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「反インフレ経済勉強会」開講のお知らせ

インフレは税の一種です。しかも普通の税よりも悪質な税です。ところが、この事実はよく理解されていません。それどころか、多少のインフレはむしろ良いことだという嘘が、現在主流の国家主義的な、誤った経済学(ケインズ経済学)や、そこから派生した極端な説 (MMT=現代貨幣理論など) によっ...

2025-05-30

お金は市場で生まれた

ジョシュア・モーホーター
(ミーゼス研究所公式サイト アシスタント・エディター)

米国人が政府が作ったさまざまな紙幣を受け入れたのは、それが本物の貨幣や適切な貨幣(例えば金、銀、交換媒体として認められている他の商品)と交換できる(あるいはそうなる)と信じていたからだ。そうでなかったら、政府の不換紙幣が容易に受け入れられたとは考えにくい。
MMT and US History: Redefining Chartalism | Mises Institute [LINK]
植民地時代のアメリカでは物々交換を通じて財と財が交換されたが、やがて人々は、財はより取引しやすい財、つまりお金となる財を間に挟んで交換することもできることに気づいた。そこでその商品が交換の媒体となった。いくつかの商品、特にタバコが交換媒体として役に立った。
MMT, Chartalism, and the Colonial Experience | Mises Institute [LINK]

19世紀後半、米政府が黒字だった時期もある。政府は支出を上回る歳入を得ていた。大きな政府の共和党は政府の支出増を望み、民主党は関税の引き下げを望んだ。当時クリーブランド大統領(民主党)はこう訴えた。政府が支出を上回る収入を得ているのなら、税金を下げればいい。
Tariffs Did Not Make America Great and Won’t Make America Great Again | Mises Institute [LINK]

関税は結局雇用を守らない。せいぜい他の人の犠牲の上に一部の雇用が守られる程度であり、多くの場合そのような雇用すら守られない。雇用は創出されるのではなく、転換されるのだ。物価が上昇し実質賃金は低下する。国際競争力のない産業を保護することで、効率性も低下する。
Tariffs Mean Lost Jobs | Mises Institute [LINK]

大恐慌克服を目指したルーズベルト米大統領のニューディール政策は人々に希望を与えたといわれるが、失業率、GNP、個人消費、民間投資など主要な経済指標を検証するだけでも、ニューディールが失敗だったことは明らかだ。失敗どころか逆効果であり、景気回復の妨げとなった。
No, FDR Did Not Give People “Hope” | Mises Institute [LINK]

2025-05-28

トランプ氏の赤字財政

ライアン・マクメイケン(ミーゼス研究所編集主任)

トランプ大統領の歳出政策によって多額の財政赤字が続き、今後4年以内に年4兆ドルに達するだろう。米政府は今後数年間、莫大な量の国債を市場で売り出す必要がある。利回りの大幅な上昇を防ぐだけの需要が投資家から得られるだろうか。FRBと政府は心配する十分な理由がある。
Interest Rates Rise Again as Treasury Auction Comes Up Short | Mises Institute [LINK]
共和党指導部が独自に算出した数字によると、同党の下でトランプ大統領が承認した予算は今後数年間、各年度の財政赤字を増大させる。マッシー下院議員(共和党)は同党の予算案に反対票を投じると述べ、最善のシナリオでも赤字は拡大し、連邦債務の総額は増加すると指摘した。
Federal Spending in 2025 Is on Track to be the Highest Ever | Mises Institute [LINK]

トランプ氏が賢かったら、過去15年間の通貨膨張で生じた悪しき投資を一掃するために、厳しい景気後退を望むだろう。そうすれば次の大統領選挙の前に、バブルではない本当の経済の基礎を固める時間ができる。しかし、どうやら短期的に聞こえのいい政策しか考えていないようだ。
No, Powell Is Not "Keeping Interest Rates High" | Mises Institute [LINK]

物価上昇率が再び拡大する懸念がなければ、FRBは過去3カ月間に少なくとも1回は目標金利を引き下げていただろう。しかし、パウエル議長の確約にもかかわらず、物価上昇率がFRBの勝手な目標である2%に戻る兆しはない。FRBはスタグフレーションのリスクの高まりに閉口している。
The Fed Leaves Fed Funds Rate at 4.5% as Economic Storm Clouds Gather | Mises Institute [LINK]

