領の胸像を置く法案を提出し、保守派の共和党議員から批判を浴びた。批判の理由は「ウクライナは米国の51番目の州ではない」「同国は汚職まみれ。民主主義を守る戦いではない」「納税者の支援なのに監視が皆無」など。
House Republican Introduces Resolution to Place Bust of Zelensky in the Capitol - News From Antiwar.com

ウクライナのゼレンスキー大統領はゴールデン・グローブ賞で演説し、ウクライナはロシアとの戦争に勝ち、紛争が第三次世界大戦に発展することはないと述べた。ゼレンスキー氏は事前に録画したビデオ演説を行い、ロシアの侵攻以来何度もウクライナを訪れている俳優のショーン・ペン氏が紹介した。
Zelensky Addresses Golden Globes, Says There Will Be No 'World War III' - News From Antiwar.com

ウクライナは汚職にまみれた抑圧的な独裁国家であり、たとえ「民主主義」の最もゆるい定義を使ったとしても、自由を愛する民主主義国家ではない。また、ロシアとウクライナの戦争は、ありふれた利害関係をめぐる厄介な縄張り争いであり、善と悪の存在をかけたグローバルな対立の一部ではない。
Using Ukraine as a Bloodied Pawn - Antiwar.com Original

米NPOのフリーダムハウスはバイデン大統領への公開書簡で、ゼレンスキー・ウクライナ大統領の言論抑圧に対し強い姿勢を取るよう促した。「ゼレンスキー氏はデマとの戦いを口実に、司法審査なしで行政権を行使し、メディア、プラットフォーム、ジャーナリスト、ウェブサイトを制裁し続けている」
President Zelensky Has A History Of Crushing Press Freedom

ミンスク協定でプーチン露大統領のパートナーだった3カ国(独仏ウクライナ)は最近、同協定が平和的解決を約束してロシアを停戦に導き、ウクライナに軍備増強の時間を与える意図的な欺瞞だったと認めた。これは欧州がロシアに嘘をつき、外交の隠れ蓑の下で軍事的解決の準備をしたということだ。
Did Europe Lie to Russia About Peace? - Antiwar.com Original

ロシアとウクライナは、基本的かつ重要な問題で公に合意した。ロシアがウクライナで戦っている相手は誰かという問題だ。ウクライナのテレビ局とのインタビューで、同国のレズニコフ国防相は、ウクライナは「すでに事実上NATO同盟の一員となった」と答えた。
Ukraine And Russia Agree - Russia Is Fighting NATO - LewRockwell

最近公開されたカナダ軍の機密文書によると、ボスニア紛争時、米国は戦争を長引かせ、ユーゴスラビアを瓦礫の山にし、セルビアを暴力で屈服させようと画策した。CIAの闇作戦、違法な武器輸送、イスラム過激派戦闘員の投入、疑われる偽旗作戦、残虐行為の演出などによってボスニア側を支援した。
Declassified intelligence files expose inconvenient truths of Bosnian war - The Grayzone

中国軍が2026年に台湾へ上陸作戦を実行すると想定した米戦略国際問題研究所(CSIS)の机上演習によると、大半の結果は中国の勝利を予測しないものの、どのシナリオでも台湾、中国、米国、日本に甚大な損害を与える。米軍は中国との戦闘が始まって3週間で3200人の兵力を失うと試算している。
War with China over Taiwan won't end well for anyone - Responsible Statecraft

米下院が創設を決めた「中国特別委員会」は、中国がもたらす課題にうまく焦点を当てるのか、それともすでに危険な状態にある米中対立をさらに激化させるのか。新冷戦の構図は両経済大国の互恵的な協力の機会を絶ち、反中排外主義を煽り、悲惨な「熱い戦争」に転化する危険を増大させかねない。
House creates controversial new select committee on China - Responsible Statecraft

所得税を廃止せよ

所得税は単に「改革」するのではなく、廃止しなければならない。政府が私たちの所得に対して第一の権利を有するという考えに根ざしているからだ。この考えは自由な社会とは相容れない。国税庁の暴力は、中央銀行の詐欺とともに、自由と繁栄を侵食する福祉戦争国家の二つの基盤のうちの一つだ。
The Ron Paul Institute for Peace and Prosperity : Trump’s Tax Returns Show Evil of the Income Tax [LINK]
合衆国憲法は承認からわずか73年後、流血の内戦(南北戦争)を防げなかった。(憲法採択と連邦政府の強化を主張した)連邦党の約束は誤りだった。自由の保障はさらにお粗末だ。第二次世界大戦中の日系人の強制収容や国民監視など、憲法は自由に対する無数の攻撃を正当化するために使われてきた。
The Constitution Failed. It Secured Neither Peace nor Freedom. | Mises Wire [LINK]

民主主義の正統性が、十分な情報を得た国民の同意に基づくものならば、米国の2020年の選挙もブラジルの2022年の選挙も、正統なものとはいえない。特定の政治目的を達成するために、政治家によって明らかに操作されたものである。「民主主義」はエリートが望む結果をもたらすときのみ神聖なのだ。
America, Brazil, and the Illegitimacy of Weaponized Democracy | Mises Wire [LINK]

独占について気にしなければならないのは、国家による特権だけだ。独占とは、ある特定の個人または集団に、ある生産分野を確保することだ。その分野への参入は他者には禁止され、その禁止は国家によって強制される。新たな競争に対し法的な障害がない限り、市場は自由かつ競争的であり続ける。
Again the Government Is Taking Antitrust Action against Microsoft. Again This Is Wrong. | Mises Wire [LINK]

