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「反インフレ経済勉強会」開講のお知らせ

インフレは税の一種です。しかも普通の税よりも悪質な税です。ところが、この事実はよく理解されていません。それどころか、多少のインフレはむしろ良いことだという嘘が、現在主流の国家主義的な、誤った経済学(ケインズ経済学)や、そこから派生した極端な説 (MMT=現代貨幣理論など) によっ...

2016-01-24

赤坂治績『江戸の経済事件簿』


所得税のなかった日本


いくら儲けても所得税はかからず、もちろん消費税もなし。金融業を営むのに免許は不要――。商人からの借金を強引に踏み倒す大名はいたし、生産技術の発達した今と比べれば生活水準ははるかに低かったのも事実だけれど、江戸には現代日本が失いつつある経済の自由があった。経済政策のあり方を考えるヒントにあふれた書。

<抜粋とコメント> 


"年貢率が下がり、剰余分が残るようになったことで、百姓(農民)の生産意欲は高まった…消費が増加した。…商人・職人は潤って大商人も生まれ、歌舞伎や浮世絵など庶民文化の花が咲いた"
# クールジャパンはまず減税から。

"江戸時代の税金は土地に課税するのが基本…しかし、幕府直轄地の江戸・京・大坂・堺・奈良などは地子銭が免除されていた。また、いくら儲けても所得税はかからず、もちろん売上税(消費税)もなかった。"
# 粋だね!

"〔借金先の〕商人を家来に取り立て…次第に扶持米を減らし、終いには与えなくなる。…訴訟を起こすと、「家来の分際で、主君を訴えるとはけしからぬ」"
# これはひどい笑。でも日本国債がデフォルトしたら、訴訟すら不可。

"〔大坂の豪商〕淀屋は、贅沢を咎められ、闕所(全財産没収)・所払い(追放)になった。理由は贅沢だが…淀屋を潰すことで、各藩は借金を踏み倒したのである。"
# 武士道とは恩を仇で返すことと見つけたり。

"江戸時代は金融業を営むのに免許は要らず、自由に金融業を営むことができたから、大きな寺社は大概、余っている金、当面使わない金を融資していた。"
# 金融ビッグバンなんて子供だまし。

*寸評はアマゾンレビューにも投稿。
*抜粋とコメントはツイッターより転載。

2016-01-23

ウエルタ・デ・ソト『通貨・銀行信用・経済循環』



銀行が破綻する本当の理由


銀行やその他の金融機関に対して、預金者が払い戻しのために一時にどっと押し寄せることを「取り付け」という。最近ではギリシャで経済危機が深刻になった昨年夏、同国の銀行で発生したのが記憶に新しい。

日本でもバブル崩壊後の1995年、コスモ信用組合と木津信用組合に預金者が押し寄せ、両社は最後は破綻に追い込まれた。戦前の昭和金融恐慌のように、取り付けが多数の銀行に広がり、連鎖的な破綻につながる場合もある。

銀行は預金という形で資金を集め、預金者が一斉に払い戻しを求めないことを前提に、大半を貸し出しなどに回して利益を上げている。だから急激な払い戻しの要求が現実に起こると、貸し出しはすぐには回収できないため、対応できずに破綻してしまう。

こうした破綻のリスクは、銀行経営そのものにつきまとう必然だと一般には信じられている。だから資本主義は本質からして不安定である、と主張されることもある。

そうした通念を根底から覆すのが、本書である。

本書では、一般の人はもちろん、おそらく金融関係者でもあまり知らない意外な事実が述べられる。銀行業の歴史をさかのぼると、預金を貸し出しに回すことは、かつて違法行為として禁じられていたのである。

なぜか。そもそも預金とは文字どおり、お金を預かるビジネスである。たとえば倉庫で絵画や宝石、金貨の入った箱などを預かる寄託契約と本来変わらない。ただしお金の場合は、宝石など代わりのきかない特定物ではなく、石油や天然ガス、小麦などと同じ代替可能物だが、いずれにせよ本質は、いつでも返せるように物を預かる仕事である。

したがって、銀行は預かったお金を自分の利益のために勝手に使ってはならない。中世ローマ法では、預金を預かり、その寄託目的以外のために利用した者は、窃盗罪とされた。その代わり、銀行は預金者に利息を払うのではなく、逆に保管手数料を取った。

一方、ローン(貸し出し)はまったく異なる業務とみなされた。客はお金をいつでも引き出せるように預けるのではなく、期限を定めて銀行に貸すのである。だから銀行は利息を払う。預金と貸し出しは、性質の異なるビジネスとして区別するよう求められた。

とはいえ銀行家も人間であり、人間は弱いものだから、預金を貸し出しに回して不当な利益を稼ぎ、その挙句に破綻する銀行も昔から少なくなかった。そうした中で、ルールを厳格に守る銀行は、堅実な財務を築き、高い信頼を勝ち得た。17世紀初めに創設されたオランダのアムステルダム銀行は、その代表例とされる。

だが、しだいにルールの無視が常態となっていく。いつ返せといわれるかわからないお金を貸し出しに回せば、破綻のリスクが生じるが、不当に儲けたい銀行家はうまい手を考えた。政府の保護を得るのである。銀行は戦争などで出費のかさむ政府にお金を融通する。その代わり、政府は銀行が危機に陥ったとき、中央銀行を通じて十分な流動性を与える。

この銀行と政府との共生関係は、形を変えながら現在まで続いている。つまり銀行などの金融機関は、いざとなれば政府に助けてもらえるという期待(実際、少なくともある程度まで助けてもらえる場合が多い)をあてにして、手元に置くべきお金を貸し出しに回している。だから取り付けにあうと、たちまち破綻してしまうのである。

銀行が本来なら貸し出せないはずのお金を貸し出すと、それが再び預金として預けられ、貸し出される過程を繰り返すことによって、預金の量がどんどん増える。いわゆる信用創造である。これは経済にバブルをもたらし、経営資源を浪費させ、失業や貧困を招く。

こうした弊害をなくすため、法学にも詳しいスペインの経済学者、著者ウエルタ・デ・ソトは、預金業務を伝統的な姿に戻すよう提案する。払い戻しに備えて預金の全額を手元にとどめる「100%準備」の義務づけである。

これには当然、現在の流儀に慣れ親しんだ銀行から、強い反対が予想される。たとえば、貸し出しができないから、収入を得る道がなくなるという批判である。

しかし、100%準備で貸し出しが認められないのは、いつ返せといわれるかわからない不定期預金(普通預金)だけである。払い戻しまで期間のある定期預金なら貸し出しに使える。一方、不定期預金では預金者から保管料を受け取ることができる。現在のように多額の利益と損失の繰り返しでなく、手堅く持続可能なビジネスが期待できるだろう。

なお同じく100%準備の義務づけを唱えた最近の日本語の本として、ビル・トッテン『アングロサクソン資本主義の正体――「100%マネー」で日本経済は復活する』(東洋経済新報社、2010年)がある。

もろく崩れやすい銀行経営は、健全な市場競争の産物ではない。政府の保護で可能になった不健全なビジネスモデルがもたらしたものである。根本から改めなければ、金融と経済の安定はいつまでも訪れないだろう。

*アマゾンレビューにも投稿。

2016-01-22

事故は規制緩和のせい?

# 先生が公務員だから、収賄ではないかと問題になります。私立学校なら、付け届けで教科書を決めるような学校には行かない選択もできます。つまりは公教育が問題の根源。
--教科書10社、教員計4千人に謝礼 文科相「重大問題」
https://newspicks.com/news/1357064/

# 金融市場の混乱を理由に、一段の緩和に含み。しかしその混乱とは、それまでの金融緩和がもたらしたものなのですが。
--ECB総裁が追加緩和示唆、下振れ懸念で3月に政策見直しへ
https://newspicks.com/news/1356041/

# 雇用が増えることそのものが経済に良いとは限りません。消費者が本当に求めるものを提供しているかどうかが問題です。
--米新規失業保険申請が半年ぶり高水準、雇用改善やや鈍化か
https://newspicks.com/news/1356146/

# 貴重な指摘。⑴2000年の規制緩和以降、貸切バスの事故件数は別に増えていない⑵バスの事故全体に占める貸切バス事故の割合は低く、死者数も少ない。
--貸切バス事故は規制緩和のせい?
http://d.hatena.ne.jp/maddercloud/touch/20160118

# 横流し業者に優良のお墨付きを与えていた環境省と農水省。信じた食品会社はいい迷惑。
--廃棄カツ転売:国がダイコー「優良」認定 県行政指導直後 - 毎日新聞廃
http://mainichi.jp/articles/20160122/k00/00m/040/102000c

*ツイッターより転載。一部編集している場合があります。

2016-01-21

誰も言わないモッタイナイ

# 政府が決めた賞味・消費期限を過ぎても食べて害がなければ、再利用しようと考える人間が出てくるのは当然です。誰も言わないモッタイナイ。
--コンビニ・大手スーパー商品も…廃棄食品、横流し続々
https://newspicks.com/news/1354140

# 安心してください、ゼロ円にはなりません。ゼロやマイナスになるのは、中央銀行が決める金利だけ。
--ガソリン安、90円台も=全都道府県が価格下落-イラン制裁解除で長期化観測 https://newspicks.com/news/1353743

# 身近でよく理解できる会社に投資しなさいという、ピーター・リンチの教えを思い出します。
--アメリカ、苦戦するビットコイン新興企業の資金集め
https://newspicks.com/news/1354374

# 高い買い物をした企業は乏しい判断能力へのツケを払い、安くなるまで我慢した企業は高い判断能力が報われる。これが市場経済のダイナミズムです。
--資源価格下落は日本への未曾有のボーナス - 野口悠紀雄 新しい経済秩序を求めて
https://newspicks.com/news/1354120

# 労働市場が硬直的で転職がしにくいと、企業内で頑張ってる姿を見せることが最善の戦略になるんだ! 悲しいよジャパニーズピーポー!
--厚切りジェイソン「日本は人事評価の基準がおかしい。すごく燃費の悪い車が1km走り切ったところで何でみんなで祝うんですか」
https://newspicks.com/news/1353846

