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「反インフレ経済勉強会」開講のお知らせ

インフレは税の一種です。しかも普通の税よりも悪質な税です。ところが、この事実はよく理解されていません。それどころか、多少のインフレはむしろ良いことだという嘘が、現在主流の国家主義的な、誤った経済学(ケインズ経済学)や、そこから派生した極端な説 (MMT=現代貨幣理論など) によっ...

2016-05-04

国内の敵こそ危険(プライス)

役人「なんのために閂(かんぬき)をかけて、わしらを城山から閉め出しおったか」
リュシストラテ「あのお金を安全に保存して、あなた方が、そのために戦をつづけないように」
(アリストパネス「女の平和」高津春繁訳)
Lysistrata’s clever plan to end the war between Athens and Sparta (411 BC) Aristophanes
Com. (Member of the city’s ruling committee): Well now, by Jove, I wish to learn this first from them; with what intent you shut up our citadel with your bolts.
Lys. (Lysitrata; That we might make the money safe, and that you might not fight on account of it.
http://oll.libertyfund.org/quotes/551

米国の軍隊は国内の平等主義を国外に持ち出し、未開国や半文明国でそれを試してみた。ところがちょっと試しただけでそれを投げ捨て、帝国主義を採用した。(サムナー)
William Graham Sumner on the racism which lies behind Imperialism (1898)
It is an astonishing event that we have lived to see American arms carry this domestic dogma out where it must be tested in its application to uncivilized and half-civilized peoples. At the first touch of the test we throw the doctrine away and adopt the Spanish doctrine.
http://oll.libertyfund.org/quotes/540

戦争に勝つための政策は、法を崩壊に導く。軍の精神は横柄で、迅速で、高慢である。法は穏やかで、しばしば緩やかで、つねに防御的でなければならない。軍の精神は、考える力は無秩序のもととして忌み嫌う。(コンスタン)
Benjamin Constant on the dangers to liberty posed by the military spirit (1815)
The measures which ensure the triumph of war prepare the collapse of the law. The military spirit is haughty, swift, swaggering. Law must be calm, often slow, and always protective. The military spirit detests the thinking faculties as incipient indiscipline.
http://oll.libertyfund.org/quotes/523

英国には戦争党というべきものが存在し、ロンドンの少なからぬ新聞を自由に利用することができる。…その主張は昔も今も変わらない。まったく同じ嘘だ。金切り声もわめき声もそっくりそのままだ。(ブライト)
John Bright denounces the power of the war party in England (1878)
But still we cannot disguise from ourselves the fact that there is something of a war party in this country, and that it has free access to some, and indeed to not a few, of the newspapers of the London press...The arguments were the same then exactly as they are now. The falsehoods were the same. The screechings and howlings of a portion of the press were just about the same.
http://oll.libertyfund.org/quotes/515

国には二種類の敵がある。内なる敵と外なる敵。すなわち国内の敵と国外の敵である。国内の敵のほうが危険で、たいてい望むものを手に入れる。(リチャード・プライス)
Richard Price on how the “domestic enemies” of liberty have been more powerful and more successful than foreign enemies (1789)
Another expression of our love to our country is defending it against enemies. These enemies are of two sorts, internal and external; or domestic and foreign. The former are the most dangerous, and they have generally been the most successful.
http://oll.libertyfund.org/quotes/517

2016-05-03

大塚ひかり『本当はひどかった昔の日本』


「昔はよかった」の嘘

子どもの虐待死や放置死の報道があるたびに「近ごろの母親は無責任だ」という声が上がり、凶悪な少年犯罪が起きれば「近ごろの子は切れやすい」「戦後の教育が間違っている」などの意見が湧き上がる。だがそれは違う。「昔の日本はよかった」という俗説を、古典文学に基づき論駁する。

<抜粋とコメント>
"平安初期に書かれた『日本霊異記』には、男遊びに精を出す若い母親が子どもらを長いこと放置して乳を与えずに飢えさせた話がある"
# 母親による子供の虐待死や放置死は昔の日本にもあった。

"『古事記』『日本書紀』のヤマトタケルノ命は十六歳のころ、人をだまして、熟した瓜を切るように斬り殺す残虐な少年"
# 凶悪な少年犯罪で「近ごろの子は切れやすい」「戦後教育が間違っている」と非難する誤り。

"〝夜泣する子は七浦七里枯るゝ〟と、村を出て行くように迫られたシングルマザーが、追いつめられて我が子を木の根もとに埋めた話"
# 子育てを巡る世間の無理解や冷たい視線に、母親が追い詰められる構図は昔から。

"子のない老人は江戸時代にもいたのですが、養子や婿養子、孫との同居でしのいでいた…江戸時代の家族は…崩壊していたとも見える"
# 介護や生活保護で、血縁で結ばれた家族に多くを期待する現在の考え方には無理。

*アマゾンレビューにも投稿。

2016-05-02

主権者は消費者(ミーゼス)

「市場経済という民主主義では、コインが投票権になる」(ミーゼス)
"The market is a democracy in which every penny gives a right to vote." - Ludwig von Mises
https://twitter.com/mises_canada/status/575374132864552960

「資本主義経済では、収入や富の保証はない」(ミーゼス)
"In capitalist enterprise there is no secure income and no security of wealth." - Ludwig von Mises
https://twitter.com/mises_canada/status/576001071966978048

「人を本人の意思に反して幸せにはできない」(ミーゼス)
"Men cannot be made happy against their will." - Ludwig von Mises
https://twitter.com/mises/status/613771088758095872

「政府は自由の対極にある。人を殴り、投獄し、処刑する」(ミーゼス)
"[Government] is the opposite of liberty. It is beating, imprisoning, hanging." - Ludwig von Mises
https://twitter.com/mises/status/723241164241936385

「市場経済(資本主義)という社会制度では、消費者が主権者である」(ミーゼス)
"The market economy--capitalism--is a social system of consumers' supremacy." - Ludwig von Mises
https://twitter.com/mises_canada/status/575768103939784705

「税が姿を変え、市場経済を破壊する兵器となる。これが現代財政の特徴である」(ミーゼス)
"The metamorphosis of taxes into weapons of destruction is the mark of present-day public finance." - Ludwig von Mises
https://twitter.com/louisrouanet/status/720637790166327296

2016-05-01

地獄に堕ちる権利(フロスト)

「自分の流儀で地獄に堕ちる権利は、誰にも奪えない」(ロバート・フロスト)
"I hold it to be the inalienable right of anybody to go to hell in his own way." - Robert Frost
https://twitter.com/libertyquotes1/status/651040376275529728

「公式の真実は、本当の真実ではない」(アクトン)
"Official truth is not actual truth." - Lord Acton
https://twitter.com/libertarianview/status/722500670209802240

「本当の愛国心とは、自国政府が間違ったら臆せず異議を唱えることである」(ロン・ポール)
"Real Patriotism is a willingness to challnenge your governmnet when it's wrong." - Ron Paul
https://twitter.com/libertyquotes1/status/654388222164881408

「政府が国民を恐れる状態は、自由。国民が政府を恐れる状態は、暴政」(ペイン)
"When the government fears the people, it is liberty. When the people fear the government, it is tyranny." - Thomas Paine
https://twitter.com/libertarianview/status/718152023401750528

「本を焼く者は、やがて人間を焼く」(ハイネ)
"Whenever they burn books they will also, in the end, burn human beings." - Heinrich Heine
https://twitter.com/libertarianview/status/721413593523220480

2016-04-30

保育士の処遇改善?

主張に一部矛盾はあるものの、海外軍事介入から手を引くのは世界平和にプラス。日本の防衛は? 財布と相談して考えます。
--トランプが外交演説で「米国第一」強調、同盟国は防衛費の負担増を
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/04/post-5008.php

賃上げ分が増税で賄われるとしたら、国の生産力は衰え、物価は上がり、保育士・介護職員の生活は楽になりません。重要なのは賃金の額ではなく、その購買力です。
--保育士・介護職員の処遇改善 安定財源確保が課題
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160427/k10010499821000.html

エコカー減税をごまかしたのがよっぽど頭にきたのでしょうか。株価は1週間で半値に。赤字になったら税金取れなくなりますよ。
--三菱自動車の燃費試験 国も別にデータ測定へ
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160428/k10010501931000.html

ドーピング効果に疑問があり、禁止薬物リスト入りは政治的理由との見方もあった大麻。合法な国もあり。政治依存のスポーツ界から、そんな反論は無理でしょうけど。
--スノボ選手:大麻使用に遠藤五輪相が批判「自覚がない」
http://mainichi.jp/sportsspecial/articles/20160428/k00/00e/050/229000c

新興国経済の先行きへの不安から経済の前向きな変化が表れにくい、と黒田さん。それが企業の健全な判断です。無理やりリスクを取らせるような政策はもうやめましょう。
--日銀総裁「政策効果の浸透見極めが適当と判断」
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160428/k10010502331000.html

2016-04-29

本当の無駄

本職に直接関係ないケチなぜいたくは、わかりやすいから一斉に叩かれます。その結果、行政という本職こそ本当に叩くべき巨大な無駄であることが、忘れられてしまいます。
--舛添要一知事、週末は公用車で別荘通い 「全く問題ない」
http://www.huffingtonpost.jp/2016/04/27/masuzoe_n_9783372.html

犬猫を夜間(午後8時~午前8時)に展示するのは本来禁止だとか。こんなことまで政府が決めているとは驚き。
--猫カフェ、午後10時まで営業OK 業界「猫は夜行性」
http://www.asahi.com/articles/ASJ4W4GG3J4WUTFL00D.html

いっそテレビを見ないよう視聴者に勧めたらどうでしょう。それでも受信料は入るんだし。
--NHK籾井会長、原発報道で「専門家の見解は不安をかきたてる」と指示
http://www.huffingtonpost.jp/2016/04/26/momii-answered-about-official-announcement_n_9782144.html

政府が経済について長々とご託宣を垂れ、金利を決めるこの国を、人はなぜか市場原理主義と呼びます。
--米FRBが利上げ見送り、6月の可能性残すも引き締め急がない姿勢示す
http://jp.mobile.reuters.com/article/idJPKCN0XO2C6

消費増税が一時見送られたとしても、復興と称して公共事業を増やせば、将来さらに大幅な増税は不可避。喜べません。
--官房長官 大震災に当たるか「判断する余裕ない」
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160427/k10010500501000.html

2016-04-28

特定秘密のダブルスピーク

# 敗因は、日本と組むと国内経済と雇用にメリットがないとの反発だったもよう。「それは経済学的におかしい」と日本政府が抗議できたら立派。
--豪潜水艦の共同開発相手は仏に軍配、日本敗れる
http://jp.reuters.com/article/australia-submarines-pm-idJPKCN0XN067

# 米軍普天間飛行場の滑走路付近は戦前、宜野湾村役場があった集落の中心部だったと指摘。「もともと田んぼの中にあった。基地の周りに行けば商売になると人が住みだした」という作家発言の誤り。
--『沖縄は「不正義」を問う』
http://www.tokyo-np.co.jp/article/book/kakuhito/list/CK2016042402000186.html

# 「秘密の取り扱いの透明性」という奇妙な日本語。「戦争は平和」「自由は隷従」と似たダブルスピーク。オーウェル『1984年』の世界。
--新たな特定秘密指定 去年1年で61件
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160426/k10010498551000.html

# 「貿易赤字は問題ではない」「貿易拡大に貿易協定は不要」。政府に敗者救済を求めるのはいただけないけれど、ほぼ正論のブラインダー教授。
--貿易に関する5つの真実
http://m.jp.wsj.com/articles/SB10834865168797973818204582021622169186102

# 人民はお上の言うことに従えという文脈で「法治国家」「法の支配」という言葉を使うのは間違い。樋口陽一教授の正しい指摘。
--「立憲主義」ってなあに?(江川紹子)
http://bylines.news.yahoo.co.jp/egawashoko/20150704-00047228/

#農業最大の課題、それは主要国の農業がいつまでもこのように政治に牛耳られていることです。
--G7農相会合、新潟で開幕 農業の課題克服テーマに議論
http://www.asahi.com/articles/ASJ4R4CXTJ4RULFA009.html

# ベラルーシ政権はチェルノブイリという言葉を使うのを事実上禁止。事故を克服するのではなく、風化させて無かったことにしようとしていると指摘。現在、初の原発建設が進んでいるとか。
--「科学が進んでも原発事故起き得る」ノーベル賞作家が警告
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201604/CK2016042602000130.html

# 収益の一部を被災自治体に。全部ではなくて? 使い道は公共事業など。被災民の日用品や食料品ではなくて?
--熊本地震:来月宝くじ発売 被災自治体支援
http://mainichi.jp/articles/20160426/k00/00e/040/175000c

