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「反インフレ経済勉強会」開講のお知らせ

インフレは税の一種です。しかも普通の税よりも悪質な税です。ところが、この事実はよく理解されていません。それどころか、多少のインフレはむしろ良いことだという嘘が、現在主流の国家主義的な、誤った経済学(ケインズ経済学)や、そこから派生した極端な説 (MMT=現代貨幣理論など) によっ...

2025-07-03

真の米国第一に返れ

共和党が「米国を再び偉大にする」政党になりたいのならば、真の米国第一の外交政策を採用する必要がある。政権転覆戦争や、税金で支援する「カラー革命」はもうやめよう。退治すべき怪物を求めて外国に行くのではなく、自国だけを守るという建国者のビジョンに立ち返ろう。
A Big Beautiful Bill for the Military-Industrial Complex - Antiwar.com [LINK]
CIAが現在認めるように、米政府は1953年、民主的に選ばれたイラン政府を転覆し、パーレビ国王を復権させた。その後四半世紀、1979年のイスラム革命まで、この独裁的な国王を支持した。国王の秘密警察サバクは残忍さを増し、何万人ものイラン国民を裁判なしで拘束し拷問した。
The US Empire's 72-Year War on Iran - Antiwar.com [LINK]

ネタニヤフ首相の「新中東」は、カーネギー国際平和財団が2004年に発表した論文に遡ることができる。この論文は米国のイラク侵攻の後に発表され、米国の地政学ニーズに合った形で中東を再構築しようとしたものだ。中東の定義をコーカサスと中央アジアにまで広げようとした。
'New Middle East': This is Netanyahu's Real Goal in the Region - Antiwar.com [LINK]

イランはイスラエルの存在を脅かし、無力化できるのは自分だけだという主張は、ネタニヤフ首相の強力な政治的カードだった。しかし今、彼はそれを切ってしまった。テレビの生中継で祝った「決定的な勝利」を台無しにすることなく、イランの核爆弾完成は近いと主張はできない。
Israel's euphoric 'victory' over Iran is giving way to disillusionment [LINK]

カナダ野党の新民主党は、1969年に党員投票でNATO脱退を決めたにもかかわらず、幹部らはNATOを称賛してきた。ユーゴやリビアへの攻撃に賛成し、ロシアとの緊張が高まると、NATOの推進を強化した。クレティエン元首相がNATOはロシアの侵略を誘発したと述べたにもかかわらずだ。
Hey Canadian NDP, Just Say No to NATO and More Military Spending - Antiwar.com Blog [LINK]

2025-07-02

戦争で潤う人々

核拡散防止条約(NPT)に違反したのはイランではなく、米国だ。イランの民生用核施設を空爆し、安保理の承認なく、自国を攻撃したわけでもない主権国家を攻撃するという、国際法の基本ルールに違反しただけではない。核不拡散に取り返しのつかない損害を与えたかもしれない。
US Bombing of Iran Harms Non-Proliferation - Antiwar.com [LINK]
FOXニュースの多くのゲストは、イランとの戦争で利益を得る防衛産業から資金提供を受けていた。ギャラガー元下院議員は軍事請負会社パランティアの防衛責任者だ。キーン元将軍はジェネラル・ダイナミクスの元役員で、彼のシンクタンク戦争研究所は同社から援助を受けている。
How the weapons industry pushed Trump toward war with Iran | Responsible Statecraft [LINK]

ホワイトハウスでは、イランの体制転覆は非常に重要だとみている。ホルムズ海峡は、世界で最も重要な石油の要所の一つだ。イランは世界最大級の石油と天然ガスの確認埋蔵量を保有している。100年にわたり欧米諸国がイランに内政干渉してきたのは、資源があったからである。
Trump's Dream of Escalation Dominance - Antiwar.com [LINK]

イスラエル政府首脳は馬鹿馬鹿しいことに、同国の新聞がイスラエル軍兵士の語る残虐行為の証言を引用するのは反ユダヤ主義的だと主張している。イスラエル国防軍内部からの証言の山は、「世界で最も道徳的な軍隊であるイスラエル国防軍を中傷するために作られたもの」という。
Netanyahu Says It’s Antisemitic For Israeli Soldiers To Describe Their Own Atrocities | by Caitlin Johnstone | Jun, 2025 | Medium [LINK]

親イスラエル派のカリフォルニア州議会議員は、教員がイスラエル・パレスチナについて教えるのを阻もうとしている。教材や指導を検閲し、イスラエルロビーの言い分から逸脱した教員を罰し、イスラエル支持者に苦情を申し立てさせ、学校管理者に教師の無用な調査をさせる。
California Legislation Designed To Protect Israeli Apartheid and Genocide - Antiwar.com [LINK]

2025-07-01

核兵器はなぜ悪か

ウィルソン米大統領が制定したスパイ活動法は、第一次世界大戦中に言論の自由をなくすために使われた。米政府は、大統領選に出馬したこともある社会主義者ユージン・デブスをスパイ活動法違反で投獄した。デブスの罪とは何か。ウィルソンの徴兵制と戦争に異議を唱える演説を行ったのだ。
War and the Constitution - Antiwar.com Blog [LINK]
ある兵器の使用に際し戦闘員と非戦闘員を区別できるかどうかが、その兵器の道徳性を判断するうえで重要だ。核兵器はその区別ができないので、使用することも所有することも間違っている。核兵器の廃止は最優先事項であるべきだ。それは経済の民営化よりもはるかに重要である。
Rothbard on Nuclear Weapons - LewRockwell [LINK]

2019年から国際原子力機関(IAEA)事務局長を務めるラファエル・グロッシは、米欧の利益への従属とイスラエルの核兵器に目をつぶる慣行を続けた。イランに核兵器開発計画はないと公に認めながら、イランの過去の活動に関する調査を再開することで、イスラエルが戦争の舞台を整える手助けをした。
How the US and Israel Used Rafael Grossi To Hijack the IAEA and Start a War on Iran - Antiwar.com [LINK]

トランプ大統領は理解していないようだが、真の強さとは、戦争屋が指定する「今月のヒトラー」にどれだけミサイルを撃てるかで測れるものではない。真の強さとは、人格の強さである。富や栄光のために主義主張を曲げるよう周囲から要求されても、「ノー」と言える能力である。
President Trump: End the War Now! - Antiwar.com [LINK]

米国とイスラエルの関係は、イデオロギーや文化的なつながり、親イスラエル・ロビーの力ではなく、冷徹な実力に基づいている。バイデン前大統領がかつて言ったように、「イスラエルが存在しなければ、米国は中東での利益を守るためにイスラエルを作り出さなければならない」。
The Biden Hawk Behind Trump’s Iran War [LINK]

2025-06-30

NATOが脅かす平和

NATOの拡大は平和をもたらしていない。それどころか、ウクライナがいつかNATOの仲間入りをするという約束は、ロシアの戦争の引き金の一つとなった。ガザでは、イスラエルが米国に支援された戦争を平然と続けている。NATO諸国は武器を送り込み、和平への真剣な後押しをしない。
NATO's 5% Pledge: An Obscene Betrayal of Global Needs - Antiwar.com [LINK]
最も重要な進展は、イラン国内での国民的団結の高まりと、それがアラブ・イスラム世界全体で受けた広い支持だ。イラク、レバノンのほかヨルダンやエジプトのような政治的に慎重な国でさえ、イラン支持が急増している。イスラエルにとって最も手ごわい挑戦になるかもしれない。
The Real Winners: The Strategic Fallout of the Israel-Iran War - Antiwar.com [LINK]

バイデン、オバマ両元大統領は、トランプの無謀な脅しと対イラン戦争への布石に公には反対していない。ヒラリー・クリントンは、軍事パレードや米上院議員の拘束、中絶反対政策などでトランプを頻繁に批判しているにもかかわらず、イランとの戦争に反対する発言をしていない。
Schumer, Democratic Leaders Failing to Stop Trump Iran War [LINK]

米・イスラエル政府によるイラン核施設の爆撃は、過去の教訓が学ばれないままであることを物語っている。この攻撃はイランの核兵器開発を阻止するどころか、イランに米国やイスラエルの侵略に対する核抑止力の必要性を再考させ、国際的な核不拡散の枠組みを損なうだけである。
Lessons Unlearned from Israel’s Bombing of Iraq’s Osirak Reactor | The Libertarian Institute [LINK]

トランプ大統領は、イランがウラン濃縮の作業を完全に停止しなければならないと宣言した。事前に国際的に承認され、実際の兵器開発の証拠がないにもかかわらず。テヘランの1000万人の住民に「直ちに避難せよ」と警告したが、イスラエルの爆撃から安全な場所は特定しなかった。
Trump’s Iran Bombing Is the Latest in Presidential Absolutism - The American Conservative [LINK]

2025-06-28

トランプ外交の幻想

トランプが現実的で慎重な外交政策に尽力するという考えは、ほぼ幻想だった。彼は自分の政治的利益になるときはいつでも、その幻想をあおった。一方、反対派は、トランプは共和党を感染させている邪悪な「孤立主義者」だと主張することで、政治の茶番劇で自らの役割を演じた。
Trump Was Never a Sincere Advocate of Realism and Restraint | The Libertarian Institute [LINK]
イラン核合意は機能していた。米情報機関と国際原子力機関(IAEA)は一貫して、イランは核兵器計画を追求する決断をしていないと評価していた。イランとの新たなトランプ協定は、ほぼ合意に達していた。軍事手段とイランへの違法な爆撃は必要なく、長期には事態をさらに悪化させるかもしれない。
Trump Just Ended a War That Never Should Have Started - The American Conservative [LINK]

米国の戦争マシンの真の燃料源は、どこかの部局や外国の圧力団体ではない。思想だ。リベラルな国際秩序を守るのは米政府の役割だという思想だ。銃を突きつけて世界平和を強いる単一の政府など、理想として現実的でも望ましくもない。米国を害し、破滅への道を歩ませるだけだ。
Dismantling the Warfare State Was Never Going to Be Easy | Mises Institute [LINK]

外国組織の潜伏工作員に対抗して政府の権限を拡大し、市民の自由の保護を縮小しなければならないという誤った議論の前提は、自由を減らせば安全が増えるというものだ。だが、街角のいたるところで警官が私たちを監視したとして、誰が警官から私たちを守ってくれるのだろうか。
Judge Napolitano on The Coming Police State - Antiwar.com Blog [LINK]

経済制裁は20世紀から21世紀初めにかけて失敗の歴史があり、制裁対象国の一般市民を罰する。ベネズエラとの原油貿易を許可するために、米政府がインドの民間企業1社に取得させた認可は、米国の外交政策と経済介入が正気を失っているか、あるいは権力に驕っている例である。
Economic Sanctions Adrenaline | Mises Institute [LINK]

イラン攻撃の行く末

トランプ大統領のイランへの外交的働きかけは今後、極めて懐疑的に見られるだろう。イランは当面、イスラエルを存在を脅かす危機と見なすだろう。平和を愛するすべての米国人は停戦を歓迎すべきだが、根本の力学が変化しない限り、安定した均衡に達したと考えるべきではない。
This War Isn’t Over - The American Conservative [LINK]
たしかにイランや他の非核保有国が核爆弾を持たない方が、イラン国民を含め、世界ははるかに幸せである。しかし皮肉なことに、イランは核爆弾を欲しがってはいないのに、米政府と共犯者であるイスラエルからの執拗な圧力、悪者扱い、攻撃によって、核武装に追いやられている。
Hey, POTUS, America Don’t Need No Bunker Busters, Either - Antiwar.com [LINK]

トランプは今、2つのことを強く望んでいる。自身の悲惨な政策が招く結果からの目くらましと、その結果を覆い隠す経済的な朗報だ。イラン核施設への攻撃はその第一のニーズに応えるものだった。第二の欲求を満たすために、イラン問題を利用するだろうか。いずれわかるだろう。
Will Trump Continue Seeking War? If So, Here's Why. - Antiwar.com [LINK]

ガザにおける大量虐殺はイスラエルの歪んだ現実認識に起因する。特定の思想、個人集団、組織ではなく、パレスチナ人そのものが、その大義の核心をなすというのだ。その結果、抵抗勢力を壊滅させる唯一の方法は、大量殺戮とそれに続く生存者の民族浄化であると認識されている。
Sumud: The Unyielding Heart of the Palestinian Cause in Gaza - Antiwar.com [LINK]