*ツイッターより転載。一部編集している場合があります。

2016-01-20

松下竜一『砦に拠る』

私有財産という砦


国家の不当な権力行使に何年もしぶとく抵抗したのは、労組でも学生でもない。明晰な頭脳、強靭な精神力に加え、自前の山林という拠り所をもつ、一人の小柄な老人だった。私有財産権の制限を叫ぶ左翼は、自分の首を絞めていることに気づかない。成田や沖縄での一坪地主運動も、私有財産権があるからこそ可能なのだ。

<抜粋とコメント>


"国家の力ちゅうもんは底が知れんおそろしいもんですたい。"
# マックス・ウェーバーいわく、国家とは合法的な暴力の独占である。合法的暴力という恐怖。

"日本は戦争に負けたんですよ。それを思えばこれくらいの犠牲を忍ぶことがなんですか!"
# ダムで村が水没するくらい敗戦に比べればたいしたことないだろうという、理不尽すぎる政府の言い分。

"土地収用法ちゃ現代の赤紙たい。"
# 戦前も戦後も、政府にとって国民の生命・財産は自分のもの。

"小柄な一個の老人は、国家が法の中に保障した基本的人権と私有財産権に準拠して徹底的に国家権力に抗していったのである。"
# 私有財産権の制限を叫ぶ左翼は、自分の首を絞めている。

"私らみたいに戦時中の教育を徹底的に叩き込まれて育った者には、国家のする事に逆らうなんという発想は頭から浮かびませんよ。"
# 戦後教育も変わらない。右から左になっただけ。最近また右。

*寸評はアマゾンレビューにも投稿。
*抜粋とコメントはツイッターより転載。

2016-01-19

「ビットコインは失敗作」

# 欧米の中東軍事介入が招いた事態。パンドラの箱を開けたのは難民でもテロリストでもありません。
--独運輸相、国境閉鎖準備をメルケル首相に要請 難民流入
https://newspicks.com/news/1351551

# 子育て世帯は貯金をする余裕がないから、カネを配ればパッと使ってくれると民主党の先生。支援が切れたらどうなるかは、気にしない。
--「参院予算委、子育て支援めぐり論戦」
https://newspicks.com/news/1351172

# アジア諸国と経済で連携を強めると言いつつ、政府みずから喧嘩を吹っかけるの図。もちろん国民の税金で。
--シャープ 台湾と綱引き “国”も支援額引き上げへ
https://newspicks.com/news/1349932

# 数学や情報技術が好きな人にはたまらないんでしょうね。でも難民になったときも役立ってくれるでしょうか。
--仮想通貨だけではない。野口悠紀雄が説くブロックチェーン真の実力
https://newspicks.com/news/1350362

# まだどうなるかわかりませんが、仮想通貨のもろさへの警鐘かもしれません。
--「ビットコインは失敗作」と開発の中心人物が指摘、すべて売却の意向
https://zuuonline.com/archives/94639

*ツイッターより転載。一部編集している場合があります。

2016-01-18

野村茂夫『老子・荘子』


ラディカルな反戦論


「武器は不吉な道具」「戦勝を喜ぶのは殺人を楽しむのと同じ」「敵の戦死者をとむらえ」。古代東洋のリバタリアン・老子による、過激な反戦論。

<抜粋とコメント>


"(戦っても)ひたすらもと(の平和)に戻ることを好みなさい。…軍隊〈師〉が陣をしいたあとには(土地も荒れ果てて)野いばらだけが生いしげっているではありませんか。"(老子)
# 冷戦が終わっても米国の軍拡は終わらず、経済は疲弊。

"立派な武器は不吉な道具"(老子)
# 戦闘機、戦車、軍艦の機能美。しかしその「機能」とは何か。

"戦って勝ってもよいことをしたと思ってはなりません。それなのに勝利をよいこととすれば、人を殺すことを楽しむことになりましょう。"(老子)
# 小林よしのりいわく、「勝ってる戦争はカッコいいぞ!」

"戦って人を殺すことが多いと、心から悲しみの気持ちで戦死者のために涙を流し、戦争に勝利したときは正しい葬式の礼をもってとむらってやらなければなりません。"(老子)
# 靖国神社に他国の戦死者を祀り、首相はぜひ公式参拝を。

"敵の力を弱めたいならば、必ずしばらくの間強がらせておきなさい。…(結局は)柔軟で弱そうなものが堅固で強いものに勝つのです。"(老子)
# 強硬策に強硬策で対抗し、大衆にアピールする政治家への戒め。

*寸評はアマゾンレビューにも投稿。
*抜粋とコメントはツイッターより転載。

2016-01-17

デフレは悪という迷信

デフレは悪という迷信をいつまでも信じている人の多いこと。/デフレと成長率の関連弱い-BISレビュー - Bloomberg
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NLFUJS6KLVR601.html

以前書いた記事。/自由主義通信: 「デフレは悪い」の神話
http://libertypressjp.blogspot.jp/2015/04/blog-post_92.html

ネットの一部の人たちもですね。「そういったこと〔デフレ現象〕を騒いでいるのは、マーケットとマスコミだけではなかろうか」(澤上篤人)
http://lite.blogos.com/article/149107/

スクルージは悪くありません。/自由主義通信: ディケンズ『クリスマス・キャロル』
http://libertypressjp.blogspot.jp/2015/12/blog-post_13.html

*ツイッターより転載。加筆・修正している場合があります。
*本の感想はアマゾンレビューにも投稿。

ロスバード『政府はわれわれの貨幣に何をしてきたか』


政府はマネーに手を出すな


お金は政府が作り出すものではない。個人が自発的な取引を通して選び取るものなのだ。政府による通貨発行の独占を打破しないかぎり、健全な経済は取り戻せないと説く、革命的著作。「政府は経済のために貨幣を生み出す力はない。貨幣は自由市場の過程によってのみ発展することができる」

<抜粋とコメント>


"もしすべての人が完全に自給自足を強いられたら、我々の大部分は飢え死にし、残った人はかろうじて生き続けるであろうことは明らかだ。交換は我々の経済だけでなく、文明自身の活力源なのである。"
# 「食料自給率」は野蛮の名残り。

"政府は経済のために貨幣を生み出す力はない。貨幣は自由市場の過程によってのみ発展することができる。"
# 法がもともと民間の慣習や契約から生まれたように。貨幣も法と同じく政府に乗っ取られた。

"「悪貨は良貨を駆逐する」のは自由市場においてではなく、政府の市場への介入の直接の結果である。"
# 政府によって品質が落とされたお金を人々が手放し、質の良いお金を手元に置いたり闇市場で使ったりするから。

"貨幣の供給の増加は……――他の財とは違って――社会的な利益を与えない。"
# 食料や衣料や住宅が増えれば社会は物質的に豊かになるが、お金が増えても豊かにはならない。紙や電子のムダ遣い。

"貨幣は誰かの現金残高で「使用されていない」状態にあるときでも、たとえ守銭奴の退蔵においても役立つ。"
# 将来の不確実性への備えになる。お金を使わない人や企業を悪者扱いするのは間違い。

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2016-01-16

渡邉格『田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」』


搾取しているのは誰か


著者は利潤の最大化をめざす資本主義を批判し、利潤を追求しないパン屋の経営を実践する。利潤は労働者をはじめ、人を搾取した結果だと信じるからである。しかし著者の利潤批判は的外れであるばかりか、自分自身こそ本当の意味での搾取に加担していることに気づかない。

著者が信奉するマルクスによれば、利潤の源泉は資本家による労働者の搾取だとされる。だがそれは間違っている。搾取理論の前提である労働価値説(商品の価値はそれを作るためにかかった労働時間で決まるという説)が間違っているからである。

マルクスを批判したオーストリアの経済学者ベーム=バヴェルクは、資本家と労働者は搾取・被搾取の関係ではなく、他の様々な商取引と同じく、自発的な協力関係にあると指摘した。

高度で複雑な製造過程で商品を作り、販売し、代金を回収するには時間がかかるし、そもそも売れるかどうかもわからない。だが売れるのを待っていたのでは、労働者は生活できない。そこで資本家が前もって賃金を支払い、その代わり将来利潤を得るのである。

著者は修行時代に働いたパン屋について、労働環境が劣悪だったとこぼし、それでもクビにされたら困るので「無茶苦茶に働かされても、文句のひとつ言うことすらできない」と書く。しかし著者自身が認めるように、やめる自由はあったし、実際やめる人も多くいた。かりにマルクスがいうように労働が搾取だとしても、選んだのは本人の意思である。まるで奴隷制のように非難するのはおかしい。

だがすでに述べたように、自発的な意思にもとづく限り、労働は搾取ではない。本当の搾取とは、自発的な意思にもとづかず、他人の労働の成果を強制的に奪うことだ。その典型は、政府による課税である。

皮肉なことに、搾取を何よりも忌み嫌うはずの著者は、この本当の意味における搾取の恩恵にあずかっている。

本書には書かれていないが、出版から一年余りのちの2014年12月、著者は経営するパン屋を岡山県真庭市から鳥取県智頭町に移転すると公表する。その際の公式ブログによると、著者は真庭市から補助金を受けていた(移転に伴い全額返済)。また、移転先の智頭町からも「多大なるご支援」を受けたという。

いうまでもなく、補助金の原資は税金である。つまり著者は、政府が労働者などから搾取したカネの分け前にあずかり、それを助けに事業を営んでいる。そして誇らしげに、自分はいかなる搾取にも手を染めていないと胸を張るのである。

むろん世の中には、政府と癒着して、著者などよりはるかに多額の血税をせしめる業者がいる。しかし少なくとも彼らは、自分が道徳的に正しいとうぬぼれてはいないだろう。

著者にマルクスを読むよう勧めた父は学者で、息子の志をほめつつ、パンの値段が高い(平均400円!)のが問題だと話す。そこで解決策として、「社会的な意義、文化的な意義を評価して、誰もが気兼ねなく買える値段にできるシステム」を作るという教え子の提案を紹介する。財源について父は語らないが、これも税以外にないことは明らかである。