2016-04-27

雇用増は繁栄を意味せず

政府はカネを使うとき、ただある場所(納税者)から取って、別の場所(政府職員、道路など)に動かすだけだ。…どんなに国道を改良する必要を感じても、「雇用創造」や「景気刺激」の神話をその根拠にしてはいけない。
When government spends money, it simply takes that money from one place (taxpayers) and moves it to another (state employees, roads, etc.)...Whatever your feeling on the need to improve state roads, do not let the myth of "job creation" and a "boost to the economy" be the rationale.
https://mises.org/library/government-projects-do-not-create-jobs

労働力の供給は限られている。政府に雇用を創造させてはいけない。さもなければ、本来なら生み出されるはずの商品やサービスを失うことになる。貴重な労働力はとっておいて、まだ残っている重要な仕事に充てなければならない。
The supply of labor is limited. We must not allow government to create jobs or we lose the goods and services which otherwise would have come into being. We must reserve precious labor for the important tasks still left undone.
https://mises.org/library/how-market-creates-jobs-and-how-government-destroys-them-full-edition

個人を雇って、富を生まない無駄な仕事で働かせれば、富を生む仕事から(生産に必要な)資産を奪うだけである。…個人の幸福に重要なのは、雇われることそれ自体ではない。重要なのは購買力、つまり商品やサービスをどれだけ買えるかだ。
Hence employing individuals in various useless non-wealth generating activities simply leads to a transfer of real wealth from wealth generating activities and this undermines the real wealth-generating process...Ultimately, what matters for the well-being of individuals is not that they are employed as such, but their purchasing power in terms of the goods and services that they earn.
https://mises.org/library/employment-does-not-drive-economic-growth

雇用が増えると、政府は自分の手柄だと誇る。しかしそもそも雇用増は、繁栄を意味しない。生産性が上がると、働く時間はむしろ減少。つまり雇用は減る。児童労働の減少は一例。重要なのは雇用ではなく、実質賃金や富の豊かさだ。
First of all, as worker productivity increases, workers would need to work fewer hours to maintain their standard of living...So, over the long term, we cannot say that more jobs equals more prosperity...Child laborers, for example, are no longer essential to maintaining a family’s standard of living. All those jobs are long gone...Really, the only measure that matters is real household wages and wealth, and what can be acquired with it.
https://mises.org/library/job-growth-doesn%E2%80%99t-mean-we%E2%80%99re-getting-richer

太陽はぬくもりや果物をタダで恵んでくれる。人は享受するだけ。だからもし機械が本当に人のあらゆる仕事を代わってくれるなら、誰も働かなくていいことになる。…最後の一つの仕事まで機械がやってくれたら、こんなに幸運なことはない。
Well, we’ve already got a case study there — the sun. It gives us warmth and mangos for free. And how do we respond? We sit around and lazily enjoy it. So a machine that truly replaced all jobs would simply mean nobody works anymore...We should all be so lucky that the machines do actually take every last job there is.
https://mises.org/library/let%E2%80%99s-hope-machines-take-our-jobs-we-want-wealth-not-jobs

幸福の追求(ミーゼス)

「資本主義の特色とは、昔も今も、大量生産で大衆の欲求を満たすことにある」(ミーゼス)
"The truth is that the characteristic feature of capitalism was and is mass production for the needs of the masses."  - Ludwg von Mises
https://twitter.com/mises/status/613829133169115136

「経済の世界には(物質の世界のような)不変の関係というものはない。だからそれを計測することはできない」(ミーゼス)
"There are, in the field of economics, no constant relations, and consequently no measurement is possible." - Ludwig von Mises
https://twitter.com/mises_canada/status/575410191065313282

「生産とは物理的・物質的・外部的なものではない。精神的・知的現象である」(ミーゼス)
"Production is not something physical, material, and external; it is a spiritual and intellectual phenomenon." - Ludwig von Mises
https://twitter.com/mises/status/617812461995978753

「幸福の追求は自分の仕事。他人にはできない」(ミーゼス)
"A man's pursuit of happiness is his own business, not mine." - Ludwig von Mises
https://twitter.com/logic4all_/status/707006493317533696

「経済の歴史とは、分業の発展である」(ミーゼス)
"Economic history is the development of the division of labor." - Ludwig von Mises
https://twitter.com/mises/status/719315785710051328

2016-04-26

政府にできること(ミーゼス)

「政府は人を豊かにできないが、貧しくはできる」(ミーゼス)
"Government cannot make man richer, but it can make him poorer."
https://twitter.com/mises/status/697828904212430848

「社会主義のあまりにも明白な失敗の記録。それを無視したり言い逃れしたりできるのは、知識人だけだろう」(ソーウェル)
"Socialism in general has a record of failure so blatant that only an intellectual could ignore or evade it."
https://twitter.com/libertarianview/status/717774405263355904

「現実逃避はできる。でも現実逃避の結果からは逃れられない」(アイン・ランド)
"You can avoid reality, but you cannot avoid the consequences of avoiding reality."
https://twitter.com/libertarianview/status/718499186954608640

「学校には教育に口を挟ませるべからず」(マーク・トウェイン)
"Don't let schooling interfere with your education."
https://twitter.com/theeconomist/status/723111785482620928

「社会主義とは理にかなった経済の廃棄である」(ミーゼス)
“Socialism is the abolition of rational economy.”
https://twitter.com/libertarianism/status/723243706585899008

最善の防災対策

災害時に人々が一番心配するのは電力供給。純粋な民間企業なら利用者のニーズを最優先し、あらゆる努力や工夫をして電気を届けるだろう。しかし実際の電力会社は、政府監督下の独占企業。何かあるとすぐ停電し、それが当然と思われている。
The main concern of everyone is electricity, a service provided not by private enterprise, but by a monopoly under the supervision of government...Imagine such a service as provided purely by private enterprise. Surely the first order of business would be to create an energy flow that managed to stay on during an emergency. The problem would be overcome by entrepreneurs and capitalists, chiefly because the consumer is king. With electricity, however, we all just accept the fact that it goes down in a storm and we must wait for the bureaucracy to supervise its turning on.
https://mises.org/library/crisis-markets-more-ever

経済成長を遂げた国は、自然災害による死者数を減らせる。経済成長をするには、国民に市場取引を自由にさせ、政府が邪魔しないことである。政府の権限拡大は、たとえ善意に基づく防災対策であっても、災害犠牲者を減らす最良の道である経済成長を阻害する。
Countries that experience economic growth are putting themselves in a better position to reduce the number of deaths that result from natural cataclysms, and the clearest way to produce that economic growth is to allow people to interact in the marketplace without government intrusion. Expanding the role of the state, even with well-intended disaster-prevention programs, diminishes the economic growth that would most effectively reduce death rates.
https://mises.org/library/government-enhanced-disaster

最善の防災対策は、公共セクターの拡大ではなく、富の創造である。…戦争と自然災害は経済に良くない。財産権制度とそれが生み出す自律性、自由貿易とそれがもたらす社会的な協力こそ、長い目で戦争と自然災害に備える最善の保険である。
It is also clear that the best protection against natural disasters is not an expansion if the public sector on an international basis, but wealth creation...War and natural disasters are not good for the economy. The evolution of property rights institutions and the autonomy they engender, as well as free trade and the social cooperation it engenders, are the human race's best long-term insurance against both.
https://mises.org/library/are-tsunamis-good-economy

富の破壊は良いことではない。社会はその分の価値を失う。ところがハリケーンが襲ったとき、政府やメディアは逆の主張をした。「GDPに正味でプラス。一時の成長低下は復興による経済活動で埋め合わせられる」(エコノミスト誌)など。
It is not a good thing to destroy wealth. Bastiat puts it this way: "Society loses the value of things which are uselessly destroyed."...And The Economist said, "While big hurricanes like Katrina destroy wealth, they often have a net positive effect on GDP growth, as the temporary downturn immediately after the storm is more than made up for by the burst of economic activity that takes place when the rebuilding begins."
https://mises.org/library/broken-window-fallacy-reapplied

災害時などの便乗値上げは、市場に受け入れられる価格を付けるにすぎない。もしそれが不道徳なら、経済環境の変化に応じて価格を変えることはすべて不道徳になり、市場そのものが不道徳ということになる。それはおかしい。
"Price gouging" is nothing more than charging what the market will bear. If that's immoral, then all market adjustment to changing circumstances is "immoral," and markets per se are immoral. But that is not the case.
https://mises.org/library/price-gouging-saves-lives-hurricane

復興は地方・民間で

# 中央政府が災害の実情をつかめず、機動的に動けないことは、今回あらためてはっきりしました。防災の権限も復興の予算も、地方に移譲を。
--熊本地震で補正編成=住宅確保、生活再建支援で-政府
http://www.jiji.com/sp/article

# もし民間の力で不可能な復興なら、政府がそれを魔法のように可能にすることはできません。むしろ増税が国民全体を苦しめます。
--エクアドル地震 犠牲者654人に、復興財源確保へ増税も
http://www.cnn.co.jp/m/world/35081694.html

# むしろ消費税を0%にすれば歴史に名を残すチャンス。安倍さん、いかがですか。
--宮沢税調会長 消費税引き上げは予定通りに
http://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000073189.html

# 規制する側とされる側が密接な関係と指摘。旧来型産業にはびこる、縁故主義の一形態。
--報道の自由、海外から警鐘 NGO「対首相で自主規制」
http://www.asahi.com/articles/ASJ4Q572BJ4QULZU006.html

#アクトンいわく、「公式の真実は本当の真実ではない」。受信料を払っている以上、本当の真実をお願いします。
熊本地震:原発報道「公式発表で」…NHK会長が指示
http://mainichi.jp/articles/20160423/k00/00m/040/126000c

2016-04-25

政府は緊急事態に不向き

# 「この炊き出し食べてもいいのかな。人を脅して取り上げたお金で買った材料かもしれない」「大丈夫。国はもっと大規模に同じことやってるから」
--神戸山口組が被災地支援 “極道ボランティア”の実態と狙い
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/180038/1

# 財政支出が効かない→金融緩和→金融緩和が効かない→財政支出→やっぱり財政支出が効かない→以下繰り返す。
--金融政策や財政政策は根本問題を解決しない
http://toyokeizai.net/articles/-/115001

# 災害状況を把握できない中央政府に判断を委ねれば、時間もかかるし間違いのもと。必要なのは憲法の緊急事態条項などではなく、自治体への権限委譲。
--自民党“震災政治利用”の本音を憲法学者・小林節が暴露!
http://lite-ra.com/i/2016/04/post-2180.html

# 複雑すぎて税務署職員もよくわからない税の仕組み。その結果、課税が税務署職員のさじ加減で決まる不公平。民主主義よ、お前はもう死んでいる。
--税務署のいい加減すぎる不当な税金徴収の実態
http://biz-journal.jp/2016/03/post_14202.html

2016-04-24

不正誘った車税制

# もう少し早くできなかったのでしょうか。ボランティアが押しかけると迷惑だとか危ないとか言えるような頼もしい仕事を、自治体がしていたならともかく。
--熊本市 きょうからボランティアを受け入れ
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160422/k10010493151000.html

# 今月追加緩和を見送れば、失望感を招いて株安・円高と警告。鬼面人を驚かす奇手が尽きたとき、払わなければならないツケの大きさ。
--弊害多いマイナス金利、日銀は「即時撤回すべきだ」-みずほ証上野氏
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-20/O5WZUY6KLVRC01

# 劣悪な「労働」環境に猫たちを置けば、猫は病気になって満足に働けなくなり、店が競争に負けるのは必至。規制などしなくても、市場経済では猫を大事にする店主が勝ち残ります(人も同じ)。
--猫カフェに全国初の業務停止命令 その劣悪な環境は?
http://www.huffingtonpost.jp/2016/04/21/cat-cafe_n_9754622.html

# 不正で消費者を欺いたのは悪いこと。しかし不正の誘い水となったのは、ゆがんだ税制。エコカーの税金が安すぎるのではなく、それ以外の車の税金が高すぎるのです。
--エコカー減税分、三菱自に請求へ…燃費偽装で
http://sp.yomiuri.co.jp/economy/20160421-OYT1T50133.html

# 被爆者が求めるのは謝罪ではなく、二度と繰り返さない意志。政治家にとっては、そちらのほうがむずかしいかもしれません。
--原爆投下承認のトルーマン氏の孫「オバマ氏は被爆者と面会を」
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160422/k10010493641000.html

# アメリカ建国の父たちが現代人なら、今ごろ国家安全保障局に盗聴され、反逆罪で捕まっていたはず。
https://twitter.com/libertarianview/status/714165822592327680

# インターネットの言論統制、口実はお好みで。テロ対策、それとも青少年保護?
https://twitter.com/libertarianview/status/711644002110586882

# 「市場経済がそんなにすばらしいなら、どうして今の日本は…」と不満なあなた。それは日本が市場経済の国ではないからです。
https://twitter.com/libertarianview/status/681203426924052481

2016-04-23

『アメリカの縁故資本主義』


ハンター・ルイス『アメリカの縁故資本主義』
(Hunter Lewis, Crony Capitalism in America: 2008-2012)