FRBの資産保有総額は依然として2019年時点の水準をはるかに上回っている。もしFRBが金融緩和政策で経済に与えたダメージを一部でも元に戻すことを真剣に考えるなら、金利上昇を認めると同時に、積極的に資産を圧縮する必要がある。明らかにそのどちらにもほとんど関心がない。
The Money Supply Keeps Growing as the Fed Backs Off Monetary "Tightening" | Mises Institute [LINK]

2025-05-26

シンプルなインフレ対策

クリストファー・ムステン・ハンセン
(ミーゼス研究所フェロー)

インフレに対する最も単純かつ即座に実施可能な改革は、中央銀行の廃止だ。インフレの原因も本質も通貨供給の増加なのだから。改革の第二段階はすべての法定通貨法と、ある通貨を他の通貨より優遇する規定を廃止することだ。アルゼンチンのドル化政策は何の足しにもならない。
Will Dollarization Work in Argentina? | Mises Institute [LINK]
中央銀行の資産と、中央銀行が発行した通貨との間には、歴史的なつながりしかない。資産と負債の間に現在の結びつきはない。不換紙幣の価値は、中央銀行の資産の価値とはまったく無関係である。資産を購入する以外に、自分のお金をこれらの資産に変える方法はないからである。
Hoppe versus Milei on Central Banking: Breaking Down the Differences | Mises Institute [LINK]

1912年のミーゼス『貨幣及び流通手段の理論』以来、オーストリア学派は、銀行理論の重要な問題は信用膨張の過程でお金が「無から」生み出されることだと強調してきた。過去百年の貨幣理論における重要な進歩は全てミーゼスの原理を一貫して適用するためのさらなる一歩だった。
About That Nobel: Deconstructing Banking Theories of Diamond and Dybvig | Mises Institute [LINK]

関税の主な犠牲者は外国人ではなく、外国人との貿易によって才能と資源をもっと効果的に活用できたはずなのに、国内の代替品に頼らざるをえなくなった国内居住者である。「再工業化」は起こるかもしれないが、資本と労働力が劣悪で高価な商品の生産に使われることを意味する。
The Fallacy of Optimal Tariffs | Mises Institute [LINK]

欧州のエネルギー市場は無数の介入で成り立つ。大陸全域に及ぶ送電網の統合と自然エネルギー利用の大幅な伸びを説明する重要な介入のひとつが、料金制度だ。EUは再生可能エネルギーが最も低コストの供給源であるとして、事業者に再生可能エネルギーの受け入れを強制している。
The Spanish Blackout and the Costs of Renewable Energy | Mises Institute [LINK]

2025-05-23

債務に基づくお金

ロバート・マーフィー(ミーゼス研究所シニアフェロー)


純粋に経済学的に言えば、減税は平均的にはつねに有益だ。一般に、税額控除は個人に財産を保持する選択肢を増やすという点で、良いことだ。しかし税額控除の導入をめぐる議論においては、リバタリアンは一時的な控除を求めるのではなく、幅広い税率の引き下げを訴えるべきだ。
Private Business and State Power in an Age of Bailouts, Censorship, and Easy Money | Mises Institute [LINK]
狭義のマネーは、納税者が負う公的債務を増やすことで生まれる。民間銀行はそれを使って広義のマネーを作り出し、民間負債を増やす。もし民間部門の人々が借金をすべて返済し、米政府が国債をすべて返済すれば、米ドルの供給は事実上なくなる。ひどく不合理なお金の仕組みだ。
Is Our Money Based on Debt? | Mises Institute [LINK]

(預金の一部に対してしか払い戻しの準備金を用意しない)部分準備制度により、銀行は無からお金を生み出し、収入を得る。人々が銀行からの新たな借り入れを止め、未払いのローンを完済すれば、お金の総量は激減するだろう。部分準備は景気変動を生じさせ、本来違法でもある。何の問題もないと思う人は、一度ゆっくり考えたほうがいい。
The Fractional-Reserve Banking Question | Mises Institute [LINK]