20世紀末に社会主義諸国が崩壊し、誤りが明らかになったはずのマルクス理論は、しぶとい幽霊のように地上を去らず、杜撰な資本主義批判本をベストセラーに押し上げる。少なからぬ知識人やメディアが本音ではマルクスや社会主義への郷愁を捨てきれない現実を考えれば、著者の無知を責めるのは酷かもしれない。

(アマゾンレビューにも投稿)

2016-01-15

道路サービスの問題

リフレ政策中止はよいことです。インフレ税という見えない税だから。軽減税率廃止は悪いことです。増税だから。原発再稼働は、補助金や規制のない完全民営でやっていけないのなら、反対です。見える税と見えない税を取られるから。
https://newspicks.com/news/1344512

10年とは気の長い話。技術の進歩によって、政府が道路サービスを独占する弊害が明らかになってきました。さっさと道路民営化を。 / 米政府、自動運転車研究に今後10年間で40億ドルを投資
https://newspicks.com/news/1345064

もちろんバス会社に事故の責任はあるでしょう。しかし道路は? ちょっとした運転ミスで大惨事を招くような道路サービスに、問題はないのでしょうか。
https://twitter.com/sankei_news/status/687940319002923008

なぜかココイチが悪いみたいに勘違いしている人もいますが、不正販売を発見したのは同社の女性アルバイト。移転で話題の消費者庁って、必要なんでしょうか。/ココイチの異物混入カツ横流し問題
http://www.sankei.com/smp/west/news/160114/wst1601140050-s.html

すべての支払いが記録に残り、プライバシーが脅かされるキャッシュレス社会。目先の便利に釣られないよう御用心。 / キャッシュレス化の急先鋒 北欧では「現金」消失議論まで - 金融市場異論百出
https://newspicks.com/news/1344628

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福田恆存『日本への遺言』


民主主義への疑義


凡百の保守派知識人とは異なる、文學者ならではの人間への洞察。「民主主義とは為政者の側が最も大事なことを隠すために詰らぬことを隠さぬやうにする政治制度である」

<抜粋とコメント>


"嫌煙権と同様、日照権も言葉として意味をなさない。日当りを好むのも煙草の煙を嫌ふのも、それは性向の問題であつて、権利、人権の問題ではない。"
#マナーを法律で強制する愚かさ。

"金を貸してくれと言はれ、それを断る迷惑を避ける為に、金を貸してくれと言はせない事を権利として確立しようといふのは、それこそ借金の権利を否定する事"
#各種ハラスメントを法律で罰する是非を考えさせられる。

"今日の日本では、民主主義だけが篩(ふるい)の目を逃れ、ほとんど唯一の禁忌にまで昇格してしまつてゐる。……民主主義の名の下に暴力を犯し、あるいは暴力を犯してそれを肯定するために民主主義を口実にする。"
#民主主義への疑義。

"民主主義とは為政者の側が最も大事なことを隠すために詰らぬことを隠さぬやうにする政治制度である。"
#大事なことは特定秘密。

"勇気や自己犠牲の様に戦争状態であつたはうが生むのに都合の好い価値といふものも存在します。しかし、だからといつて戦争自体を価値と見倣す訳には行きますまい。"
#戦争を平和と言い換える例も。「世界の平和に貢献する」

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2016-01-14

オルテガ『大衆の反逆』


国家という危険物


保守主義のバイブルのようにいわれているが、読んでみると、彼の亜流・模倣者たちと違い、オルテガが国家というものに強い警戒心を抱いていることがわかる。「今日のヨーロッパ文明を脅かしている最大の危険物……この危険物とは他でもない、今日の国家である」

<抜粋>


"今日のヨーロッパ文明を脅かしている最大の危険物……この危険物とは他でもない、今日の国家である。

"今日、文明を脅かしている最大の危険はこれ、つまり生の国有化、あらゆるものに対する国家の介入、国家による社会的自発性の吸収である。すなわち、人間の運命を究極的に担い、養い、押し進めてゆくあの歴史的自発性の抹殺である。"

"大衆は、実際に自分が国家であると信じているのであり、勝手な口実をつくっては国家を動かし、国家を用いて、国家の邪魔になる……創造的な少数者を押しつぶそうとする傾向をますます強めてゆくであろう。"

"国家主義は、規範と化した暴力と直接行動がとりうる最高の形式である。そして大衆は、国家という匿名の機械を通じ、またそれを手段として自ら行動するのである。"

"いわゆる「秩序を愛する」人々が、秩序を守るために作られたこの「社会的秩序の権力」〔警察〕は、自分たちが希望する秩序をつねに樹立するだけで満足するであろうと考えるのはあまりにも無邪気である。

*ツイッターより転載。加筆・修正している場合があります。
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未加入は違法だが

未加入はたしかに違法です。しかし年金の原資は企業の稼ぎです。企業の負担を重くすれば、年金の原資は減り、むしろ労働者やその家族を苦しめることになります。 / 厚生年金、違法な未加入一掃へ 79万事業所を調査
https://newspicks.com/news/1342533

税金が安くなるのならどんな移転にも賛成ですが、交通費分かそれ以上、コストが増える予感しかしません。 / 文化庁長官、京都常勤へ…文化財保護部署も移転
https://newspicks.com/news/1343804

世界経済がこんなときに企業が機械を買いまくったら、むしろ心配です。民間企業の判断が健全な証拠。政府が無理やり投資を増やさせないよう祈ります。 / 機械受注、11月は予想以上の大幅減 投資センチメントに変...
https://newspicks.com/news/1343102

フェアな競争で儲けた会社は、それだけ社会に貢献したということ。だから利益追求は正しい。それをはっきり言うかどうかは性格によるけれど、真実を否定することはできません。 / 【堀江×佐山×楠木(4)】「ハー...
https://newspicks.com/news/1342839

大企業とベンチャーの連携に政府がわざわざ関与。産学官の人材流動化とか、地方での起業拠点の確立とか、いろいろ旨みがあるようです。 / 経団連がベンチャー創出に力を入れる理由  https://newspicks.com/news/1343045

*ツイッターより転載。加筆・修正している場合があります。
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2016-01-13

蔵研也『リバタリアン宣言』


国家主義は危険思想


リバタリアン思想をわかりやすく、情熱を込めて解説。「国家主義(statism)は経済的な自由を束縛するだけではなく、物質的にも社会における集権的な資源の分配を肯定し、結果的に精神の自由の束縛へとつながる危険思想なのです」

<抜粋>


"憲法で保障している職業選択という自由は、そもそも人間の自己実現・幸福追求権の一環として存在するほどに重要なものなのです。安易に「公共の福祉」という名の下に制限されるべきではありません。"

"国家主義(statism)は経済的な自由を束縛するだけではなく、物質的にも社会における集権的な資源の分配を肯定し、結果的に精神の自由の束縛へとつながる危険思想なのです。"

"大多数の人間から見て愚かしい行為であったとしても、それを他人から強制されない自由な意思によって行うのであるかぎり、それを愚行権として認め、他人が物理的な強制力をもってやめさせるべきではない"

"国家による「貧困からの自由」という概念は、そもそも本当に「自由」権なのでしょうか。……欠乏・貧困からの自由とは、国家権力からの自由どころか、積極的に国家の個人生活への介在を必要とします。"

"年金制度は、現実には低所得者層の福祉のためになってなどいないのです。そこでは制度を設計した公務員の人生がモデルとして扱われています。"
*ツイッターより転載。加筆・修正している場合があります。
*本の感想はアマゾンレビューにも投稿。

なぜ原油だけ?

世界の警察官であることをやめると言いつつ、同盟国などと負担を分担しながら指導力を発揮すると大統領。ようするに、カネはないがやる気は満々。 / オバマ大統領 任期最後の一般教書演説
https://newspicks.com/news/1341596

菅さんの言うとおりです。でも、もしそうなら、どうして衣料、食品、その他さまざまなものの値下がり(デフレ)は経済に悪いことなのでしょうか。 / 原油価格下落、日本経済全体にはいい影響=菅官房長官
https://newspicks.com/news/1341906

数年後、徳島の消費者は日本一幸せになっていることでしょう。 / 消費者庁、地方移転を明記 徳島へ、政権方針
https://newspicks.com/news/1340768

農業の競争力を強化するのなら、補助金を増やすのではなく、減らさなければなりません。 / 衆院予算委 今年度補正予算案を可決
https://newspicks.com/news/1342074

加入でコストが増えれば、企業はその分雇用を減らすでしょう。政府による善意の押し付けで物事は良くなりません。
https://twitter.com/huffpostjapan/status/687207515373858816

*ツイッターより転載。加筆・修正している場合があります。
*本の感想はアマゾンレビューにも投稿。

2016-01-12

税金による「再建」

# すべてのインターネットトラフィックを平等に扱うネット中立性へ規制強化。もともと軍用に開発されたインターネットが、官製道路と同じ不効率に陥りつつあります。
--オバマ大統領 行政権で「エンドラン」? 大統領令で提訴も
https://newspicks.com/news/1338340/

# 若者たちが議員や首長に当選し、自分たちの権力を小さくしてくれるのなら、賛成です。しかし歴史は、そんなことはめったにないと教えています。
--民主 「被選挙権年齢」も引き下げを
https://newspicks.com/news/1337677/

# 国が税金をどんどん注ぎ込んで、なんとか「再建」できたとして、それにどんな価値があるのでしょうか。プロジェクトXの題材にはなるかもしれませんが。
--シャープ再建は国主導で 革新機構、2000億円出資 最終協議
https://newspicks.com/news/1337493/

# 人の移動は自由であるべきです。ただし、それによって他人の自由を侵してはいけません。福祉を通じて他人の富を奪うことは許容できません。それは移民に限った話ではありません。
--石破大臣 将来的に移民の受け入れを検討
https://newspicks.com/news/1339100/

*ツイッターより転載。誤字等は修正。

課税と呼んでも盗みは盗み(ルー・ロックウェル)