資本主義の汚名

資本主義は評判が悪い。それでいて定義があいまいだ。とくに日本語の文献はひどい。ウィキペディア日本語版で「資本主義」をみると、こう書かれている。「経済の仕組みの一種で、資本の運動が社会のあらゆる基本原理となり、利潤や余剰価値を生む体制である」

さて、これで理解できるだろうか。「剰余価値」とはマルクス経済学の用語である。 このことからわかるように、ウィキペディア日本語版の解説は、マルクス主義の教義でゆがめられ、読者を混乱させるものとなっている。

その点、英語版の記述ははるかによい。capitalism の定義はこうだ。"Capitalism is an economic system based on private ownership of the means of production and their operation for profit."(資本主義とは、生産手段を私有し、それを使って利潤を求める経済の仕組みである)

ポイントは生産手段(原材料、機械、建物など)の私有である。たとえば原子力発電所は、名目的には電力会社の所有物だが、政府の厳しい規制により、勝手に売り払うことはできない。つまり実質的には政府の所有物である。

したがって原発問題の責任は資本主義にあるとして非難するのは、的外れである。原発とは、かつて経済学者の加藤寛が指摘したように、政治家、官僚、企業が結託し、市場競争を通さない政治的決定によって利益を得る事業である。

このような政府と企業の癒着は、日本だけの現象ではない。資本主義の総本山といわれる米国でも同様の傾向が強まっており、それは「縁故資本主義」と呼ばれる(本来の資本主義とまぎらわしいので、たんに「縁故主義」のほうがよいかもしれない)。

本書で著述家のハンター・ルイスは、米国にはびこるさまざまな縁故主義の実態を次々に暴いていく。ウォール街の大手金融機関を資本主義の権化のように呼ぶのがいかに的外れか、本書を読めばわかるだろう。あれほど政府と癒着し、厳しく規制され、事実上の国営ともいえる業界は他にないからである。

経済と社会を疲弊させ、破壊する元凶は、資本主義ではなく、縁故主義である。資本主義の汚名を晴らさなければならない。

<抜粋>
1990~2000年代に登場した超大金持ちの多くは、政府とのコネに物を言わせるか、政府のやり口を知り尽くすことによって、その富を得た。とくに目立ったのは、ウォール街の金融業者である。
"Many of the new mega rich of the 1990s and 2000s got their wealth through their government connections or by understanding how government worked. This was especially apparent on Wall Street..."

縁故資本主義の下では、ごく少数の者が多数の人々の犠牲によって巨万の富を得る。…マルクスが描いたのは縁故資本主義で、自由価格制度ではなかった。皮肉にもマルクスの熱心な信奉者たちがソ連に築いた制度は、徹底して縁故主義だった。
"This was all the more regrettable because, in a crony capitalist system, the huge gains of the few really do come at the expense of the many. There was an irony here. Perhaps Marx had been right all along! It was just that he was describing a crony capitalist, not a free price system, and his most devoted followers set up a system in the Soviet Union that was cronyist to the core."

自由価格制度は経済学でいうゼロサムゲームではない。逆に、新たな富を大量に生み出し続け、誰もがその恩恵にあずかりうる。一方、縁故制度はマイナスサムゲームである。今ある富を破壊し、それを埋め合わせる新たな富は生まない。
"A free price system is not what economists call a zero sum game, in which existing wealth simply changes hands. On the contrary, it continually creates new wealth, large amounts of new wealth, and everybody potentially benefits. A cronyist system by contrast is a negative sum game; it destroys what wealth exists without creating much new wealth to replenish it."

ガイトナーがオバマ政権の財務長官になるという情報が漏れるや、彼と親しいとされる企業の株価は平均15%急騰した。…彼はNY連銀総裁時代、破綻した保険会社AIGに対する損失を銀行が負う案に反対し、代わりに納税者にツケを回した。
"When word of Timothy Geithner’s selection to be President Obama’s treasury secretary leaked, the stocks of companies considered close to him immediately jumped by an average of 15%...Geithner had already saved many of these companies billions of dollars when, as president of the New York Fed, he had quietly vetoed a plan for banks to take losses on their contracts with failed insurer AIG, and had instead decided that the government, that is the taxpayers, would absorb the loss."

ウォール街の金融業者がオバマ政権発足以来3年で得た利益は、それに先立つブッシュ政権の8年より大きい。
"Wall Street made as much profit in the first three years under Obama as in the prior eight years under Bush."

2016-04-22

兵士と友情

# 政治的演出かもしれません。それでも悪いことではありません。人命を救いたいと考える自衛官は、敵兵・敵国市民の命なら奪ってよいのか、という問いにいずれ向き合うはずだからです。
--東北の陸自部隊2300人現地入り 「感動」のツイート相次ぐ
http://www.sankei.com/smp/affairs/news/160418/afr1604180049-s1.html

# 国家間に社交儀礼はあっても、友情はありません。友情は政治と無縁だからです。もしこの海兵が政治的立場を超え、個人的な友人の敵国兵をかくまったなら、真に友情の名に値するでしょう。
--オスプレイ派遣で米海兵隊「日米には友情がある」
http://www.sankei.com/smp/affairs/news/160419/afr1604190069-s1.html

# 自治体職員が大変。たしかに気の毒だし不効率。だったら全部民間に任せましょう。送る前に避難民のニーズを調べて、不要品は返すか有料で処分してくれるでしょう。
--「千羽鶴・古着・生鮮食品は要りません」 被災地が困る「ありがた迷惑」な物とは
http://www.j-cast.com/2016/04/18264425.html

# 観光旅行という民間の商業活動が、政府の外交を上回る効果を発揮。政治と無関係な経済交流が、紛争への歯止めや震災復興の支えに。モンテスキューの言うとおり、商業は偏見を癒すのです。
--熊本地震で中国人が「くまモン応援」の真意
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/218009/041900042/

# 拙稿より。商業の素晴らしさは、少々氣の合はない相手であつても、互ひに排撃するのでなく、距離をとりつつ助け合へるところにある。
--商業は偏見を癒す(モンテスキュー) - ラディカルな経済学(旧館)
http://d.hatena.ne.jp/KnightLiberty/touch/20110911/p1

2016-04-21

節税非難の帰結

# これ、もし食品衛生法違反があって提供をやめさせたら、もちろん非難轟々でしょう。でも規制当局が普段やっていることは、それと変わりません。
--すき家が熊本被災地で牛丼2500食提供
http://www.nikkansports.com/m/general/news/1634280_m.html

# 国民の安全を守ることが我々の使命、と政府。でもその使命に失敗しても、責任を問われることはありません。
--「耐震基準は連続した大地震を想定せず」 専門家
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160419/k10010489271000.html

# 企業の節税を激しく非難。でも企業が節税できなくなったら、競争に勝つために人件費を削らなければならないでしょう。弱者の味方が弱者を殺す。
--タックス・ヘイブン問題の本質と「グローバル・タックス」の可能性とは / 上村雄彦×荻上チキ
http://synodos.jp/politics/16881

# あら残念。全部消えちゃえば効き目抜群の震災救済になったのに。
--熊本市の税・社会保障システムがマシン室内の揺れで故障、データは無事
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/041801119/

2016-04-20

市場なき社会と弱者

# 支援物資は列の最初の人たちが受け取り、後ろの人は何ももらえず。市場が弱肉強食はウソ。市場のない社会こそ、列に長時間並ぶ体力のない弱者を犠牲に。
--「助けて」「テレビ映像信じられない」…SNS上で支援物資不足訴える投稿続々 http://www.sankei.com/smp/affairs/news/160417/afr1604170045-s1.html

# 地方には財源がないから? でも国にも財源はありません。いざというときに取っておくべき財源をとっくに使い果たしてしまったからです。政府は無計画だから、国は守れません。
--交付税の前倒し検討=被災自治体対象—萩生田官房副長官
http://m.jp.wsj.com/articles/JJ12342166928656593687218265502940170115523

# 人間ですから誤りはあります。問題は政府の場合、企業と違い、重大な誤りを犯しても他に乗り換えられないことです。
--「情報発信足りず反省」=規制委、原発停止せず―熊本地震
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160418-00000049-jij-soci

# 反対するのは政治的? でも投入の背後にも当然、政治的思惑。今日はタダで助けてくれても、将来安くない代償を請求されるとしたら…
--米軍が震災支援にオスプレイ初投入、熊本へ物資を輸送
http://jp.mobile.reuters.com/article/idJPKCN0XF09P

2016-04-19

吹浦忠正『赤十字とアンリ・デュナン』


政治は平和をもたらさない

左派の人々は、戦争を防ぐためには民主主義が大切だという。右派の人々は、軍事同盟こそ戦争を防ぐ現実的な手段だと主張する。そのどちらも間違っている。

熊本地震の救護活動でも活躍する赤十字社。本書はその創設者であるスイスの実業家、アンリ・デュナン(1828-1910)の生涯を歴史的背景とともに描く。

デュナンの死から四年後、第一次世界大戦が勃発している。この戦争が多くの国を巻き込む世界規模の戦争となった原因は、主要国が自国のみの力では安全を確保できないとして、互いに次々と軍事同盟や協商関係を結んだことにある。今の言葉でいえば集団的自衛権である。

戦場ではそれまでにない膨大な数の人々が犠牲になった。これは兵器の殺傷能力の向上に加え、欧州のほとんどの軍隊で徴兵制が採用されたことによる。徴兵制を支えたのは、一般国民に国防の義務があるとする民主主義の理念だった。

米国のウィルソン大統領は参戦の大義名分として、「民主主義を守るための戦い」だと訴えた。最近の米国政府による海外軍事介入の口実そっくりである。

民主主義と軍事同盟の共通点は、重要な問題は政治によって解決しなければならないという考えである。平和の実現もそこに含まれる。しかし、政治ほど平和から縁遠いものはない。政治の本質は暴力だからである。

戦場での暴力にまゆをひそめる左派の人々も、国家権力をバックに富裕層から累進課税で多額の財産を奪ったり、外国製品の自由な購入を妨げたりすることはためらわない。

これに対しデュナンの発想は、赤十字の活動が示すとおり、「常に国境を越えた国際的なもの、世界的なものであった」。デュナンとともに第1回ノーベル平和賞を受賞した経済学者フレデリック・パシーも、国家に介入されない自由貿易を主張し、それによって戦争の防止をめざした(本書の主題からはやむをえないものの、パシーに関する記述がもう少し詳しいとよかった)。

国家と政治による平和実現という矛盾した考えが行き詰まる現在、個人と経済を基盤とするデュナンやパシーの思想は、平和を愛する人々にとって貴重なヒントになるだろう。

<抜粋とコメント>
"今や全ヨーロッパで国民皆兵が普通のこととなり…「民主主義は戦争のために国民一人ひとりに対して金と労力と血とを要求する」となって…大戦闘集団が各国に常備されていた"
# 民主主義は徴兵制の母。

"むしろ十八世紀の軍隊の医療施設の方が十九世紀のそれより整っていた。…フランス革命後の徴兵制度により、兵士はただのもの、安いものという観念が植えつけられたから"
# 金も人も、強制で調達できるなら大切にはされない。

"当時の列強の軍備拡張はすさまじいまでのものがある。すなわち、一八七五年のヨーロッパ全体の平時兵力は二六〇万(戦時動員七九〇万)、それが三十年後には四〇〇万(戦時動員一九〇〇万)にもなったという"
# 繁栄が軍拡を可能にした皮肉。

"〔第一次世界大戦前〕列強は自国のみの力では安全保障の確保が容易ではないと、次々に軍事同盟や協商関係の発展を図り、勢力均衡の微妙な駆け引きが展開されていった"
# 軍事同盟に基づく集団的自衛権行使の連鎖がもたらした、大戦の災禍。

"〔デュナンとともに第1回ノーベル平和賞を受けた〕フランスのフレデリック・パシーはもともと経済学者で、自由貿易の推進により国家間の相互依存性を高め、軍備管理や平和の実現を図ろうと主張"
# 自由貿易なしに平和はありえない。

*アマゾンレビューにも投稿。

2016-04-18

規制は社会を安全にしない

# 私有財産権と商取引の自由は、災害時こそ重要です。災害時に私権を制限すれば、むしろ国民の生命・安全を脅かします。濫用の恐れもあるとなればなおさら。
--緊急事態条項「極めて重い課題」 熊本地震受け官房長官
http://www.asahi.com/articles/ASJ4J674GJ4JULFA00T.html

# 止めると地元への電力供給に支障をきたすと擁護論も。でもそれは政府保護下で地域独占にあぐらをかいて進歩がなく、多様な電力源に対応できない送配電網の問題。規制は社会を安全にしません。
--丸川珠代担当相、川内原発「停止させる必要ない」
http://www.huffingtonpost.jp/2016/04/16/tamayo-marukawa_n_9708050.html