米食品医薬品局(FDA)元長官のゴットリーブ氏は2021年8月、自然免疫はワクチンによる免疫より優れているというイスラエルの研究結果を知らせるツイートに苦言を呈した。同氏は当時ファイザー社に勤務。同社は数十億ドルの補助金を得て製品を製造して特許を取得し、製造物責任免責の恩恵も得ていた。
The Ron Paul Institute for Peace and Prosperity : The Censorious Scott Gottlieb Was a Major Influence on Lockdowns [LINK]

コロナ「ワクチン」が大量虐殺でなければ、以下をどう説明するのか。著名な医学者がmRNA「ワクチン」について事前に警告を発していたのに、検閲を受け処罰された。PCR「検査」の発明者が、この検査はウイルスの存在を示さないと述べていたのに、無視された。「ワクチン」の有害な影響の証拠が、ファイザー社とFDAによって秘密にされた。
The Covid 'Vaccine' Is an Intentional Effort at World Genocide - LewRockwell [LINK]

中南米のような潜在力の高い地域が、なぜスタグフレーションに見舞われるのだろう。コロンビア、チリ、ブラジルでポピュリスト政権が台頭し、投資の安全、財産権、金融規律に対する懸念が高まったからだ。これらの国の政策は国民を依存させることを目的としており、成長を実現するものではない。
Latin America's Descent into Interventionism Continues | Mises Wire [LINK]

2023-01-15

【コラム】獣というレッテル貼り

木村 貴

ノーベル賞作家、スベトラーナ・アレクシエービッチ氏の朝日新聞インタビュー記事第1回のタイトルは「人から獣がはい出したウクライナの戦争」である。これはアレクシエービッチ氏の「ウクライナ侵攻では人間から獣がはい出しています」という発言から取られている。獣という言葉は印象的だ。同氏は別の箇所で、「ドストエフスキーやトルストイは、人間がなぜ獣に変貌するのか理解しようとしてきました」とも述べている。
人間に潜む獣性は、たしかに文学でも扱われる深刻な問題だ。しかしその前提となるのは、獣はあらゆる人間に潜むという普遍的な事実である。ある特定の国民や民族だけの特殊な問題ではありえない。

ところが今回のインタビューを読む限り、アレクシエービッチ氏の目に映る獣は、ロシア人だけである。これまで同氏が語ったエピソードはどれも、信憑性はともかく、ロシア人の残虐さを示すものばかりだ。こういうのもある。「彼ら〔ウクライナ人〕は絶望の淵に立たされています。街が破壊され、人々が拷問を受け、殺されているからです」

ロシア兵による反人道的行為はデマの可能性があることはすでに触れたが、かりに事実としても、それと同様の行為はウクライナ側も行なっている。ウクライナ軍は親ロシアのウクライナ市民に砲撃を加えているし、ソーシャルメディアは規制もあるものの、ウクライナでロシア系市民が「スパイ行為」などへの制裁として柱に縛られ、顔にペンキで落書きをされたり、下半身をむき出しにされたりする映像が流れている。

ウクライナによるこれらの野蛮な行為は、まさに獣の所業としか言いようがない。ところが人間に潜む獣に深い関心を抱くはずのアレクシエービッチ氏は、ウクライナ側の反人道的行為については一言も語らない。「ウクライナ=善」「ロシア=悪」という政治的図式に反し、都合が悪いからだ。

アレクシエービッチ氏は人間に潜む獣という深遠なテーマを掲げてみせるが、結局その背後にあるのは、とにかくロシアを邪悪なものとして描きたいという、政治的な意図でしかない。文学ではなく、プロパガンダである。議論に箔を付けるために名前を出されたドストエフスキーやトルストイにしてみれば、迷惑千万だろう。

獣という言葉によって、アレクシエービッチ氏の議論がなにやら高尚に見える読者もいることだろう。しかし実際は逆だ。特定の国民・民族に獣というレッテルを貼り、非人間的な存在と決めつけることは、過去のさまざまな人種差別を持ち出すまでもなく、きわめて卑劣で危険な行為だ。相手が人間でなければ、どんなに残酷な扱いをしようと正当化されてしまう。

獣というレッテル貼りは、とりわけ戦争中には悪い影響を及ぼす。戦争をやめる和平交渉には互いに妥協が必要だが、相手は獣のように邪悪な存在だという見方がプロパガンダによって国民の間に広まっていればいるほど、妥協は許されず、相手が破滅するまで戦いをやめないという強硬ムードが強まってしまうからだ。

しかし、もし和平交渉を拒み、戦争を長引かせることこそ目的であれば、獣のレッテル貼りは役に立つ。そして事実、アレクシエービッチ氏はインタビュー記事の第2回で、妥協による平和ではなく、あくまでもウクライナの勝利に対する希望を表明するのである。

「今、何がウクライナの人々のよりどころになっているのでしょう」という記者の質問に対し、アレクシエービッチ氏はこう答える。

私はベルリンで大勢のウクライナ難民と会っています。彼らは皆、まもなくウクライナが勝利すると信じています。なぜなら、国民全員が立ち上がったからです。全てのウクライナ人があらがい、故国を守っています。おそらく、これこそがいま、ウクライナ人が(絶望に)打ち勝ち、耐え抜くためのよりどころなのでしょう。

アレクシエービッチ氏は「国民全員が立ち上がった」「全てのウクライナ人があらがい」とぬけぬけと語るが、これほど露骨な事実の無視はない。すでに説明したように、ウクライナ東部にはロシア系住民がいて、政府から迫害されており、そのためロシアに助けを求めている。これがそもそも2022年2月にロシアが「侵攻」に踏み切った理由の一つだ。けっしてウクライナの「国民全員」がロシアに対して「立ち上がった」わけでもなければ、「全てのウクライナ人があらが」っているわけでもない。