米国のキリスト教徒は、アブラハムに約束された土地を守る義務を感じるべきなのか。イエスはイスラエルの地が神を礼拝するために特別に確保されているという考えを退けた。重要なのは、信者が霊とまことをもって礼拝することであって、地中海の特定の地域にいることではない。
Ted Cruz, Dispensationalism, and the State of Israel | Mises Institute [LINK]

2025-06-27

覇権の終焉

ダグラス・マクグレガー(元米陸軍大佐)

トランプはイラン攻撃によって米国に戦争を招き入れた。今、米国人はそれに備えなければならない。米政府は愚かにも、不法に国境を越える多数の外国人にイスラム主義テロの工作員が潜む可能性を無視している。麻薬カルテルは米司法当局に歯向かう彼らに喜んで協力するだろう。
A Day That Will Live in Infamy - The Ron Paul Institute for Peace & Prosperity [LINK]
対イラン戦争は、結局は米国とイスラエルの友人と言われる人々を悲しませる。米政府当局は、多極化する世界に自国の経済と軍事体制を適応させ、新たな敵ではなく、新たな市場を開拓すべきだ。権力と富の根本的な変化を認めようとしない姿勢が、米外交政策の失敗の核心にある。
Iran: America’s Next War Of Choice - The Ron Paul Institute for Peace & Prosperity [LINK]

米財政の悪化は加速するとの認識が浸透しつつある。救済策や量的緩和では止められない経済危機が迫っている。どのような状況であろうと、国防構造、リーダーシップ、考え方における重大な変化が必要である。こうした変化は、議会や防衛産業界から強い反発を招くことは必至だ。
Navigating the Fiscal Storm: A New Course for U.S. National Defense - The Ron Paul Institute for Peace & Prosperity [LINK]

米国の世界覇権は過去の経済生産性、ドルの地位、軍事力への依存によって維持されてきたが、それは終わった。一極支配の時代が終わっただけではない。国際システムの地殻変動は戦後世界秩序を打ち砕き、新たなパワーセンターと連合を持つ新たな国際システムを生み出している。
Ideas for Candidates Beyond Talking Points - The Ron Paul Institute for Peace & Prosperity [LINK]

米支配層は国力の維持という要請を無視してきた。東南アジア、カリブ海沿岸、バルカン半島、アフガニスタン、イラク、シリア、リビアなどへの際限のない介入に米国の兵士を投入するにつれ、世界のGDPに占める米国の割合は、1960年の40%から2022年には約24%にまで低下した。
Americans Must Choose - The Ron Paul Institute for Peace & Prosperity [LINK]

ネオコンがもたらす災難

ジェフリー・サックス(経済学者)

ネタニヤフ・イスラエル首相と米国の支援者たちの目的は、パレスチナの大義を支持する政府を転覆し、パレスチナ国家の建設を阻止することだ。しかし、国連の170カ国以上が二国間解決と地域の安定を求めている。それは世界を核終末の瀬戸際に追いやるよりも理にかなっている。
Stop Netanyahu Before He Gets Us All Killed - Antiwar.com [LINK]
2022年の交渉では、ウクライナの永世中立と安全保障が合意事項となった。紛争地域の最終処分は時間をかけて決定される。現在の現実を踏まえると、ウクライナはクリミアとウクライナ南部・東部の一部を割譲することになる。このような合意は、ほぼ即座に調印することが可能だ。
Negotiating a Lasting Peace in Ukraine - Antiwar.com [LINK]

もし中国やロシアが、ウクライナが北大西洋条約機構(NATO)に加盟するように、メキシコかカナダとの米国境に軍事基地を作ると決めたら、米国はパニックになるだけでなく、10分以内に戦争になるだろう。1962年にソ連がキューバでこれを試みた際、世界は危うく核ハルマゲドンで終わるところだった。
The Geopolitics of Peace - Antiwar.com [LINK]

米国はNATOをドイツから一歩も東へ進ませないというソ連のゴルバチョフやエリツィンとの約束にもかかわらず、NATO拡大を推進した。とりわけクリミアのセヴァストポリにいる露海軍艦隊をNATO加盟国で取り囲むという考えにより、ウクライナとグルジアへのNATO拡大を推し進めた。
Why Won't the US Help Negotiate a Peaceful End to the War in Ukraine? - Antiwar.com [LINK]

ネオコン(新保守主義者)は米国と世界に数え切れない災難をもたらした。何度かの戦争の失敗、無駄な戦争による軍事費で膨らんだ何兆ドルもの政府債務、中国、ロシア、イランなどとの危険な対立などだ。ネオコンは1992年には真夜中(核戦争)まで 17分だった「終末時計」を、あと90秒にした。
The NATO Declaration and the Deadly Strategy of Neoconservatism - Antiwar.com [LINK]

2025-06-25

偽りのアメリカ・ファースト

デビッド・ストックマン(元米下院議員)

イランは米国の安全保障にとって脅威でも何でもない。イラン騒動は、(国内問題を最優先し、外国への介入を控える)アメリカ・ファーストの命題を真っ向から否定する。イランが米本土に軍事的危害を加える能力はゼロに等しい。それなのになぜ、トランプはイランを地上から消し去るために米国の兵器を使うと脅しているのか。
America First – We Hardly Knew Ye - Antiwar.com [LINK]
中東地域の米軍基地は米自身に何の利益ももたらさないばかりか、イスラエルの安全保障にも不利益をもたらす。バルト諸国やポーランドの冒険主義者たちが、NATOの相互防衛をあてにしてロシアを挑発するのと同じように、イスラエルの右翼政治家たちも倒錯した動機で動いている。
Who Gives Two Hoots About the Houthis! - Antiwar.com [LINK]

米国との同盟によって、小さな同盟国の政治家や政府は、米国が指定した「悪者」に対して、自国の力だけで行動する場合よりも、より攻撃的になることができる。エストニア前首相で現在は欧州連合(EU)外相を務めるカヤ・カラス氏は、ロシアとの代理戦争に他人の金を送るよう求めている。
Why America Don't Need No Stinkin' 'Allies' - Antiwar.com [LINK]

米国の安全保障はグルジア(ジョージア)の統治者が誰であろうと、その外交政策が親露だろうと反露だろうと、スイス的な中立だろうと知ったことではない。ロシアが米国の安全保障にとって何の脅威でもない以上、ロシアの目の前の国を新たにNATOに加盟させるなどとんでもない。
Out of Their Minds on Georgia - Antiwar.com [LINK]

プーチンがソビエト帝国を復活させるつもりで、東欧や西側諸国が次の侵略の対象だという考えは、すべてでっち上げられたものだ。その悪意ある目的は、NATOにロシアの玄関口まで東に拡大する理由を与え、米国の安全保障に無関係な地で戦争を呼びかけることを正当化することだ。
Zelensky's Oval Office Melt-Down - Antiwar.com [LINK]

2025-06-23

分権化が自由を守る

ハンス・ヘルマン・ホッペ(経済学者)

自由と繁栄に対する最大の危険は、政治の中央集権化だ。人間の自由を守るには分権化や分離独立が欠かせない。政府効率化省は福祉国家の行き過ぎを多少除いても、問題の核心には触れていない。政府の支出と負債、つまり軍産複合体は、いまだに何の中断もなく成長し続けている。
An Ego-Maniacal Writer’s Failed Attempt at Guilt by Association | Mises Institute [LINK]
国家は法と秩序を創造せず、破壊する。家族や家庭は文明の源である。家族や世帯の長が、家庭内のあらゆる問題において、裁判官としての最終的な権限を再び主張することが不可欠である。家庭は治外法権的な領土でなければならない。国家による福祉は無責任をあおるにすぎない。
The Rise and Fall of the City | Mises Institute [LINK]

政治統合と経済統合はまったく異なる。領土の大きさと経済統合に直接関係はない。中央集権は経済の進歩にも後退にもつながる。進歩は、課税や規制の少ない政府が、搾取的な政府を犠牲にして領土を広げるときに生じる。その逆の場合、中央集権化は経済の崩壊と後退を意味する。
24. The Western State as a Paradigm: Learning from History | Mises Institute [LINK]

経済の成功は、一党独裁制であろうと複数党制民主主義であろうと無関係である。インドは70年近く民主主義政府に統治され、中国は長らく共産党独裁政権によって統治されてきた。しかし1980年代以降、中国では「改革共産主義」が台頭し、1人当たりGDPはインドを大きく上回った。
Put Your Hope In Radical Decentralization | Mises Institute [LINK]

マレー・ロスバードはその業績にもかかわらず、師ミーゼスと同様、学界ではアウトサイダーであり続けた。鋭い論理と論争の才を備え、優れた文筆家で、国家主義と闘った。福祉主義、帝国主義、インフレ、課税、規制に反対し、権力や名声、マスコミ受けを求めようとしなかった。
Murray Rothbard, R.I.P. | Mises Institute [LINK]

2025-06-20

欧州の分権と繁栄

ラルフ・ライコ(歴史家)

ローマ皇帝、ファラオ、中国の皇帝、女神の直系子孫とされる日本の天皇など他の文明では支配者自身が神であったのに対し、中世欧州では国家と教会が大きく分かれていた。中世の国家に対するこの制限は、今日ではほば無視され、中世は暗黒時代だったとの神話がはびこっている。
The Medieval Origins of the European Miracle | Mises Institute [LINK]
中世欧州では徹底した分権化が起こった。ローマ崩壊後、大陸に覇を唱える帝国は生まれず、その代わり王国、公国、都市国家、教会領、その他の政体のモザイクに発展した。この体制下で、欧州以外では慣例とされる方法で財産権を侵害しようとするのは、よほど軽はずみな君主だ。
What Made Europe Different | Mises Institute [LINK]

スペイン領オランダは生産性の高い地域だった。同意なく新たな税金が導入され、プロテスタントを撲滅するために異端審問が行われた。これが反乱につながった。オランダ人はスペイン帝国を乗っ取りたかったわけではない。ただ離脱を望んだのだ。長い闘争の末、それを実現した。
The Dutch Model of Secession, Commercial Freedom, and Religious Tolerance | Mises Institute [LINK]

ソ連とナチスの大量殺人はどちらも、広い文脈の中に置かねばならない。決定的な歴史的事実は、第一次世界大戦の大量殺戮だろう。何百万人もの兵士だけでなく、ドイツの潜水艦によって公海上で何千人もの民間人が、英国の海上封鎖によって中欧で何十万人もの民間人が殺された。
The Taboo Against Truth: Holocausts and Historians | Mises Institute [LINK]

ルーズベルト大統領は、金本位制がその政策の障害だと理解していた。1933年4月5日、金貨、地金、金証書の所有を違法とし、刑事罰の対象とした。ドル札や米国債は、その表面に金で償還されることが明記されていた。この厳粛な約束はルーズベルトにとっては何の意味もなかった。
FDR: The Man, the Leader, the Legacy | Mises Institute [LINK]

2025-06-18

まず軍事費を削れ

ロン・ポール(元米下院議員)

米共和党が自分たちの減税案に政治的に納得のいく形で財源を充てるのが難しいのは、支出の削減について政治的に賢明な道とはまったく逆の道をたどっているからだ。貧困層への福祉を削減するのではなく、富裕層、特に軍産複合体への支援を削減することから始めるべきだったのだ。
Cutting Military Spending Would Make for a Big and Beautiful Bill - The Ron Paul Institute for Peace & Prosperity [LINK]
マスク氏はDOGE(米政府効率化省)チームが政府の無駄を明らかにしようとしたもかかわらず、それに反発する政官の壁にぶつかり、不満を感じていた。トランプ氏と仲直りし、現在の政府支出や債務のレベルは持続不可能だという考えに戻るよう願うしかない。2人とも、その点では同意できるはずだ。
Can Trump and Musk Make Up? - The Ron Paul Institute for Peace & Prosperity [LINK]

黄金株の支持者は過去の教訓を忘れている。政府が企業の全部や一部を所有すると、企業の生産性や利益の向上よりも、政治的な配慮に基づいて決定が下されることになる。結果、政府が補助金で失敗をカバーしようとしない限り、企業は損失を出し、労働者は解雇されることになる。
A Golden Share Will Not Make America Great Again - The Ron Paul Institute for Peace & Prosperity [LINK]

イランが米国に軍事的な危害を加える意欲も能力もあるとは思わない。イランとの関係を再構築し、互いに有益な貿易を始める方がはるかに良いというトランプ大統領の考えには同意する。互いに受け入れ可能な核取引がイランとの戦争を避ける最善の方法なら、取引は支持に値する。
Take the Deal, President Trump - The Ron Paul Institute for Peace & Prosperity [LINK]