すべての人が借りた元本をすべて返せばドルは存在しなくなるから、利子を返せないという説がある。これは誤りだ。人々が利息を負う場合、これは一定期間にわたって発生するフローの概念である。対照的に、マネーサプライの総量は、特定の瞬間に適用されるストック概念である。
What Does "Debt-Based" Money Imply for Interest Payments? | Mises Institute [LINK]

百貨店がお客に「在庫を売る」というのは間違いだろうか。顧客が店から出ると「在庫」は「商品」に変わるが、百貨店が在庫を消費者に売ったと言っても、経済的には何の問題もない。同様に、商業銀行が新たな融資を行う際、準備金の一部を貸し出したと言っても何ら問題はない。
Do the Textbooks Get Money and Banking Backwards? | Mises Institute [LINK]

2025-05-21

反戦の古典的自由主義

ライアン・マクメイケン(ミーゼス研究所編集主任)

第二次世界大戦後、米国の保守運動はひどいことに、古典的自由主義をその歴史的ルーツである反戦・非干渉の外交政策から切り離そうとした。ロック、ジェファーソン、バスティア、コブデン、スペンサーの思想は、外交でも内政でも、あらゆる領域で国家権力に一貫して反対した。
The Classical Liberals Were Radical Opponents of War and Militarism | Mises Institute [LINK]
イスラエル政府はガザでの無差別殺害を正当化するため、 「自衛権がある」と主張する。米国も同様の行動をしてきた。日本、朝鮮半島、ベトナム、イラクで、「日本人の子供は日本人に生まれたのだから爆撃されて当然」といったいい加減な主張に基づき、非戦闘員を標的にした。
Is There Such a Thing as a "Just War" in the Modern World? | Mises Institute [LINK]

国家が常に新たな戦争を追求していると考えるのは誤りだ。戦争が国家に領土や権力の拡大という利益をもたらすのは事実だが、しくじれば悲惨な結果を招くこともある。したがって国家は多くの場合、支配層が国家の存続を維持する最善の戦略だと認識すれば、現状維持を選択する。
Rothbard’s Theory of International Relations and the State | Mises Institute [LINK]

国家、特に米露のような大国は絶大な強権を有し、いずれも「善玉」ではない。一方、米国は、現状維持を旨とするロシアと違い、民主主義とテロとの戦いを掲げ、いつも多くの国を空爆している。核戦争に対する気まぐれな態度は、自国の重要な国益とは無関係で、特に危険である。
What Motivates Russian War Making? | Mises Institute [LINK]

メディアと米政府は連携したプロパガンダでロシアゲートデマを流し、ウクライナでの米国の干渉を曖昧にし、ベネズエラ、ロシア、リビア、シリアなどで政権転覆を図った。イスラエル政府の戦争犯罪を曖昧にし、国連にイラクの架空の「大量破壊兵器」を既成事実として提出した。
How War Propaganda Has Fueled American Foreign Policy for a Century | Mises Institute [LINK]

2025-05-19

人生は競走ではない

ジョシュア・モーホーター
(ミーゼス研究所公式サイト アシスタント・エディター)

人生を競走に例えることは、人生がはっきりした、共通のゴールを持つ有限の競技だと仮定しているが、人生はゼロサムでも一直線でもない。人は異なる主観的な目標を持ち、異なるものに価値を見出す。人生は競走ではない。その例えには、すべての例えと同じく、元々限界がある。
The Race/Starting-Point Fallacy | Mises Institute [LINK]
差異を前提とする「多様性」が擁護される一方で、それと矛盾する理想だと気づかず、平等主義的な「平等」「公平」も推進されている。あらゆる分野における平等が正しい規範とされ、逆にあらゆる不平等や格差が不公正の結果だとされれば、政府がその状況を利用するチャンスだ。
Skin Tone Products, Markets, and “White Privilege” | Mises Institute [LINK]