# 金利の役割は採算のとれない事業への歯止め。人為的にゼロにして無駄な事業を増やせば、目先の景気はよくなっても経済は疲弊。
--ゼロ金利でインフラ融資=景気下支えへ検討-政府
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160414-00000163-jij-pol

# 議決権は持分の資産額に応じて配分という現実的な判断。誰もが一人一票の国家はそうでないから、多数者の暴政をもたらします。
--タワーマンション議決権で富裕層が圧倒的有利に
http://media.yucasee.jp/posts/index/14963

# スイスの魅力は健在。ちなみにOECD加盟34カ国の平均所得税率は35.9%。最高は55.3%のベルギー、最低は7%のチリだとか。
--スイス、税負担が最も少ない国の上位にランクイン
http://www.swissinfo.ch/jpn/%E7%A7%9F%E7%A8%8E%E8%B2%A0%E6%8B%85%E7%8E%87_%E3%82%B9%E3%82%A4%E3%82%B9-%E7%A8%8E%E8%B2%A0%E6%8B%85%E3%81%8C%E6%9C%80%E3%82%82%E5%B0%91%E3%81%AA%E3%81%84%E5%9B%BD%E3%81%AE%E4%B8%8A%E4%BD%8D%E3%81%AB%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%82%A4%E3%83%B3/42089502

# 予想外の躍進、有権者の支持4割超に。女性党首はウィキリークス活動家で詩人。左右に分断された政治を終わらせることができるか。
--アイスランド海賊党、国政のかじ取り目前 パナマ文書も追い風に?
http://www.afpbb.com/articles/-/3083991

2016-04-17

政府の防災能力

# 熊本地震を単体のものとしてとらえず、日本全体の危機の前兆と認識し、対策を講ずる必要があると警鐘。問題は、政府という組織にその能力があるかどうか。
--「熊本地震は南海トラフ地震の前兆」専門家が緊急警告
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48455

# 海外メディアの関心も高い、国内唯一稼働する九州電力川内原発。再稼働後、事故対策の指揮所になる免震施設の建設を撤回。
--地震と原発 やっぱり原点に戻ろう
http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2016041602000115.html

# 中央構造線断層帯での地震の発生にも警戒が必要と専門家。中央構造線の近くには、規制委の審査を終えて次回再稼働候補とされる四国電力伊方原発。
--【熊本地震】「一過性のものではない」専門家指摘
http://www.sankei.com/smp/west/news/160415/wst1604150112-s1.html

# 政府が「情報収集に全力」などと言っていたころにはもう、これが公開されていたもよう。本来、道路サービスを提供する側の仕事では。
--トヨタ、熊本地震を受けた地域の「通れた道マップ」を公開
http://ascii.jp/elem/000/001/150/1150700/

# 大地震はバブル崩壊のきっかけとなるか。それとも新たな「バズーカ」の口実となるか。
--平成バブル以上の崩壊へのマグマ蓄積…不動産同時暴落で未曾有の不況入りの兆候も
http://biz-journal.jp/2016/04/post_14710.html

2016-04-16

保守とリベラルは同類

# 保守の安倍政権がリベラルのクルーグマン教授の政策提言を歓迎? どうして?…と混乱しているあなた。それはどちらも国家主義者だからです。右と左は同じ穴のムジナ。
--本当に“リベラル”な経済政策とは?――消費増税の議論から考える
http://synodos.jp/economy/16792

# 取られる額に見合うか怪しい「公共サービス」なんかより、税金が安くなり、ごまかしのきかない肉や魚などの特典をもらえるほうがいい。みんなよくわかっています。
--控えめ返礼品あだに…ふるさと納税赤字、地方自治体でも
http://www.asahi.com/articles/ASJ44635LJ44ULFA035.html

# 年金の賦課方式に正しい批判。一方で完全な自由放任は否定。老後の備えを十分に準備できないか、備えない人が多く出てくるからと。もしそれが悲しむべきことだとしても、その救済が政府に適した仕事とはいえません。
--世代間格差を助長する現行の年金制度 最善の改革案は個人勘定積立方式である
http://diamond.jp/articles/-/89587

# 本当に警戒すべき政治家とは、教育にカネは出さないとにべもない人物ではなく、出してあげると笑顔で話しかけてくる人物です。
--「進学しても女の子はキャバクラへ」自民・赤枝氏発言
http://www.asahi.com/articles/ASJ4D6DSWJ4DUTFL00T.html

# 広島・長崎への原爆投下を東京やドレスデンの大空襲と比較したとき、外交官の世界では⑴以外の答えがありうるとは驚き。
 ⑴どちらも非人道的
 ⑵原爆は非人道的だが空襲は人道的
 ⑶どちらも人道的
--なぜG7は「核廃絶宣言」に踏み込めないのか
http://toyokeizai.net/articles/-/113657

2016-04-15

『恐怖による支配』(2)


恐怖を煽る政府の嘘

コナー・ボヤック『恐怖による支配』
(Connor Boyack, Feardom: How Politicians Exploit Your Emotions and What You Can Do to Stop Them)

民主主義のすばらしいところは、理性的な討議(最近流行の言葉でいえば「熟議」)を通じて政治決定を行うことだとよくいわれる。しかし本書の序文で歴史家トーマス・ウッズがいうとおり、政府が冷静な討議を望むことなどありえない。政府は感情を養分として栄えるからである。その感情とは、恐怖である。

著者ボヤックによれば、米国でテロリストに殺害される確率は年間2000万人に1人という。これに対し、交通事故による死亡は1万9000人に1人、浴槽での溺死は80万人に1人、ビル火災は9万9000人に1人、落雷は550万人に1人。つまり、雷に打たれる確率はテロで死ぬより4倍も大きい。

ところが米政府は落雷防止に何十億ドルもの予算を費やしたりはしない。一方で、落雷よりリスクの小さいテロ対策には莫大な税金を投じる。政府が煽るテロの恐怖によって、国民がテロ対策を支持するからである。不合理な政策でも、恐怖という感情に訴えることによって可能になる。

恐怖にはこのような効能があるから、政府はそれを最大限に活用しようとする。恐怖による支配である。その際しばしば、自分自身で、あるいは親しいメディアを通じて、偽りの情報を流し、輿論を操作する。

著者は、国民が政府の嘘に騙されないためには、まず権力者に対する健全な懐疑心を養ったうえで、情報源を多様化し、信頼できる情報を選ぶことが必要だと忠告する。権力の狡猾な本性に対する洞察を欠いた「熟議」のすすめなどより、はるかに役立つアドバイスといえる。

<抜粋>
恐怖による政府の支配を打破する第1段階。権力者に対する健全な懐疑心を養うこと。つねに警戒を要するのは、権力を委ねられた者はそれを濫用する恐れがあることだ。
First, a person must develop a healthy skepticism of those in power—a constant awareness that those who have been entrusted with authority have the potential to abuse it.

恐怖による政府の支配を打破する第2段階は、信頼。政府当局やマスコミに対する懐疑心を養うと、メディアの構造がより客観的に見えるようになり、信頼に値する情報とそうでない情報を賢明に見分けることができるようになる。
Skepticism towards “official” or popular sources of information allows us to observe the media landscape more objectively and then judiciously determine who is worthy of our trust. Trust—the second step in treating the disease—is important, but it should be cautiously extended only to those who have proven themselves worthy of it.

恐怖による政府の支配を打破する第3段階。多くの情報を集め、情報源を多様化すること。…偽りのニュースは蔓延している。情報源を広げれば、政治家や評論家に騙される可能性を小さくできる。
The third step in treating the disease of fear is to consume a large amount of information—and to diversify our sources...Propaganda is pervasive; expanding our sources of information reduces the likelihood that politicians and pundits will be able to deceive us.

恐怖による政府の支配を打破する第4段階。真実を知ったら、それを広めること。信頼できる情報を入手することはそれだけで有益だが、それを知らない人たちに広く伝えてあげれば、もっと役に立つ。
Fourth, truth-seekers must become truth-tellers. Obtaining reliable information may benefit us individually, but it becomes more effective when spread widely to others who have not yet encountered it.

恐怖支配を打破する最後の第5段階。「すべて人にせられんと思うことは人にもまたそのごとくせよ」という聖書の黄金律を、個人としても集団としても実践すること。政府がある人々を悪魔にでっち上げようとしても、愛を忘れてはいけない。
Finally, we should internalize and institutionalize the Golden Rule, treating others as we would want them to treat us...While others work to demonize and dehumanize them, we should let love become the basis of our feelings and thoughts towards others—even, and perhaps especially, those who are being painted with broad brushes by a government looking to implement policies that will harm them.

2016-04-14

奴隷主たちの取り決め

# わかりやすく言えば、逃げ出した奴隷を奴隷主どうしが協力して捕まえましょうという取り決め。ブラック企業を非難する人々が、決して批判しない巨悪。
--G20 税逃れ対策、焦点に浮上 情報共有枠組みなど議論へ
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/160412/mca1604120500007-n1.htm

# 愛しているなら、立ち去る自由を妨げないはず。政治同盟を離脱しても経済関係は可能だし。どうやら本当に愛しているのは、英国の財布。
--英国のEU離脱を思いとどまらせるため全欧が英国を抱擁
http://jp.sputniknews.com/europe/20160412/1943907.html

# 公共サービスを必要としない中流・富裕層にも政府が一律にサービスを提供すれば、増税を嫌がらなくなるはずという、すごい主張。押し売りを喜ぶ人がいるとでも?
--日本特有の「増税への嫌悪感」緩和が消費増税断行のカギになる
http://diamond.jp/articles/-/89437

# そうだとすれば光明。経済の牽引役は起業家で、起業家にとってコストの安さは魅力だから。デフレは悪? あれは大本営発表。
--マジで!?「日本の物価安すぎ…」と外国人がビビってる
http://matome.naver.jp/odai/2146035921231882701

# 軍事介入自体は正しかったが、その後の無計画が失敗と大統領。しかしそもそも軍事介入とは、手に負えない無秩序をもたらすもの。
--オバマ米大統領 「在任中最大の間違いはリビア」
http://www.cnn.co.jp/m/usa/35080960.html

2016-04-13

時短は闘争の成果?

# 日本を核で威嚇する国は激しく非難し、本当に核爆弾を落とした国とは同盟の絆に配慮。政治の原理は道徳や論理ではなく、力。
--ケリー国務長官、原爆慰霊碑に献花 「謝罪はしない」と米高官
http://www.huffingtonpost.jp/2016/04/11/hiroshima-john-kerry_n_9657586.html

# 労働時間が短くなったのは、左翼が煽った闘争の成果ではありません。すぐれた企業家のおかげです。今さら社会主義理論を吹き込んで、労働者を不幸にするのはやめて。
--「世界でいちばん貧しい大統領」が日本の学生に語った4つの人生訓
http://www.lifehacker.jp/2016/04/160408jose_mujica1.html

# 空き家が増える一因は、更地にすると課税が強化されてしまうから。それを知ってか知らずか、さらなる富裕層課税を唱える記事。道理を無視した善意ほど始末に悪いものはなし。
--貧困問題を解消するには、空き家を活用せよ
http://toyokeizai.net/articles/-/112331

# 人口減少で住宅需要が減る中では、住宅投資を金融緩和で前倒しすればするほど、需要先食いで将来は厳しく。中央銀行の錬金術は所詮まやかし。
--マイナス金利の副作用=翁邦雄
http://www.weekly-economist.com/2016/04/19/検証なき日銀-マイナス金利の副作用-翁邦雄/

# 金融緩和の麻薬が効いている間は、税収が増え、失業も減り、何もかもうまくいくように思えます。問題は、薬の効き目が切れた後。
--脱デフレ政策の徹底で財政収支は改善する
http://toyokeizai.net/articles/-/113017

2016-04-12

マイナス金利という実験

# 急膨張する家計の債務。インフレ目標に固執した過度な緩和策が、金融システム危機を招く恐れも。社会をおもちゃにする中央銀行の経済学博士たち。
--マイナス金利はありかなしか “先輩国”スウェーデンでも紛糾
http://diamond.jp/articles/-/89010

# 株高は必ずしも経済が健全であることを意味しません。とくに政府によってマネーが氾濫させられたときは。不健全な株高は長続きせず、投資家は損失に苦しむことに。
--「年金運用で巨額評価損」という不都合な真実
http://toyokeizai.net/articles/-/113102

# 企業のトップなら、それに見合う利益をあげれば豪華なホテルも株主からとがめられないでしょう。政治家の場合、そもそも住民の利益になっているのかすら不明。
--衝撃!ロンドン市長の東京出張と比べてみたら、舛添知事の豪遊っぷりが一目瞭然だった
http://www.huffingtonpost.jp/shun-otokita/money-and-politics-problem_b_9648044.html

# 病や老いの問題をすべて解決することはできないかもしれません。しかし和らげることができるとしたら、その答えは政府による官製福祉ではなく、市場経済にあります。
--長寿の罠 死ぬまでの「介護」期間は平均10年、家族に多大な負担で離職も
http://biz-journal.jp/2016/04/post_14624.html