トランプ大統領が肝に銘じるべきは、中東の混乱を生んだのはかなりの程度、米国の介入主義ということだ。イエメンのフーシとの賢明な停戦は今後のモデルとなるはずだ。貿易と友好によって築かれた絆は平和と繁栄を生み出し、ネオコンが延々と叫ぶ戦争よりもはるかに望ましい。
What Will Trump Find in the Middle East This Week? - The Ron Paul Institute for Peace & Prosperity [LINK]

2025-06-16

共和党議員の嘘

ジェームズ・ボバード(作家)

ほとんどの政治家は、拍手や票や選挙資金を得るためなら、政府の無駄遣いなどどうでもよいと思っている。ほとんどの民主党議員は政府支出に熱心であり、ほとんどの共和党議員はそのような支出に反対すると嘘をついたり、支出削減で大成功したと嘘をついたりして満足している。
1995: When I Testified Before the Train Wreck Known as Congress | Mises Institute [LINK]
ブッシュ(子)米政権時代、共和党は対テロ戦争への批判を封じ込めるため、怒りを頼りにした。テレビ討論で同政権の違法な監視を批判したところ、敵意に満ちたメールが届いた。「お前のような無知の嘘つきは一網打尽にして、お前が無いというイラクの毒ガスを浴びせるべきだ」
We Never Got to Torture Congress | Mises Institute [LINK]

米連邦判事はトランプ政権に対し、タフツ大学の院生ルメイサ・オズトゥルクを拘置所から釈放するよう命じた。トルコの有効な学生ビザを持つ彼女は、論説を書いただけで有罪と主張された。米連邦捜査局(FBI)は6週間の監禁後、何の証拠も提出できなかった。トランプ政権の大きな不手際である。
Federal Judge Sets Free Op-Ed Writer | Mises Institute [LINK]

政府からの助成と税控除は区別しなければならない。トランプ政権が大学への政府助成を全面縮小しても、特定の大学の権利を侵害はしない。だが大統領が個人や組織の課税上の地位に対し拒否権をもてば専制政治を招く。ハーバード大を財政的に破滅させようとするのは行き過ぎだ。
Will Trump Follow Nixon’s IRS Road to Ruin? | Mises Institute [LINK]

トマス・ペインはアメリカ革命を支持する著作で「政府とは何かすばらしい神秘的なもの」だと広く信じられていると述べた。革命が成功したのはその指導者たちが、英国の政治家が押し付ける詐欺に気づいたからでもある。当時はよく 「政府の束縛は人民の真の自由」と言われた。
1775: Putting Tyrants on the Run | Mises Institute [LINK]

2025-06-12

資本主義は平和の仕組み

ルーウェリン・ロックウェル(ミーゼス研究所会長)

自由市場を批判する人々はしばしば、資本主義は生存をかけた冷酷な闘争の仕組みだと主張する。資本主義は弱肉強食の仕組みだと言う。だが実際には自由な市場経済は、動物のような闘争を、誰もが利益を得る社会協力に置き換えた。資本主義は戦争ではなく、平和の仕組みなのだ。
Ludwig von Mises on Peace and Social Cooperation | Mises Institute [LINK]
神が私たちに平和と繁栄を望んでおられるのは明らかだ。また自由な市場のみが経済的混乱の回避を可能にする。したがって自由な市場経済は神によって定められたということになる。仏エコノミストでカトリックだったバスティアは、自由とは神とその御業を信じる行いだと述べた。
The Free Market and Catholic Social Teaching | Mises Institute [LINK]

現在の経済発展レベルを維持し、さらに向上させるには、国家間の平和が保証されなければならない。しかし統治イデオロギーの基本信条が、ファシズム国家のように、国家は武力のみによって国際社会における地位を確保できるという信念であるならば、国家は平和に共存できない。
The Truth About Mises and Fascism | Mises Institute [LINK]

人には自衛権があるが、その行使をすべて一人でこなすことはできない。法的紛争を解決する必要もある。無政府資本主義社会では、これらの役割が政府という独占機関に割り当てられ支払いを強制されることはない。人は他の商品と同じように保護・司法サービスを市場で購入する。
How Would Anarchy Work? | Mises Institute [LINK]

関税は消費者に良くない。買えるものが制限されるからだ。関税が引き上げられると輸入企業はコストの増加を取り戻そうとする。消費者は高い価格を支払うか、安い代替品を探すか、その製品を買わないかを選ばなければならない。いずれにせよ好きにお金を使えないため損をする。
Trump’s Insane Tariff Policy | Mises Institute [LINK]

2025-06-09

ガザ虐殺の反倫理

イラナ・マーサー(作家)

イスラエルによるガザの民族虐殺と住居破壊は、思想史上のほとんどの倫理体系に反する。神の掟である十戒に反する。十戒はむさぼるな、盗むな、殺すなと命じている。自由主義の法(非侵害公理)に反する。自然法の正義、戦争法(大量虐殺は戦争ではないが)、人道法に反する。
The Real Israel vs. Hasbara History | Mises Institute [LINK]
トランプ(米大統領)はガザを支配下に置き、再建し、イスラエルによる大虐殺の生存者を立ち退かせると宣言した。犯罪の証拠は消える。イスラエルは救われる。ガザは国として存在しなくなる。犯罪は割に合わないと言われるが、超大国が道徳秩序を逆転させるとき、あらゆる犯罪は割に合う。
The Israel-Hamas Ceasefire Farce | Mises Institute [LINK]

トランプは、以前のバイデン(前米大統領)のように、米国民をイスラエルの犯罪に加担させた。イスラエルの指導者が大量虐殺の目標を達成するために、そのロビー活動の代理人や体制側の有名人によって米国民を沈黙させ、言論の自由を含む米国民の権利保護を台無しにすることに成功している。
Genocide’s Back: Trump-Backed Israeli Brutality | Mises Institute [LINK]

善良な保守派はイスラエルの行いを忌み嫌うが、安保理、国際刑事裁判所、国際司法裁判所といった国連の機構の利用には難色を示す。しかしガザ住民の生命、自由、財産を誰が守るかは問題ではない。どの国家、政府高官、国際組織、民間組織であっても、誰かが救えばそれでいい。
Defending Gaza (Part I): Natural-Law Principles Vs. National-Interest Statism | Mises Institute [LINK]

パレスチナ人ホロコーストを否定する者は、ガザにパラシュートで飛び込まなければならない。戦車の進撃に逃げ惑ったり、砲撃に身を潜めたり、トイレに何千人もの列を作ったり、麻酔なしの帝王切開を受けたりして、パレスチナ人並みの暮らしをしている様子を撮影されるだろう。
Defending Gaza (II): Israel Indicted, Palestinians Validated In Fact, Law & Hoppean Argumentation | Mises Institute [LINK]

2025-06-06

大量虐殺戦争の起源

トーマス・ディロレンゾ(ミーゼス研究所所長)

シャーマン将軍は平原インディアンに対する米政府の25年にわたる大量虐殺戦争の司令官を務めた。攻撃する際には男性だけでなく、女性や子供も多く虐殺するよう事前に許可を与えた。ガザで起きている21世紀のホロコーストは、19世紀アメリカ帝国主義の戦争方法にルーツがある。
The American-Israeli Nineteenth-Century Ways of War | Mises Institute [LINK]
南北戦争後の米経済成長に重要な政策は金本位制の存在、所得税がなかったこと、規制がわずかなことだった。貿易は経済に占める割合が小さかったため、輸入品への関税が繁栄の一因であったはずがない。関税の多くは米企業の製造工程で使われる投入物に課され、成長を阻害した。
The Tariff Tax Statistic the Trump Fanboys Don’t Want You to Know About | Mises Institute [LINK]

経済学には「輸入への課税は輸出への課税でもある」という格言がある。米国の貿易相手国が保護主義的な関税で困窮すれば、貿易で米国製品、特に農産物を購入するドルが減るからだ。これは明らかに米輸出業者や従業員、地域社会に損害を与える。関税ほど反人民的なものはない。
Trump’s False Tariff “Fairness” Argument | Mises Institute [LINK]

政府が資金を提供する国家主義のプロパガンダは不道徳で、専制的で、非アメリカ的だ。米公共放送に対するトランプ大統領の直感どおり、自由社会には政府出資の国家プロパガンダの役割はない。それは旧ソ連の特徴であり、歴史上のすべての抑圧的な全体主義体制の特徴でもある。
The American Pravda Sues the Trump Administration | Mises Institute [LINK]

米国の社会主義的な法科大学院で教育を受けた、傲慢で全体主義的な連邦裁判官は、トランプ大統領が選挙公約を実行するのを阻止しようとする独裁的な「裁定」を何十回も出している。トランプ大統領にはそれらを無視する権利があり、自由で独立した州の知事たちもそうすべきだ。
Gangsters, Terrorists, and Deep State Judicial Tyranny | Mises Institute [LINK]

2025-06-04

戦争の偽りの大義

ワンジル・ンジョヤ
(ミーゼス研究所ウォルター・ウィリアムズ研究員)

暴力を正当化するために利用される「正義の大義」は、平和と自由にとって重大な脅威となる。道徳的主張は、しばしば破廉恥な侵略行為を正当化するために使われる。民主主義や人権といった価値を守るには戦争が必要だという主張を支持する人たちは、見かけの道徳に惑わされる。
The Tragedy of War | Mises Institute [LINK]
ロスバードは、アメリカ独立戦争や南部独立戦争(南北戦争)の正義を擁護した「正義の戦争」の講義で、どちらの当事者が加害者かを特定するために、正義の問題を決定する必要性を真剣に受け止めた。正義は自由の付属物ではなく、むしろ自由の根幹にある道徳的・倫理的概念だ。
Understanding The Importance of Justice | Mises Institute [LINK]

リンカーンの南北戦争の目的は、奴隷制の廃止ではなかった。南部諸州を連邦に残すことだった。リンカーン自身、奴隷廃止論者ではなかった。同胞である米国人に対する略奪と大量殺戮という非道な戦争に対する北部の口実は、連邦という実在しない、神秘的な存在への忠誠だった。
Abolitionist Hypocrisies | Mises Institute [LINK]

平等思想は正義の未来像を熱望するが、それは達成不可能で、コストがかかり、結局有害である。有害な影響の一つは、異なる集団の間に敵意と憤りを引き起こすことだ。「社会正義」という言葉はねたみの高貴な別名にすぎず、集団間で不健全な比較を絶えず行うための隠れみのだ。
Make-Believe Equality Is Unattainable, Costly, and Harmful | Mises Institute [LINK]

人間の経験を物質的条件によって決定される 「集合意識」の一部として理解しようとするのではなく、人間一人一人が意思決定を行う主体性と能力をもつことを認識すべきである。人間の経験は、人種や階級などの集団的アイデンティティによって本質的に決定されるものではない。
Marxist Theories of Oppression | Mises Institute [LINK]

2025-06-02

経済への無知を恐れよ

ホルヘ・ベサダ(コンピューター・プログラマー)

部族間の争い、強要、強姦、弱肉強食は、人間が何百万年も前からしてきたことで、直感的に理解できる。私有財産を尊重する自由市場の仕組みはここ数千年の間に生まれ、直感的ではない。だから人間は、政府を介した温情主義的な暴力と富の再分配に直感的に引っかかってしまう。
Relearning the Lessons We Never Learned from World War I | Mises Institute [LINK]
経済学者ミーゼスはユダヤ人知識人であり、ナチズム・社会主義の最大の知的敵対者だった。だがナチスの暴政にかかわらず、ミーゼスは世界に対する深い理解によって、ヒトラーや「悪」や「反ユダヤ主義」や「狂気」ではなく、ナチスの暴政を招いた過ちと経済への無知を非難した。
Mises’s “Fight Against Error” | Mises Institute [LINK]

ヒトラーは、自由と新興の民間企業とその競争が果たす重要な役割を理解せず、消費よりも生産される富が多くなるように社会を秩序づけるために損益計算を行う結果、利益を生むことを理解していなかった。これはもちろんヒトラーを社会主義者、国家社会主義者(ナチス)にした。
The Economic Fallacies Underpinning Hitler’s Disastrous Views | Mises Institute [LINK]