政治家が平等を好む理由は、明白な正義で、定義が曖昧で、達成不可能だからだ。法の支配や法の下の平等は、不完全な人間が到達することはないが、正義であり、程度によっては達成可能だ。一方、平等主義は、結果の平等はもちろん、機会の平等ですら、法の支配とは相容れない。
Egalitarian Interventionists: Why Politicians Love "Equality" | Mises Institute [LINK]

社会カーストを見分ける方法の一つは、政府を通じた集団間の収入の移転だ。差し引きでみて誰が税金を納め、誰が税金を消費するのか。それが真のカーストだ。課税で最大の利益を得るのは、その収益によってフルタイムで生活する人々、例えば政治家や官僚であることは明らかだ。
A Caste of Characters: Net Taxpayers versus Net Tax Consumers | Mises Institute [LINK]

対外援助は貧しい国々を貧困から救わない。むしろ逆効果だ。援助と成長には相関関係がない。政策環境が悪いと援助は役に立たず、債務を増やす。一方、経済的自由と成長には強い関係がある。援助機関は政府に融資し、貧しい国の民間部門を犠牲にして、政府部門を拡大している。
P.T. Bauer’s Reminders on Foreign Aid | Mises Institute [LINK]

景気後退の主な原因は消費不足にあるという、ケインズ以前からあった考えによって、景気後退期の政府の仕事は投資を刺激し、貯蓄を抑制し、総支出を増やすことだとされてきた。この誤りのせいで人々は「消費が経済を動かす」という、よくある、しかし誤った考えに従ってきた。
A Review of Some GDP Problems | Mises Institute [LINK]

2025-05-16

お金は政府の創造物?

ジョナサン・ニューマン(ミーゼス研究所フェロー)

MMT(現代貨幣理論)論者は、お金は政府の創造物だと考えている。MMT論者にとって、お金は政府のおもちゃだ。経済学者メンガーが唱えたような市場の産物ではなく、政府の所有物であり政府が責任をもつ。政府は民間の市場経済から資源を奪うために、お金を劣化させ、紙幣を増刷しても構わない。
MMT Is Wrong about the History of the Origins of Money | Mises Institute [LINK]
新たなお金の流入が物価の大きな変化を即座にもたらさないことは明らかだ。それでも直接の影響はある。偽金作りと同じく、直ちに他の買い手に競り勝つことができる。次に新札を受け取った者も同様だ。このように、お金が変化すると、最終的に統計に現れる作用が即座に始まる。
The Myth of Long and Variable Lags | Mises Institute [LINK]

人々が一斉に現金をため込むのは、今の価格で売られている商品よりも、お金を持ち続けることを好むからだ。これは企業家が、消費者がどんな商品を買いたいと思うかを勘違いしていたことを示す。物価や生産計画は変わる可能性があり、総支出に後押しが必要なことを意味しない。
Opposing the Keynesian Illusion: Spending Does Not Drive the Economy | Mises Institute [LINK]

お金が独特なのは、交換媒体として使われるからだ。他の財とは異なり、消費や生産で使い果たすために需要されるのではない。他の人々が求めるから需要が生まれる。だからといって、お金は実体経済の外で孤立した、単なるデータではない。使わずに保有することにも意味がある。
Elon Musk Is Wrong About Money | Mises Institute [LINK]

経済学は経済官僚に任せておくには重要すぎる。官僚は経済学をねじ曲げ、壊し、踏みにじり、介入政策を正当化する。ミーゼスによれば、経済学を学ぶことは、すべての分別ある人間にとって最優先の市民的義務だ。経済学を理解しなければ間違った考えが蔓延し、勝利してしまう。
What Economists Do and Why They Do It | Mises Institute [LINK]

2025-05-14

ミレイ氏のインフレ政策

オスカー・グラウ(音楽家)

