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「反インフレ経済勉強会」開講のお知らせ

インフレは税の一種です。しかも普通の税よりも悪質な税です。ところが、この事実はよく理解されていません。それどころか、多少のインフレはむしろ良いことだという嘘が、現在主流の国家主義的な、誤った経済学(ケインズ経済学)や、そこから派生した極端な説 (MMT=現代貨幣理論など) によっ...

2024-09-07

良い政治という幻想

なんとも甘っちょろい。民主制とは「調整して制度を作っていく仕組み」ではなく、多数派が権力を握る仕組み。政治とは「話し合いで合意するための手段」ではなく、権力で人々の財産や自由を一方的に奪う手段。政治は悪。良い政治がありうるという幻想をふり撒くのはやめよう。
▼言葉を消費されて 「正義」に依存し個を捨てるリベラル 星野智幸:朝日新聞デジタル [LINK]
齋藤氏は企業の「市民営化」を提案する。企業の大株主から経営者やその一族を排除し、従業員や地域住民に株を持たせるという。やってみればいい。経営判断でプロの発言権が弱まれば、会社は競争に敗れて最悪倒産する。従業員は路頭に迷ううえ、買った株の価値はゼロになる。
▼齋藤幸平が語る、資本主義の矛盾と新システムの必要性〜資本主義の限界を理解することが第一歩〜 | 100年企業戦略オンライン [LINK]

低所得者の食費にまで課される消費税の軽減には賛成。けれど低所得者を苦しめる税は消費税だけではない。法人税は消費者などが実質負担するし、富裕層への累進課税は生産活動への投資を減らし物価高につながる。英国でも日本でも官営福祉を廃止し、あらゆる税の縮小・撤廃を。
▼「低所得者から徴収する消費税 憲法の生存権の保障に抵触するのでは?」ブレイディみかこ(AERA dot.) - Yahoo!ニュース [LINK]

「大学はタダであるべきだ」と白石氏。「大学には国家や経済とは違う無償性の論理がある」という。教員の給与はどうするのだろう。もし全員無償にするというなら見上げたものだ。もし税金で賄うのなら、国家の「論理に支配されない」どころか、国家に取り込まれることになる。
▼「大学はタダであるべきだ」 国家や経済の支配に立ち向かうために:朝日新聞デジタル [LINK]

「デフレに戻るおそれがあるから」脱却宣言は出せないと政府。無邪気なリフレ派以外、こうなることはわかっていた。あらゆる政策は政治の産物で、金融政策はその最たるもの。国債頼みでバラマキを続けたい政治家は、庶民が物価高で苦しもうと、異常な低金利が終わっては困る。
▼「デフレ脱却」宣言、出せないまま アベノミクス的政策いつまで?:朝日新聞デジタル [LINK]

2024-09-06

時代遅れの公立学校

公立学校は長い間、情報化時代の流れについていけず、思想と暴力の両方から生徒の安全を守ることができず、無能に運営される政府の教育制度という、時代遅れのモデルだ。在宅教育は、親の自主性と責任の行使を意味するだけでなく、破綻したモデルから救うチャンスを提供する。
The Problem with Trump’s Agenda 47 for Homeschoolers | Mises Institute [LINK]
在宅教育に対するマスコミの見方は、「脅威」の一語に集約できる。なぜなら、すべての子供はあらゆることに関して、政府が承認した物語や教義を学び、身につけるべきだからである。政府による教育とは、子供を忠実な臣民として形成するための課程なのだ。
What the Media Says about Homeschooling | Mises Institute [LINK]

米国では連邦や州の官僚や職員の複数、あるいは過半数が民主党員である。官僚は研究助成金を支給し、資金提供を支配する。大学の収入の行き先は結局左翼の官僚だ。大学当局は思想的に左翼でなくても、自身の存在を正当化できるような政策や研究を推し進めるよう奨励される。
Bureaucracy: The Death Knell of Higher Education | Mises Institute [LINK]

米国の大学では左派の教授の数が右派の教授を5対1で上回る。保守的で有能な教授を差別し、保守的な消費者(学生)を排除するのはコストがかかる。政府の介入がなければ、ほとんどの大学は、ビジネス上の判断として不適切であると認識し、すべての顧客に対応するだろう。
It Is Time to Treat Higher Education as the Business It Is | Mises Institute [LINK]

大学は公的な教育機関から、意識が高い「ウォーキズム」という心のウイルスを生み出すイデオロギーの温床へと堕落している。しかし現代のリバタリアンには楽観的になるだけの理由がある。他の領域と同様に、民間主導の大学教育が政府に対抗し始めているからだ。
A Review of Nock'sThe Theory of Education in the United States | Mises Institute [LINK]