私有財産がなければ、起業家が経営する競争企業、情報を創造し広める民間企業は存在しない。企業の競争は、専門家が率いる、競争のない政府官僚機構が取って代わる。計画経済は、人々が進んで資金を提供せず、命令に従わなければ機能しない。だから大規模な強制が必要となる。
How Austrian Economists Repeatedly Saved Civilization | Mises Institute [LINK]

軍事費が経済成長につながるなら、旧ソ連や北朝鮮は繁栄したはずだ。軍事支出が経済に悪影響を及ぼすなら、全面戦争はなおさらだ。多くの人が市場商品の生産を止め、経済のパイを減らしてまで武器の量を増やし、富や人命やインフラを破壊することが、どうして良いことなのか。
Osama bin Laden’s Secret Weapon: Economic Literacy | Mises Institute [LINK]

2025-05-30

お金は市場で生まれた

ジョシュア・モーホーター
(ミーゼス研究所公式サイト アシスタント・エディター)

米国人が政府が作ったさまざまな紙幣を受け入れたのは、それが本物の貨幣や適切な貨幣(例えば金、銀、交換媒体として認められている他の商品)と交換できる(あるいはそうなる)と信じていたからだ。そうでなかったら、政府の不換紙幣が容易に受け入れられたとは考えにくい。
MMT and US History: Redefining Chartalism | Mises Institute [LINK]
植民地時代のアメリカでは物々交換を通じて財と財が交換されたが、やがて人々は、財はより取引しやすい財、つまりお金となる財を間に挟んで交換することもできることに気づいた。そこでその商品が交換の媒体となった。いくつかの商品、特にタバコが交換媒体として役に立った。
MMT, Chartalism, and the Colonial Experience | Mises Institute [LINK]

19世紀後半、米政府が黒字だった時期もある。政府は支出を上回る歳入を得ていた。大きな政府の共和党は政府の支出増を望み、民主党は関税の引き下げを望んだ。当時クリーブランド大統領(民主党)はこう訴えた。政府が支出を上回る収入を得ているのなら、税金を下げればいい。
Tariffs Did Not Make America Great and Won’t Make America Great Again | Mises Institute [LINK]

関税は結局雇用を守らない。せいぜい他の人の犠牲の上に一部の雇用が守られる程度であり、多くの場合そのような雇用すら守られない。雇用は創出されるのではなく、転換されるのだ。物価が上昇し実質賃金は低下する。国際競争力のない産業を保護することで、効率性も低下する。
Tariffs Mean Lost Jobs | Mises Institute [LINK]

大恐慌克服を目指したルーズベルト米大統領のニューディール政策は人々に希望を与えたといわれるが、失業率、GNP、個人消費、民間投資など主要な経済指標を検証するだけでも、ニューディールが失敗だったことは明らかだ。失敗どころか逆効果であり、景気回復の妨げとなった。
No, FDR Did Not Give People “Hope” | Mises Institute [LINK]

2025-05-28

トランプ氏の赤字財政

ライアン・マクメイケン(ミーゼス研究所編集主任)

トランプ大統領の歳出政策によって多額の財政赤字が続き、今後4年以内に年4兆ドルに達するだろう。米政府は今後数年間、莫大な量の国債を市場で売り出す必要がある。利回りの大幅な上昇を防ぐだけの需要が投資家から得られるだろうか。FRBと政府は心配する十分な理由がある。
Interest Rates Rise Again as Treasury Auction Comes Up Short | Mises Institute [LINK]
共和党指導部が独自に算出した数字によると、同党の下でトランプ大統領が承認した予算は今後数年間、各年度の財政赤字を増大させる。マッシー下院議員(共和党)は同党の予算案に反対票を投じると述べ、最善のシナリオでも赤字は拡大し、連邦債務の総額は増加すると指摘した。
Federal Spending in 2025 Is on Track to be the Highest Ever | Mises Institute [LINK]

トランプ氏が賢かったら、過去15年間の通貨膨張で生じた悪しき投資を一掃するために、厳しい景気後退を望むだろう。そうすれば次の大統領選挙の前に、バブルではない本当の経済の基礎を固める時間ができる。しかし、どうやら短期的に聞こえのいい政策しか考えていないようだ。
No, Powell Is Not "Keeping Interest Rates High" | Mises Institute [LINK]

物価上昇率が再び拡大する懸念がなければ、FRBは過去3カ月間に少なくとも1回は目標金利を引き下げていただろう。しかし、パウエル議長の確約にもかかわらず、物価上昇率がFRBの勝手な目標である2%に戻る兆しはない。FRBはスタグフレーションのリスクの高まりに閉口している。
The Fed Leaves Fed Funds Rate at 4.5% as Economic Storm Clouds Gather | Mises Institute [LINK]

FRBの資産保有総額は依然として2019年時点の水準をはるかに上回っている。もしFRBが金融緩和政策で経済に与えたダメージを一部でも元に戻すことを真剣に考えるなら、金利上昇を認めると同時に、積極的に資産を圧縮する必要がある。明らかにそのどちらにもほとんど関心がない。
The Money Supply Keeps Growing as the Fed Backs Off Monetary "Tightening" | Mises Institute [LINK]

2025-05-26

シンプルなインフレ対策

クリストファー・ムステン・ハンセン
(ミーゼス研究所フェロー)

インフレに対する最も単純かつ即座に実施可能な改革は、中央銀行の廃止だ。インフレの原因も本質も通貨供給の増加なのだから。改革の第二段階はすべての法定通貨法と、ある通貨を他の通貨より優遇する規定を廃止することだ。アルゼンチンのドル化政策は何の足しにもならない。
Will Dollarization Work in Argentina? | Mises Institute [LINK]
中央銀行の資産と、中央銀行が発行した通貨との間には、歴史的なつながりしかない。資産と負債の間に現在の結びつきはない。不換紙幣の価値は、中央銀行の資産の価値とはまったく無関係である。資産を購入する以外に、自分のお金をこれらの資産に変える方法はないからである。
Hoppe versus Milei on Central Banking: Breaking Down the Differences | Mises Institute [LINK]

1912年のミーゼス『貨幣及び流通手段の理論』以来、オーストリア学派は、銀行理論の重要な問題は信用膨張の過程でお金が「無から」生み出されることだと強調してきた。過去百年の貨幣理論における重要な進歩は全てミーゼスの原理を一貫して適用するためのさらなる一歩だった。
About That Nobel: Deconstructing Banking Theories of Diamond and Dybvig | Mises Institute [LINK]

関税の主な犠牲者は外国人ではなく、外国人との貿易によって才能と資源をもっと効果的に活用できたはずなのに、国内の代替品に頼らざるをえなくなった国内居住者である。「再工業化」は起こるかもしれないが、資本と労働力が劣悪で高価な商品の生産に使われることを意味する。
The Fallacy of Optimal Tariffs | Mises Institute [LINK]

欧州のエネルギー市場は無数の介入で成り立つ。大陸全域に及ぶ送電網の統合と自然エネルギー利用の大幅な伸びを説明する重要な介入のひとつが、料金制度だ。EUは再生可能エネルギーが最も低コストの供給源であるとして、事業者に再生可能エネルギーの受け入れを強制している。
The Spanish Blackout and the Costs of Renewable Energy | Mises Institute [LINK]

2025-05-23

債務に基づくお金

ロバート・マーフィー(ミーゼス研究所シニアフェロー)


純粋に経済学的に言えば、減税は平均的にはつねに有益だ。一般に、税額控除は個人に財産を保持する選択肢を増やすという点で、良いことだ。しかし税額控除の導入をめぐる議論においては、リバタリアンは一時的な控除を求めるのではなく、幅広い税率の引き下げを訴えるべきだ。
Private Business and State Power in an Age of Bailouts, Censorship, and Easy Money | Mises Institute [LINK]
狭義のマネーは、納税者が負う公的債務を増やすことで生まれる。民間銀行はそれを使って広義のマネーを作り出し、民間負債を増やす。もし民間部門の人々が借金をすべて返済し、米政府が国債をすべて返済すれば、米ドルの供給は事実上なくなる。ひどく不合理なお金の仕組みだ。
Is Our Money Based on Debt? | Mises Institute [LINK]

(預金の一部に対してしか払い戻しの準備金を用意しない)部分準備制度により、銀行は無からお金を生み出し、収入を得る。人々が銀行からの新たな借り入れを止め、未払いのローンを完済すれば、お金の総量は激減するだろう。部分準備は景気変動を生じさせ、本来違法でもある。何の問題もないと思う人は、一度ゆっくり考えたほうがいい。
The Fractional-Reserve Banking Question | Mises Institute [LINK]

すべての人が借りた元本をすべて返せばドルは存在しなくなるから、利子を返せないという説がある。これは誤りだ。人々が利息を負う場合、これは一定期間にわたって発生するフローの概念である。対照的に、マネーサプライの総量は、特定の瞬間に適用されるストック概念である。
What Does "Debt-Based" Money Imply for Interest Payments? | Mises Institute [LINK]

百貨店がお客に「在庫を売る」というのは間違いだろうか。顧客が店から出ると「在庫」は「商品」に変わるが、百貨店が在庫を消費者に売ったと言っても、経済的には何の問題もない。同様に、商業銀行が新たな融資を行う際、準備金の一部を貸し出したと言っても何ら問題はない。
Do the Textbooks Get Money and Banking Backwards? | Mises Institute [LINK]

2025-05-21

反戦の古典的自由主義

ライアン・マクメイケン(ミーゼス研究所編集主任)

第二次世界大戦後、米国の保守運動はひどいことに、古典的自由主義をその歴史的ルーツである反戦・非干渉の外交政策から切り離そうとした。ロック、ジェファーソン、バスティア、コブデン、スペンサーの思想は、外交でも内政でも、あらゆる領域で国家権力に一貫して反対した。
The Classical Liberals Were Radical Opponents of War and Militarism | Mises Institute [LINK]
イスラエル政府はガザでの無差別殺害を正当化するため、 「自衛権がある」と主張する。米国も同様の行動をしてきた。日本、朝鮮半島、ベトナム、イラクで、「日本人の子供は日本人に生まれたのだから爆撃されて当然」といったいい加減な主張に基づき、非戦闘員を標的にした。
Is There Such a Thing as a "Just War" in the Modern World? | Mises Institute [LINK]

国家が常に新たな戦争を追求していると考えるのは誤りだ。戦争が国家に領土や権力の拡大という利益をもたらすのは事実だが、しくじれば悲惨な結果を招くこともある。したがって国家は多くの場合、支配層が国家の存続を維持する最善の戦略だと認識すれば、現状維持を選択する。
Rothbard’s Theory of International Relations and the State | Mises Institute [LINK]

国家、特に米露のような大国は絶大な強権を有し、いずれも「善玉」ではない。一方、米国は、現状維持を旨とするロシアと違い、民主主義とテロとの戦いを掲げ、いつも多くの国を空爆している。核戦争に対する気まぐれな態度は、自国の重要な国益とは無関係で、特に危険である。
What Motivates Russian War Making? | Mises Institute [LINK]

メディアと米政府は連携したプロパガンダでロシアゲートデマを流し、ウクライナでの米国の干渉を曖昧にし、ベネズエラ、ロシア、リビア、シリアなどで政権転覆を図った。イスラエル政府の戦争犯罪を曖昧にし、国連にイラクの架空の「大量破壊兵器」を既成事実として提出した。
How War Propaganda Has Fueled American Foreign Policy for a Century | Mises Institute [LINK]

2025-05-19

人生は競走ではない

ジョシュア・モーホーター
(ミーゼス研究所公式サイト アシスタント・エディター)

人生を競走に例えることは、人生がはっきりした、共通のゴールを持つ有限の競技だと仮定しているが、人生はゼロサムでも一直線でもない。人は異なる主観的な目標を持ち、異なるものに価値を見出す。人生は競走ではない。その例えには、すべての例えと同じく、元々限界がある。
The Race/Starting-Point Fallacy | Mises Institute [LINK]
差異を前提とする「多様性」が擁護される一方で、それと矛盾する理想だと気づかず、平等主義的な「平等」「公平」も推進されている。あらゆる分野における平等が正しい規範とされ、逆にあらゆる不平等や格差が不公正の結果だとされれば、政府がその状況を利用するチャンスだ。
Skin Tone Products, Markets, and “White Privilege” | Mises Institute [LINK]

政治家が平等を好む理由は、明白な正義で、定義が曖昧で、達成不可能だからだ。法の支配や法の下の平等は、不完全な人間が到達することはないが、正義であり、程度によっては達成可能だ。一方、平等主義は、結果の平等はもちろん、機会の平等ですら、法の支配とは相容れない。
Egalitarian Interventionists: Why Politicians Love "Equality" | Mises Institute [LINK]

社会カーストを見分ける方法の一つは、政府を通じた集団間の収入の移転だ。差し引きでみて誰が税金を納め、誰が税金を消費するのか。それが真のカーストだ。課税で最大の利益を得るのは、その収益によってフルタイムで生活する人々、例えば政治家や官僚であることは明らかだ。
A Caste of Characters: Net Taxpayers versus Net Tax Consumers | Mises Institute [LINK]

対外援助は貧しい国々を貧困から救わない。むしろ逆効果だ。援助と成長には相関関係がない。政策環境が悪いと援助は役に立たず、債務を増やす。一方、経済的自由と成長には強い関係がある。援助機関は政府に融資し、貧しい国の民間部門を犠牲にして、政府部門を拡大している。
P.T. Bauer’s Reminders on Foreign Aid | Mises Institute [LINK]

景気後退の主な原因は消費不足にあるという、ケインズ以前からあった考えによって、景気後退期の政府の仕事は投資を刺激し、貯蓄を抑制し、総支出を増やすことだとされてきた。この誤りのせいで人々は「消費が経済を動かす」という、よくある、しかし誤った考えに従ってきた。
A Review of Some GDP Problems | Mises Institute [LINK]

2025-05-16

お金は政府の創造物?