通貨膨張(インフレーション)はすぐにではなくとも本来、物価上昇をもたらす。アルゼンチンのミレイ政権下で物価上昇率は下がったものの通貨膨張は止まらなかった。通貨膨張は富の生成過程を損なう。無と有の交換を引き起こし、価格と生産の構造を歪め、富を生む者から生まない者に富を移転する。
Quantity and Quality of the Argentine Peso, by Oscar Grau - The Unz Review [LINK]
戦争は、高価なスーツを着て権力と不正蓄財をむさぼる小集団によって起こされる。だから世界平和に関心をもつなら、政府がコストを他人に押しつける独特で悪質な能力に気づき、対抗する方法を考えなければならない。政府が武装して戦争を行う力と富を絶えず減らす必要がある。
To Promote Peace, You Must Fight Statism | The Libertarian Institute [LINK]

イスラム過激主義の主因は米シオニスト帝国主義にある。米軍やイスラエルのシオニストが中東で罪のない人々に不当な攻撃を行うたびに、多くの人がイスラム過激派への参加を熱望するようになる。 双方が血の渇望をあおる。その主な犠牲者は互いの指導者ではなく、一般市民だ。
U.S.-Zionist Imperialism and the Middle East | The Libertarian Institute [LINK]

政府は自由と許可、正義と法律を混同させる。立法を通じ紛争や不安を生み、政府がなければ起こらない争いを引き起こす。 文化や宗教をめぐる思想上の争いで異なる集団を対立させる。つまり権力者は政府という制度を通じ、必要性に応じて、支持を得るために臣民を分裂させる。
The State is Nothing But Appetite | The Libertarian Institute [LINK]

政府はしばしば一定の要件を満たす教育課程と学校教育を強制し、親に子供の通学を強制し、カリキュラムの自由な選択を妨げている。教育バウチャーを導入すれば、新たな財源と仲介組織が加わることで政府の介入が強化される。また例によって官僚がバウチャーの運営を任される。
The Economics and Ethics of Vouchers and Free Market Education | Mises Institute [LINK]

2025-05-12

冷戦の真実

ルーウェリン・ロックウェル(ミーゼス研究所会長)

ケネディ米大統領はCIAなど米情報機関を深く疑っていた。情報機関はキューバについてケネディに誤った助言を与え、ソ連と核戦争になりかけた。ケネディはベトナム戦争の激化を止めようと、国防総省を牛耳る戦争屋たちを憎んだ。そのため、ディープステートは暗殺を決意した。
Kennedy Assassination Mysteries | Mises Institute [LINK]
経済学者マレー・ロスバードは、米国の第二次世界大戦参戦を批判した。政府権力の不必要な拡大とみなし、海外への介入主義は国内での政府の統制を必ず強めると考えた。また冷戦は軍事費と介入主義の継続を正当化するために、米国の政治エリートが作り出したものだと主張した。
The Great Murray Rothbard | Mises Institute [LINK]

米国の大統領は世界有数の悪である。イラクやセルビアでは無意味な戦争で罪のない人々の命を奪い、爆撃で民間インフラを破壊し、計画的に病気を引き起こした。ドレスデン爆撃、広島の原爆投下、ウェーコの虐殺、ルビー・リッジの悲劇に至るまで、政府による殺人実践の典型だ。
Why We Need the Rule of Law | Mises Institute [LINK]

トランプ氏は歳出削減を公約に掲げ、選挙戦を展開したが、その支持する予算案はオバマ大統領をはるかに上回った。予算案は1兆6580億ドルの支出権限を与えている。オバマ氏の最後の予算より47%も多い。政府効率化省が節約したとされるわずかな金額も、事実上すべて帳消しだ。
The Great Tom Massie | Mises Institute [LINK]

トランプ政権や保守系の知事は、有害な教育課程の廃止などで問題を解決しようとしている。それがどれほど良い結果をもたらそうと、真の問題、「公」教育そのものの存在に対処することはできない。政府が運営する学校は本来、政府が子供に学ばせたいことを宣伝する機関なのだ。
The Menace of “Public” Education | Mises Institute [LINK]

2025-05-09

人は利益を求める企業家

ハンス・ヘルマン・ホッペ(経済学者)