2024-09-05

核戦争という現実

米政治学者ミアシャイマーら現実主義者がいうように、敵対する大国(ロシア)が核兵器で徹底的に武装し、自分たちを狙っている場合、非常に注意深く対処しなければならない。その大国を絶望的な状況に追い込んではならない。核兵器が使用される合理的な可能性があるからだ。
Russia Updating Nuclear Weapon Doctrine Due To Western 'Escalation' Of Ukraine War - The Ron Paul Institute for Peace & Prosperity [LINK]
何世紀にもわたり、ロシアは西側から攻撃されてきた。最近ではナポレオンとヒトラーによってである。当然ロシア人はこの血塗られた歴史に敏感だ。CIA長官らはこのことをよく考えたのだろうか。NATOがロシアに侵攻すれば、プーチンは折れるとでも想像したのだろうか。
The Western Way of War – Owning the Narrative Trumps Reality - The Ron Paul Institute for Peace & Prosperity [LINK]

ガザ保健省によれば、過去10カ月に米国の支援を受けたイスラエルによるガザ攻撃で、1万6000人以上の子供を含む少なくとも4万435人が死亡した。これには瓦礫の下で死亡したと推定される1万人を含まない。インフラ破壊により間接的な原因でさらに多くが死亡した可能性がある。
Israel Says US Has Delivered 50,000 Tons of Military Aid Since Start of Gaza Slaughter - The Ron Paul Institute for Peace & Prosperity [LINK]

経済学者ジェフリー・サックス教授によれば、イスラエルは今や完全な無法国家だ。中東での戦争を誘発するために何でもやっており、これは米国民が望んでいることではない。同教授は多くのインタビューで、米国はガザ地区で今も続く「大量虐殺に加担している」と語っている。
US Calls For Ceasefire But Keeps Supporting War - The Ron Paul Institute for Peace & Prosperity [LINK]

思想家トマス・ペインが警告したように、敵を罰しようとする情熱は自由にとって危険であり、罰する側の自由さえも危険にさらす。自分の自由を安全にしたいなら、敵であっても抑圧から守らなければならない。この義務に違反すれば、自分自身に及ぶ前例を作ることになる。
Searching for Monsters - The Ron Paul Institute for Peace & Prosperity [LINK]

2024-09-04

排除する権利を守れ

排除する権利は何かのおまけではない。文明の機能にとって核心をなす。企業が人を雇うとき、採用される人とされない人がいる。その他ほとんどすべての団体も同じだ。誰もが排除する権利を行使する。もしこの権利が否定されたら、代わりに何が起こるか。政府による強制である。
Freedom of Association | Mises Institute [LINK]
暴君が権力を得る典型的な方法は、大衆に憎むべき人物を与えることだ。嫉妬を助長することは、左派が企業を支配する効果的な戦略だ。経営トップが稼ぐ金額は関係ない。もしそうなら、左派は何百万ドルも稼ぐハリウッド俳優やスポーツスターに対する嫉妬を助長しているはずだ。
The Politics of Envy - LewRockwell [LINK]

公立学校の学費が安く見えるのは、その費用が税によって全国民に分散されるのに対し、私立学校の費用はそこに通う生徒のいる家庭だけが負担するからだ。公立学校と義務教育法を廃止し、すべて市場提供型の教育に置き換えれば、半額でより良い学校が手に入り、より自由になる。
What If Public Schools Were Abolished? | Mises Institute [LINK]

南北戦争前の米南部では、奴隷制は邪悪な制度であり、平和な進化を通じて黒人は教育され、自由な住民の地位を得られるという意見が支配的だった。だがその展開は、北部による流血の奴隷反乱の扇動と、南部人を悪として描く奴隷廃止論者のプロパガンダのために終わりを告げた。
The War Against the South - LewRockwell [LINK]

CIAは創設以来、数多くの暗殺計画に関与してきた。有名なのはキューバのカストロ殺害の度重なる試みだ。フォード大統領は大統領令で暗殺を禁じたが、CIAは新たな名目で殺害を続けた。リビアのカダフィ、セルビアのミロシェビッチ、イラクのフセインを空爆で殺害しようとした。
The CIA’s assassination plots | Mises Institute [LINK]