ジョナサン・ニューマン(ミーゼス研究所フェロー)

MMT(現代貨幣理論)論者は、お金は政府の創造物だと考えている。MMT論者にとって、お金は政府のおもちゃだ。経済学者メンガーが唱えたような市場の産物ではなく、政府の所有物であり政府が責任をもつ。政府は民間の市場経済から資源を奪うために、お金を劣化させ、紙幣を増刷しても構わない。
MMT Is Wrong about the History of the Origins of Money | Mises Institute [LINK]
新たなお金の流入が物価の大きな変化を即座にもたらさないことは明らかだ。それでも直接の影響はある。偽金作りと同じく、直ちに他の買い手に競り勝つことができる。次に新札を受け取った者も同様だ。このように、お金が変化すると、最終的に統計に現れる作用が即座に始まる。
The Myth of Long and Variable Lags | Mises Institute [LINK]

人々が一斉に現金をため込むのは、今の価格で売られている商品よりも、お金を持ち続けることを好むからだ。これは企業家が、消費者がどんな商品を買いたいと思うかを勘違いしていたことを示す。物価や生産計画は変わる可能性があり、総支出に後押しが必要なことを意味しない。
Opposing the Keynesian Illusion: Spending Does Not Drive the Economy | Mises Institute [LINK]

お金が独特なのは、交換媒体として使われるからだ。他の財とは異なり、消費や生産で使い果たすために需要されるのではない。他の人々が求めるから需要が生まれる。だからといって、お金は実体経済の外で孤立した、単なるデータではない。使わずに保有することにも意味がある。
Elon Musk Is Wrong About Money | Mises Institute [LINK]

経済学は経済官僚に任せておくには重要すぎる。官僚は経済学をねじ曲げ、壊し、踏みにじり、介入政策を正当化する。ミーゼスによれば、経済学を学ぶことは、すべての分別ある人間にとって最優先の市民的義務だ。経済学を理解しなければ間違った考えが蔓延し、勝利してしまう。
What Economists Do and Why They Do It | Mises Institute [LINK]

2025-05-14

ミレイ氏のインフレ政策

オスカー・グラウ(音楽家)

通貨膨張(インフレーション)はすぐにではなくとも本来、物価上昇をもたらす。アルゼンチンのミレイ政権下で物価上昇率は下がったものの通貨膨張は止まらなかった。通貨膨張は富の生成過程を損なう。無と有の交換を引き起こし、価格と生産の構造を歪め、富を生む者から生まない者に富を移転する。
Quantity and Quality of the Argentine Peso, by Oscar Grau - The Unz Review [LINK]
戦争は、高価なスーツを着て権力と不正蓄財をむさぼる小集団によって起こされる。だから世界平和に関心をもつなら、政府がコストを他人に押しつける独特で悪質な能力に気づき、対抗する方法を考えなければならない。政府が武装して戦争を行う力と富を絶えず減らす必要がある。
To Promote Peace, You Must Fight Statism | The Libertarian Institute [LINK]

イスラム過激主義の主因は米シオニスト帝国主義にある。米軍やイスラエルのシオニストが中東で罪のない人々に不当な攻撃を行うたびに、多くの人がイスラム過激派への参加を熱望するようになる。 双方が血の渇望をあおる。その主な犠牲者は互いの指導者ではなく、一般市民だ。
U.S.-Zionist Imperialism and the Middle East | The Libertarian Institute [LINK]

政府は自由と許可、正義と法律を混同させる。立法を通じ紛争や不安を生み、政府がなければ起こらない争いを引き起こす。 文化や宗教をめぐる思想上の争いで異なる集団を対立させる。つまり権力者は政府という制度を通じ、必要性に応じて、支持を得るために臣民を分裂させる。
The State is Nothing But Appetite | The Libertarian Institute [LINK]

政府はしばしば一定の要件を満たす教育課程と学校教育を強制し、親に子供の通学を強制し、カリキュラムの自由な選択を妨げている。教育バウチャーを導入すれば、新たな財源と仲介組織が加わることで政府の介入が強化される。また例によって官僚がバウチャーの運営を任される。
The Economics and Ethics of Vouchers and Free Market Education | Mises Institute [LINK]

2025-05-12

冷戦の真実

ルーウェリン・ロックウェル(ミーゼス研究所会長)

ケネディ米大統領はCIAなど米情報機関を深く疑っていた。情報機関はキューバについてケネディに誤った助言を与え、ソ連と核戦争になりかけた。ケネディはベトナム戦争の激化を止めようと、国防総省を牛耳る戦争屋たちを憎んだ。そのため、ディープステートは暗殺を決意した。
Kennedy Assassination Mysteries | Mises Institute [LINK]
経済学者マレー・ロスバードは、米国の第二次世界大戦参戦を批判した。政府権力の不必要な拡大とみなし、海外への介入主義は国内での政府の統制を必ず強めると考えた。また冷戦は軍事費と介入主義の継続を正当化するために、米国の政治エリートが作り出したものだと主張した。
The Great Murray Rothbard | Mises Institute [LINK]

米国の大統領は世界有数の悪である。イラクやセルビアでは無意味な戦争で罪のない人々の命を奪い、爆撃で民間インフラを破壊し、計画的に病気を引き起こした。ドレスデン爆撃、広島の原爆投下、ウェーコの虐殺、ルビー・リッジの悲劇に至るまで、政府による殺人実践の典型だ。
Why We Need the Rule of Law | Mises Institute [LINK]

トランプ氏は歳出削減を公約に掲げ、選挙戦を展開したが、その支持する予算案はオバマ大統領をはるかに上回った。予算案は1兆6580億ドルの支出権限を与えている。オバマ氏の最後の予算より47%も多い。政府効率化省が節約したとされるわずかな金額も、事実上すべて帳消しだ。
The Great Tom Massie | Mises Institute [LINK]

トランプ政権や保守系の知事は、有害な教育課程の廃止などで問題を解決しようとしている。それがどれほど良い結果をもたらそうと、真の問題、「公」教育そのものの存在に対処することはできない。政府が運営する学校は本来、政府が子供に学ばせたいことを宣伝する機関なのだ。
The Menace of “Public” Education | Mises Institute [LINK]

2025-05-09

人は利益を求める企業家

ハンス・ヘルマン・ホッペ(経済学者)

私たちは皆、つねに利益を求める企業家である。私たちの行動はすべて企業家精神を表し、成功と利益を目的とするのだから、企業家精神と利益には何の問題もない。間違っているのは失敗と損失のみであり、それゆえ、私たちはすべての行動において、つねにそれを避けようとする。
The Ethics of Entrepreneurship and Profit | Mises Institute [LINK]
資本主義の事業にはリスクが伴う。 生産コスト、つまり支出する金銭が、受け取る収益を決めるわけではない。生産コストで価格と収益が決まるのなら、資本家がしくじることはないだろう。予想される価格と収益こそが、資本家がどの程度の生産コストを許容できるかを決定する。
How Entrepreneurs Make Society Better | Mises Institute [LINK]

物があふれていれば、争いは起こらない。欲望を満たすものが十分にあるからだ。異なる利害や考えが紛争を生むには、財が希少でなければならない。紛争とは、ひとまとまりの同じ財をめぐる物理的な衝突だ。人が衝突するのは、同じ財を異なる、相容れない方法で使いたいからだ。
Of Common, Public, and Private Property and the Rationale for Total Privatization | Mises Institute [LINK]

所有者間の財産の自発的な交換はすべて、社会の幸福を増大させる。財産の交換は、所有者双方が、放棄するものよりも取得するものを好み、交換による利益を期待する場合にのみ可能である。財産の交換のたびに、2人の人間が幸福を手に入れ、他のすべての人の財産は変化しない。
The Ethics and Economics of Private Property | Mises Institute [LINK]

人は自宅で誰が食事するかを決める権利がある。同様に、経営者は自分の食堂で誰が食事するかを決める権利がある。政府は商業施設から決定の権利を奪うことで、財産への攻撃を始めるのがたやすい。そうすれば、私有財産の最後の砦である家庭を徐々に侵略していくことができる。
The Private Property Order: An Interview with Hans-Hermann Hoppe | Mises Institute [LINK]

2025-05-07

立ち去る強さを

ロン・ポール(元米下院議員)

トランプ大統領の「ビッグ・ビューティフル」法案のどこにも歳出削減は見当たらない。大統領は国防費の半減を示唆したが、実際には軍事費を増加させた。帝国は逆襲に転じ、毎月10億ドル以上をかけてイエメンで戦争を始め、イランを威嚇し、タカ派は中国と対決したがっている。
The Empire Strikes Back - The Ron Paul Institute for Peace & Prosperity [LINK]
米国がイランと戦争を始めるとは、昨秋トランプに投票した人々は思いもよらなかったろう。新たな戦争を防ぐために米国が世界中で威嚇をするとは奇妙な論理だ。平和を築き保つために必要な真の強さとは、ただ立ち去る強さだ。米国と関係のない紛争に干渉するのをやめる強さだ。
Standing at the Edge of the Iran War Cliff - The Ron Paul Institute for Peace & Prosperity [LINK]

トランプ大統領はイエメンにさらに武力を行使すると脅し、イランも脅した。ブッシュ、オバマ大統領のように、前政権の好戦政策や世界大戦の瀬戸際外交の後に平和を約束し、当選したが、残念なことに、大統領となった今、ブッシュやオバマと同じく、別の道を歩んでいるようだ。
President Trump: Stop Bombing Yemen and Exit the Middle East! - The Ron Paul Institute for Peace & Prosperity [LINK]

トランプ大統領の関税政策は貿易戦争を引き起こし、米消費者は外国・国内製品の価格上昇に苦しむことになる。輸入原材料に依存する製造業など米企業は、多くの代金を支払わなければならなくなる。米輸出企業は、海外市場における米製品に対する需要の減少に苦しむことになる。
Liberation or Obliteration? - The Ron Paul Institute for Peace & Prosperity [LINK]

関税は保護される企業に短期の利益をもたらすかもしれない。しかし本来なら破綻してもいいはずの事業を存続させ、経営者や労働者がその才能を、経済全体により大きな利益をもたらす他の事業に生かせなくなる。またすべての税金(インフレ税を含む)と同様、関税は盗みである。
Tariffs are Theft - The Ron Paul Institute for Peace & Prosperity [LINK]

2025-05-05

トランプ氏の大きな政府

ライアン・マクメイケン(ミーゼス研究所編集主任)

トランプ大統領と共和党多数の米議会が承認した新予算には、今後数年間で連邦政府支出全体が減少することをうかがわせるものは何もない。予算削減は盛んに語られるが、結局のところ、連邦政府の支出は常に絶え間なく増加し、多くの場合、肥大化した軍事予算がその先頭に立つ。
Federal Spending Is Only Going Up: Trump Pushes Trillion-Dollar Defense Budget | Mises Institute [LINK]
トランプ大統領就任後2カ月間の米財政赤字は、前年同期の5320億ドルから4670億ドルに縮小した。これは歳出の減少ではなく税収の増加による。歳入源が国債による将来の課税から現在の課税にシフトした。これは政府が課税で富を吸い上げることに、より成功したことを意味する。
The Federal Government Is Still on Track for a $2-Trillion-Plus Deficit | Mises Institute [LINK]