# 政治パフォーマンスが業界にもたらしたものは、まっとうなサービス競争ではなく、他社の値引きを告発するあさましいチクり合戦。まさに誰得。
--ついに「冬の時代」到来 スマホ販売、現場が大混乱
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO99388330X00C16A4000000/

2016-04-11

テイラー『オーストリア経済学入門』


「人間は不合理」のウソ

オーストリア経済学は、経済学史の教科書には出てくるものの、一般にはほとんど知られていないだろう。しかし、19世紀後半のオーストリアで起こったこの学派は、近代経済学の支柱の一つであり、ケインズ学派やマネタリズムによって混乱させられた現在の主流経済学よりも、はるかにロジカルで明晰な経済の見方を教えてくれる。

たとえば、物の価値は一人一人の主観によって決まるという考え方(主観的価値理論)である。あなたがある本を1000円で買うのは、本を作るのに1000円分の労力がかかったからではない。その本に1000円より大きな価値があると、あなたが思ったからである(1000円ぴったりではない。もしそうなら、同じ価値の本とお金をわざわざ交換する必要はない)。

だから、商品の価値は作るのにかかった労働量で決まるというマルクスの説は間違っている。どれほど多くの労力をつぎ込もうと、誰もほしいと思わない物に価値はない。

また、オーストリア経済学では、人間を対象とする経済学と物質を対象とする自然科学では、学問の方法論がまったく異なると考える。経済学に法則は存在する。しかしそれは自然科学の法則と違い、実験によって導くことはできない。経済学の法則は、「人間はより多くの幸せ(より少ない不幸せ)を求めて行動する」という不変の原理から、論理によって導かれる。

たとえば、まったく同じ本が一方は1冊1000円、もう一方は500円で売られていた場合、たいていの人は500円のほうを選ぶだろう。同じ物なら安く買えるほうが、より大きな幸せだからである。

しかし中には、その本の作家のファンで、作品に対してより大きな報酬を支払いたいとの気持ちから、あえて1000円の本を買う人もいるかもしれない。この人の行動は、最近流行の行動経済学に基づく俗説と異なり、不合理でもなければ、経済学の限界を示すものでもない。その人にとって、500円を節約するよりも、好きな作家に多くの報酬を支払うほうが、より大きな幸せであることを意味するにすぎない。

学問の分野を問わず、真理とはシンプルなものである。本書は、同じオーストリア経済学の立場から書かれたハズリット『世界一シンプルな経済学』と同じく、経済学のシンプルな真理を学ぶことのできる好著である。

<抜粋とコメント>
"主観的価値理論…は、物の価値は物そのものに本来備わっている客観的な尺度であるという古典的な概念を一掃した"
# 商品の価値は作るのにかかった労働量で決まるというマルクス説は誤り。

"彼ら〔資本家〕の利益は、彼らの投資が使われる期間の利子支払いであり、マルクスが主張したような労働者の搾取ではなかった"
# 資本家の取り分は投資への正当なリターン。搾取と責めるのは誤り。

"社会主義は…合理的な資源分配に不可欠な手段である市場価格の欠如のために、現代の経済では全く不可能"
# 社会主義は市場を否定するから、資源の効率利用ができない。だから破綻する。

"社会環境から生じる経済現象は複雑で変わりすぎるので、物理科学者が用いる種類の実験に基づく分析は許されない"
# 物質は同じ刺激に同じ反応を示す。人間は同一人物でさえ場合によって反応が異なる。

"経済現象は何らかの社会的な力、あるいは「社会」のような実体化した表現ではない…むしろそれらは経済活動に従事した個人の行為の結果"
# 「経済成長」という語は厳密には誤り。経済は動植物ではない。

*アマゾンレビューにも投稿。

2016-04-10

賭博を責める資格

# パチンコ玉を現金に事実上換金するのは、本来賭博罪で違法。その経験のある人、それを黙認する政府に、少なくとも彼らを非難する資格はないはずです。
--「いけないことだとは分かっていたが…楽しんでいる自分もいた」と桃田選手
http://www.sankei.com/smp/premium/news/160408/prm1604080006-s1.html

# 乳製品の輸入拡大を求めるニュージーランドに対し、政府は米国を盾として要求をかわしたとか。きっと日本にバターが余って仕方ないからでしょう。
--民進が内幕本原稿を公表 TPP委員長著作か
http://this.kiji.is/91124865641250818

# 目先の選挙を乗り切るためなら、将来世代へのツケもいとわぬ、それが政治。それなのに国防だけは深謀遠慮に基づく? まさか。
--財政破綻と戦争リスクを将来世代に残すな
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/178917/3

# 経済学の初歩知識しかない人でも、実現すれば企業が非正規労働者を雇わなくなり、彼らを不幸にすることがわかるはず。政治にとって重要なのは、善行のポーズと既得権益の保護。
--非正規賃金、正規の8割に=同一賃金実現へ自公が提言
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016040700909&g=eco

# 他のスポーツの機会を取り上げて何がスポーツ振興かと、まっとうな怒り。政治とは掲げた看板の背後で、誰かから奪ったものを誰かに与えるのが仕事。
--資材置き場で野球場を占拠するとは
http://www.huffingtonpost.jp/hiroshi-yamaguchi/ballpark_b_9630862.html

2016-04-09

パナマ文書の仕掛人

# 狙いは米国が他の租税回避地を引きずり下ろし、取って代わることと分析。正否はともあれ、事件捜査の鉄則「cui bono(誰の得になるのか)」には忠実な読み。
--独金融専門家:「パナマ文書」は米情報機関によるもの
http://jp.sputniknews.com/politics/20160406/1912631.html

# 税逃れを許さない財務省の新規制が影響か。ふだんは政府とずぶずぶのビッグファーマですら辟易する、政治の強欲。
--米ファイザー、アラガンとの合併合意を破棄へ-関係者
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-06/O56VB36JIJV601

# インフレ目標があれば財政ファイナンスに弊害なしと筆者。でもインフレで物価が年3%上昇すれば、賃金や年金に3%課税されるのと同じ。増税批判は正しいのに、見えない課税を推奨する矛盾。
--増税にこだわる財政学者はどこが間違っているのか
http://diamond.jp/articles/-/89216

# 相続税の課税強化やマイナス金利政策への不安感を背景に、強まるキャッシュ志向。財産を政府・中央銀行のコントロール圏外へ。怒りの当局、次はいよいよ現金廃止?
--たんす預金か 1.8兆円分増刷
http://h2tax.net/taxnews/2016/04/1459930980.html

# 特定の利害から中立で、国民の利益を守るとされる中央官庁。ところが実際に守ろうとするのは組織の利益、多くは官僚自身の利益という事実。「資本主義は強欲」という非難はつくづく滑稽。
--「バターが買えない」の裏にある不都合な真実
http://toyokeizai.net/articles/-/111696

2016-04-08

黒塗りの自由貿易?

# 「消費者の利益のために、大人の事情を無視して貿易を自由にしましょう!」「同感です!」…なんてやり取りではまずなさそう。
--TPP交渉資料、全て黒塗り 自民が国会に提出 民進「ここまで黒いとは」
http://www.huffingtonpost.jp/2016/04/05/tpp-document-painted-black_n_9621072.html

# 租税回避地つぶしに思わぬ追い風? まさか当局による大陰謀? いずれにせよ、国民が「節税けしからん」に同調すれば、やがて自分の首を絞めることに。
--課税逃れ、国際的な大問題=パナマ文書で米大統領
http://h2tax.net/taxnews/2016/04/1459892459.html

# 公権力が特定言動を取り締まることは憲法との整合性に疑義ありと、ひとまず妥当な判断。憲法解釈が政府の一存で変わる時代に、いつまで踏みとどまれるか。
--ヘイトスピーチ:与党、罰則盛らず…法案提出へ - 毎日新聞
http://mainichi.jp/articles/20160406/k00/00m/010/082000c

# 「温暖化は人間が作り出した現象」という前提ありき。それには異論もあったはず。イデオロギーにとらわれているのは著者自身では。
--「気候変動は市場の力でなおせる」世界24ヵ国で見た「都合のいいモラリティ」
http://diamond.jp/articles/-/88993

# 財政規律なしに消費増税しても不要不急の歳出増に回ってしまうと、正しい指摘。問題は金本位制などの縛りもなく、政府に財政規律が可能かどうか。
--高めの経済成長と自然増収が前提の“自然体”で「2025年問題」に直面すれば財政健全化は遠のく
http://diamond.jp/articles/-/89154

2016-04-07

『ナチズムは社会主義、社会主義は全体主義』


ジョージ・リースマン『ナチズムは社会主義、社会主義は全体主義』
(George Reisman, Why Nazism Was Socialism and Why Socialism Is Totalitarian)

<解説>
ナチズムやファシズムは資本主義の一種、あるいは少なくとも資本主義を基本とした体制だと、よく主張される。しかしそれは誤りだと経済学者の著者は指摘する。

社会主義の定義は、「生産手段を政府が所有する経済体制」である。生産手段とは土地、原材料、機械など物の生産に使われるもののこと。社会主義では、衣食住をはじめとする生活手段は私有財産権が認められるが、生産手段は政府が所有・管理・運営するものとされる。

ナチスドイツでは、たしかに産業の大半は国有化されず、民間企業による所有が続けられた。これを根拠として、ナチズムは資本主義だという主張がなされる。しかし著者が指摘するとおり、生産手段の私有は名目だけで、実質は政府が所有権を握っていた。つまり実質的な社会主義だった。

興味深いのは、ナチズムの恐怖政治が生まれた経緯である。ナチス政権は公共事業、補助金、再軍備に充てる資金を捻出するため、通貨供給量を膨らませた。その結果招いた物価高を抑えるため、物価統制を敷いた。

物価統制が効果を発揮するには、抜け道である闇取引を防がなければならない。それには闇取引に厳しい罰を科すとともに、闇取引を見つけるため多数のスパイや情報提供者を育て、雇わなければならない。監視と厳罰が一体となった恐怖政治の誕生である。

また、物価高を封じ込めるため、政府が物の生産に介入する度合いが強まり、やがて生産手段を実質国有化するに至る。事実上の社会主義である。

ナチズムによる恐怖政治の起源は意外なことに、政府を批判する言論・表現を取り締まるという政治的動機よりむしろ、物価統制という経済的動機だったわけである。言い換えれば、物価高をもたらすインフレ政策は、物価をコントロールできなくなった瞬間、恐怖政治やファシズムに突き進む危険をはらむ。それが歴史の教訓である。

<抜粋>
ナチスドイツは社会主義国家であり、資本主義国家ではなかった。社会主義(生産手段を政府が所有する経済制度)が権力を維持するには、全体主義的な独裁が必要である。
"My purpose today is to make just two main points: To show why Nazi Germany was a socialist state, not a capitalist one. And to show why socialism, understood as an economic system based on government ownership of the means of production, requires a totalitarian
dictatorship in order to remain in power."

ナチスドイツが資本主義だったという主張の根拠は、産業の大半が民間の手に残されたように見えたことにある。〔しかし〕生産手段の私有は名目だけで、実質は政府が握っていた。
"The basis of the claim that Nazi Germany was capitalist was the fact that most industries in Nazi Germany appeared to be left in private hands. What Mises identified was that private ownership of the means of production existed in name only under the Nazis and that the actual substance of ownership of the means of production resided in the German government."

ナチス政権は通貨供給量を膨らませ、政府支出の急増をまかなった。支出先は公共事業、補助金、再軍備である。通貨膨張がもたらした物価高を受け、物価・賃金を統制した。
"The Nazi regime inflated the money supply as the means of financing the vast increase in government spending required by its programs of public works, subsidies, and rearmament. The price and wage controls were imposed in response to the rise in prices that began to result from the inflation."

〔物価統制のためには〕政府は闇取引を脅かさなければならない。国民を恐れさせ、闇取引に手を出すと警察に見つかり、投獄されると思わせなければならない。そのような恐怖をつくりだすには、政府は大勢のスパイや情報屋を育てなければならない。
"The government has to make it actually dangerous to conduct black-market transactions. It has to make people fear that in conducting such a transaction they might somehow be discovered by the police, and actually end up in jail. In order to create such fear, the
government must develop an army of spies and secret informers."

社会主義は恐怖政治なくして長続きしない。恐怖政治が和らぐとたちまち、支配者に憎悪と敵対心が頭をもたげるのは当然である。
"Socialism cannot be ruled for very long except by terror. As soon as the terror is relaxed, resentment and hostility logically begin to well up against the rulers."