つづいてアレクシエービッチ氏は、「この戦争はどのように終わると思いますか」という記者の質問に対し、こう答える。

私はウクライナが何らかの勝利を収める形で終わると考えています。世界が団結し、ロシアのファシズムに立ち向かうのです。ロシアのファシズムは危険で、ウクライナで止まるとは限りません。プーチンは(ソ連から脱退した)バルト3国やモルドバのことも惜しんでいます。ソ連の全ての断片を惜しんでいるのです。ウクライナが戦っているのは自らのためだけではなく、全世界のためです。

ウクライナとロシアが交渉によって妥協の道を探り、早期に平和を実現するべきだという考えは、アレクシエービッチ氏の頭にはかけらもない。あくまでも「ウクライナが何らかの勝利を収める形で終わる」という道しかない。つまり戦争を続けるということだ。同氏の代表作のタイトルは『戦争は女の顔をしていない』だが、ひたすらウクライナの勝利を念願するアレクシエービッチ氏は、間違いなく戦争の顔をしている。

たんにウクライナが戦争を続けるだけではない。「世界が団結し、ロシアのファシズムに立ち向かう」ことが必要だという。「団結」とは具体的には、すでに西側諸国が実行しているように、武器をふんだんに提供することだろう。さらに踏み込んで、米欧(あるいは日本も)がロシアと直接交戦することも含むのかもしれない。少なくともアレクシエービッチ氏はそれを否定していない。そうなれば核戦争も現実味を帯びる。チェルノブイリ原発事故の遺族の声に耳を傾けてきたというアレクシエービッチ氏が、核戦争につながりかねない紛争激化は容認するのである。

ロシアは「ファシズム」で、ソ連時代の領土の回復をたくらんでいるという。根拠のあやふやなこうした主張をもとに、アレクシエービッチ氏は全世界がウクライナとともに戦わなければならないという。ロシアがファシズムかどうかはさておき、ウクライナでネオナチというファシズム勢力が政府に組み込まれているのは紛れもない事実だ。もしファシズムがそれほど問題なら、西側によるウクライナ支援は即刻停止しなければならないだろう。しかしもちろん、アレクシエービッチ氏はそんなことは一切言わない。

アレクシエービッチ氏は最後まで、「ウクライナ=善」「ロシア=悪」のプロパガンダを、事実を無視して読者に刷り込もうとする。記者から「ウクライナ、ロシア、ベラルーシの3国は、これからどうなるでしょうか」と問われ、「民主的な道を歩み始めたウクライナは、今後もその道を行くでしょう」と答える。

ウクライナは「民主的」だろうか。そうは思えない。今回の戦争が始まる前から、世界で最も腐敗した国の一つといわれ、汚職が横行している。反体制者への嫌がらせ、検閲、批判的とみなした外国人記者の出入りを禁止し、国際人権団体などから批判された。複数の野党系メディアを「ロシアのプロパガンダの道具である」という疑惑のもとに閉鎖した。戦争が始まるとさらに悪化し、ゼレンスキー大統領は野党を非合法化し、いわゆる偽情報を防ぐために全国のテレビ局を一つの組織に統合した。

これらの事実をアレクシエービッチ氏や、インタビューした朝日の記者が知らないはずはない。それにもかかわらず、何も触れず、ウクライナを「民主的」と持ち上げる。こうした欺瞞と偽善に満ちた記事が、正月の目玉企画として日本の代表的新聞の紙面を飾る。文学者とメディアの堕落に対する絶望は深い。(この項おわり)

ロシア「侵攻」の理由

なぜロシアは2022年にウクライナで戦争をする決断をしたのか。米国とNATOが約束を破り、ロシア国境に向かって東進して以来、20年以上。米国がウクライナのクーデターを支援し、民主的に選出された親露政権を排除してから8年。米国がウクライナに兵器をあふれさせ始めてから5年が経っていた。ロシアが2022年にウクライナ侵攻を決定した理由を説明するために、戦争に至るまでの発言や出来事を分析することは、戦争を正当化し容認することにはならない。国連安保理を迂回した戦争はつねに違法だ。しかし、第一に戦争を回避し、第二に交渉によって戦争を終結させるには、必要な分析である。
Why Russia Went to War in 2022 - Antiwar.com Original [LINK]
自国の「ルールに基づく国際秩序」を維持するために「ロシアを弱体化」させ、最終的には中国も弱体化させるという現在の米国の任務には、シリアの指導者が油田や最高の農地を利用できないようにシリアの一部を軍事占領し続けるという、偽善的で国際法の下で完全に違法な異常事態が含まれている。
The Ron Paul Institute for Peace and Prosperity : Will 2023 be Worse Than 2022? [LINK]

1992年にチェイニー元米副大統領の指示で策定されたウォルフォウィッツ・ドクトリンにあるように、あらゆる競争相手の出現を阻止することがグローバル支配エリートの目標だ。後に「ブッシュ・ドクトリン」と呼ばれたこの原則は、中国と並ぶ競争相手であるロシアの弱体化に使われようとしている。
The Ron Paul Institute for Peace and Prosperity : Medvedev Suggests Parking Hypersonic Missiles Near the Potomac [LINK]

米外交政策に関するいくつかの嘘。「NATOは1インチたりとも東に動かない」「イラクに大量破壊兵器がある」「トランプとプーチンの共謀」「ハンター・バイデンのノートPCはロシアの情報操作を示す特徴だらけ」「ウクライナ支援に対する一部共和党員の監査要求は、プーチンのプロパガンダの影響」
Lies, Democracy, Foreign Policy, and the Search for Peace - Antiwar.com Original [LINK]