私たちは皆、つねに利益を求める企業家である。私たちの行動はすべて企業家精神を表し、成功と利益を目的とするのだから、企業家精神と利益には何の問題もない。間違っているのは失敗と損失のみであり、それゆえ、私たちはすべての行動において、つねにそれを避けようとする。
The Ethics of Entrepreneurship and Profit | Mises Institute [LINK]
資本主義の事業にはリスクが伴う。 生産コスト、つまり支出する金銭が、受け取る収益を決めるわけではない。生産コストで価格と収益が決まるのなら、資本家がしくじることはないだろう。予想される価格と収益こそが、資本家がどの程度の生産コストを許容できるかを決定する。
How Entrepreneurs Make Society Better | Mises Institute [LINK]

物があふれていれば、争いは起こらない。欲望を満たすものが十分にあるからだ。異なる利害や考えが紛争を生むには、財が希少でなければならない。紛争とは、ひとまとまりの同じ財をめぐる物理的な衝突だ。人が衝突するのは、同じ財を異なる、相容れない方法で使いたいからだ。
Of Common, Public, and Private Property and the Rationale for Total Privatization | Mises Institute [LINK]

所有者間の財産の自発的な交換はすべて、社会の幸福を増大させる。財産の交換は、所有者双方が、放棄するものよりも取得するものを好み、交換による利益を期待する場合にのみ可能である。財産の交換のたびに、2人の人間が幸福を手に入れ、他のすべての人の財産は変化しない。
The Ethics and Economics of Private Property | Mises Institute [LINK]

人は自宅で誰が食事するかを決める権利がある。同様に、経営者は自分の食堂で誰が食事するかを決める権利がある。政府は商業施設から決定の権利を奪うことで、財産への攻撃を始めるのがたやすい。そうすれば、私有財産の最後の砦である家庭を徐々に侵略していくことができる。
The Private Property Order: An Interview with Hans-Hermann Hoppe | Mises Institute [LINK]

2025-05-07

立ち去る強さを

ロン・ポール(元米下院議員)

トランプ大統領の「ビッグ・ビューティフル」法案のどこにも歳出削減は見当たらない。大統領は国防費の半減を示唆したが、実際には軍事費を増加させた。帝国は逆襲に転じ、毎月10億ドル以上をかけてイエメンで戦争を始め、イランを威嚇し、タカ派は中国と対決したがっている。
The Empire Strikes Back - The Ron Paul Institute for Peace & Prosperity [LINK]
米国がイランと戦争を始めるとは、昨秋トランプに投票した人々は思いもよらなかったろう。新たな戦争を防ぐために米国が世界中で威嚇をするとは奇妙な論理だ。平和を築き保つために必要な真の強さとは、ただ立ち去る強さだ。米国と関係のない紛争に干渉するのをやめる強さだ。
Standing at the Edge of the Iran War Cliff - The Ron Paul Institute for Peace & Prosperity [LINK]

トランプ大統領はイエメンにさらに武力を行使すると脅し、イランも脅した。ブッシュ、オバマ大統領のように、前政権の好戦政策や世界大戦の瀬戸際外交の後に平和を約束し、当選したが、残念なことに、大統領となった今、ブッシュやオバマと同じく、別の道を歩んでいるようだ。
President Trump: Stop Bombing Yemen and Exit the Middle East! - The Ron Paul Institute for Peace & Prosperity [LINK]

トランプ大統領の関税政策は貿易戦争を引き起こし、米消費者は外国・国内製品の価格上昇に苦しむことになる。輸入原材料に依存する製造業など米企業は、多くの代金を支払わなければならなくなる。米輸出企業は、海外市場における米製品に対する需要の減少に苦しむことになる。
Liberation or Obliteration? - The Ron Paul Institute for Peace & Prosperity [LINK]

関税は保護される企業に短期の利益をもたらすかもしれない。しかし本来なら破綻してもいいはずの事業を存続させ、経営者や労働者がその才能を、経済全体により大きな利益をもたらす他の事業に生かせなくなる。またすべての税金(インフレ税を含む)と同様、関税は盗みである。
Tariffs are Theft - The Ron Paul Institute for Peace & Prosperity [LINK]

2025-05-05

トランプ氏の大きな政府

ライアン・マクメイケン(ミーゼス研究所編集主任)