社会主義国の恐怖政治は、スターリンのような単なる悪人のしわざではない。社会主義制度の本質が生み出したものである。
"The inescapable inference to be drawn is that the terror actually experienced in the socialist countries was not simply the work of evil men, such as Stalin, but springs from the nature of the socialist system. "

北欧社会民主主義国の経済制度は、干渉された経済である。米国に比べ重要な分野で政府の干渉が強いけれども、本質は変わらない。生産・経済活動を牽引するのは、政府の命令ではなく、利潤に動機づけられた民間所有者である。
"Their actual economic system is that of a hampered market economy, as Mises termed it. While more hampered than our own in important respects, their economic system is essentially similar to our own, in that the characteristic driving force of production and economic activity is not government decree but the initiative of private owners
motivated by the prospect of private profit."

共産主義政府は凶器を帯びた強盗である。必要とあれば人殺しも辞さない。社会民主主義政府はスリである。でかい獲物をいただくとは言うけれど、殺しはしたくない。だから国民に少しでも反逆の兆しがあると、あきらめる。
"The Communists were and are willing to apply such force, as evidenced in Soviet Russia. Their character is that of armed robbers prepared to commit murder if that is what is necessary to carry out their robbery. The character of the Social Democrats in contrast is more like that of pickpockets, who may talk of pulling the big job someday, but who in fact are unwilling to do the killing that would be required, and so give up at the slightest sign of serious resistance."

2016-04-06

資本主義の衰退?

# 「欲望の飽和」「投資機会枯渇」「過剰生産」「格差」……。昔から何度も唱えられ、外れた資本主義限界説。政府の失敗を市場に押しつけ、さらに介入を強めるための常套句。
--経済の混迷は「資本主義の衰退」なのか?
https://zuuonline.com/archives/102014

# 昭和30年代から進歩のない電力系統。民間投資のインセンティブが働かない送電インフラ。時間の止まったような業界に、真の自由化はまだ訪れず。
--電力自由化の盲点 再生エネルギー送れぬ送電網
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO99052300Q6A330C1000000/

# 外国人旅行客が大勢来るなら緩めても構わない規制って、そもそもやる意味あったんでしょうか。
--“大きなホテル可能に” 容積率の規制を緩和へ
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160404/k10010466961000.html

# 煩雑な予約受付をIT化し、もてなしに集中。機械は人間の仕事を奪う代わりに、幸せをもたらします。
--月商1000万円を達成した寿司店の秘密
http://diamond.jp/articles/-/88601

# 浮いた人材・資金で別の事業を強化するか、技術革新の力で復活を遂げるか。資本主義ならどちらの選択肢も可能です。資本主義は好きではないかもしれないけれど、がんばれ。
--岩波書店「文学」、年内で休刊…「部数減少」
http://www.yomiuri.co.jp/culture/20160403-OYT1T50101.html

2016-04-05

核兵器と財政危機

# まったく抑止力になっていないのに膨大な費用がかかる戦術的核爆弾。金食い虫の核兵器、米財政を破綻へと導く。核軍縮は政治交渉ではなく、市場原理によって実現されるかも。
--オバマ大統領が核軍縮のため今やるべきこと
http://toyokeizai.net/articles/-/112186

# 安倍首相「ドイツに財政出動させるにはどうすれば」。クルーグマン氏「環境対策ならやるかも」。堅実な人に財布のヒモを緩めさせるための悪だくみ。
--クルーグマン氏が明かした安倍首相との“オフレコ議論”の「真相」
http://www.zakzak.co.jp/smp/society/domestic/news/20160402/dms1604021530004-s1.htm

# 自腹を切らずにすむならば、タクシー代わりなどよけいな需要まで増えるのは経済学的に当然。市場原理を否定する官製福祉は、本当に困った人を助けられません。
--救急車の出動 6年連続過去最多 必要ないケースも
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160403/k10010466131000.html

# お払い箱の馬を安値で買い取り、多くの名馬を産ませることに成功。すぐれた企業家とは、大多数には見えない価値を見抜くことのできる人。
--イギリスに「国家的な損失」を与えた買い物上手な日本人たちとは
http://biz-journal.jp/gj/2016/04/post_166.html

# 給料に不満があるなら事業を起こせばよい、お金は他人の役に立った対価として支払われるもの--。例によって言い方はあれだけど、中身は正論。
--ホリエモンが「給料引き上げ」要求の京大教授に「こいつバカか」!
http://biz-journal.jp/gj/2016/04/post_163.html

2016-04-04

国歌斉唱と個人の自立

# 「一人一人の自立した個人」をうたう安倍内閣の2013年閣議決定。しかしただ命令に従って旗を拝み、歌を歌えという指導を通じて、そんな個人を養成しうるのか。笹沼教授の正しい指摘。
--国立大学での国旗掲揚・国歌斉唱の強制がなぜ憲法問題なのか
http://synodos.jp/politics/16580

# 経済の惨状を目の当たりにして、首相はなぜ、自身の経済政策を見直そうとしないのか、不思議でならないとエコノミストの筆者。安倍さんはおそらくこう答えるでしょう。「経済学的には君が正しいかもしれない。でもこれは政治なんだよ」
--戦略なき浪費内閣が閉ざす財政健全化の道(高橋乗宣)
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/178415/

# 米国との同盟がアジア太平洋地域を平和にしたと大統領。しかし米国と同盟国が推し進めた中東軍事介入は、中東に悲惨な戦火を、欧州に深刻な難民問題をもたらしました。あれは明日の日本とアジアの姿かもしれません。
--オバマ大統領、トランプ氏の"日韓の核保有容認"発言を批判「世界を分かってない」
http://www.huffingtonpost.jp/2016/04/02/obama-criticized-trump_n_9599422.html

# 海外資産の報告を強制。絵画や宝石を含む全財産の内容明記を義務付け。亡国の金持ちいじめ。
--日本の「富裕層」選定基準は何か
http://diamond.jp/articles/-/87562

# BSEによる牛丼販売中止で活躍したリリーフ、満を持して再登板。武器は小細工なしの安値追求。
--吉野家、約4半年ぶりに「豚丼」復活
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1603/30/news087.html

2016-04-03

辻田真佐憲『ふしぎな君が代』


近代国家の呪縛

国歌であるはずの「君が代」の意味や歴史について、日本人は無関心であり、あやふやな知識しかないと著者は指摘する。これではいくら議論をしても空回りするばかりだろう。そこで著者は、「君が代」の意味と歴史を丹念に調べ、整理する。するとそこから、多くの興味深い事実が浮かび上がる。

たとえば「君が代」の「君」の意味である。日本ではしばしば、「君」が昔から「天皇」の意味だったと証明しようと躍起になっている人たちがいる。そうしなければ、「君が代」の権威が傷つくと恐れるかのように。一方で、もともと「君」が「天皇」を意味しないという事実を指摘することで、現在の国歌「君が代」の正統性をも否定できると考えている人たちもいる。

これに対し著者は、「両者ともやや視野が狭いのではないか」と批判する。事実をいえば、「君」とはもともと、「あなた」という意味であり、千年近く前からあった古歌「君が代」は、「あなたの健康長寿を祈る」という意味のおめでたい歌として、江戸時代に至るまで日本文化に根づいていた。「あなた」が天皇、将軍、大名など統治者の場合、その治世が長く続くことを祈る歌にもなりうる。それが明治時代になって国歌に選ばれたときに、「天皇」のみを讃える歌へと変貌したのである。

著者は、「君が代」には軍国主義や植民地支配に利用された負の歴史があることを認識したうえで、ナショナリズムやイデオロギーの影響がなく、伝統文化に裏打ちされたこの歌を評価し、国歌の取り替えは現実的でないと考える。

そのうえで著者は、「君が代」を「歌う国歌」から「聴く国歌」に変えることを提案する。「歌う」という行為は、強制されたときの屈辱感や抑圧感が強い。これに比べ、「聴く」という行為は、一分程度であれば、強制されてもそれほど強い抑圧感はもたらさない。我々は、「国民は全員国歌を歌うべきだ」という近代化の呪縛からそろそろ逃れるべきだ、と著者は強調する。

穏当な提案だと思う。しかしおそらく著者が考える以上に、ラディカルな提案でもある。なぜなら国家はまさしく、屈辱感や抑圧感を伴う強制に文句を言わない、従順な国民をつくる一手段として、国歌をとらえていると考えられるからだ。課税や経済規制をはじめ、近代国家は国民への広汎な強制なしに成り立たない。「歌う」から「聴く」への転換は、著者の想定を超えて、国家という呪縛を解く第一歩になりうる。

<抜粋とコメント>
"古歌「君が代」は、「あなたの健康長寿を祈る歌」と理解することができるだろう。「あなた」が天皇、将軍、大名など統治者の場合、その治世が長く続くことを祈る歌にもなりうる"
# 「君」の二重の意味。

"国民の敵愾心が燃え上がっている今こそ、国歌を作り普及させる千載一遇のチャンス"
# 血なまぐさい歌詞の仏国歌「ラ・マルセイエーズ」は、フランス革命の最中に誕生。日本でも日露戦争時に一時同様の機運。

"「君が代」のアレンジは、海軍軍楽隊の吉本光蔵や、プッチーニもやっていることで何の問題もない"
# 忌野清志郎によるパンク調アレンジを非難した人々の無知。

"先進国の多くでは国歌斉唱は強制されていない…。日本の文部科学省は、どうやら中国や韓国の事例に倣おうとしているようだ"
# 中国・韓国を笑う右派が、国家斉唱では同じ政策を支持する皮肉。

"北朝鮮さえ、単に人民を無理やり歌わせればよいなどと乱暴なことはいっていない"
# 金日正いわく、歌を無理やり押しつけると反発を招くので、できるだけ優れた音楽を提供するよう工夫しなければならない。

*アマゾンレビューにも投稿。

2016-04-02

O157の謎

# 集会・デモの禁止や令状なしの家宅捜索ができないと悔しがる、社会党政権。本当は人権抑圧が大好きな左翼。
--非常事態宣言の明文化などの憲法改正 仏政権が断念
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160330/k10010462441000.html

# 食中毒後遺症で20年後の犠牲者が出た、大腸菌O157。発生原因につきまとう謎。「研究室から外部に漏れ出した」「生物兵器的な存在として強毒化された」との説も。
--子育ての医学情報 | 小学館 おやこページ DAKKO
http://dakko.jp/medicine_info/20110708/index.html

# 政治のさじ加減で保育士の賃金水準が決まる限り、需要を反映した適切な賃金は無理。適切な価格は市場取引を通してしかわからないから。
--待機児童緊急対策、なぜこうも的外れなのか
http://toyokeizai.net/articles/-/111765

# 家具で脱低価格に挑みつつ、ニトスキこと476円のスキレット(鋳鉄製フライパン)がヒット。利潤とは搾取ではなく、大衆奉仕のバロメーター。
--ニトリ、前人未踏の「30年連続増益」に挑む
http://toyokeizai.net/articles/-/111694

# 石油業界のリーダー、英国へ去る。人材流出で自分の首を絞める強欲な政府。
--カナダ税金引き上げで逃げ出す富豪たち
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/160331/mcb1603310500002-n1.htm

2016-04-01

脱デフレの優等生?

# 脱デフレの優等生として、政府が表彰したらどうでしょう。たとえ消費者はブーイングでも。
--塩・アイス・コーヒー...4月から値上がりする主な商品
http://www.huffingtonpost.jp/2016/03/29/price-hike_n_9568056.html

# これまで他社に乗り換えるという意思表示ができなかった消費者。ようやく当たり前の姿に近づく日本の電力サービス。
--東電と関電等しか選べないという完全独占体制で、日本と国民が絶望的に失ってきたこと
http://biz-journal.jp/2016/03/post_14464.html

# 地域の事情を考慮しない画一的な行政。理想は民営化。せめて自治体に移管を。
--保育園問題、介護問題…なぜ政治家は、社会保障の「需給のズレ」を認識できないのか
http://diamond.jp/articles/-/88728

# 倒産の危機におびえる米国のタクシドライバーですら「お客の立場ならタクシーは使わないだろう」。日本のタクシーに迎え撃つ自信があるなら、反対デモなど起きないはず。
--日本では“白タク”サービスの事業化が難しいワケ
http://diamond.jp/articles/-/88508

# 2006年のミニバブルほどのブームにはならないのでは、との見立て。だとすれば多少の朗報。バブルは不健全な経済現象で、資源・人材の無駄遣いだからです。
--マイナス金利で「不動産バブル」はやって来るのか?
http://diamond.jp/articles/-/88727

2016-03-31

安全保障の能力

# 日本の安全を守ると政府。問題は鉄道や年金、郵便も満足に経営できないのに、その能力があるかどうかです。しかもよその政府と一緒に。
--安全保障関連法が施行 集団的自衛権、行使可能に
http://www.huffingtonpost.jp/2016/03/28/anpo-abe-start_n_9559304.html

# 昔の陸軍と海軍を思わせる、文科省と厚労省の縄張り根性。これで政府に安全保障が担えるのでしょうか。ましてや政府と政府の協力なんて。
--「保育園落ちた」の打開策“幼保一元化”はなぜ進まないか
http://diamond.jp/articles/-/88641