米上院の多数派は、ウクライナでの民間人殺害にジェノサイドとレッテルを貼る。だがジェノサイドには定義がある。ある民族や宗教の集団が大量に殺害されることだ。ロシアの民間人殺害をジェノサイドと決めつけたい人々は、日本が広島・長崎への原爆投下をジェノサイドと主張したらどう答えるのか。
Against Undiplomatic Diplomacy - The American Conservative [LINK]

米軍当局は2021年8月のカブールでの無人機攻撃で、子供を含むアフガニスタンの民間人が死亡した可能性が高いことを知りながら、嘘をついていた。NYタイムズが報じた。攻撃では7人の子供を含む一家10人が死亡していた。国防総省は、今回の民間人殺害により誰も罰されることはないとしている。
Pentagon Doc Reveals US Lied About Afghan Civilians Killed in 2021 Drone Strike - Antiwar.com Blog [LINK]

イスラエルの極右党首、ベングビール国家治安相による聖地「神殿の丘」の訪問は、いわゆる現状維持を脅かすとされている。しかし今日、現状維持の合意はほとんど残っていない。イスラエル占領軍は聖地への入場を独占的に決定し、イスラム教徒の礼拝はイスラエルが決めればいつでも制限できる。
Is Ben-Gvir Preparing a Holy War Against the Palestinians? - Antiwar.com Original [LINK]

2023-01-14

軍隊社会と契約社会

英哲学者スペンサーによれば、17〜19世紀の英政治史は、二つの将来像の対立だった。一方は国を強制的な身分制の軍隊社会にしようとする。他方は自発的な契約社会にしようとした。前者は絶対主義のトーリーと大きな政府のリベラルで、後者は反絶対主義のホイッグと小さな政府の自由主義者だ。
Herbert Spencer’s Two Types of Society - Foundation for Economic Education [LINK]
経済学者ミーゼスによれば、社会的な協力には、契約(自発的な合意と互恵)に基づくものと、覇権(命令と従属)に基づくものの二種類がある。戦争好きで貧困に苦しむ野蛮な社会から、平和で豊かな文明への歴史の進歩は、命令が契約に変わり、強制的な覇権が自発的な調和に変わるなかで実現した。
It's Either Commands or Contracts - Foundation for Economic Education [LINK]

個人をその人自身の決断、行動、状況によって判断するのではなく、集団によって人を分類することは、便利かもしれないが、ほとんどの場合、表面的で誤解を招く。貧しい人々は、形のない、寄せ集めの塊ではない。金持ちも、その中間にいる集団にしても同じだ。私たちは皆、異なる個人なのだ。
 ‘Are You For the Rich or Poor?’: The Proper Way to Answer the Question - Foundation for Economic Education [LINK]

スコラ哲学のサラマンカ学派、聖トマス・アクィナス、経済学者カール・メンガーに共通するのは、理性を使って客観的な現実を理解しようとする姿勢である。その結果、神学、経済学という探求の方法は異なっても、これらの優秀な人たちは同じ結論に達する。
Learning Economics From the Catholics | The Libertarian Institute [LINK]

トランプはオバマの大統領令を取り消したことで独裁者と糾弾された。一部の反トランプ派にとって、パリ協定離脱ほどひどい話はない。だがオバマは上院の承認手続きを経ずに協定を批准した。反トランプ派の多くは、独裁者そのものに反対しているわけではなく、異なる独裁を望んでいるにすぎない。
Donald Trump Didn't Create the Dictatorial Presidency, He Inherited It - Foundation for Economic Education [LINK]

ファストファッションは環境汚染をもたらすと非難される。もしそれが本当だとしても、責任は生産者ではなく、汚染した者にある。自動車のタイヤも捨ててはまずい場所に積まれているが、タイヤメーカーは顧客が製品を使い終わった後どうするかについて、ほとんど責任を負わない。衣料品も同様だ。
Fast Fashion Is Evil? Think Again - Foundation for Economic Education [LINK]

人が手に入れるものはすべて、自然からの無償の贈り物以外、何らかの形で代価を払わなければならない。世の中にはエコノミストと呼ばれる人たちがたくさんいるが、この人たちは逆に、何もしないで何かを得る策略ばかり語る。
 - ヘンリー・ハズリット(ジャーナリスト)
 25 of the Greatest Quotes on Economics and Capitalism (That You've Probably Never Heard) - Foundation for Economic Education [LINK]

2023-01-13

国境は投票で決めよう

経済学者ミーゼスは、もし人々に自決の権利があるなら、不変の国境によって特定の政治連合(国家)に閉じ込めることはできないと考えた。ミーゼスにとって自決とは、どのような政府の下で暮らすかについて、住民が自ら投票できるようになることである。その選択は地域・村レベルでも可能である。
The Borders Between US States Are Obsolete | Mises Wire [LINK]
国政選挙に勝つよりも、必要最小限の同志が結集するほうが簡単だ。多くの小さな単位が契約に基づいて協力することは、特にデジタル時代には組織的・財政的に効率がよく、政治的な対立がなく、文化的にも自律的である。契約か協同組合で、決まった土地に意図的なコミュニティを設立するのである。
Parallel Structures Are the Only Way to Freedom | Mises Wire [LINK]

経済の繁栄やほぼあらゆる形の文化的達成という点で、米国の実験が収めた空前の成功は、個人の権利とそれに伴う小さな政府という岩盤の上に築かれた。小さな政府とは、依存心を煽るような福祉国家が存在しないことを意味し、それによって米国人は自立と強い人格の文化を維持することができた。
Running Away from Our Own Revolution - Foundation for Economic Education [LINK]