トランプ大統領と共和党多数の米議会が承認した新予算には、今後数年間で連邦政府支出全体が減少することをうかがわせるものは何もない。予算削減は盛んに語られるが、結局のところ、連邦政府の支出は常に絶え間なく増加し、多くの場合、肥大化した軍事予算がその先頭に立つ。
Federal Spending Is Only Going Up: Trump Pushes Trillion-Dollar Defense Budget | Mises Institute [LINK]
トランプ大統領就任後2カ月間の米財政赤字は、前年同期の5320億ドルから4670億ドルに縮小した。これは歳出の減少ではなく税収の増加による。歳入源が国債による将来の課税から現在の課税にシフトした。これは政府が課税で富を吸い上げることに、より成功したことを意味する。
The Federal Government Is Still on Track for a $2-Trillion-Plus Deficit | Mises Institute [LINK]

政府債務に取り組む戦略は2つしかない。第1は、政府支出を削減する。この戦略は「無償」に慣れ親しんだ有権者には人気がない。第2は、債務の履行拒絶に真剣に取り組む。現在の納税者は、何年も前に政治家が戦争その他の大失策のために負った赤字を返済する義務はないはずだ。
Don’t Pay Down the National Debt. Just Stop the Deficit Spending | Mises Institute [LINK]

現時点で、トランプがインフレを抑え込む健全通貨派になるという期待がまったくの希望的観測にすぎなかったことは明らかだ。トランプが好む金融政策は、バイデン、オバマ、ブッシュと変わらない。これら政治家にとっての「解決策」は、いつも金融緩和であり、金利引き下げだ。
Trump the Inflationist: He Wants More Easy Money from the Fed | Mises Institute [LINK]

インフレ政策は資産家の富裕層を優遇する一方で、物価高と所得減少を裕福でない人に押し付ける。トランプの低金利政策は、自由な市場で生じるよりもはるかに大きな不平等をあおっている。低金利政策は、低所得層よりも高所得層の可処分所得をはるかに急速に増加させるからだ。
Trump's Inflationist Monetary Policy Favors Wall Street over Main Street | Mises Institute [LINK]

2025-05-02

税控除をなくすな

マレー・ロスバード(経済学者)

所得税率を一律10%に引き下げるフラット課税を導入するなら、現行の控除や免税をすべて維持しよう。原則は明確でなければならない。税率の引き下げであれ控除の拡大であれ、すべての減税を支持し、税率の引き上げや免税の縮小には反対しよう。課税の弊害をつねに取り除こう。
Rothbard: The Myth of Tax "Reform" | Mises Institute [LINK]
政府が望む支出に税収がいつも足りないなら、どうやってその差額を補うのか。通貨供給の操作である。はっきりいえば、通貨偽造だ。偽造者は経済に偽札を持ち込むことによって、すべての人から通貨の価値を奪い、盗むことができる。その盗みは、追いはぎよりも経済を破壊する。
Rothbard: Essentials of Money and Inflation | Mises Institute [LINK]

公共部門は民間部門を補完するどころか、民間部門を養分とすることしかできず、民間経済に寄生する。これは社会の生産資源が消費者の欲求を満たすのではなく、無理やり遠ざけられることを意味する。経済の資源は消費者から、寄生虫のような官僚や政治家が望む活動へと流れる。
The Fallacy of the “Public Sector” | Mises Institute [LINK]

官僚の成功は、自分の長所について上司、議員、国民を説得するためにプロパガンダを用いるのが最も得意な者、そして大統領や高級官僚が聞きたいことを伝えれば出世すると理解している者にもたらされる。したがって、官僚の階級が上がれば上がるほど、イエスマンが増えやすい。
Why the Bureaucracy Keeps Getting Bigger | Mises Institute [LINK]

カルト思想は無神論的で反宗教的であっても、カルト宗教と同じ特徴を備えうる。ヒトラー、ムッソリーニ、スターリン、トロツキー、毛沢東のカルトは明白な無神論であるにもかかわらず、本質は宗教的だ。指導者崇拝、階層構造、忠誠心、心理的・物理的制裁などに明らかだろう。
The Sociology of the Ayn Rand Cult | Mises Institute [LINK]