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2026-04-04

モラー氏の憲法蹂躙

The Late Robert Mueller, Bill of Rights Executioner | The Libertarian Institute [LINK]

【海外記事より】ジム・ボバード氏が執筆したこの記事は、先日81歳で亡くなった元連邦捜査局(FBI)長官、ロバート・モラー氏の功罪について、憲法と市民の自由という観点から厳しい再評価を試みています。大手メディアの中には、モラー氏を消えゆく高潔なエリートの模範として追悼する動きもありますが、著者は同氏を「21世紀版のジョン・エドガー・フーバー」と呼び、あらゆる口実を設けて憲法を軽視し、権力を拡大させた人物であると批判しています。モラー氏が長官に就任したのは、2001年の9.11テロ事件のわずか1週間前でした。事件後、同氏はテロの予兆を知らなかったと主張しましたが、実際にはフェニックスやミネアポリスの捜査官が、飛行訓練を受ける不審な人物について本部に警告を送っていた事実が後に判明しています。こうした不手際は、結果として愛国者法の成立を後押しし、FBIがアメリカ国民の個人情報を際限なく収集する権限を手に入れることにつながりました。

愛国者法によって、FBIが発行する国家安全保障書簡(NSL)の数は年間5万件へと急増しました。これにより、裁判所の令状なしに個人の金銭の出入り、居住歴、オンラインでの購入履歴、旅行先、ウェブの閲覧履歴、さらには電話やメールの相手に至るまで、膨大な私的データが押収されるようになったのです。モラー氏率いるFBIは、こうした権限の乱用を否定し、議会に対して書簡の発行数を過小報告していましたが、後に内部調査によって数千件の違法な発行の可能性が暴露されました。連邦判事の一人は、このプロセスを「法律による住居侵入」であり、憲法上の価値を乗っ取る恐ろしい行為であると非難しています。さらに、モラー氏は議会公聴会において、国家安全保障局(NSA)がアメリカ国民を監視しているかという問いに対し、否定的な回答をしましたが、実際には当時のブッシュ政権下で大規模な無令状盗聴が行われていたことが後に明らかになりました。

モラー氏によるプライバシー侵害の最大の成果とも言えるのが、愛国者法215条の解釈です。同氏は、テロ捜査に「関連がある」という名目で、全米の通話記録を収集し、NSAに提供する仕組みの構築において中心的な役割を果たしました。この監視体制は、2013年にエドワード・スノーデン氏のリークによって世に知られることとなります。連邦判事のリチャード・レオン氏は、司法の承認なしに行われるこの組織的なデータ収集を「オーウェル的」であり、無差別で恣意的な侵入であると断じました。モラー氏は議会で、特定の個人を対象とした令状なしに会話を聞くことはできないと弁明しましたが、実際には当局者に広範な裁量が与えられており、不審な検索を行っただけで監視対象とされるような不透明な運用が行われていたのです。

2017年、モラー氏はトランプ大統領とロシアとの共謀疑惑を調査する特別検察官に任命され、再び注目を集めました。2年間にわたるメディアの狂騒を経て、最終的に共謀の証拠は見つからなかったと認めましたが、2019年の議会証言では、尋問を受けるたびにミュラー氏が精神的に混乱しているように見えたことに、世間は衝撃を受けました。著者は、モラー氏の死後にその功績を美化しようとするメディアの動きを危惧しています。同氏の記録を白紙に戻して正当化することは、今後さらなるFBIによる権利侵害を招くことになると警告しています。この記事は、法執行機関のリーダーが国家安全保障の名の下にどのように市民の自由を侵食してきたのかを、一人の人物の経歴を通じて冷徹に描き出しています。

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