# 被疑者の人格を否定するような取り調べで自白を強いようとする警察。それをかばう裁判所。ブラック極まる官僚司法。
--だから冤罪はなくならない!警察の違法な取り調べを助長させる裁判所の「身内びいき」
http://biz-journal.jp/2016/03/post_14453.html

# 投資で絶対に避けなければならないのは「思考停止や盲信」。国が売る国債だから大丈夫などと信じないように。
--著名人推薦のオシャレな金融商品が破綻、一人7百万円の巨額損…だからあなたは騙される!
http://biz-journal.jp/2016/03/post_14446.html

#運転免許は不要に。自動車教習所にOBが天下る警察にインパクト大。
--交通事故の可能性解消へ…夜中に寝ながら移動も現実に 自動運転普及のインパクト
http://biz-journal.jp/2016/03/post_14447.html

2016-03-30

マイナス金利と財産権

# 当座預金にマイナス金利を課すのは、憲法上の財産権を侵害し、法的に疑義があるのではないか--。やっと国会質問でもただされた、重大な疑念。
--日銀は弾切れか、それとも限界はないのか
http://toyokeizai.net/articles/-/111195

# 減税のメリット⑴民間主導で持続的な経済成長を支える⑵裁量的な政府支出で資源配分を歪めない⑶増税を理由とした公的部門の肥大化を防ぐ--と正しい指摘。ならば「一時的」でなく恒久減税が筋です。
--「増税見送り」が妥当といえるこれだけの理由
http://toyokeizai.net/articles/-/111148

# それはなるでしょう。優秀な官僚の条件とは、1つでも多くの天下り先を作ることですから。
--社外取締役は「官僚」の天下り天国になるのか
http://toyokeizai.net/articles/-/111201

# 杜撰なコスト比較、露骨な議論誘導、議事録は作成せず…。県・市・商工会議所が結託してダメにする地方経済。
--ファンを置き去りにした、広島サッカースタジアム移転議論の内幕
http://diamond.jp/articles/-/88548

# THAADミサイルかイージスのほうがマシだが、それでも不十分と分析。結局外交に勝る道はなし。
--米パトリオットは北朝鮮のミサイルから日本を守ってはくれない
http://jp.sputniknews.com/opinion/20160328/1857829.html

2016-03-29

『恐怖による支配』(1)


政治の目的

他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認を柱とする安全保障関連法が3月29日午前零時、施行された。政府は「万が一に備え国民の命や暮らしを守る万全の態勢を敷くには、平和安全法制は必要不可欠なもの」(岸田文雄外相)と強調する。

問題は、果たして政府は「国民の命や暮らしを守る」組織として信頼できるかどうかである。たとえば政府は、公的年金の支給開始年齢を引き上げるという約束違反を繰り返している。しかし政府にいわせれば、支給開始年齢は国民と契約したものではない。だから反故にしても法的責任を問われない。

年金支給年齢すら守れないような政府が、「国民の命や暮らしを守る」ことができるとはとても思えない。同じ政府がやっている以上、公的年金保険料がグリーンピアに無駄遣いされる一方で、安全保障を名目とした予算だけはきちんと目的どおりに使用され、無駄遣いされないと考える合理的な理由はない。

政府は、老齢や病気に備えるには社会保障が欠かせないと宣伝してきた。同じように、「国民の命や暮らしを守る」ためには安全保障が必要だと、あらゆる手練手管を用いて国民に信じさせようとするだろう。H・L・メンケンがいうように、それが政治の目的だからである。

<抜粋>
臆病な人間は、荒海のような自由よりも穏やかな独裁を好む。(米大統領、ジェファーソン)
Timid men… prefer the calm of despotism to the tempestuous sea of liberty.

政治の目的とは、次々と果てしなく現れる怪物で大衆を怖がらせ、安全を求めさせることに尽きる。怪物のほとんどは張りぼてなのだが。(ジャーナリスト、H・L・メンケン)
The whole aim of practical politics is to keep the populace alarmed (and hence clamorous to be led to safety) by menacing it with an endless series of hobgoblins, most of them imaginary.

戦争は国家の健康である。(作家、ランドルフ・ボーン)
Throughout history, war has been a desirable tool for authoritarians. It is, in Randolph Bourne’s words, the “health of the state.”

国民に政治指導者を支持させるのはたやすい。君たちは攻撃されようとしていると告げる。平和主義者には愛国心がなく、国家を危険にさらしていると非難する。これだけでよい。(ナチスドイツの政治家・軍人、ゲーリング)
This was quickly dismissed by Göring: “Oh, that is all well and good, but, voice or no voice, the people can always be brought to the bidding of the leaders. That is easy. All you have to do is tell them they are being attacked and denounce the pacifists for lack of patriotism and exposing the country to danger. It works the same way in any country.”

政府の唯一の権力は、犯罪者を取り締まることだ。もし犯罪者が足りなければ、犯罪者を作る。なんでも罪にして、法を犯さずに暮らせないようにする。(作家、アイン・ランド)
All of this seems to fulfill a quote by Ayn Rand: There’s no way to rule innocent men. The only power government has is the power to crack down on criminals. Well, when there aren’t enough criminals, one makes them. One declares so many things to be a crime that it becomes impossible for men to live without breaking laws.

原著:Feardom: How Politicians Exploit Your Emotions and What You Can Do to Stop Them.

2016-03-28

国家は戦争を欲する(モリナリ)

仏経済学者、ギュスターヴ・ド=モリナリ(Gustave de Molinari)による1899年の著書『明日の社会』(The Society of Tomorrow: A Forecast of its Political and Economic Organization)より。

<解説>
未来のディストピアを描いた映画などで、政府機能が民営化され、警察や国防が大富豪の私利私欲を満たすために営まれる、といった設定がよくある。あたかも政府には私利私欲などないといわんばかりである。

しかしモリナリが指摘するとおり、政府にも私利私欲はある。政府も企業と同じく、生身の人間の集合だからである。政府を構成する支配階級は、一般人と同じく、あるいはそれ以上に、自分たちの欲望を満たすことに関心がある。

政府が欲望を満たす手段は、権力である。その権力を無制限に行使できる最大のチャンスは、戦争である。したがって政府には、戦争を引き起こすインセンティブ(誘因)がある。国民を戦争から守るという触れ込みとは裏腹に、政府は潜在的に戦争を欲している。

<抜粋>
あらゆる国家には支配階級と被支配階級がいる。支配階級は、自分たちの雇用を早く大幅に増やすことに関心がある。それが国家に害悪を及ぼすか、利益をもたらすかにかかわらず。
Every State includes a governing class and a governed class. The former is interested in the immediate multiplication of employments open to its members, whether these be harmful or useful to the State, and also desires to remunerate these officials at the best possible rate.

戦争状態は、被支配階級の生命と財産に無制限の権力を行使できることを意味し、支配階級は政府の雇用を思いのままに増やせるようになる。つまり、自分たちの雇用を増やせる。
A State of War, implying an unlimited power of disposition over the lives and goods of the majority, allows the governing class to increase State employments at will—that is, to increase its own sphere of employment.

政府雇用のかなりの部分を占めるのは、文明国家において破壊的行為を担う組織である。この組織は、敵国が力を増すたびごとに成長する。
 considerable portion of this sphere is found in the destructive apparatus of the civilised State—an organism which grows with every advance in the power of the rivals.

戦時になると、兵士は報酬が増え、より栄光に包まれ、昇進の望みが高まる。これらの利点は、耐え忍ばなければならない危険を補って余りある。
In time of war the soldier obtains an additional remuneration, more glory, and an increased hope of professional advancement, and these advantages more than compensate the risks which he is compelled to undergo.

戦争状態は支配層全体にとっても、軍隊を管理し指揮する政府職員にとっても、利益をもたらすのである。
In this way a State of War continues to be profitable both to the governing class as a whole, and to those officials who administer and officer the army.

原文:http://oll.libertyfund.org/quotes/384

2016-03-27

錬金術は不可能

# 中央銀行総裁をマエストロ(巨匠)と讃えた本もありました。科学が教えるところによれば、錬金術は不可能です。
--錬金術師から“薬剤師”へ 神通力が落ちた世界の中央銀行
http://diamond.jp/articles/-/88315

# 一歩間違えば人生を台無しにするような買い物を、国家が奨励する異常。借家が主流、買うなら現金だった戦前に回帰を。
--マイナス金利で住宅ローン10年固定は1%割れ!失敗しないための5つのポイント
http://diamond.jp/articles/-/88272

# 目新しい仕組みの名前だけ借りて、補助金にむらがる癒着企業と政治家・官僚。地方を衰えさせる日本の伝統芸。
--なぜ「海外事例の輸入」はうまくいかないのか | 地方創生のリアル
http://toyokeizai.net/articles/-/110759

# 周辺には住宅や飲食店、公園、結婚式場などができ、中学・高校も移転新築。ショッピングモールが生み出す、活力あるコンパクトシティー。
--ゆめタウン、佐賀「最大旗艦店」に託す新構想
http://toyokeizai.net/articles/-/110888

# 常連の顔を見た瞬間に注文を予想し、麺をゆで始めるとはすごい。高付加価値とは、高い値段のことではありません。
--「早い・旨い・安い」を地で行く日暮里の立ち食いそば屋は、ファンを“信者”にする!
http://diamond.jp/articles/-/88434

2016-03-26

偽物の保守

# 保守を標榜する政権が、青年の勤勉・倹約精神をくじく消費奨励。今の保守なんて所詮偽物。
--若年の低所得者層に商品券 政府が新たな消費刺激策 28年度補正予算案の目玉
http://www.sankei.com/economy/news/160324/ecn1603240002-n1.html

# 増税中止・減税は良い政策。公共事業は税金でやるから悪い政策。追加緩和はインフレ税だから悪い政策。
--増税スキップ・景気対策・追加緩和で日本経済は盤石になる
http://diamond.jp/articles/-/88382

# 企業預金引き出しが相次げば、銀行の資金繰りに悪影響も。安心安全とは正反対な異次元政策。
--企業預金、マイナス金利適用なら自社金庫や外債運用も
http://jp.reuters.com/article/angle-negative-rate-idJPKCN0WP2XM

# 政治的に正しい代替エネルギーには、補助金という蜜の匂い。たしかに有望かも。真の起業家だった初代石油王は、天国で何思う。
--ロックフェラー家基金が化石燃料への投資中止、石油株の保有解消
http://jp.reuters.com/article/rockefeller-divest-fossil-fuels-idJPKCN0WP2UP

# 住民がもし敗訴したら、税金で助けてもらえるのでしょうか。
--【高浜原発3・4号機】運転停止で関電社長「住民に損害賠償請求も」 弁護団は「完全な脅迫」
http://www.huffingtonpost.jp/2016/03/22/kanden-primary-cancer_n_9526506.html

2016-03-25

あとは野となれ

# 教授、そのすばらしい提言にぴったりな日本の言葉があります。「あとは野となれ山となれ」。
--「世界経済は弱さ蔓延、各国政府は収支気にせず財政出動を」クルーグマン教授
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/03/post-4744.php

# もはや手遅れか。アジアに近く市街地まで地下鉄5分の福岡空港をハブにしては。
--世界の空港を訪れて悟る、成田の「出遅れ感」
http://toyokeizai.net/articles/-/109963

# 善行をしたければ黙って寄付すれば済むこと。節税アドバイザーを雇う余裕のない中間層は、巻き添えにされていい迷惑。
--富裕層40人が知事あてに税率アップ署名
http://media.yucasee.jp/posts/index/14947

# 会見でオバマ大統領が親しく肩を抱くのを許さなかったカストロ弟。無理もない過去のいきさつ。
--キューバへの軍事侵略を計画しただけでなく、フィデル・カストロの暗殺を何度も試みた米支配層
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201603220000/

# さまざまな税を払ってようやく残った財産に、死を理由にまた課税。どんなホラー映画より怖い、どこまでも追いかけて来る政府という怪物。
--マイケル・ジャクソンの子供たち、巨額遺産を相続できない可能性も。
http://www.narinari.com/Nd/20160336771.html

2016-03-24

政府にテロ対策を任せても

# 経済学者ミーゼスいわく、すさまじい革命を起こしたければ、大衆の貯蓄を破壊する以上の手段はない。革命はすでに着々と実行されているのです。政府自身のインフレ政策によって。
--共産党の「暴力革命」不変 「破防法の対象」と政府答弁書
http://www.sankei.com/smp/politics/news/160322/plt1603220030-s.html

# 問題。政府にテロ対策を任せてもテロがなくならない場合、正しい選択はどちらか。⑴別の方法を考える。⑵政府の対策を強化し続ける。
--ブリュッセルの空港などで同時爆発、多数の死傷者
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/03/post-4738.php