盗みを課税と呼んでも、悪事に変わりはない。贋金づくりを金融政策と呼んでも。人さらいを徴兵と呼んでも。大量殺人を外交政策と呼んでも。(米評論家、ルー・ロックウェル)
https://www.goodreads.com/quotes/691263-if-something-is-wrong-for-you-or-me-it-is

自由な社会を脅かすのは、市民が保有する銃ではない。野放しの政府、とりわけ市民よりも強力に武装した政府である。(ルー・ロックウェル)https://www.goodreads.com/quotes/92388-the-danger-to-a-free-society-is-not-the-guns

政府とは、国民の富に寄生する組織である。反社会的で略奪をなりわいとする本性を、公益という隠れみのに隠している。(ルー・ロックウェル)
https://www.goodreads.com/quotes/1431258-the-state-rather-is-a-parasitic-institution-that-lives-off

社会主義の計画経済がうまくいかない理由。(工場・機械など)生産の手段が私有されていないので、市場で取引できず、市場価格がわからない。だから利益と損失を計算できず、経営資源の有効な利用を判断できない。(ルー・ロックウェル)
https://www.goodreads.com/quotes/1230677-why-does-socialist-central-planning-not-work-the-means-of

(ツイッターより転載。加筆・修正している場合があります)

2016-01-10

おかしな強欲呼ばわり(トーマス・ソーウェル)

わけがわからない。なぜ自分で稼いだ金を手元に置くのが「強欲」で、他人の金を取りたいと思うのが強欲でないのか。(米経済学者、ソーウェル)
https://www.goodreads.com/quotes/332454-i-have-never-understood-why-it-is-greed-to-want

人を助けたいときには、本当のことを言ってあげなさい。自分を助けたいときには、人が喜ぶことを言ってあげなさい。(ソーウェル)
https://www.goodreads.com/quotes/316762-when-you-want-to-help-people-you-tell-them-the

一人の正直者が大勢の偽善者どもをひどく慌てふためかせることができるのは、すばらしいことだ。(ソーウェル)
https://www.goodreads.com/quotes/82133-it-s-amazing-how-much-panic-one-honest-man-can-spread

自分の考えは「複雑」だと鼻にかけ、他人の考えを「単純」だとあざける人々よ、覚えておくがいい。真理は多くの場合、それほど複雑ではない。複雑なものは真理から遠ざかる。(ソーウェル)
https://www.goodreads.com/quotes/250270-people-who-pride-themselves-on-their-complexity-and-deride-others

(ツイッターより転載。加筆・修正している場合があります)

2016-01-09

民主主義と自由は違う(ウォルター・ウィリアムズ)

民主主義と自由は同じではない。民主主義は群衆による支配にすぎない。しかし、自由は個人の主権にかかわる。(米経済学者、ウォルター・ウィリアムズ)
https://www.goodreads.com/quotes/77996-democracy-and-liberty-are-not-the-same-democracy-is-little

社会正義を私なりに定義しよう。「私は私の稼ぎを取り、君は君の稼ぎを取る」。不賛成かい。では私の稼ぎのうち、どれだけが君のものか教えてほしい。その理由も。(ウォルター・ウィリアムズ)
https://www.goodreads.com/quotes/685943-but-let-me-offer-you-my-definition-of-social-justice

個人でやると道徳に反することが、集団でやると道徳にかなうのはなぜか。合法なら道徳にかなうのか。奴隷もアパルトヘイトも、スターリン、ナチ党、毛沢東による粛清も合法だった。…合法であることは免罪符にならない。(ウォルター・ウィリアムズ)
https://www.goodreads.com/quotes/662157-how-does-something-immoral-when-done-privately-become-moral-when

資本主義以前、人々が富を築く方法は略奪、強奪、他人を奴隷にすることだった。資本主義によって、人の役に立つことで豊かになれるようになった。(ウォルター・ウィリアムズ)
https://www.goodreads.com/quotes/685945-prior-to-capitalism-the-way-people-amassed-great-wealth-was

(ツイッターより転載。加筆・修正している場合があります)

2016-01-08

市場競争は弱者に恩恵

# 不幸にも失業したドライバーは、ウーバーを直接使わないかもしれませんが、ウーバーのおかげで物やサービスが安くなれば、経済的に助かるはず。市場競争は弱者にも恩恵をもたらします。
--サンフランシスコ最大のタクシー会社が破産 ウーバーらと競争激化
https://newspicks.com/news/1334724/     

# 車を何台作ればいいか、居酒屋を何軒出せばいいか、統計をもとに政府に判断できると思うビジネスマンはいません。それならなぜ、金利水準だけは判断できると思うのでしょうか。
--今夜発表の米雇用統計、悪い数字なら利下げも視野に
https://newspicks.com/news/1335028/

# アベノミクス開始以来、マイナス続きの実質賃金。政府の力で経済を良くすることはできないということを、せめて学んでほしいものです。
--実質賃金0.4%減、5カ月ぶりマイナス 11月速報値
https://newspicks.com/news/1334480

*ツイッターより転載。誤字等は修正。

戦争はペテン(スメドレー・バトラー将軍)

私は33年と4カ月、軍務に服し、その大半を大企業と金融機関の高級用心棒として過ごした。つまり資本主義のために働くゆすり屋、ギャングだったのである。(米軍人、スメドレー・バトラー将軍)
#ここでいう資本主義とは、官民が癒着した縁故資本主義。
https://www.goodreads.com/quotes/253269-i-spent-33-years-and-four-months-in-active-military

戦場に送られ死ぬ若者たちのために、美しい理想が語られた。「戦争を終わらせるための戦争」「世界を平和にし民主主義を打ち立てるための戦争」。カネが本当の目的だとは誰も言わなかった。(スメドレー・バトラー将軍)

戦争はペテンだ。いつもそうだった。おそらく最も古く、明らかに最ももうかり、間違いなく最も残虐なペテンだ。(スメドレー・バトラー将軍)
https://www.goodreads.com/quotes/816646-war-is-a-racket-it-always-has-been-it-is

戦争のペテンを打ち砕く3段階。⑴戦争から営利を閉め出す。⑵兵士となる若者に参戦の是非を判断させる。⑶軍の目的を自衛に限定する。(スメドレー・バトラー将軍)
https://www.goodreads.com/quotes/6703272-to-summarize-three-steps-must-be-taken-to-smash-the

(ツイッターより転載。加筆・修正している場合があります)

2016-01-07

無駄遣いナンバーワン

# 北朝鮮核実験で、ミサイル防衛計画強化をと勢いづく米軍事産業と国防族議員。過去20数年間、開発は失敗続き、すでに500億ドルを費やす。
https://theintercept.com/2016/01/06/north-korea-missile-waste/

# 米政府は海外軍事介入をやめ、防衛専用のミサイル・システムを構築せよとかつて提案したリバタリアン政治家のハリー・ブラウン。ただし「政治家・官僚に任せず、民間企業を入札で選ぼう」
http://www.ontheissues.org/Celeb/Harry_Browne_Defense.htm

# 2015年の米国政府ムダ遣いナンバーワンは、戦闘機F-35。開発遅れでかかった費用すでに4,000億ドル。全部で1兆ドル超の見込み。米国史上最も高価な兵器に。
http://theweek.com/articles/596750/7-unbelievable-ways-government-wasted-money-2015

# 米国が軍事介入をやめた国(ラオス、カンボジア、ベトナム)は高い経済成長を謳歌。民主主義をもたらすと称して介入を続ける国(リビア、シリア)はその反対。
http://www.economicpolicyjournal.com/2016/01/the-fastest-shrinking-and-growing.html

# 冷酷な資本主義と違って労働者に優しいはずの社会主義の末路。中央銀行はすでに物価統計の公表をやめているとか。
--ベネズエラを襲うハイパーインフレの恐怖 政府が議会の中銀監督権を制限、野党の台頭を牽制か
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45712

*ツイッターより転載。誤字等は修正。

2016-01-06

政府が呼べばテロリスト(グリーンウォルド)

テロリズム。無意味なのに、すべてを正当化する言葉。(米ジャーナリスト、グリーンウォルド)
https://www.goodreads.com/quotes/678113-terrorism-the-word-that-means-nothing-yet-justifies-everything

テロリスト。名詞。⑴政府がテロリストだと言う人物。⑵大統領が殺すと決めた人物。(グリーンウォルド)
https://www.goodreads.com/quotes/678126-terrorist-noun-1-someone-my-government-tells-me-is-a

我々は政府のすることをほとんどすべて知っているとされる。だから政府は「公僕」と呼ばれる。政府は我々のすることをほとんど何も知らないとされる。だから我々は「私人」と呼ばれる。(グリーンウォルド)
https://www.goodreads.com/quotes/839890-the-way-things-are-supposed-to-work-is-that-we-re

戦争という言葉は、ほとんどあらゆることに使われる。テロとの戦争、麻薬との戦争、果ては貧困との戦争……。これでは感覚が麻痺してしまう。もし何とでも戦争をするのなら、戦争が悪だと思えるだろうか。(グリーンウォルド)
https://www.goodreads.com/quotes/431608-the-fact-that-war-is-the-word-we-use-for

貧しい人を救うには

# 生活保護費の総額が4兆円弱。フェイスブックのザッカーバーグ氏の寄付が5兆円。企業や富裕層をいじめる税制ばかりやっているうちは、貧しい人も救われません。
--生活保護家庭、最多の163万世帯 15年10月時点
https://newspicks.com/news/1330753/

# 4回目の核実験を盛大にアピール。米国みたいに1000回超えれば騒がれなくなるでしょう。
--北朝鮮 水爆の実験実施を発表 
https://newspicks.com/news/1330668/

2016-01-05

政府が投票を勧める理由(ナポリターノ)

狂信者が私たちの安全を脅かしたからといって、政府が私たちの自由を脅かしてよいということにはならない。(米裁判官、ナポリターノ)
https://www.goodreads.com/quotes/714625-assaults-by-fanatics-on-our-safety-does-not-justify-assaults