人物Xは決定論者、人物Yは非決定論者だとする。Yは自由意志を信じているが、Xは信じていない。もしXが人間には自由意志がないと信じているならば、決定論が真実だとYに説得しようとするのは不合理だ。非決定論者に自分の立場を納得させようとする決定論者は、自分の立場を否定することになる。
Objection, Professor Harari! Logic Proves the Existence of Free Will | Mises Wire [LINK]

BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)、上海協力機構(SCO)、ユーラシア経済連合は、米ドルに代わる国際貿易決済の主要な手段として、商品ベースの為替媒体を開発する作業部会を立ち上げた。ドルや米国にとっては損失となるだろうが、世界は全体として利益を得ることになる。
World Dollar Hegemony Is Ending (and That May Be a Good Thing) | Mises Wire [LINK]

『くまのプーさん』は純粋にアナーキーな物語だ。さまざまな種類の野生動物が、誰からも支配されることなく、森の中で仲良く暮らしている。とくに難しい問題をクリストファー・ロビンに相談することもあるけれど、彼は権威というよりも信頼できるアドバイザーだ。
16 Children's Books You Didn't Know Were Anti-Authoritarian - Foundation for Economic Education [LINK]

聖書「箴言」の経済の知恵。
怠惰より勤勉を
「手のひらに欺きがあれば貧乏になる。勤勉な人の手は富をもたらす」
一攫千金を狙うな
「勤勉な人はよく計画して利益を得、あわてて事を行う者は欠損をまねく」
誠実に生きよ
「うそをつく舌によって財宝を積む者は、吹き払われる息、死を求める者」
7 Financial Tips From the Book of Proverbs - Foundation for Economic Education [LINK]

2023-01-12

アゾフ連隊の正体

アゾフ連隊(元アゾフ大隊)は2014年、ウクライナ内務省管轄の国家警備隊に正式に編入された。諜報機関SBU(ウクライナ保安局)とも連携し、政府に統合されている。世界の軍隊中、唯一知られるネオファシスト構成員だ。メンバーはかつてのドイツのSS部隊と同じく、ヴォルフスアンゲル(狼用の罠)の黄色い腕章を身に着けている。
On the Influence of Neo-Nazism in Ukraine [LINK]
米国防総省とCIAは1979年、今回のウクライナ戦争と同じように、策謀でロシアをアフガニスタンに侵攻させた。陰謀論ではない。ブレジンスキー国家安全保障顧問は驚くほど正直に、意図してそれを行ったと認めていた。彼はそれを誇りにしていた。いかにしてロシア人を罠にはめたかを自慢していた。
The Evil Strategy of “Degrading" Russia – The Future of Freedom Foundation [LINK]

米国がウクライナへの支援をほのめかさなかったら、同国はロシアの要求にもっと譲歩していた可能性がある。重要なのは中立を約束し、ミンスク合意を完全履行することだったろう。米国の支援はウクライナの指導者に誤った救済の希望を与え、政治的な痛みを伴う措置を避ける理由を与えてしまった。
When courting quasi-allies like Ukraine becomes a moral hazard - Responsible Statecraft [LINK]

ソ連共産党がロシアを乗っ取る以前には、今のウクライナの国境に少しでも似た国は存在しなかった。それどころか、現在のウクライナを構成する領土の大部分は、過去3世紀の大半の間、ロシアと結合していた。だから最近ロシアに「併合」された4つの領土は、以前からロシアの不可欠な部分だった。
Ukraine Was Not Built To Last - Antiwar.com Original [LINK]

米スパイ会社アノマリー6が、クリミア大橋爆破などウクライナ紛争での危険な破壊行為に関し、英軍に情報を提供していることが流出文書で明らかになった。同社は自社の技術を精密なものとして売り込む一方で、大量の個人データを収集し、無実の個人を安全保障上のリスクと偽って標的にしている。
British-run spy tech powers Ukraine proxy war, putting civilians at risk - The Grayzone [LINK]

米国の政治指導者はいつも、敵の行動に十分力強く反応しなければ、敵は自分の軍事行動が米国の政策に決定的な影響を与え、米国とその同盟国を後退させることができると考えるのではと恐れている。そのような恐怖に駆られた紛争拡大はいつも、決定的で屈辱的な米国の敗北をもたらすだけだった。
Can NATO and the Pentagon Find a Diplomatic Off-Ramp From the Ukraine War? - Antiwar.com Original [LINK]

中国に対するタカ派的な姿勢は、小さなならず者国家に対するよりもはるかに深刻な危険を米国にもたらす。ウクライナを軍事上の代理人としてロシアと戦うことで、米国が抱えた大きなリスクさえも上回る。東アジアの同盟国や傀儡国家、特に台湾を守ることは、中国と直接戦争するリスクを意味する。
China: For some, where restraint ends and hawkishness begins - Responsible Statecraft [LINK]

2023-01-11

強まる検閲圧力

デマと分類されたものに対する政府の検閲は今年も強まるだろう。批判者に対する政府の攻撃は続く。政府や企業の検閲官は、危険なデマ作戦から国民を守ると主張しているが、実際は、権力エリートによる国民生活の支配に挑戦するかもしれない、「危険」な考えに先手を打つための土台を作っている。
The Ron Paul Institute for Peace and Prosperity : What to Expect from the Government in 2023? More of the Same [LINK]
いわゆる非合法な思想の検閲から真実の封殺までは、気づけばあっという間だ。やがて英作家ジョージ・オーウェルが予言したように、真実を語ることは革命的な行為になるだろう。政府が言論を統制することができれば、思想を統制することができ、ひいては市民の心を統制することができる。
From Totalitarian Paranoia to Authoritarian Madness – The Future of Freedom Foundation [LINK]