# 問題。京都で文化が栄えた千年以上、京都に文化を保護する官庁はなかった。今後文化が栄えるにはどうしたらよいか。⑴文化を保護する官庁を誘致する。⑵誘致しない。
--文化庁移転の舞台裏
http://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/2016_0322.html

# 企業が短期志向を強めてけしからん? 3カ月先の金利もわからない世界で、長期の戦略を立てるなんて無理でしょう。
--先進国の民間投資回復には何が必要なのか
http://toyokeizai.net/articles/-/109351

# 金投資なんてダサい? 少なくともかつてハイパーインフレを経験した国は、そう思っていないようです。
--ドイツ、金準備の国外からの返還を加速
http://jp.sputniknews.com/us/20160320/1814364.html

2016-03-23

藤木久志『戦国の作法』


村という権力

本書を手に取った動機は、中世日本における庶民の自衛について知りたかったからである。黒澤明の映画『七人の侍』で描かれた、ひ弱な百姓たちの姿とは違い、中世の村は日常的に自前の武力を持ち、自立した武装の態勢をとっていた。期待どおり、本書ではその方面の知識を得ることができた。

しかし一番衝撃を受けた記述は、他にある。和解の手段として差し出される、身代わりにまつわる事実である。村はふだんから、いざというとき犠牲になりうる人間を養っていた。多くは浪人である。身代わりになるかどうかは明確な約束に基づいていたわけではないようで、本書には、老父が無理やり身代わりにされ処刑されたと村を告発する息子の話が出てくる。

村の上層部は老父に対し、「処刑を決めたのは領主で、思いとどまるよう取りなしたがダメだった。不運だと諦めてくれ」と見苦しく言い訳したうえ、「子孫まで末代」補償するとしていた証文を、いつの間にか「三人」(三代の意味か)に改竄していたという。

ここに見られるのは、現代と変わらぬ権力の本性である。権力者は祖国や共同体を守るためと称して、他人に生命・財産を差し出すよう求める。それが本人の意思に基づくものならよい。しかし強制は人間の尊厳を踏みにじるものである。

中世の村の自衛は、国家が防衛を独占した現代にとって貴重な示唆を与える。だが同時にそこには、現代国家と同じ血の匂いが立ち込めている。

<抜粋とコメント>
"中世の村は…村のために犠牲となるような存在を、それも正規の村落構成員の家(私的隷属)の外側に、日常的に村として扶養しておく態勢をとっていた。"
# 「ものぐさ太郎」のモデルは、このように養われた人とか。

"イザというとき、浪人たちが身代わりとなるのは、世話になった町の共同体に報いる、自発的な献身どころか、町のふだんの扶養と引き換えの、逃れられぬ運命"
# いくら養ってもらった恩があるとはいえ、見返りに命を取られてはたまらない。

"身代わりの犠牲の一人や二人出してでも、山のナワバリを武力で勝ち取るのが村のため…「牢人にて、親類もなき者」を犠牲にしたのは、紛れもなく村の共同謀議の結果"
# 村の侵掠戦争の罪を負わされ、身代わりに処刑された無実の戦犯。

"解死人として成敗(下手人として処刑)する、と決定したのは公方(領主)で、村では「その方のがれ候ように、(領主に)様ざまおことわり」したがだめだった、「不運だ」と諦めてくれ"
# 身代わりで処刑される浪人に、村は無責任な言いわけ。

"初め補償の約束に「子孫まで末代」にわたってと明記されていたのに、いつの間にか「末代」の文字が「三人」(三代の意味か)と改竄されている"
# 自分たちの身代わりで死ぬ浪人との約束を破り、補償を減らす村。

*アマゾンレビューにも投稿。

2016-03-22

『ミーゼス、貨幣とインフレーションを語る』


最悪の革命

ベッティーナ・ビエン・グリーヴス編『ミーゼス、貨幣とインフレーションを語る』(Ludwig von Mises on Money and Inflation)より。経済学者ルートヴィヒ・フォン・ミーゼスが1960年代に行った講義をまとめ、2010年に刊行。

昔から権力者の懐が寂しくなると、必ず頼る手段がある。カネづくりである。金貨ならば、金の含有量を減らす。金を裏付けとする兌換紙幣ならば、裏付けになる金を減らす。何の裏付けもない不換紙幣ならば、何はばかることなく刷りまくる。「豊かな社会にする」「安心できる社会にする」という大義名分を掲げて。

しかし社会を物質的に豊かにするのは、カネではない。衣食住をはじめとする物である。カネの量を増やしても、物の量を増やさなければ、物の値段が上がるだけである。これでは社会は豊かにならない。

そればかりではない。政府の操作で物価が上がる(カネの価値が下がる)と、人々が蓄えた貯蓄の価値が損なわれる。安心できる社会になるどころか、人々を不安に追いやる。勤勉・倹約の精神が破壊される。ミーゼスはこれを「すさまじい革命」と呼ぶ。最悪の革命はテロリストや過激派によって起こされるのではない。政府のインフレ政策によって日々推し進められているのである。

<抜粋>
お金の量を増やすと、増やした集団、人々、社会、王、皇帝は、とりあえずその場をしのぐことができる。
"The first rule, or the only rule which we have to teach to everybody in explaining the problems of money is that an increase in the quantity of money brings about for the group, for the people, for the society, for the king, for the emperor who does it, a temporary improvement of the situation."

お金の量を増やしても、お金で買える物の量を増やさなければ、物の値段が上がるだけである。
"And if you are increasing the quantity of money, and you are not increasing the quantity of things which can be bought with money, you are only increasing the prices which are paid for them."

税収が足りないけれど国民が嫌がるので増税はしたくない。そんなとき、多くの政府はこう言う。「紙幣を少し増やしましょう。たくさんではありません。ほんの少しですよ」
"Unfortunately we are living in a period in which many governments say, if we don’t have enough money for something and if we don’t want to tax people because the people don’t want to pay taxes for this purpose, then let us add a little bit, a little bit of paper money, not very much, just a little bit, you know."

通貨量の増大は、あらゆる段階で規制しなければならない。
"We have to realize that the increase in the quantity of money, the increase of those things which have the power to be used for monetary purposes, must be restricted at every point."

すさまじい革命を起こしたければ、大衆が預金や生命保険などの形で保有する貯蓄を破壊する以上に、よい手段はない。
"There is no better way to bring about a tremendous revolution than to destroy the savings of the masses which are invested in savings deposits, insurance policies, and so on."

通貨の破局は、通貨制度の完全な崩壊であるとは限らない。
"If you talk about a catastrophe of the money, you need not always have in mind a total breakdown of the currency system."

大幅なインフレと小幅なインフレの違いを誇張してはならない。小幅なインフレは、大幅なインフレと同じく、悪い影響をもたらす。
"But one should not exaggerate the difference in the effects brought about by the greater inflations as against the smaller inflations. The effects of the “smaller inflations” are also bad."

お金は市場経済において最も重要な要素である。お金を生み出したのは市場経済であり、政府ではない。
"Money is the most important factor in a market economy. Money was created by the market economy, not by the government."

政府がお金を破壊すれば、市場経済のきわめて重要な要素を破壊するだけでなく、人々が投資やもしもの備えとして蓄えた貯蓄を破壊する。つまり市場経済そのものを破壊することになる。
"If the government destroys the money, it not only destroys something of extreme importance for the system, the savings people have set aside to invest and to take care of themselves in some emergency; it also destroys the very system itself."

原著:Ludwig von Mises on Money and Inflation.

2016-03-21

許される核兵器

# 脱税指南の税理士を断罪。でも本気で取り締まったら、国税OBの税理士をわざわざ顧問に雇う企業は激減するでしょうね。
--国税局贈収賄、元税理士に懲役6年…大阪地裁
http://www.yomiuri.co.jp/osaka/news/20160318-OYO1T50015.html

# 一般市民に危害を及ぼさない核兵器なら、使っても国際法上問題ないでしょう。そんな核兵器があるならばですが。
--法制局長官、核使用「憲法ですべては禁止されていない」
http://www.asahi.com/articles/ASJ3L6229J3LUTFK016.html

# すでに事実上破綻している社会保障。政府も政府を非難する側も、その事実に目をふさいでいます。
--「日本死ね」と言われても「日本はもう死んでいる」のではなかろうか(宇佐美典也のブログ)
http://usami-noriya.blog.jp/archives/4728873.html

# もし中国の投資家の手に渡ったら? 「心配無用。ダムを解体して中国に再建することはできない」と下院委員長。ごもっとも。
--「欧州の給水塔」と呼ばれるスイスのダム、電力会社の経営難で売却か?
http://www.swissinfo.ch/jpn/%E3%82%B9%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%81%AE%E6%B0%B4%E5%8A%9B%E7%99%BA%E9%9B%BB%E6%89%80_-%E6%AC%A7%E5%B7%9E%E3%81%AE%E7%B5%A6%E6%B0%B4%E5%A1%94-%E3%81%A8%E5%91%BC%E3%81%B0%E3%82%8C%E3%82%8B%E3%82%B9%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%81%AE%E3%83%80%E3%83%A0-%E9%9B%BB%E5%8A%9B%E4%BC%9A%E7%A4%BE%E3%81%AE%E7%B5%8C%E5%96%B6%E9%9B%A3%E3%81%A7%E5%A3%B2%E5%8D%B4%E3%81%8B-/42031668

# 安全対策強化で買替需要が増大。でも規制特需だけではメーカーは本格増産に踏み切れず、価格は上昇。コスト増は結局利用者へ。
--規制強化に揺れるバス、受注増で抱える悩み
http://toyokeizai.net/articles/-/109145

2016-03-20

輪島裕介『創られた「日本の心」神話』



「演歌は日本の伝統」のウソ

自民、民主、公明など超党派の有志議員が、演歌や歌謡曲を支援する議員連盟を結成したという。産経新聞が「日本の伝統文化の演歌を絶やすな! 超党派『演歌議連』発足へ」という見出しで報じた。

しかし、伝統が「ある集団・社会において、歴史的に形成・蓄積され、世代をこえて受け継がれた精神的・文化的遺産や慣習」(大辞林)だとすれば、演歌を日本の伝統文化と呼ぶのは正しくない。本書はその事実を詳しい調査に基づき明らかにする。

たしかに、演歌という言葉そのものは、明治時代に生まれた古いものである。しかし本書によれば、本来の演歌とは自由民権運動の流れをくむ「歌による演説」であり、社会批判と風刺を旨とする「語り芸」だった。現在のように、演歌という言葉を「日本的」「伝統的」なレコード歌謡を指すために用いるようになったのは、昭和40年代(1960年代半ば)以降にすぎないという。

また本書によれば、演歌は「日本的」な要素のみで成り立っているものではない。森進一のしわがれ声はジャズの大御所ルイ・アームストロングを意識したものだし、都はるみの「唸り節」は驚くことに、ポップスの女王と呼ばれた弘田三枝子の歌唱法に由来するという。

もちろん、だから演歌はダメだと言いたいわけではない。考えるに、重要なのは、ある文化を守るという大義名分のために、誤った事実に基づく権威づけをしないことである。それは守ろうとしている文化そのものに対する誤解を広めることになる。

もう一つ大切なのは、日本文化を守るという名目で、外国文化の流入を妨げないことである。日本文化は私たちが想像する以上に、さまざまな外国文化を取り入れて豊かに実っている。偏狭なナショナリズムにとらわれて外国文化を排除すれば、日本文化はやがてやせ衰えてしまうだろう。

本書は、そうした示唆を与えてくれる好著である。

<抜粋とコメント>
"「演歌」という言葉を現在のように「日本的」または「伝統的」なレコード歌謡を指示するために用いるようになったのは、昭和四〇年代以降"
# 演歌は日本の心、日本の伝統という神話。

"《柔》と《悲しい酒》の二曲は古賀(政男〕と〔美空〕ひばりの「演歌」イメージを決定付け…彼らのモダンで明るい側面が見えにくくなってしまった"
# ひばりの初期ヒット曲《東京キッド》などには、ジャズやラテンの感覚が濃厚。

"「演歌」の歌唱法の一つの頂点ともいえる都はるみの極端な「唸り節」が、戦後のアメリカ音楽受容のひとつの到達点と〔いわれる〕弘田三枝子の歌唱技法に由来していることは、きわめて驚くべき事実"
# 「日本の心」はアメリカ文化が生んだ。

"青江〔三奈〕の歌唱スタイルや容貌は…ジャズ・シンガーのヘレン・メリルを思わせ…森進一のしわがれ声は…サッチモ(ルイ・アームストロング)を意識したもの"(『創られた「日本の心」神話』)
# アフリカから米国へ、米国から日本へ。

"藤圭子の〔1969年の〕デビュー時に喧伝された「不幸な生い立ち」や「暗さ」「怨念」のイメージは、〔「演歌」の発明者である作家〕五木〔寛之〕が…小説で描いた「少女歌手」のそれときわめて親和的"
# 偶像を演じ切った元祖アイドル。

*アマゾンレビューにも投稿。