もし投票権を行使して本当に何かが変わるのなら、政府がこれほど熱心に投票を勧めるはずはない。(ナポリターノ)
https://www.goodreads.com/quotes/1254577-if-exercising-the-right-to-vote-were-truly-effective-the

政府やその職員が国民に嘘をついても罰せられないのに、国民が政府に嘘をつくと監獄行きを覚悟しなければならない。(ナポリターノ)
https://www.goodreads.com/quotes/1244508-what-is-it-about-the-government-and-its-agents-and

民主党も共和党も「政府を変える」と言い回る。しかし本音は現状維持。やりたくないことはほとんどやらないし、誰も国民に責任を取らない。(ナポリターノ)
https://www.goodreads.com/quotes/1248088-both-parties-promote-changing-washington-but-in-reality-they-like

資産格差と遺伝子格差

# これだから社会主義国は、と笑うなかれ。銀行等保有株式取得機構なんて組織を作って大株主から株を買い取る国と、あまり変わりません。
--中国、大株主の株式売却制限検討 人民銀は9月以来最大の資金供給
https://newspicks.com/news/1328608/

# マナーで解決できないことを法律なら解決できるという考えは、幻想です。
--公共施設を全面禁煙、ホテル分煙…罰則科す新法
https://newspicks.com/news/1328957/

# その一つに挙げられた現金。キャッシュレスはたしかに便利ですが、政府から一瞬にして財産を押さえられかねないという大きなデメリットがあります。
--5年後になくなっているもの5つ
https://newspicks.com/news/1326882/

# 機会の平等を実現するために資産の格差を是正する相続税が必要というのなら、ボルトと一般人の「遺伝子格差」も政府が是正しなければ。すばらしき新世界。
--ボルトの成功要因は、ボルトに生まれたこと
https://newspicks.com/news/1328194/

*ツイッターより転載。誤字等は修正。

2016-01-04

愛されるためには(ハリー・ブラウン)

娘よ、誰もお前を愛する義務はない。誰かがお前を愛するとしたら、それはお前にその人を幸せにする特別な何かがあるからだ。それを見つけて磨けば、もっと愛してもらえるだろう。(米政治運動家、ハリー・ブラウン)
https://www.goodreads.com/quotes/949742-harry-s-letter-to-his-daughter-if-i-could-give-you

政府の十八番。人の足を折り、松葉杖を渡して一言、「ほら、もし政府がなかったら、歩けないところでしたよ」(ハリー・ブラウン)
https://www.goodreads.com/quotes/853252-the-government-is-good-at-one-thing-it-knows-how

誰から買うか。何の仕事をするか。誰と付き合うか。ひとつに決めなくていい。選べばいい。(ハリー・ブラウン)
https://www.goodreads.com/quotes/391931-you-don-t-have-to-buy-from-anyone-you-don-t-have

自由で豊かな社会は、新しい参加者を恐れない。しかし福祉国家は、貧しい人が入って来ようとすること、富んだ人が出て行こうとすることを、死ぬほど恐れる。(ハリー・ブラウン)
https://www.goodreads.com/quotes/2484756-a-free-and-prosperous-society-has-no-fear-of-anyone

銃が役に立たないなら

# 「銃が安全に役立たないと言うなら、ボディガードを丸腰にしなさい」。銃規制派のヒラリー氏にトランプ氏がきつい一撃。
http://www.targetliberty.com/2016/01/trump-challenges-hillary-to-disarm.html

# 消費税は低所得者に厳しい。だから事実上のベーシックインカム導入を。マイナンバーを利用すれば低コストで可能……ぞっとしない話。
--視点:所得課税から消費課税へシフト加速を=土居丈朗氏
http://jp.reuters.com/article/view-takero-doi-idJPKBN0UG0I120160104

# 国はつぶれないから国債は大丈夫。そうかもしれませんが、つぶれない理由は私たちが課税されるから。
--山崎元が指南!ど素人でもわかるお金の増やし方(1)「革命が起きないかぎり破綻なし」
http://www.asagei.com/49966

# 「思い切った」というのは、自分のカネでやる行動に使う言葉です。
--さらに思い切った対応する用意、日本経済は正念場=黒田日銀総裁
http://jp.reuters.com/article/kuroda-boj-economy-idJPKBN0UI0AI20160104

*ツイッターより転載。誤字等は修正。

2016-01-03

民主主義は自由と無関係(ホッペ)

民主主義は自由と何の関係もない。共産主義のソフトな一形態であり、思想史においてそれ以外の扱いを受けたことはほとんどない。(経済学者、ホッペ)
https://www.goodreads.com/quotes/658888-democracy-has-nothing-to-do-with-freedom-democracy-is-a

戦争は国家主義の自然な結果であり、国内における政府の搾取と収奪の力を強める手段となる。戦争は国内の緊急事態だから、国民への支配強化を求め、それをもっともらしくみせる。(ホッペ)
https://www.goodreads.com/quotes/658890-however-not-only-external-expansion-of-state-power-is-brought

政府による搾取が限度に達し、国内の生産力が停滞・低下すると、国民を食物と娯楽で釣る愚民政策はもはや維持できない。経済危機が襲い……帝国崩壊をもたらす。(ホッペ)
https://www.goodreads.com/quotes/658887-but-empire-building-also-bears-the-seeds-of-its-own

生産に対する課税は生産量を減少させる。……いかなる課税も、多額の資本を要する生産性の高い製造工程から、その日暮らしの経済へと追いやる。(ホッペ)
https://www.goodreads.com/quotes/658893-contrary-to-any-claim-of-a-systematically-neutral-effect-of

真実が反逆罪となるとき(ロン・ポール)

建国の父たちがめざしたアメリカは、けっして市民が稼ぎの半分近くを政府に支払うような国ではなかった。(米元下院議員、ロン・ポール)
https://www.goodreads.com/quotes/23363-one-thing-is-clear-the-founding-fathers-never-intended-a

アメリカ建国の父たちがめざした自由な社会では、学校が説明責任を負うのは親に対してである。政府の官僚に対してではない。(ロン・ポール)
https://www.goodreads.com/quotes/23375-under-the-united-states-constitution-the-federal-government-has-no

嘘の帝国では、真実は反逆罪である。(ロン・ポール)
https://www.goodreads.com/quotes/70367-truth-is-treason-in-the-empire-of-lies

自由を特徴づけるのは安全ではない。市民が政府の介入なしに生きられるかどうかである。……全体主義の社会だけが、完璧な安全を価値ある理念として主張するだろう。市民を完全に支配することを求めるからである。(ロン・ポール)
https://www.goodreads.com/quotes/54421-freedom-is-not-defined-by-safety-freedom-is-defined-by

2016-01-02

税は盗みである(ロスバード)

経済学に無知なことは罪ではない。しかし無知なままで経済問題を声高に論じるのは、まったく無責任である。(米経済学者、ロスバード)
https://www.goodreads.com/quotes/76488-it-is-no-crime-to-be-ignorant-of-economics-which

「教育」という言葉を公教育だけに限るのは、明らかにおかしい。(ロスバード)
https://www.goodreads.com/quotes/156365-it-is-clearly-absurd-to-limit-the-term-education-to

正直な話、強欲のどこが悪いのかわからない。強欲をいつも非難する人々がもし次の昇給を断るなら、もっと首尾一貫するだろうに。(ロスバード)
https://www.goodreads.com/quotes/238625-it-s-true-greed-has-had-a-very-bad-press-i

税は盗みである。どんな大泥棒も太刀打ちできないほど巨大な規模だとしても、正真正銘の盗みである。それは国民の財産を強制的に奪うことである。(ロスバード)
https://www.goodreads.com/quotes/1244389-taxation-is-theft-purely-and-simply-even-though-it-is

政府と強盗(スプーナー)

政府は強盗のようにあなたに言う。「金を出せ。さもなければ命はない」。税の多く、いやひょっとすると大半は、そのような脅しの下に支払われる。(米思想家、スプーナー)
https://en.wikiquote.org/wiki/Lysander_Spooner

政府は強盗のように寂しい場所で人を待ち伏せして襲いかかり、拳銃を頭に突きつけたりはしない。しかし、強盗よりはるかに卑怯で恥知らずである。(スプーナー)
https://en.wikiquote.org/wiki/Lysander_Spooner

強盗はひとりで自分の行動の責任・危険・罪を引き受ける。あなたの金に正当な権利があるとか、それをあなたのために使う意志があるとかいうふりはしない。(スプーナー)
https://en.wikiquote.org/wiki/Lysander_Spooner

政府は個人の顔を明かさず、自分の行動に個人として責任を取らない。逆に、構成員の一人を代わりに強盗に関与させ、自分たちはほとんど正体を明かさない。(スプーナー)
https://en.wikiquote.org/wiki/Lysander_Spooner

藻谷浩介・NHK広島取材班『里山資本主義』



二百年前への逆戻り


あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

本書の内容には、すでにさまざまな批判がなされている。地産地消のすすめとは裏腹に、「二一世紀の燃料」と持ち上げた木質ペレット(木くずを固めたもの)を作る岡山の会社が、地元でとれる木材ではなく北欧などからの輸入材を使っていたこと。そのペレットの焼却灰からチェルノブイリ原発事故由来とみられるセシウムが検出されたこと。多くの税金を投入して建設されたドイツやオーストリアのバイオマス発電所が、次々に破綻したり経営不振にあえいだりしている事実を隠していること――などである。

田舎暮らしや自給自足生活を個人が好きでやるのは、結構なことだ。しかし、それを「まったく新しい日本経済再生策」(新書版カバーより)とまで持ち上げるのは、行き過ぎである。

ここでは、経済の理屈からみておかしな点を指摘したい。

第三章で、「域際収支」という統計が出てくる。域際収支とは、商品やサービスを地域外に売って得た金額と、逆に外から購入した金額の差を示した数字である。売った金額のほうが大きければ黒字、逆なら赤字となる。国でいう貿易黒字なのか貿易赤字なのかを、都道府県別で示しているわけである。