アダム・シフ米下院議員(民主党)がツイッター社に圧力をかけ、コラムニストら批判者を検閲させようとしたことがわかった。シフ議員はこれまで、悪名高いハンター・バイデン氏のノートPCがロシアのデマだとか、2016年大統領選でトランプ氏とロシアが共謀したとかいう誤った主張を押し通した。
The Ron Paul Institute for Peace and Prosperity : 'We Don’t Do This': Adam Schiff and the Underbelly of American Censorship [LINK]

公平な検閲など存在しない。ある種の言論を規制する法律を含め、法を公平に解釈し適用できる人は最高裁判所の職員に違いないと考えるかもしれない。しかしブラジルでは米国と同様、判事は大統領に指名される。最高裁判事11人のうち7人は、ルラ大統領(1期目)か次のルセフ大統領が指名した。
Brazil Is Proving That There’s No Such Thing as Unbiased Censorship - Foundation for Economic Education [LINK]

合衆国憲法修正第4条は、データを保存する機器の内容を保護する。したがってモバイル機器やパソコンの所有者は、そこに保存されているデータについてプライバシー権を有する。この条項の狭い解釈でさえ、コンピューターチップは「物品」であり、したがってその所有者はこの保護を享受する。
A Government That Assaults Liberty - Antiwar.com Original [LINK]

自由な言論を通じ真実を発見するには、何よりもまず政府の干渉を排することが必要だ。しかし反対意見や討論を敵視する文化では、うまくいかない。異論を唱える人が襲われたり職を失ったりすれば、社会で力のある人や、世間の一般的な理念と同じ考えの人しか、恐れずオープンに発言できなくなる。
Why George Orwell's Quote on 'Self-Censorship' Is More Relevant Than Ever - Foundation for Economic Education [LINK]

世の中には、特に政治など世間の関心事について、膨大な量の偽情報が存在する。主流の報道機関は、できるだけ多くの人に番組を見てもらい、記事を読んでもらうなどしてお金を稼いでいる。そのために、すべてをできるだけ怖く、刺激的で、許しがたく、ドラマチックに聞こえるようにしようとする。
3 Proofs That the Corporate Press is Complete Propaganda | The Libertarian Institute [LINK]

2023-01-10

【コラム】「ナチはいない」は真実か?

木村 貴

さて、ノーベル賞作家のアレクシエービッチ氏は、朝日新聞デジタルのインタビュー記事第1回の後半から、ロシア非難をさらにヒートアップさせる。ロシア人は「獣」だと言い出すのだ。そしてロシア人が獣になった原因について、「私はロシア人を獣にしたのはテレビだと思います」と言う。
どういうことか。アレクシエービッチ氏は続ける。「プーチンはこの数年、戦争の準備をしてきた。テレビはウクライナを敵として描き、人々を、ウクライナを憎む獣にするために働きかけてきました」

これを受け、朝日記者が付け加える。「ロシアではプーチン氏が大統領に就任した2000年以降、政府によるメディア掌握が進んできました。ウクライナ侵攻でも政府の主張に沿ったプロパガンダが展開されています」

つまり、ロシアではプーチン大統領率いる政府が、テレビを通じて自分に都合の良いプロパガンダ、つまり嘘を振り撒き、ロシア人はそれを信じ込んで、「ウクライナを憎む獣」になってしまったというのだ。

それでは、ロシア政府がテレビを通じて吹聴した嘘と、それに対する真実とは、どのようなものか。アレクシエービッチ氏は二つ例をあげる。

一つは、「ナチ」の存在だ。アレクシエービッチ氏はこう話す。

あるウクライナ兵が、(侵攻後に)捕虜にしたロシア兵に「母親に電話して実情を伝えれば解放してやる」と言いました。電話で「ママ、ここにはナチはいない」と話したロシア兵に、母親は「何を言ってるの。誰に吹き込まれたの」と叫んだ。母親が口にしたのはテレビが流す内容でした。

わかりにくいが、ウクライナ兵に捕まったロシア兵が、母親に電話で「ママ、ここにはナチはいない」と「実情」(真実)を伝えたところ、テレビに洗脳された母親はそれを信じず、「何を言ってるの」と驚いたというのだ。ここでいう「ナチ」とは、ナチスドイツの思想を信奉する、いわゆるネオナチのことだろう。

ようするにアレクシエービッチ氏はこのエピソードで、ロシア政府はテレビを通じ「ウクライナにはナチがいる」という嘘をロシア人に信じさせているが、実際には「ナチはいない」というのが真実だと言っているわけである。

ロシアが一方的に侵攻に踏み切ったというストーリーと同じく、この「ウクライナにナチはいない」という主張も、最近の大手メディアの報道にしか接しない人は、なんとなく信じてしまうかもしれない。だが以前から欧米のネオナチ問題に関心のある人なら、違和感を覚えるはずだ。

なぜなら以前は大手メディア自身、「ウクライナにナチはいる」と報じていたからだ。他ならぬ朝日新聞社が運営する言論サイト「論座」の2022年3月23〜24日連載記事で、ルポライターの清義明氏が伝えるように、2014年に設立された準軍事組織「アゾフ大隊」(その後「アゾフ連隊」)の中核メンバーはネオナチ集団であり、その事実は2017年時点でニューヨーク・タイムズ、ガーディアン、BBC、テレグラフ、ロイターなど米欧の主要メディアが取り上げていた。