政府債務に取り組む戦略は2つしかない。第1は、政府支出を削減する。この戦略は「無償」に慣れ親しんだ有権者には人気がない。第2は、債務の履行拒絶に真剣に取り組む。現在の納税者は、何年も前に政治家が戦争その他の大失策のために負った赤字を返済する義務はないはずだ。
Don’t Pay Down the National Debt. Just Stop the Deficit Spending | Mises Institute [LINK]

現時点で、トランプがインフレを抑え込む健全通貨派になるという期待がまったくの希望的観測にすぎなかったことは明らかだ。トランプが好む金融政策は、バイデン、オバマ、ブッシュと変わらない。これら政治家にとっての「解決策」は、いつも金融緩和であり、金利引き下げだ。
Trump the Inflationist: He Wants More Easy Money from the Fed | Mises Institute [LINK]

インフレ政策は資産家の富裕層を優遇する一方で、物価高と所得減少を裕福でない人に押し付ける。トランプの低金利政策は、自由な市場で生じるよりもはるかに大きな不平等をあおっている。低金利政策は、低所得層よりも高所得層の可処分所得をはるかに急速に増加させるからだ。
Trump's Inflationist Monetary Policy Favors Wall Street over Main Street | Mises Institute [LINK]

2025-05-02

税控除をなくすな

マレー・ロスバード(経済学者)

所得税率を一律10%に引き下げるフラット課税を導入するなら、現行の控除や免税をすべて維持しよう。原則は明確でなければならない。税率の引き下げであれ控除の拡大であれ、すべての減税を支持し、税率の引き上げや免税の縮小には反対しよう。課税の弊害をつねに取り除こう。
Rothbard: The Myth of Tax "Reform" | Mises Institute [LINK]
政府が望む支出に税収がいつも足りないなら、どうやってその差額を補うのか。通貨供給の操作である。はっきりいえば、通貨偽造だ。偽造者は経済に偽札を持ち込むことによって、すべての人から通貨の価値を奪い、盗むことができる。その盗みは、追いはぎよりも経済を破壊する。
Rothbard: Essentials of Money and Inflation | Mises Institute [LINK]

公共部門は民間部門を補完するどころか、民間部門を養分とすることしかできず、民間経済に寄生する。これは社会の生産資源が消費者の欲求を満たすのではなく、無理やり遠ざけられることを意味する。経済の資源は消費者から、寄生虫のような官僚や政治家が望む活動へと流れる。
The Fallacy of the “Public Sector” | Mises Institute [LINK]

官僚の成功は、自分の長所について上司、議員、国民を説得するためにプロパガンダを用いるのが最も得意な者、そして大統領や高級官僚が聞きたいことを伝えれば出世すると理解している者にもたらされる。したがって、官僚の階級が上がれば上がるほど、イエスマンが増えやすい。
Why the Bureaucracy Keeps Getting Bigger | Mises Institute [LINK]

カルト思想は無神論的で反宗教的であっても、カルト宗教と同じ特徴を備えうる。ヒトラー、ムッソリーニ、スターリン、トロツキー、毛沢東のカルトは明白な無神論であるにもかかわらず、本質は宗教的だ。指導者崇拝、階層構造、忠誠心、心理的・物理的制裁などに明らかだろう。
The Sociology of the Ayn Rand Cult | Mises Institute [LINK]

2025-04-30

法人税は労働者の敵

ルートヴィヒ・フォン・ミーゼス(経済学者)

資本主義は賃金労働者の生活水準をかつてないほど向上させた。この幸福はすべて、貯蓄と資本蓄積の増加によってもたらされている。したがって、所得税や法人税のように、資本の蓄積を妨げ、資本の消耗さえも目的とするすべての政策は事実上、反労働者的であり反社会的である。
Wages, Unemployment, and Inflation | Mises Institute [LINK]
私有財産を制限し自由の尊重を拒む性癖は、政府機構を支配する人々の心理に深く根付いている。彼らが自発的にそれに抵抗することはできない。自由主義的な政府とは、形容矛盾である。政府は国民の一致した意見の力によって、自由主義を強制的に採用させられなければならない。
Governments Never Give Up Power Voluntarily | Mises Institute [LINK]

今日、多くの人がインフレと呼ぶのは、通貨供給の増加ではなく、その結果、つまり物価の上昇だ。インフレの結果にすぎない物価上昇と闘うという、無益で望みのない試みに取り組む人々は、インフレとの闘いを装っている。単に症状と闘うだけで、悪の根元と闘うふりをしている。
The Real Meaning of Inflation and Deflation | Mises Institute [LINK]

介入主義の本質は、没収と分配である。その根底にある考えによれば、豊かな人々の所得と富は、豊かでない人々の状況を改善するために自由に使うことができる財源である。それは永遠に搾り取ることのできる無尽蔵の泉だ。この泉が枯渇すれば、介入主義の教義はすべて崩壊する。
Mises Explains the Santa Claus Principle | Mises Institute [LINK]

企業家や資本家は、資本主義が繁栄していた時代には自由主義で特別な利益を守っていたが、今は介入主義で利益を守っているというのは、まったく成り立たないマルクス主義的な見解だ。企業家にはつねに、介入主義によって守られ、自由主義によって損なわれる特別な利益がある。
The Myth of the Failure of Capitalism | Mises Institute [LINK]

2025-04-28

国家は損得で動く

アーロン・ソブザック(ジャーナリスト)

対外介入論者はロシア、イラン、中国など敵対国の行動を、米国が十分に行動しなかったせいだという。国際社会の主体をおとぎ話のような善と悪に分類する。実際は、いかなる政府も利己的な考えから行動し、イデオロギーはその行動を正当化し、政治的支持を得る道具でしかない。
Realism as a Libertarian Foreign Policy | Mises Institute [LINK]
対外援助を削減しようとするトランプ大統領の試みは軍事支援に触れていない。イスラエル、ウクライナ、台湾などが主な支援先だ。大統領は最近、イスラエルに10億ドルの軍事装備と武器を送るよう命じた。この支援は米国を外国との紛争に巻き込み、政治家や国防請負業者を潤す。
Cuts to Foreign Aid Are a Good Start | Mises Institute [LINK]

トランプ大統領はウクライナの和平で私利私欲が頭にある可能性が高い。鉱物資源協定で経済的な利益を得るかもしれない。だがすべての政治家は利己的な考えを抱く。バイデン、ゼレンスキー、欧州の指導者も、どんな美辞麗句を並べようとも、公共選択の落とし穴と無縁ではない。
Russia and Realpolitik: Making Sense of the Trump-Zelensky Clash | Mises Institute [LINK]

バイデン政権最大の外交政策の失敗は、イスラエルによるガザ攻撃などを抑えられなかったことだろう。米大統領なら誰でも、テロ行為に報復するイスラエルの権利を支持しただろう。しかしバイデンは、ガザの市民が爆撃されるなか、イスラエルに記録的な額の援助と武器を与えた。
Joe Biden’s Failed Foreign Policy Legacy | Mises Institute [LINK]

中国がアジアでの影響力を自制するよう期待するのは現実離れしているし、全面戦争になれば米国自身やその他諸国に壊滅的な打撃を与える。対中攻撃をけしかけるのは危険である。経済制裁は効かないし、大国は私利私欲のために行動する。米国に中国との敵対を促すべきではない。
The Fentanyl China Bogeyman | Mises Institute [LINK]

2025-04-25

古典的自由主義は十分過激

リバタリアンと古典的自由主義者は相容れないという主張がなされる。これは歴史的な検証に耐えない。19世紀後半に自由主義の大御所だった仏経済学者モリナリは政府の必要性を否定し、英哲学者スペンサーは国家を無視する権利について無政府主義的な論文を書いたことで有名だ。
Why We’re Stuck with the Term “Classical Liberalism” | Mises Institute [LINK]

ハイエクの自由に関する法的制度の説明は、一種の英国中心主義を映している。イタリア共和国、ドイツの自由都市や、コンスタン、バスティアらフランスの自由主義者に至るまで、自由の法的伝統は英国のロック、コーク、権利章典よりもずっと以前から欧州大陸全域で栄えていた。
Beyond England: A Classical Liberal Critique of Hayek’s “The Origins of the Rule of Law” | Mises Institute [LINK]

自由主義は通常、最も広い意味での市場、つまり自発的な交換のネットワークが、持続的な制度や風俗を生むよう期待する。一方、保守主義は生命、自由、財産の単純な保護を超えた、特に宗教に対する支援を含む、不可欠な基盤が国家によって提供されなければならないと主張する。
What Is Classical Liberalism? | Mises Institute [LINK]

地方分権と権力分立は欧州史の特徴だ。ローマ帝国滅亡後、大陸を支配する帝国は現れなかった。欧州は競合する国家、公国、都市国家の複雑なモザイクとなった。支配者は互いに競争した。略奪的な課税や恣意的な財産没収に手を染めれば、生産性の高い市民を資本とともに失った。
The Rise, Fall, and Renaissance of Classical Liberalism | Mises Institute [LINK]

古典的自由主義の柱の一つは平和だ。戦争が好きであってはならないし、戦争が起こったとしても、英雄視してはならない。戦争は経済に良いといわれるが、実際はつねに資源の配分を誤り、破壊する。勝者でさえも敗北する。ランドルフ・ボーンいわく、戦争は国家の健康法である。
An American Classical Liberalism | Mises Institute [LINK]

2025-04-23

戦争の隠された代償

戦争経済で中央当局は敵を全滅させるため不換紙幣に頼る。不換紙幣は、戦争の真の代償を個人から隠す完璧な道具である。国の資本を流出させ、国を破滅に追い込む。戦争はつねにマイナスサムゲームだ。戦勝国も含め、誰もが失う。自由だけでなく、将来の繁栄を唯一確かにする資本主義の構造も失うのだ。
The True Cost of War | Mises Institute [LINK]
インフレは、戦争の莫大なコストを政府が国民から隠蔽する第一歩である。インフレによって現実の経済作用が覆い隠されることがなければ、国民は金利高騰、株式・債券相場の急落、企業倒産や銀行経営不振の拡大によって、戦争の栄光なるものへの熱意を急激に冷ますことになる。
War and the Money Machine: Concealing the Costs of War beneath the Veil of Inflation | Mises Institute [LINK]

戦争の大きな代償の一つは、勝者も敗者も同様に長期にわたり自由を失うことだ。死傷者数という明白で直接のコスト以外に、悪夢や負傷とともに生きる退役軍人の生涯の苦闘。インフレ、借金、税金といった長期の隠れたコスト。そして文化、道徳、文明一般にもたらす損害である。
The True Costs of War | Mises Institute [LINK]

米国の戦争は、すべて自由を守るために行われてきたとされる。実際には、政府権力を拡大させてきた。経済の自由を侵食し、通貨を劣化させ、政府債務を増大させ、アメリカ共和国本来の政治構造を根本的に変えてきた。戦争の結果、米国人の自由は守られるのではなく、失われた。
Costs of War, The | Mises Institute [LINK]

議会は増税して財政赤字を避けることもできるが、政治家はそれを好まない。一方、財政赤字による支出は、政治的に実行可能なことが多い。真のコストは将来に繰り延べられるか、インフレのベールに隠されるからだ。政治家は多額の赤字支出のため、中央銀行の助けを必要とする。
How the Fed Is Enabling Congress's Trillion-Dollar Deficits | Mises Institute [LINK]

2025-04-21

国債は自由主義に反する

将来の納税者は、今できた政府の借金を増税やインフレによって返済するよう強いられる。したがって国債は事実上、まだ生まれていない国民を奴隷化し、彼らが同意していない義務を強いる。これは自発的交換や財産権不可侵など自由主義の根本原則に反する。
Mises and Rothbard Understood the National Debt | The Libertarian Institute [LINK]

有権者や納税者には、政府をデフォルト(債務不履行)に追い込むよう脅す道徳的義務がある。将来世代や、戦争などの大盤振る舞いのために積み上げられた、昔の借金を返済するために大金を支払う、すべての人々に対する義務なのだ。政府はもっと頻繁に身の丈にあった生活を強いられるだろう。
Defaulting on the Debt Is the Moral Thing to Do | Mises Institute [LINK]