数字をみると、東京や大阪など大都市圏が軒並み黒字なのに対し、高知や奈良など農漁村を多く抱える県は赤字額が大きい。この章を執筆したNHKの井上恭介と夜久恭裕は、赤字の県について「こうした地域がなぜ貧しいのか。それは、働いても、働いても、お金が地域の外に出て行ってしまうからである」とコメントする。

しかし、このコメントはおかしい。たしかに、黒字ということは、物を買って使ったお金よりも、物を売って得たお金のほうが多いことを意味する。差額の分だけ、域内には多くのお金が残る。しかし、お金がたくさんあることは、生活が豊かであることを意味しない。

なぜなら、お金とはしょせん、欲しい物を買うための手段にすぎないからである。最終目的は、お金と引き換えに衣食住やさまざまな楽しみなど自分の欲しい物を買い、それを使うことである。物を買えばお金は出ていくが、代わりに物が入ってくるのだから、貧しくなったとはいえない。

だから、お金が差し引きで地域の中に入ってくる状態(黒字)は豊かで、外に出ていく状態(赤字)は貧しいと決めつける著者らの考えはおかしい。この考えは、著者らは意識していないだろうが、地域の豊かさを決めるのはお金だといっているに等しい。本書のあちこちでお金がすべてという価値観を厳しく批判する著者らが、同じような考えに陥るとは皮肉である。

なお、国の貿易についても同じことがいえる。よく勘違いされるが、貿易収支の黒字は豊かさを意味しないし、赤字は貧しさを意味しない。だから「国が豊かになるためには輸出を増やし、輸入を減らしてお金を集めなければならない」という考えは間違っている。この間違った考えを重商主義という。

かつて16〜18世紀の欧州では、各国政府が重商主義を掲げ、輸出を奨励し輸入を規制する保護政策を採っていた。これに対しアダム・スミスが1776年に出版した『国富論』で、重商主義は国を豊かにしないと批判し、自由貿易への道を開いたことはよく知られる。

本書が主張する、「外に出て行くお金を減らし、地元で回すことができる経済モデル」とは、地域版の重商主義そのものである。「まったく新しい」どころか、『国富論』が出た二百数十年前に逆戻りしたような、古色蒼然たる考えでしかない。

本書で紹介される地域企業の成功例に、山口県周防大島のジャム屋がある。空想上の話だが、もし世界がずっと重商主義に支配され、日本政府がコメを守るためパンの輸入を許さなかったら、日本でこれほどジャムが好まれることもなく、ジャム屋の商売は成り立たなかっただろう。

地域に閉じこもった経済は、暮らしを豊かにしない。アダム・スミスが説いたように、豊かさをもたらすのは地域や国を超えた分業だからである。個人が自分の価値観で物質的な豊かさを放棄するのは自由である。だが、もし豊かさを求めるのであれば、世界に開かれた経済でなければならない。本書にはその認識が希薄で、鎖国的な反グローバル主義を助長しかねない。

著者の一人である藻谷浩介は「中間総括」で、里山資本主義の推進に政府の補助金を使うのは反対と述べており、そこは評価できる。ところが他の筆者は補助金を「行政の強力な後押し」などと肯定している(第一章の木質ペレットの箇所)。全体として、高く評価はできない。

(アマゾンレビューにも投稿)

2016-01-01

国家とは巨大な虚構(バスティア)

国家とは巨大な虚構である。それを通じて、誰もが他人の犠牲によって生きようと躍起になる。(仏エコノミスト、バスティア)
https://en.m.wikiquote.org/wiki/Fr%C3%A9d%C3%A9ric_Bastiat#Quotes

取引のおかげで、一人の繁栄が万人の利益となる。(バスティア)
https://en.m.wikiquote.org/wiki/Fr%C3%A9d%C3%A9ric_Bastiat#Quotes

競争を起こすには、抑圧をなくしさえすればよい。(バスティア)
https://en.m.wikiquote.org/wiki/Fr%C3%A9d%C3%A9ric_Bastiat#Quotes

友愛は自発的でなければ続かない。友愛を命じればそれを壊すだけである。(バスティア)
https://en.m.wikiquote.org/wiki/Fr%C3%A9d%C3%A9ric_Bastiat#Quotes

法律と道徳が互いに矛盾するとき、市民は道徳感情を失うか遵法精神を失うかのつらい選択を迫られる。(バスティア)
https://en.m.wikiquote.org/wiki/Fr%C3%A9d%C3%A9ric_Bastiat#Quotes

2015-12-31

資本主義の原動力

# グローバル化の最大の障壁は、グローバル人材の不足ではなく、経営人材の不足との指摘。商社に限らず、資本主義の原動力は未来に賭ける企業家精神。
--楠木建「商社3.0なんてものはない」
https://newspicks.com/news/1323455/

*ツイッターより転載。誤字等は修正。

2015-12-30

移転より廃止を

# 移転より前に、廃止を考えてはどうでしょうか。
--文化庁の京都移転有力に=「一部機能」軸に検討−政府
https://newspicks.com/news/1323174/

# 日本語がおかしいですね。まるで小規模なものは営利目的ではないみたい。
--民泊を段階的解禁へ=小規模は来年、営利は18年までに−政府
https://newspicks.com/news/1323102/

# 安定を得るためには、不安定を覚悟しなければいけないということ。
--【山崎元】安定した収入を得られる人材価値を身に付けよう
https://newspicks.com/news/1322413/

*ツイッターより転載。誤字等は修正。

2015-12-29

規制とマナー

# 非喫煙者ですが、喫煙規制には反対です。喫煙は他の多くの事柄と同じく、マナーの問題です。政府が関与すべきではありません。お上に何でも決めてもらう根性は、もう捨てましょう。
--受動喫煙防止、法制化へ=罰則規定は先送り
https://newspicks.com/news/1321832/

# 過去の戦争で女性の尊厳を傷つけたことが反省すべき行為ならば、現在の戦争で女性の生命を奪うことはそれ以上に許されないはずです。日本政府がさらに一方踏み出し、中東での空爆に反対を表明することを期待します。
--日韓外相会談 慰安婦問題で合意
https://newspicks.com/news/1320456/

# 加入逃れはけしからんと雇い主に保険料を支払わせれば、コスト高のため雇われない人が増えるでしょう。法律守って幸せ守れず。
--厚生年金の加入漏れ、全国に200万人 厚労省推計
https://newspicks.com/news/1321074/

*ツイッターより転載。誤字等は修正。

2015-12-28

日銀が国債を買うから大丈夫?

# 長い記事ですが、ようするに日銀がお金を刷って国債を買うから大丈夫、といういつもの話。インフレにならなければ悪いことなはい、と。しかしバブル崩壊前夜の80年代も、物価は上がらなかったのです。
--「日本の借金1000兆円」はやっぱりウソでした~それどころか…なんと2016年、財政再建は実質完了してしまう!
https://newspicks.com/news/1319594/

# 政治的正しさ(PC)はいらない。マナーというものがあるから。政府から強制してもらう必要もない。親というものがいるから。ミーゼス研究所のジェフ・デイスト。
--PC Is About Control, Not Etiquette
https://mises.org/library/pc-about-control-not-etiquette-0

# かつて教会は、複雑な生物は全能の神がデザインしたと信じた。今の政府は、複雑な社会は賢明な自分たちがデザインしなければならないと信じている。進化生物学者マット・リドレーの新著をジョージ・ウィルがレビュー。
--The foolish ‘theism’ of government enthusiasts
https://www.washingtonpost.com/opinions/the-foolish-theism-of-government-enthusiasts/2015/12/25/5c623b4c-aa64-11e5-bff5-905b92f5f94b_story.html

# マイナンバーは怖くない、便利だって人だけ使えばいいんじゃないですか。なんでそう思わない人まで巻き込むのでしょう。
--「マイナンバー」って何のために始まるの? 担当補佐官の楠正憲氏にメリットを聞いてみた
https://newspicks.com/news/1320417/

# 五輪やるためにカネが必要。終わった後の反動を避けるためにカネが必要。結局いつもカネが必要。
--東京五輪、実質成長率毎年0.2─0.3%押し上げ=日銀リポート
https://newspicks.com/news/1320182/

*ツイッターより転載。誤字等は修正。

2015-12-27

差別禁止が招くもの

# 国内に研究開発拠点があればGDPを押し上げ。ただし経済の実体には何も変化なし。GDPって、しょせんその程度のものです。
--来年のGDP、15兆円アップ?…計算方法見直しにつき
https://newspicks.com/news/1318714/

# 差別の禁止を法律で強制すれば、不当な優遇だという不満や恨みが多数者の間に強まり、目に見えない陰湿な差別がむしろ広がるでしょう。政治家はいつも近視眼的です。
--性的少数者の差別禁止で法案=民主、与党と共同提出目指す
https://newspicks.com/news/1318701/

# 財政が少し苦しくなるだけでこういう事態を招くような制度設計しかできない政府に、消費増税で財源を増やしてやったからといって、有効に使われるとは思えません。
--介護事業者の倒産 過去最多に
https://newspicks.com/news/1318968/

*ツイッターより転載。誤字等は修正。

2015-12-26

高橋源一郎・SEALDs『民主主義ってなんだ?』


矛盾を直視する勇気を


「民主主義ってなんだ?」。これは共著者の学生団体SEALDs(シールズ)が安全保障関連法に反対して国会前で抗議した際、ラップに乗せて繰り返したことで有名になった問いかけであり、本書の題名でもある。しかし本書には最後まで、この問いに対する答えはない。それはこの学生たちの意義ある運動の将来に、暗い影を落としかねない。

民主主義の定義は、本来シンプルである。オックスフォード英英辞典によれば、民主主義(democracy)とは "a system of government in which all the people of a country can vote to elect their representatives"(全国民が投票で代表を選ぶことのできる政体)。他の英英辞典もほとんど同じだ。政府の一形態にすぎないとあっさり述べている。

一方、日本語の辞書では少し違う。デイリーコンサイス国語辞典によると、民主主義とはまず、「主権は国民にあるという思想。デモクラシー」である。政府の形態ではなく、思想とされている。しかし、これは別にいい。問題は、その後にこう付け加えられていることである。「自由・平等を尊重する思想」