2024-09-02

ESGは環境を改善しない

ESGは環境への配慮や社会的原因を改善しない。経済成長が環境への配慮を可能にする。基本ニーズを満たせるようになって初めて、周囲に配慮する余裕が生まれる。ロンドンで大気汚染は工業化により初め増加したが、結局減少し、1700年に初めて測定されたときよりも低くなった。
ESG Undermines Social Welfare | Mises Institute [LINK]
生きるのがやっとの人々は、環境のことなど気にも留めない。しかしある一定の生活水準に達すると、こうした高次の財に関心を持ち始める。人々が清潔で魅力的な環境を維持するためにお金を使うことをいとわなくなれば、こうしたサービスを得るための外的障壁はなくなるはずだ。
An Austrian contribution to the praxeology of nature conservation | Mises Institute [LINK]

脱成長は環境持続可能性への道だといわれるが、自由市場経済が生み出す技術革新は、化石燃料や石炭への依存を小さくする。市場に基づく革新がなければ、脱成長活動家が非難するエネルギー源に代わるものは生まれない。成長率の低下は、気候変動適応技術に投資する能力を奪う。
The degrowth movement is antihuman, and its advocates are fine with that | Mises Institute [LINK]

環境保護主義者は、各国政府が化石燃料から人々を強制的に引き離すことを強く望んでいる。しかし、そのような野望は空想の域を出ることはないだろう。太陽光発電や風力発電のような再生可能エネルギーは、現在の開発レベルでは世界の人口を支えることはできない。
Banning Fossil Fuels Will Make Heat Waves More Dangerous, Not Less | Mises Institute [LINK]

地球の1次エネルギー消費の85%は、化石燃料から直接来ている。気候変動、ネットゼロ目標、化石燃料依存の引き下げ、クリーンな再生可能エネルギーについて、信念を語るがいい。政府の資金を投入するがいい。公共の場で説教するがいい。だが事実は変わらない。変えられない。
Climate Worries Are Non-Credible, Luxury Beliefs That Harm Civilization Itself | Mises Institute [LINK]

2024-09-01

秩父事件はなぜ起きたのか

1884(明治17)年11月、「困民党」と呼ばれた埼玉県・秩父地方の農民たちが、借金の10年据え置きと40年賦返済、学校費軽減のための3年間の休校や減税などを求めて蜂起し、郡役所、裁判所、警察署などを襲撃し、高利貸しに放火するなどした。秩父事件である。

秩父事件: 圧制ヲ変ジテ自由ノ世界ヲ

蜂起の発端となったのは秩父地方だったが、群馬県や長野県にまで広がる。鎮圧には警察だけでなく、憲兵隊や高崎鎮台兵が出動した。農民の一部は軍隊と交戦して、30人以上が死亡したとされる。検挙者は埼玉県で約3500人、群馬県で約300人、長野県で約600人という。広域にわたる大規模な事件だった。秩父事件はなぜ起こったのだろう。

秩父事件の背景の一つには、高揚期に達していた自由民権運動の影響がある。

1881(明治14)年、開拓使官有物払い下げ事件で民権運動による政府批判が強まり、国会開設をめぐる政府内の対立も激化した。その結果、大隈重信が下野し(明治14年の政変)、国会開設の勅諭が出されて10年後に国会が開かれることになった。

民権運動派は国会開設に向け、政党の結成に動く。板垣退助を中心とする自由党、下野した大隈重信を中心とする立憲改進党などが結成された。しかし改正集会条例で政治結社の支部の設置が禁じられており、全国的な組織づくりが困難だった。さらに政府は自らの主導権で憲法を制定するため、伊藤博文を欧州に派遣し、その一方で、板垣退助を外遊させるなどして自由党の切り崩しを図った。党内でも対立があり、自由党は解散するに至る。秩父事件の直前のことだ。

党の中核を失い、方向性が定まらないなか、福島事件、高田事件、群馬事件、加波山事件など、自由党が何らかの形で関わった激化事件が頻発した。秩父事件も、その一つに位置づけられてきた。しかし他の激化事件より規模がはるかに大きいうえ、異なる特徴をもつ。

特徴の一つは、秩父の蜂起勢の指導部には博徒(博打打ち)がいたことだ。自由党員の井上伝蔵、落合寅市、高岸善吉らのうち落合、高岸は博徒でもあり、その親分にあたる加藤織平も蜂起勢の幹部となっている。最高指導者の田代栄作も博徒だった。蜂起には農民、自由党員、博徒といった多様な人々が参加していたのである。

日記や裁判記録などには、次のような農民の言葉が書かれている。「圧政を変じて良政に改め、自由の世界として人民を安楽ならしむべし」「恐れながら天朝様へ敵対するから加勢しろ」「総理板垣公の命令を受け、天下の政事を直し、人民を自由ならしめんと欲し、諸民のために兵を起こす」