国債発行は本質的に不道徳である。権利侵害であり、支払いを拒否すべきだ。お金を納税者から政府の債権者へ無理やり移転させる。債権者は、返済が納税者からの不本意な移転であることを十分承知している。返済する道徳的義務はない。債権者は政府と同じく道徳的な責任がある。
Should Local Municipalities Default on Their Debts? Seems Like a Good Idea | Mises Institute [LINK]

政府のデフォルトは、社会の生産的メンバーに対する税金を減らし、有益である。国債に多額の投資をしている人々は損失のリスクがあるが、政府資産を移転し軽減できる。年金を通じ国債を保有せざるをえない人々の失われた所得を補償することは、道徳的な理由から否定できない。
The Economics and Ethics of Government Default, Part II | Mises Institute [LINK]

トランプ大統領と共和党が承認した新たな予算案には、今後数年間で政府支出全体が減少することを示唆するものは何一つない。確かに共和党は「10年間かけて」支出を削減すると約束しているが、過去30年間の状況を少しでも注視してきた人なら誰でも、それが決して実現しないことはわかっている。
Federal Spending Is Only Going Up: Trump Pushes Trillion-Dollar Defense Budget | Mises Institute [LINK]

2025-03-28

ミレイ氏、リバタリアンの評判を台無しに

経済学者、ハンス・ヘルマン・ホッペ
(2025年3月21日)

*米アラバマ州オーバーンのミーゼス研究所で開催された「オーストリア学派経済研究会議 2025」での講演より抜粋。


(ミレイ・アルゼンチン大統領に)妥協が必要なのはわかる。しかし、最終的な目標に反するような妥協をしてはならない。

もちろん彼(ミレイ大統領)のやったことのいくつかが改善だったことは否定しない。けれど一方で、アルゼンチンはあまりに悲惨な状況で、何の改善もしないのは難しい。(会場笑)

彼(同)は、中央銀行を廃止すると言いながら、しなかった。そればかりか、金融担当の政権幹部は中央銀行出身者ばかりだ。

彼(同)は、中央銀行をなくしたら前より大幅なインフレになるといった。それを聞いて、私は心中、彼は経済学について何も知らないなと思った。

彼(同)の就任以来、マネーサプライは2倍になった。経済に無知な彼のファンにとってはまったくどうでもいいことだろう。1年間に増やした債務は前任者の誰よりも多い。

彼(同)は増税はしないと言った。増税するくらいなら腕を切り落とすと言った。今、いくつかの税を引き上げ、そこらを走り回っているが、腕はついている。(会場笑)

オーストリア派リバタリアンの外交方針は、中立と不干渉だ。しかしミレイ氏が就任して最初に言ったのは、NATO(北大西洋条約機構)にぜひ入りたい、だった。たとえアルゼンチンが北大西洋になくてもだ。(会場笑)
*東アジアにあるのにNATOに入りたがっている日本人はこれを笑えない。

ミレイ氏の一番の友人はネタニヤフ(イスラエル首相)だ。ネタニヤフはもちろん大量虐殺者でジェノサイドに関与している。彼のような人間を、どんなリバタリアンであろうと、擁護できるとは理解できない。

ミレイ氏はリバタリアンの評判を台無しにした。リバタリアンはネタニヤフ、ゼレンスキー(ウクライナ大統領)、トランプ(米大統領)の友人に違いないと思われるようになってしまった。我々は彼ら全員に反対しているのに。

(次より抜粋)
Considerations and Reflections of a Veteran Reactionary Libertarian | Hans-Hermann Hoppe - YouTube [LINK]

【コメント】オーストリア学派経済学の重鎮ホッペ氏による、再度のミレイ氏批判。75歳となったホッペ氏は、多少の言い間違いはあるものの、ユーモアを交え、彼らしい視野の広さと骨太な論理で、ホッペ氏の師でもあるマレー・ロスバード氏を尊敬するというミレイ氏の欺瞞を暴いていく。ミレイ氏がリバタリアンの評判を台無しにしたという怒りは、真のリバタリアンなら誰もが共有する思いだろう。一方、ミレイ氏を英雄として担ぎ回る日本のいわゆる自由主義界隈は、ホッペ氏の指摘するような、ミレイ氏の内政・外交の問題点から目をそらし続けている。深い失望を禁じえない。

2025-03-18

また会う日まで

◾️自由主義研究所の山本勝市読書会に参加させていただき、多くの交流をもてたことに感謝しています。参加者も人柄の良い方々で、これが自由主義という原理原則にかかわる集まりでなければ、わだかまりなく、お付き合いを続けることができたでしょう。しかし、自由主義研究所がアルゼンチンのミレイ大統領を熱烈に支持し始めてから、私の中で当惑と失望が広がっていきました。
 ミレイ大統領の政策には多くの問題があります。内政に限っても、選挙活動中は中央銀行を廃止すると言っていたのに、就任後はそれをひるがえし、あれこれ言い訳をしています。それどころか、マネーの量を大幅に増やすインフレ政策を行っています。インフレは私有財産の侵害です。自由主義に反します。
 内政以上に問題なのは外交です。ミレイ大統領は、女性や子供を含むパレスチナの一般市民を大量殺害する、イスラエル政府を熱狂的に支持しています。イスラエルとパレスチナの間にどんな対立があろうとも、イスラエルの行為が人道に反するのみならず、生命・身体・財産の権利を擁護する自由主義に反することは、火を見るよりも明らかです。
 ミレイ大統領の政策には評価すべきものもあるでしょう。それなら、評価すべき点とそうでない点を冷静に分析するべきです。それがいやしくもシンクタンクを名乗る組織の役割でしょう。ところが実際には、ミレイ氏個人を英雄のように祭り上げ、「自由万歳!」と叫ぶ。その自由に、パレスチナで殺される子供の自由、徴兵されるイスラエル人の自由、税金をイスラエル向けの兵器に使われる米国民の自由は、入っているのでしょうか。そういうことを、考えたことがあるのでしょうか。
 これらの批判は、ミーゼス研究所やその関連のリバタリアン系サイトの記事にありますし、私もそのいくつかを翻訳し、自分のブログに載せてきました。しかし、自由主義研究所はそんな批判には無頓着です。あらゆることに目を配ることが難しいにしても、ある政治家個人を応援するのなら、お祭り騒ぎに興じる前に、最低限の調査と分析は必要でしょう。シンクタンクとしてのあるべき道に立ち返ることを願います。

◾️地元の神奈川減税会には勉強会の講師を任せていただくなど、お世話になりました。飲み会などで交流するメンバーは感じの良い方々で、自治体の無駄遣いに憤るなど、価値観も共通するものがありました。しかし、あるときから、インフレ政策を主張する金子洋一元参議院議員を強く支持するようになりました。インフレは税の一種ですから、「すべての増税」に反対する減税会であれば、本来なら反対すべきものです。インフレは現預金の価値を奪いますから、私有財産を擁護する自由主義にも反します。
 この問題について、神奈川減税会の中でどのような議論があったのか、知りません。おそらく、インフレが税であり、それを続ければ増税になるという認識が、十分浸透していないのでしょう。それは一般の人も同じだと思います。今回私が、インフレ批判に主眼をおく経済勉強会を立ち上げたのは、それを痛感したからでもあります。私は神奈川減税会を去りますが、私の発信が何らかの形で届き、インフレという税について認識を深めてもらえればと願います。

◾️神奈川減税会を通じて知り合った、大和市の星野翔議員は、まじめで偉ぶったところがなく、好感を抱いていました。それだけに、昨年、X(旧ツイッター)で岩倉竜也さんを侮辱する投稿をしたときには、非常に驚きました。岩倉さんの主張が気に食わないなら、小学生のような悪口を書き連ねたり、チェリー(童貞の意味)の画像を貼り付けたりするのでなく、理路整然と反論するべきだし、そのほうが減税に対する人々の理解を深めることにもなります。
 その後(今年1月)、あるパーティーで直接会う機会がありましたが、岩倉さんの一件については、あえて話しませんでした。和やかに言葉を交わすことができ、これならもう、私の友人である岩倉さんに対し、あんなことはしないだろうと安心しました。ところが、またやったのです。これはショックでした。
 信者でもない私がクリスチャンの星野さんにこんなことを言うのは不遜かもしれませんが、相手のことがどんなに気に食わなくても、口汚く罵るのではなく、和解を求めるのがイエスの教えではないでしょうか。
 今でも私は、星野さんが悪い人間だとは思えません。けれども、しばらく時間をおいたほうがよさそうです。いつの日か、気持ちよく再会できることを願っています。

2025-03-17

「反インフレ経済勉強会」開講のお知らせ

反インフレ経済勉強会のマーク

インフレは税の一種です。しかも普通の税よりも悪質な税です。ところが、この事実はよく理解されていません。それどころか、多少のインフレはむしろ良いことだという嘘が、現在主流の国家主義的な、誤った経済学(ケインズ経済学)や、そこから派生した極端な説(MMT=現代貨幣理論など)によって広められています。

この勉強会で、そもそもインフレとは何か、インフレはなぜ税なのか、なぜ悪質なのか、インフレをなくすにはどうすればいいか、インフレから暮らしをどう守ればいいか、といったテーマについて、自由主義的な、正しい経済学(オーストリア学派)に基づいて、学びましょう(投資のノウハウを教える場ではありませんので、ご注意ください)。

勉強会は週1回(原則、火曜夜9〜10時)のオンライン形式です。代表・木村が自分のYouTubeチャンネルの動画を教材に、参加者の質問や感想を聞きながら、わかりやすく解説します。経済学の知識がなくても大丈夫です。毎回独立した内容ですから、休んでもついていけなくなる心配はありませんし、時々出るだけでも楽しむことができます。入退会は自由、参加は無料です。

勉強会はビデオ会議サービスのZoomを使いますので、参加の際は、使える環境を整えてください。ライブ配信やアーカイブ配信は参加者の同意があれば検討しますが、今のところ予定はありません。顔出しせず、ニックネームでの参加、聞くだけ参加もOKです(状況次第で見直す可能性はあります)。

勉強会のルールは一つだけ、「参加者が互いを尊重し、快適に学べる環境をつくる」。具体的には、「他の参加者の意見や質問を否定せず、ていねいに耳を傾ける」「異なる意見が出ても攻撃的な態度を取らず、建設的な対話を心がける」などです。このルールに度々違反した人は退会してもらいます。また、木村がソーシャルメディアなどで目にした言動から、このルールを守ることが難しいと判断した人は、かりに入会の申し込みがあっても、お断りします。

入会を希望される方は、下記の登録フォームから手続きをお願いします。承認後、参加方法や日程、当面のカリキュラムなどをお知らせします。

それでは、ぜひ参加をお待ちしています!

