2023-12-21

アルゼンチン新大統領、米覇権の勝利

ロン・ポール研究所 上級研究員、アダム・ディック
(2023年11月24日)

日曜日(11月19日)にアルゼンチン大統領選を制したハビエル・ミレイ氏〔12月10日に大統領に就任〕は、大統領就任を待つことなく、米政府への支持と、米国が資金、情報、武器の大量供給で支援してきたウクライナとイスラエルの戦争を熱心に進めようとしている。
大統領就任前に、ミレイ氏は米国とイスラエルを訪問する予定だ。イスラエルはミレイ氏が称賛を惜しまない国であり、米国の政治指導者たちと同様に、ミレイ氏もその新たな戦争を支持している。米国とイスラエルは、ミレイ氏がアルゼンチンとの関係強化を望む国の中心的存在であり、その一方で、米国が敵対国として宣言し制裁を加えている国々との関係は制限しようとしている。

対ロシア戦争でウクライナの熱烈な支持者であるミレイ氏は、ウクライナのゼレンスキー大統領との選挙後の電話会談で、ウクライナ政府とラテンアメリカ諸国政府との首脳会談を主催することも提案した。アルゼンチンの軍事的・財政的地位が比較的小さいため、ミレイ氏の外交政策の立場はあまり重要ではないと主張する人もいるが、この首脳会談の提案は、ミレイ氏が新たな国々を戦争支援に参加させ、他国の貢献度を高めることで、自身の影響力を増幅させるつもりであることを示唆している。少なくともミレイ氏は、ウクライナ政府とその戦争努力を擁護する、知名度の高い新たな政府指導者としての地位を確立しようとしている。

これらの事実は、何人かの専門家が予測したように、ウクライナの戦時下において米国に有利な戦争努力を自動的かつ熱心に支援することを避けていた、アルゼンチン政府のこれまでの外交政策を、ミレイ氏が大きく変えようとしていることを示している。米国の覇権主義の勝利である。

Argentina President-Elect Javier Milei, a Win for US Hegemony - The Ron Paul Institute for Peace & Prosperity [LINK]

【訳者コメント】リバタリアニズムの理念の一つは諸国との友好だ。アルゼンチンが新大統領の下で米国の覇権主義に追随し、国々を敵と味方に色分けして自由な経済交流を制限すれば、グローバル経済の恩恵は小さくなり、国内の経済改革はうまく進まないだろう。

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