「欧州の極右事情やウクライナ情勢に詳しい人ならば、この数年でウクライナの極右・ネオナチの存在が問題化していたことは常識のレベルの話である」と清氏は述べている。

その後、ウクライナからネオナチがいなくなったわけではない。昨年のロシア「侵攻」後、メディアが一斉に口をつぐんでしまっただけだ。邪悪なロシアに立ち向かう「善」であるはずのウクライナに、ナチがいては都合が悪いからという「忖度」にしか見えない。

このように言うと、「ネオナチはどの国にもいる」と「反論」する向きがある。たしかにネオナチの存在は、欧州中心に多くの国に共通した社会現象だ。しかしウクライナではアゾフは正規軍に編入され、これとは別の「国家親衛隊」という内務省管轄として特設された特殊部隊では、その中核を担う存在にまでなっている。ネオナチが正規軍に組み込まれているのは、世界でウクライナだけだ。この事実は、さきほどの「論座」記事で清氏が指摘している。ウクライナにおけるネオナチと政府権力との関係は、他の国とは比べ物にならないほど深い。

西側メディアでも報じられたそうした事実を、アレクシエービッチ氏が知らないはずはない。それにもかかわらず、ウクライナにおけるナチの存在をテレビの洗脳による妄想にすぎないと切り捨てるとは、言論人としての姿勢に不信を抱かずにいられない。

そもそも、ロシア兵捕虜に対するウクライナ兵の「実情を伝えれば解放してやる」という言葉は、明らかな脅しだ。脅されて口にした「ママ、ここにはナチはいない」という言葉は真実ではなく、むしろ解放されたい一心からの偽りではないかと疑うのが、作家の観察眼以前に、常識というものだろう。

もう一つのエピソードは、ウクライナ東部ハリコフ(ハルキウ)への爆撃だ。これはさらにわかりにくい。まずはそのまま引用しよう。

こんなロシア人女性もいました。「ええ私の姉妹はハリコフ(ハルキウ)に住んでいます」。ハリコフは何度も爆撃された街です。「それでも、私は自分の大統領を信じています」。残念ながら、テレビは大きな力です。私たちは甘く見ていました……。

すでに述べたように、ロシア人はウクライナ、とくに東部に親族が多い。このロシア人女性も、ハリコフに姉妹がいる。そのハリコフは「何度も爆撃された街」だという。誰から爆撃されたのか。この文脈からすれば、ロシアからとしか読めない。だからこのロシア人女性も「自分の大統領」、すなわちロシアのプーチン大統領がいつか爆撃をやめると信じていた。しかし残念ながら、プーチン氏はテレビで洗脳された国民の支持をいいことに、爆撃をやめようとしない——。補って考えると、こうなるだろう。

けれども、またしても疑問がわく。ハリコフはすでに述べたように、ロシア国民の親族を含む、ロシア系住民の多い東部の街だ。その街を、ロシアが「何度も爆撃」するものだろうか。

アレクシエービッチ氏の話では、「何度も爆撃された」時期は不明だが、2014年からの内戦期のことであれば、爆撃したのはおもにウクライナ政府のはずだ。日本の独立系ニュースサイトIWJが2022年6月16日付記事で伝えるように、かつてウクライナ軍が東部ドンバス地方で自国民(ロシア系住民)を攻撃していた事実は当時、NHKでさえ報じていた。

2022年2月のロシア「侵攻」後も、ウクライナ軍は東部の街や駅を爆撃し、それをロシアのせいにする「偽旗作戦」を展開しているといわれる。これらの状況に鑑みると、東部の街がロシアによって「何度も爆撃された」という話を鵜呑みにはできまい。

もちろん現在、ロシアはウクライナと戦争をしているのであり、軍事施設に攻撃目標を絞ったとしても、人命や財産が犠牲になるのは避けられない。だがその罪はウクライナ側も免れないはずだ。

いずれにしても、あやふやなエピソードを頼りにロシアだけを一方的に断罪するアレクシエービッチ氏に、事実に基づき両者の罪の軽重を見極めようとする態度は微塵も感じられない。(この項つづく)

パレスチナの希望

サッカーのパレスチナ代表チームはW杯出場権を獲得していないが、2022年カタール大会で、パレスチナの国旗が最も目立った。パレスチナの象徴であるクーフィーヤ(頭巾)は、世界の指導者、高官、著名人ら数千人のファンが身につけた。希望が、パレスチナの自由を求める闘いを可能にしている。
Culture of Hope: 2022 and the Margins of Victory in Palestine - Antiwar.com Original [LINK]
イスラエルのネタニヤフ新政権で警察と西岸地区の治安維持を統括する、国家治安相となったベングビール氏は超国家主義者だ。パレスチナ国家の建設に反対し、すべてのアラブ人の追放を主張してきた。新聞編集者から「米国の白人至上主義者と欧州のファシストの現代イスラエル版」と評されている。
Israel Faces a Reckoning - Antiwar.com Original [LINK]

欧米の政府関係者らは、ネタニヤフ新政権樹立によってイスラエルの自由民主主義が直面するという危険に警鐘を鳴らす。こうした見方は、イスラエルをユダヤ人国家と定義し、非ユダヤ人市民の権利を完全に無視する問題含みの国民国家法が成立した後も、民主主義が維持されていると認めるものだ。
Criticizing or Whitewashing Israel: Netanyahu's New Government Accentuates West's Hypocrisy - Antiwar.com Original [LINK]

イエメン紛争への関与に関するアメリカ帝国の意思決定の中核には、米兵器産業の取引上の利益がある。ロッキード・マーチン、ボーイング、レイセオンによるロビー活動は、関与を終わらせようとする最初の試み(軍事支援の停止を求める議会決議)に対するトランプ大統領の拒否権発動につながった。
Despite Broad Opposition in Congress, US Policy toward the War in Yemen Is Unchanged | Mises Wire [LINK]