2025年3月
反インフレ経済勉強会代表
経済ライター・木村貴

2025-02-10

墨子の侵略戦争批判

墨子は、姓は墨、名は翟。その生涯については不明なところが多いが、魯に生まれ、手工業者階級の出身と伝えられる。若いころは儒学を学んだが、後に墨家の祖となった。

墨攻(ぼっこう)(1) (ビッグコミックス)

墨子は天の意志に基づく博愛主義である「兼愛」を説いたが、戦争が兼愛主義と相容れないことは言うまでもない。その著書とされる『墨子』には「非攻」の篇があって、戦争、とりわけ侵略戦争が道徳上の罪悪であることを詳述している(以下、原則として和田武司訳を参照)。

墨子はまず、次のように説く。ここに男が1人いる。この男が他人の果樹園に忍び入って、桃や季を盗んだとする。もしこの事実を知れば、誰もがこの男を非難するだろう。役人は男を捕らえて処罰する。自分の利益のために、人に害を与えたからである。

墨子は以下、「もしこの男が、他人の犬や羊、鶏や豚を盗んだとしたら、どうか」「他人の厩舎に押し入って、馬や牛を盗んだらどうか」「罪もない人を殺して、着物や剣を剥ぎとったとしたら、どうか」と問いを重ねていく。後になるほど、男の罪は重くなり、「以上のような場合、天下の君子は、いずれもみなこの男を非難し、不義と認めるだろう」と述べる。誰もが墨子の主張に同意するだろう。

しかし、と墨子はここで指摘する。「そういう君子であっても、他国を侵略するという大きな不義については、非難しようとしない。それどころか、かえって称賛し、他国侵略を「義」とみなしている。いったい、かれらは、本当に義と不義との区別をわきまえているのであろうか」

墨子は他国への侵略を最大の犯罪として、日常的に起こる犯罪の延長線上に位置づけ、その不当性を主張している。これは現代西洋の徹底した自由主義哲学であるリバタリアニズムに通じるものがある。

米経済学者ウォルター・ブロック氏は、リバタリアニズムの原則は「誰の権利も侵害していない者に対する権利の侵害(暴力の行使)は正当化できない」ということだとしたうえで、この原則を世の中のありとあらゆる場面に適用させようとする点にリバタリアニズムの特質があるという(『不道徳な経済学』)。たとえば、徴税は国家による暴力的な権利の侵害として批判される。戦争も同様だ。

墨子は続けて、同様の主張を別の表現でたたみかける。人ひとりを殺せば、不義であるとして、必ず死刑に処せられる。もしこの論理に従うとすれば、人を10人殺したときには、不義を10回犯したのだから、10回死刑に処すべきである。100人を殺せば、100回死刑に処すべきである。こういう犯罪については、天下の君子は、いずれもこれを非難し、不義と認める。

ところが、と墨子は再び指摘する。「他国侵略という大きな不義については非難しようとしない。それどころか、かえってこれを「義」とみなしている」

ここでの墨子の論理は、チャップリンの映画『殺人狂時代』の有名な場面を思わせる。チャップリン扮するベルドーは勤めていた銀行をクビになり、金持ちと結婚しては殺し、保険金を奪うようになる。逮捕され、裁判長に向かって言う。「なるほど、私は7人の女を殺した。生活のために……。だが、戦争で100万人の人間を殺した者は、罰せられない。勲章をもらい、英雄と呼ばれる。なぜです、なぜですか」

『墨子』非攻篇には、2つの「兵」が説かれている(湯浅邦弘『諸子百家』)。1つは肯定される「兵」であり、もう1つは否定される「兵」である。否定される「兵」は、「大いに非(不義)をなして他国を攻める」「季節や民情を無視していたずらに戦争を起こす」「無実の国を攻伐する」などで、要するに侵略戦争である。

これに対して、肯定される「兵」は、「誅」と「救」の語によって端的に示される。「誅」とは古の聖王が天命を受けて不義の暴君を罰するための誅罰であり、「救」とは大国から攻伐から弱小国を救済するための防衛戦である。このうち「救」の防衛戦が、まさしく墨者の活動にあたる。

墨家は、兼愛と非攻の理想を実力行使によって実現しようとした。単に戦争反対を叫ぶのではなく、軍事集団を組織して、弱小国の防衛にあたったのである。その実践体験の中から、城の防衛に関する様々な技術も編み出した。前述したように、墨家の非戦論は侵略に反対するもので、絶対平和主義ではない。正当防衛であれば実力行使を認め、その手段として外部の民間組織を活用する点は、やはりリバタリアニズムと共通する。

フィクションだが、墨家の防衛活動を具体的に描いた作品がある。漫画『墨攻』(作画・森秀樹、原作・酒見賢一)は、大軍にたった1人で立ち向かった墨者の物語だ。中国の戦国時代、趙の1万5000の大軍は燕の小さな梁城を落とそうと迫る。梁は墨家に救援を要請したが、やって来たのは革離というみすぼらしい、たった1人の墨者だった。革離は、様々な守城技術を駆使し、趙の攻撃を見事に跳ね返す。

あるとき、死を覚悟した革離は部下に対し「今度の戦でもし拙者が死んでも、拙者のなきがらは野ざらしにしといてくれ」と頼む。「そんな失礼なことは出来ません」と驚く部下に、革離は「いや、それが一番うれしいのだ」と答える。「何の報酬も望まず、他人に奉仕する墨者にとって、薄葬(手厚い葬式の反対の意)こそ最高の礼であった」と作者は説明する(単行本第3巻)。

中国哲学研究者の湯浅邦弘氏によれば、墨家は、ひたすら「天下の利」のために、侵略戦争を実力で阻止しようとする。一国の王に殉ずるのではなく、あくまで天下のために奔走するのである。彼らを支えるのは、墨者の「義」であり、王から与えられる褒賞ではない。

墨家は、儒家と天下の思想界を二分するほどの勢力を築き上げたが、秦帝国の成立以降、歴史上から忽然と姿を消す。秦帝国が法家思想に基づいて導入した中央集権的な郡県制と、封建体制の下、諸国家が平和に共存する世界を理想とする墨家思想の対立が原因だとみられている。

墨家は思想活動のためには武装を伴い、治外法権的集団を必要とするうえ、常に全世界的視野にのみ立ち、個人的信条としてはほとんど意味をなさないゆえに、漢代以降、諸学派が形を変えて復興する中にあって、ひとり墨家だけは、再生することなく絶学への道をたどることになった(浅野裕一『諸子百家』)。

戦争という国家の暴力が世界で頻発する現在、墨子の思想は再評価の価値がありそうだ。

2025-02-03

トランプ就任演説の光と影

ミーゼス研究所創設者・会長、ルーウェリン・ロックウェル
(2025年1月27日)

ドナルド・トランプが2期目の任期を開始するにあたり、私たちは当然、今後を予想したくなる。確かに、マルクス主義者のカマラ・ハリスが、脳死状態の「大統領」ジョー・バイデンの後任にならなかったことは喜ばしいが、その残念な大失敗者と比べて、トランプ大統領はどれほど改善されるのだろうか。今週のコラムでは、就任演説からいくつかの手がかりを得ようと思う。
トランプは非常に楽観的な口調で次のように述べている。「アメリカの黄金時代は今始まる。今日から、わが国は再び繁栄し、世界中で尊敬されるようになる。すべての国がうらやむ存在となり、これ以上、つけこまれることはない。わが国の主権は回復する。安全は回復する。正義の天秤は再び均衡する。司法省や政府による悪質で暴力的で不公平な武器化は終わる。そして、私たちの最優先事項は、誇り高く、繁栄し、自由な国家を築くことだ。アメリカは、まもなくこれまで以上に偉大で、強力で、はるかに卓越した国となるだろう。私は、自信と楽観的な見通しを持って大統領職に復帰する。なぜなら、私たちは国家的な成功のわくわくするような新しい時代の始まりに立っているからだ。変化の波が国を席巻し、世界全体に陽光が降り注いでいる。そして、アメリカには、この機会をこれまでにないほどつかむチャンスがあるのだ」

ここで強調されているテーマは「強さ」である。アメリカは他国から尊敬され、羨望の的でなければならない。そして、この目標を達成するには、これまで以上に強くなる必要がある。ロスバード派にとって、これは間違っている。私たちは、他国とどちらが強いかを競い合うべきではない。むしろ自分のことに専念し、他国と平和的な関係を築くべきだ。一方で、この幕開けには良い点もある。特に、「悪質で暴力的かつ不公平な司法省の武器化」との戦いについてはそうだ。私たちの真の戦いは、「目覚めた」左派との戦いであるべきだ。

トランプは、私たちに警戒を促すべきもう一つの発言をしている。彼は自分自身に対して無限の信頼を寄せており、神が彼を「偉大さ」を取り戻すためにアメリカに呼び寄せたと主張している。「ほんの数か月前、ペンシルベニア州の美しい野原で、暗殺者の銃弾が私の耳を貫通した。しかし、私はそのとき、そして今ではさらに強く、自分の命は理由があって救われたのだと感じている。私はアメリカを再び偉大にするために神によって救われたのだ」。ロスバード派はリーダーを望んでいない。重要なのは政府の権力を減らすことであり、増大させることではない。ロン・ポールは決してこのようなことは言わない。

このスピーチで最もすばらしいのは、トランプが、私たちが「目覚めた」左派と戦う必要があることを認識している点である。彼は、マイノリティを優遇する連邦政府の雇用要件を廃止し、伝統的な家族を破壊することを目的としたトランスジェンダー政策に対する政府の支援を打ち切るだろう。「今週、私はまた、公私にわたるあらゆる側面で人種やジェンダーを社会的に操作しようとする政府政策を廃止する。本日をもって、今後はアメリカ政府の公式政策として、性別は男性と女性の2つだけであるとする。そして、勤務中に過激な政治理論や社会実験の対象となることを、我が国の戦士たちに止めさせる命令に署名する。即座に終了させる」

また、トランプが外国での戦争に関与しない意向を示していることも、私たちを勇気づけている。「私たちは、勝利した戦いだけでなく、終結させた戦争によっても、そして、おそらく最も重要なのは、参加しなかった戦争によっても、その成功を測るだろう。私の最も誇らしい遺産は、平和の使者であり、調停者であることだ。それが私のなりたい姿だ。平和の使者であり、調停者なのだ」。しかし、他国に平和的解決を押し付けるのは私たちの仕事ではない。トランプがプーチンにウクライナ戦争を終わらせろ、「さもなければ」とメッセージを送ったのは良いニュースではない。

トランプは、インフレ対策、政府支出の削減、グリーン・ニューディールの終了が必要だと正しく言っている。もう一度言うが、トランプがカマラ・ハリスを破ったことを喜ぶべきだ。「インフレ危機は、大規模な浪費とエネルギー価格の高騰によって引き起こされた。私の今日の行動により、グリーン・ニューディールは終了する。つまり、自分の好きな車を購入できるようになる」。しかし、インフレを終わらせるには、さらなる紙幣の印刷を止め、連邦準備理事会(FRB)を廃止し、金本位制を復活させることだ。

インフレを終わらせるには、アメリカの消費者を傷つける関税や貿易制限を課さないことだ。関税は価格を吊り上げる。関税は、アメリカが他国に税金を支払わせる魔法の公式ではない。私たちは自由市場が妨げられることなく機能することを許容するべきであり、アメリカの製造業の雇用を増やそうとする産業政策を課すべきではない。トランプはこのことを理解していない。「我々は、ほんの数年前までは誰も想像できなかったようなペースで、再びアメリカ国内で自動車を生産する。私は、アメリカの労働者と家族を守るために、貿易制度の改革を直ちに開始する。他国を潤すために自国民に課税するのではなく、自国民を潤すために外国に課税するのだ。マッキンリー大統領は関税によって我が国を非常に豊かにした」。とはいえ、トランプが、いわゆる「貿易協定」の多くは政府管理の貿易であり、真の自由貿易ではないと指摘しているのは正しい。そして、私たちはそれらの協定から脱退すべきである。

私たちが、トランプが言うように平和を望むのであれば、アメリカの領土を拡大しようとしたり、パナマ運河を乗っ取ろうとしたり、それに関して中国と戦争をしたりすべきではない。「アメリカは、つまり、考えてみてほしい。これまでにないほど多額の資金を投じ、パナマ運河の建設で3万8000人の命を失った。決して行うべきではなかった愚かな贈り物によって、私たちはひどい目に遭わされた。パナマが私たちに約束したことは破られた。私たちの取引の目的と条約の精神は完全に踏みにじられたのだ。アメリカの船は、あらゆる面で厳しく過剰請求され、公平に扱われていない。それにはアメリカ海軍も含まれる。そして何よりも、パナマ運河は中国が運営している。私たちは中国にそれを与えたわけではない。私たちはパナマにそれを与えたのだ。そして、私たちはそれを取り戻す」。1世紀前に私たちがプロジェクトに資金を提供したからといって、現在それを所有しているという主張は有効ではない。

また、トランプが「今日はキング牧師の日だ。彼の名誉を称え、我々はともに彼の夢を現実のものとするために努力する。我々は彼の夢を実現させる」と述べたことにも落胆した。キング牧師は親共産主義の扇動家であり、彼の「夢」はアメリカを社会主義国に変えることだった。

問題はあるものの、トランプのスピーチには多くの優れた点がある。私たちは、彼がこれらの政策を実施するよう全力で働きかけ、自由市場と不干渉主義の外交政策を支持するよう強く促すべきだ。

野望は偉大な国の活力の源であり、今、私たちの国は他のどの国よりも野心に満ちている。私たちの国のような国は他にない。

(次を全訳)
A New President Takes Office - LewRockwell [LINK]

【コメント】故マレー・ロスバードとともにミーゼス研究所を設立したロックウェル氏による、バランスの取れたトランプ新大統領評。全体としてはトランプ氏に期待を寄せながらも、リバタリアンとして批判すべき点はしっかり批判している。これがシンクタンクや言論人の果たすべき役割だろう。トランプ氏やアルゼンチンのミレイ大統領の問題点に目をつぶり、ひたすら持ち上げるのは、シンクタンクではなく応援団である。