大辞林でも、「人民が権力を所有し行使するという政治原理」という説明の後に、「現代では、人間の自由や平等を尊重する立場をも示す」と記されている。

つまり、民主主義とは自由や平等という価値も含む思想とされている。しかし、それはおかしい。平等はともかく、自由と民主主義は、水と油のように相容れないものだからである。

民主主義とは、英英辞典の定義によれば、権力を行使する政府の決め方だし、国語辞典の定義(の前半)によれば、権力(主権)は国民にあるという考えである。一方、自由とは、個人の権利が権力の干渉・介入を受けないことである。言い換えれば、民主主義とは権力を正当化する制度ないし思想であるのに対し、自由とは権力そのものを排除する思想に基づく。どうみても両立は難しい。

ところがSEALDsという団体名は、Students Emergency Action for Liberal Democracy - s(自由と民主主義のための学生緊急行動)の略だという。両立しない自由と民主主義を同時に掲げてしまっている。同じく党名で自由と民主主義をうたう自民党よりも、自分たちのほうがそれらの真の意味を知っているという気概を込めたらしい。しかしもしそうなら、このような矛盾した名前は付けるべきではない。

彼らも矛盾にうすうす気づいてはいる。中心メンバーの奥田愛基は「極端なこというと、八割の国民が『人殺しOKにしましょう』とか言ってもダメなものはダメなわけですよね」と発言する。そのとおりだ。民主主義の手続きをどれだけきちんと踏もうと、「ダメなものはダメ」である。

それでは、ダメと判断する基準は何なのか。残念ながら、奥田はそれ以上踏み込まない。「まあ、できるだけ民主的で、できるだけ自由で平等な社会が良いので、できることをやるしかない」とお茶を濁してしまう。そればかりか、「〔フランス革命で恐怖政治を断行した〕ロベスピエールみたいに殺しにいっちゃうかもしれない〔略〕でもまだまだ使える可能性があるっていうか」と、民主主義の危険性を認識していながら、それを無責任に擁護する。

議論をリードする役目の高橋源一郎も「二千五百年前から最近まで、まともな思想家はたいてい民主主義を否定していた」と重要な指摘をしながら、「結局、民主主義が最強最良じゃないか」とたいした根拠も示さず話をまとめてしまう。

高橋は初めのほうで、「大切なのは、言葉を定義しておくということ」と強調し、民主主義を運動のテーマとするSEALDsのメンバーに対し「民主主義についての定義を大事にしてほしいし、ある程度準備しておく必要がある」ともっともな呼びかけをする。しかし最後まで、メンバーの口から民主主義の定義が聞かれることはない。

あとがきでメンバーたちは、民主主義の定義は難しいという意味のことを述べる。「簡単には言葉にならないもの」(牛田悦正)、「容易に言語化できるものではない」(芝田万奈)といった調子である。

民主主義を団体名に掲げていながら困ったものだという気もするが、無理もない。専門家の作った国語辞典でさえ、民主主義が自由と両立可能という、矛盾した定義をしているのだから。英英辞典の記述は明確だが、欧米でも民主主義と自由の関係は必ずしもよく理解されていない。若いメンバーたちが民主主義の定義に悩み、ためらうのは、むしろ彼らの知的誠実の表れと考えよう。

しかし、もし本気でこの社会を変えたいのであれば、民主主義の定義という宿題をいつまでも先延ばししてはいけない。社会を変えるのは結局のところ思想の力であり、思想が力を持つためには論理的に筋が通っていなければならないからだ。

民主主義とは権力の肯定である。しかし、戦争にしろ貧困にしろ、社会のさまざまな問題は、権力で解決することは決してできない。権力の干渉を受けない、多数の個人の自発的な協力だけがそれを可能にする。民主主義を定義することで自由との矛盾を直視し、後者を選ぶ勇気を持たないかぎり、社会を良い方向に変えることはできない。

民主主義の問題点にも一応触れてあるので、本の評価は、期待を込めて高めにする。

(アマゾンレビューにも投稿)

サンタはグローバルビジネス

# サンタクロース事業は広大なソーシャルネットワークと強力なブランドを築いたグローバルビジネス。商品の配送は親たちにほとんどゼロコストでアウトソーシング。お金儲けに人一倍うるさい投資家スクルージが絶賛……という楽しいコラム。FT紙より。
--'Dear Santa' - An Activist Hedge Fund Manager Addresses St. Nick's "One Long Party"
http://www.zerohedge.com/news/2015-12-25/dear-santa-activist-hedge-fund-manager-addresses-st-nicks-one-long-party

# お金儲けに人一倍うるさい投資家スクルージとは、この人。
--自由主義通信: ディケンズ『クリスマス・キャロル』
http://libertypressjp.blogspot.jp/2015/12/blog-post_13.html

# 米金融システムを脅かす巨額の債券発行残高。2008年の80兆ドルから現在100兆ドル。これをもとにしたデリバティブは555兆ドル。
--During the Next Crisis, Central Banking Itself Will Fail
http://www.zerohedge.com/news/2015-12-24/during-next-crisis-central-banking-itself-will-fail

# 今ごろ気づいたの?「論理的には、量的緩和とはもっぱら企業およびその株主である富裕層に対する補助金であるという結論に至る」
--量的緩和は「期待外れ」に終わるのか
http://jp.reuters.com/article/column-qe-idJPKBN0U80BE20151225

# 戦後、米国人の労働時間は減り、余暇が増大。社会主義者の大統領候補サンダース氏の長時間労働批判は的外れ。資本主義は労働者を助ける。
--Good News, Bernie Sanders: Average Workweeks Are Getting Shorter
http://fee.org/anythingpeaceful/good-news-bernie-sanders-average-workweeks-are-getting-shorter/

# 持ち帰りの客の気が変わり、店内で食べても税軽減。気が変わったという客で満席になり、正直に「店内で食べます」といった客は座れない事態も。税がまねくドタバタ。
--軽減税率、ギャグみたいなトンデモないトラブル多発!
http://biz-journal.jp/2015/12/post_12997.html

# 塩、固めた茶葉、動物の革、巨石、チーズ……世界の不思議なお金たち。でも一番不思議なのは、何の裏付けもない紙切れ。
--The World's Strangest Currencies
http://www.zerohedge.com/news/2015-12-23/worlds-strangest-currencies

# 金投資へのよくある批判。「金は利息が付かない」。でもお札だって貸し出さずにタンスにしまっていたら利息は付きません。一方、金も貸し出せば利息に当たる寄託料がもらえます。
--Why 'The Regime' Hates Gold
http://www.zerohedge.com/news/2015-12-24/why-regime-hates-gold

# 「金を資産防衞の選擇肢から排除するのは愚かなことである」拙稿より。
--金保有批判の愚 - ラディカルな経済学(旧館)
http://d.hatena.ne.jp/KnightLiberty/20130420/p1

# 米ケンタッキー州のベビン新知事、最低賃金引き下げの快挙。「賃金率は政府が決めるのでなく労働市場の需要で決まるべきだ」「最低賃金は雇用創出を妨げる。とくに未熟な労働者が初心者向けの仕事を探すのに不利」
--Kentucky Lowers The Minimum Wage
http://www.economicpolicyjournal.com/2015/12/kentucky-governor-state-should-have-no.html

# 重税を嫌って日本を去る企業は許せないと怒る人たちは、社会主義が嫌で逃げる市民は許せないと怒る独裁者とあまり変わりません。
--ソフトバンク、英移転を一時検討 節税・投資にメリット
https://newspicks.com/news/1317985/

*ツイッターより転載。誤字等は修正。

2015-12-19

水野和夫『資本主義の終焉と歴史の危機』


資本主義は死なない


資本主義の死期が近づいている――。これが本書の根幹をなす主張である。果たして、資本主義は本当に死ぬのだろうか。

著者は、資本主義を「『周辺』つまり、いわゆるフロンティアを広げることによって『中心』が利潤率を高め、資本の自己増殖を推進していくシステム」(「はじめに」)と定義する。しかし、この定義はマルクス主義の影響を強く受けている。内容もあいまいでわかりにくい。

もっと一般的な定義をみてみよう。コウビルド英英辞典では、資本主義(capitalism)を次のように定義する。"Capitalism is an economic and political system in which property, business, and industry are owned by individuals and not by the state." すなわち、「財産・企業・産業が政府ではなく、個人によって所有される経済・政治制度」である。イデオロギー臭がなく、明瞭だ。これら二つの定義を念頭に、著者の主張を検証してみよう。

著者によれば、資本主義の死が近づいているのは、もはや地球上のどこにもフロンティア(開拓領域)が残されていないからである。たしかに、著者の定義のように、資本主義がフロンティアを広げることによってしか存続できないとすれば、フロンティアの消失(それが事実かどうかは別として)は、資本主義の消滅につながるだろう。

だが、より一般的な定義に従えば、フロンティアが消失したからといって、資本主義が死ぬことはない。フロンティアの有無にかかわらず、財産・企業・産業が個人によって所有(私有)されている限り、それは資本主義だからである。

著者は、資本主義の死の兆候として、主要国で金利がゼロ近くに低下している事実を挙げる。経済の仕組み上、金利は利潤率とほぼ同じだから、これは利潤を得られる投資機会がもはやなくなったことを意味するという(第一章)。

しかし、この主張はいくつかの点でおかしい。まず、利回りがどんなに低水準でも、ゼロより大きい限り、利潤は増える。名目上の伸びはわずかかもしれないが、デフレで物価が下がれば実質価値は大きくなる。つまり投資機会はなくならない。

次に、利潤が平均すればわずかなものだとしても、個々には黒字の企業と赤字の企業がある。赤字続きの企業は淘汰されるだろうが、消費者の支持を集めた企業は、これまでと変わらず高い利益成長を遂げるだろう。