CNNのコメンテーターに転じた(共和党反トランプ派の)アダム・キンジンガー前米下院議員は、選挙区を変更する前、兵器メーカーのロッキード・マーチン、ボーイング、レイセオン、ノースロップ・グラマンから多額の選挙資金を受け取っており、間違いなく議会で最も悪質な戦争屋だった。
The Ron Paul Institute for Peace and Prosperity : CNN Recruits Washington's Worst Warmonger The Instant He Leaves Congress [LINK]

ソ連崩壊後、ウクライナが国際的な非難にさらされずにソ連から受け継いだ核兵器を維持するという選択肢はなかった。保有を維持する自前の核開発計画を構築するコストは法外なものだった。当時の同国外務省によれば、「核の選択がもたらすマイナスの影響は、プラスの影響をはるかに上回る」。
What if Ukraine had kept its nuclear weapons? - Responsible Statecraft [LINK]

ドイツのビュッシェル空軍基地と欧州の他の6つの施設には、「核共有」として知られ物議を醸している米・NATO計画の下、少なくとも20発の米国製B61核爆弾(広島原爆の20〜40倍の破壊力)が配備されている。米空軍はドイツのトーネード戦闘爆撃機の乗組員向けに、この核爆弾を保守している。
John LaForge Set To Be First US Activist Jailed in Germany for Anti-Nuke Protests - Antiwar.com Blog [LINK]

2023-01-09

ヒトラーの目的と手段

ドイツの独裁者ヒトラーによれば、目的は国家の命であり、「それ以外のものは手段にすぎない」。ヒトラーの哲学が何百万人もの人々の死を招いたのは偶然ではない。個人の権利を集団の利益に従属させるような世界観は、たとえ目的が高潔で、高貴で、正しいものに見えたとしても、災いの元となる。
Hitler’s Chilling Words on Means and Ends - Foundation for Economic Education [LINK]
1978年、毛沢東の死後まもない中国は文化大革命の余韻が残り、小崗村(安徽省)は村民の半数以上が餓死していた。11月24日、18世帯の家長が密かに集まり、コミューンの土地を家族用の区画に分け、その中の一定量のトウモロコシを政府に渡し、残りは自分たちのものにするという誓約書に署名した。
How Eighteen Hungry Farmers Beat Collectivism and Helped China Succeed: Lessons from the Village of Xiaogang - Foundation for Economic Education [LINK]

1965年以降、ソ連の通貨供給量は経済の生産力を上回った。これは自由な経済ではすぐに物価上昇につながるが、ソ連政府は物価統制で抑え込んだ。賃金は上がるのに物価が上がらないと、需要が供給を上回り、品不足になる。その結果、ソ連経済といえば、長蛇の列と空の棚が連想されるようになった。
How the Soviets "Fixed" Inflation, but Ruined the Economy | Mises Wire [LINK]

キューバ人にとって、他国への渡航は選択肢にない。いかだを作ったり、飛行機以外で島を出たりしたことがばれたら、厳罰に処され、投獄されることさえある。昨年、キューバ人ジャーナリストのカルラ・ペレス・ゴンサレスは、共産党独裁政権を批判したために、島への帰還を阻まれた。
More than Sixty Years after "Liberation," Cuba Is a Communist Slave State | Mises Wire [LINK]

価格情報が消え去る結果、政府が計画によって経済を運営できなくなることを、経済計算問題と呼ぶ。この問題を発見したのは経済学者ミーゼスで、20世紀半ばに台頭した経済計画主義に対する大きな攻撃材料となった。中央政府の計画者は、経済を効率運営するのに十分な情報を得ることができない。
Socialism Is Doomed to Fail, Because It Lacks Market Prices - Foundation for Economic Education [LINK]

米国の民間企業では起業家が創造的破壊者をあえてスカウトし、画期的な製品を発売して伝統産業を脅かす。政府官僚の従順な態度は、イノベーションをうながす非正統的な思考の敵だ。中国は有能で実力主義的な公務員を擁することで知られるが、イノベーティブな環境が欠けていると指摘される。
For Now, Innovation and Entrepreneurship Still Holds a High Place in the USA | Mises Wire [LINK]

日本における産業政策の研究によれば、資源分配は政治的な活動であり、コネのある企業に利益をもたらし、腐敗した雰囲気を助長していた。新しい研究でも産業政策の効果に疑問が投げかけられ続けている。1955年から1990年の間、産業政策は日本の最も力強い産業の生産性に何の影響も与えなかった。
Industrial Policy Did Not Bring Prosperity to Asia | Mises Wire [LINK]

現代貨幣理論(MMT)の本質はケインズ主義の分派であり、政府が際限なく支出し、それに見合ったお金を刷っても何の悪影響もないとするものだ。歴史的なインフレに見舞われている現在、MMTは完全に否定された。MMTは死んだのであり、もう葬らねばならない。
MMT Is Dead. It Must Now Be Buried for Good - Foundation for Economic Education [LINK]

歴史上の大きな皮肉は、金(きん)を嫌う人々が、金を野蛮な遺物と呼ぶことだ。実際には金の放棄によって、文明は絶滅の危機に瀕している。19世紀の大半の期間、金本位制は西洋経済にみごとに貢献してきた。第一次世界大戦が始まると、金本位制は捨てられ、欧州は繁栄から破滅へ向かった。
The "Barbarous Relic" Helped Enable a World More Civilized than Today's | Mises Wire [LINK]