そして、一番重要なことだが、そもそも昨今の低金利は、資本主義を特徴づける自由な市場取引ではなく、政府・中央銀行の人為的な金融緩和政策がもたらしたものである。著者は文中で金融緩和政策に触れているにもかかわらず、低金利をあたかも自然な経済現象のように述べるのは、理解に苦しむ。

著者はまた、1980年代半ばから米国で金融業への利益集中が進んだのは、資本主義が原因だという。しかしこれも、米国の中央銀行である連邦準備銀行がマネーをあふれさせて人為的な株式ブームを起こし、金融機関を潤したことによる。

著者は、「むきだしの資本主義」は巨大なバブルの生成と崩壊をもたらすと述べる(第五章)。しかし上述のように、バブルを起こすのは自由な取引ではない。景気対策やバラマキ政策のためにマネーを氾濫させる政府・中央銀行である。

ようするに、本書で資本主義の問題点として列挙されたさまざまな経済現象は、政府がその元凶なのである。それに気づかない著者は、対応策として「少なくともG20が連帯して、巨大企業に対抗する必要があります」などと、さらなる政府の介入を主張する。

もし著者の提案どおり、各国政府がこれまで以上に経済への介入を強め、財産・企業・産業の所有権を個人から奪い続ければ、たしかに資本主義ではなくなっていく。ただし、それは著者の主張とは違い、歴史的な必然ではなく、政府権力の意図によってそうなるのである。

しかしそれでも、資本主義は死なないと断言できる。資本主義によって生み出される富がなければ、社会は貧窮化し、政府自身も存続できないからである。旧ソ連・東欧における社会主義の崩壊はそれを証明したし、日米欧におけるケインズ流の政府介入もバブルと重税で経済を疲弊させ、同様の道筋をたどりつつある。

本書には、公共事業やリフレ政策に対する批判など正しい指摘もある。しかし、資本主義が死ぬ運命にあるという根本の主張は、誤りである。

(アマゾンレビューにも投稿)

2015-12-13

ディケンズ『クリスマス・キャロル』


守銭奴は悪くない


クリスマスの季節が近づくと、この小説が映画化・舞台化されるなどして、よく話題になる。残念なのは、主人公の商人スクルージが社会にとって迷惑でしかない、カネの亡者として描かれていることである。たしかにスクルージはカネの亡者かもしれないが、見えない形で、社会に恩恵をもたらしている。

まず、スクルージが長年商売を続けられているということは、多くの取引相手を満足させていることを意味する。取引相手はスクルージの性格を嫌っているかもしれないが、それでも取引を続けるのは、商売相手として信頼できるからである。スクルージは取引相手を満足させることで、間接的に取引相手の顧客も満足させ、社会全体の満足向上に貢献している。

また、スクルージは稼いだカネを貯め込んでいることから、守銭奴と非難されるが、カネを貯め込む人は社会に貢献している。銀行に預け、あるいは株式や社債を買えば、カネは企業の投資に使われ、生産力を高め、社会を物質的に豊かにする。

もし金融機関を信用せず、稼いだカネをすべてタンス預金にしたらどうだろう。この場合も社会に貢献する。世間に出回るカネの量が減り、物価が安くなるからである。

今の世の中では、物価が下がること(デフレ)は悪いことで、物価安をありがたがるのは無知の証拠だという迷信が広められている。しかし実際には、物価安は個人にとっても社会全体にとっても、良いことである。

そしてスクルージは、なんといっても、争いを好まない平和的な人物である。暴力は振るわないし、他人の物を奪うこともない。頭にきて「死ねばいい」と口走ってしまうことはあっても、行動に移しはしない。死者から物を奪い手柄を誇る盗人には、怒りを燃やす正義感もある。

社会に平和的な人物が一人でも増えれば、社会はそれだけ平和になる。スクルージはその意味でも、社会に貢献している。

社会をより平和にするために、スクルージにあえて一つ注文をつければ、自分の価値観を他人に押しつけないよう気をつけてほしい。クリスマスのお祝いをいう甥に向かって、スクルージは「めでたい理由がどこにある? 年が年中、素寒貧のくせにして」と毒づく。しかしカネがなければめでたくないというのは、スクルージの価値観にすぎない。甥が反論するとおり、カネがなくても幸せという価値観もありうるし、あっていい。

しかしこれも、スクルージだけを責めるのは酷だろう。スクルージの周囲の人々も、クリスマスは祝わなくてはならない、という自分たちの価値観をスクルージに押しつけているからである。「価値観の多様化」は平等でなければならない。

おそらく作者ディケンズの意図とは裏腹に、この小説を読んでいくと、スクルージが悪い人間ではないことがわかる。訳者があとがきで「人が何と言おうと誹ろうと、スクルージは断じて悪人ではない」と書いているとおりである。

しかしそれは、ディケンズが正直で優れた作家だったあかしでもあるだろう。商人というものの姿を、不自然なウソを交えず活き活きと描いた結果、それは暴力を振るわず、略奪もせず、争いを好まない人物にしかならなかったのである。政治家ではこうはなるまい。

スクルージに対する誤解を解いたうえで、平和を祈るクリスマスにふさわしい作品として読み継がれていってほしい。

(アマゾンレビューにも投稿)

2015-12-05

佐伯啓思『自由とは何か』



混乱と迷走の果てに


かつてリベラリズムとは字義どおり、個人の生活に対する政府の介入を拒否し、小さな政府を求める自由主義(古典的自由主義、リバタリアニズム)を意味した。ところが現在この言葉は、政府の介入と大きな政府を求める、まったく逆の考え(社会民主主義)にほとんど乗っ取られようとしている。

相反する概念に同じ言葉を用いるのは、どう考えても無理である。このことに無自覚な議論は必ず混乱し、迷走する。本書はその典型といえる。

混乱が端的に表れているのは、第五章である。著者はリベラリズムを四つのタイプ(市場中心主義、能力主義、福祉主義、是正主義)に分ける。このうち市場中心主義は、政府の介入を最も強く拒否する立場であり、古典的自由主義、リバタリアニズムを意味する。

著者はハイエクに基づき、市場中心主義の特徴とは、市場が「運という偶然性によって左右されることを認めた」ところにあると述べる。この指摘は正しい。

ところが著者はしばらく後で、リベラリズムは「個人の属性から偶然性を排除することが自由につながる」と主張すると書く。これは前に述べたことと明らかに矛盾する。一方でリベラリズムの一種である市場中心主義は偶然を認めると述べ、他方でリベラリズムは偶然を排除すると書いているのだから。

人生から偶然を排除するという考えは、生まれや育ちによる不平等を政府の介入によってなくそうとする現代流のリベラリズム(社会民主主義)には当てはまっても、古典的自由主義、リバタリアニズムには当てはまらない。それは著者自身がハイエクに基づき書いたとおりである。

しかし著者はいつの間にかハイエクの議論を忘れ、リベラリズムをひとからげにして、偶然性を排除する浅はかな考えだと批判する。そして「ある種の偶然性を引き受けることこそが自由につながる」のだと得々と述べる。しかし、繰り返しになるが、それはリベラリズムの一種である市場中心主義(古典的自由主義、リバタリアニズム)も述べていることではないか。

この章は、リベラリズムを主題とする本書の理論的な中核ともいえる。そこで明らかな矛盾に基づく議論を展開するとは、お粗末としか言いようがない。

本書は古典的自由主義、リバタリアニズムに関する知識不足も目立つ。たとえば著者は第一章で、米国がイラクに自由をもたらすという名目でイラク戦争に踏み切ったことについて、「自由を、強制されずに自らの意思で何事かをなす状態と理解しておけば、アメリカによって強制された自由とはいったい何であろうか」と批判する。そしてこれは自由のディレンマ(矛盾)だと強調する。

たしかに、自由を強制するのは矛盾である。しかしリバタリアニズムの論客として有名なロン・ポール元下院議員は、一貫してイラク戦争をはじめとする米政府の海外軍事介入を批判している。19世紀英国の政治家で自由貿易論者として名高い古典的自由主義者リチャード・コブデンも、自国の海外軍事介入に反対したことで知られる。ここでも著者は、自分の議論に都合の悪い古典的自由主義、リバタリアニズムを無視している。

さて著者によれば、自由とは何かを達成するための手段にすぎないのに、リベラリズムはそれを目的と化してしまった。これはニヒリズム(虚無主義。客観的な価値をいっさい認めず、あらゆる宗教的・道徳的・政治的権威を否定する立場)にほかならないという(第六章)。

これも古典的自由主義、リバタリアニズムに関しては誤りである。古典的自由主義、リバタリアニズムには、正当な理由なく他人の生命・身体・財産を侵害してはならないという明確な道徳基準(非侵害公理)がある。

皮肉なことに、ニヒリズムに陥っているのは著者自身である。保守主義者の著者は、明確な道徳基準を持ち合わせていないからである。

著者が道徳基準の代用品として頼るのは、「共同の善」である。しかしこの「共同の善」とやらは、人間一般に普遍的な善ではない。特定の共同体、特定の国家における「善」にすぎない。

これが明確な道徳基準になりえないことは明らかである。ある共同体・国家の内部に「共同の善」なるものがかりにあったとして、それが他の共同体・国家における「共同の善」と対立した場合、どちらが正しいかを判断する基準は存在しないからである。

そのことは著者自身こう認める。「イスラム過激派のテロリズムを本当の意味で断罪することはできない。……オウム真理教についても同じである。それが絶対的に『誤っている』と言うことは難しい」

驚くべき発言である。罪もない人々を殺傷するテロリズムを誤りといえないとは、これ以上のニヒリズムがあるだろうか。

挙句の果てに著者は、ハイデガーを引き合いに出し、「人間は死に向かって自由である。死こそが人間の自由の根本条件である」などと言い出す。ついていけない。死を根本条件とする自由とは、もはや普通の意味における自由とはいえない。

そう思っていると著者自身、「こうなると、本書の議論は通常いうところの『自由』からは大きく離れてしまっているのではなかろうか。確かにそうだ」と認める。これには思わず苦笑した。自由について学びたいと思って本書を手に取った読者は、困惑するばかりだろう。

(アマゾンレビューにも投稿)