これらの言葉からは、明治政府の圧制を改め、自由で安心して暮らせる政治を実現するのだという強固な思いが読み取れる。事件は全国各地の新聞のほか、ロンドンで発行されていた「ベルギー独立」紙、フランスの「ルタン」(現「ルモンド」)紙にまで報道された。

秩父事件のもう一つの重要な背景は、松方デフレだ。

1877(明治10)年に西郷隆盛を擁して士族が起こした西南戦争は、明治の士族反乱として最大規模のものだった。西郷軍の総兵力は約3万人であり、これに対して政府は約6万人の兵力を投入した。整ったばかりの徴兵制による軍隊だけでなく、軍夫も雇い、戦費は4200万円もの莫大な額になった。政府はその多くを、不換紙幣を増発することで賄った。

その影響は2~3年後に激しいインフレとなって現れた。市場に出回る紙幣が多くなったために、物価が急激に高騰したのである。この事態に対応するため、大蔵卿の松方正義は、不換紙幣の消却を急速に進めた。一言でいえば、デフレ政策である。これはインフレの害を静めるためにやむをえない措置だが、痛みを伴った。

政府は一方で、増税にも踏み切った。これは朝鮮半島での壬午軍乱(反日的クーデター)をきっかけに始まった、清国との交戦を念頭においた軍備拡張計画の財源でもあった。内務卿の山県有朋は軍備拡張の必要性を説き、たばこ・酒類などに課税することによって経費を生み出すと述べた。そして、増税の令を一度発すれば、増税反対が起こることは承知のうえだが、それには弾圧をもって臨むといった。

増税となったのは、地租以外の「雑税」だった。雑税の合計額は1879年が21万9975円、1884年が45万4619円と5年間で倍増した。税額のうち最も額が大きいのが酒税、次いで各種印紙税、車税、たばこ税などと続く。地方税も増加の一途をたどった。地方税とは県税で、地租割、戸数割、営業税、雑種税だ。地方税は5年間で1.9倍になった。とくに営業税の伸びが顕著だった(秩父事件研究顕彰協議会編『秩父事件』)。

折からの世界的な不景気の影響もあり、増税とデフレ政策によって多くの農家が深刻なダメージを受けた。租税が納められず、滞納によって強制処分を受けた農民は36万人にものぼり、やむなく競売にかけられた土地は4万7000歩にもなった(藤野裕子『民衆暴力』)。

松方デフレによるダメージがとくに大きかったといわれるのは、養蚕地帯だ。秩父事件に参加した地域は養蚕地帯だった。

幕末の開港によって生糸の輸出が増加したため、この地域は養蚕・製糸業に重点を移すことで農家の経営を発展させていった。生糸価格は下落しても一時的だった。収益性が高かったため、高利貸し(個人だけでなく、銀行・企業など)から高い利息で借金をしても、通常であればそれ以上の利益を得て返済できた。

しかし今回の急激なインフレとデフレは、政府の政策によってつくり出されたものだ。強気になって借金をしすぎた農家に自業自得の面はあるものの、激しいインフレを生み出し、経営判断を惑わせた政府の責任は軽くない。

借金を10年据え置きにし、40年かけて返済するという要求は、現在の感覚からすると、かなり法外な要求にも思える。だがこの要求の背景には、貧窮に陥った際に温情的な措置を施す、現在の金融とは異なる負債整理の伝統的な慣行があったと指摘されている。

事件後、憲兵隊と警察隊は各村々に入り、参加者を逮捕しつつ自首を強要していった。警察の厳しい尋問を経て、裁判は事件の中心人物らを死刑、懲役、禁固の刑に処し、多くの人々を罰金・科料とし、彼らを「暴徒」として断罪した。そのため事件参加者の遺族や子孫の多くは、事件に口を閉ざして生きてきた。近年に至り、ようやく名誉回復が進んでいる。

秩父事件を起こしたのは、インフレや増税など明治政府の誤った政策が招いた生活苦だった。蜂起した人々が夢見た、圧制のない、自由で安心して暮らせる社会は、今も庶民の理想であり続けている。

<参考文献>
  • 松沢裕作『自由民権運動 〈デモクラシー〉の夢と挫折』岩波新書、2016年
  • 藤野裕子『民衆暴力 一揆・暴動・虐殺の日本近代』中公新書、2020年
  • 秩父事件研究顕彰協議会編『秩父事件 圧制ヲ変ジテ自由ノ世界ヲ』新日本出版社、2004年

2024-08-31

権力とリバタリアン

ミレイ・アルゼンチン大統領は改革を推進するため、自らの権力を強めるよう求めている。これは気がかりだ。憲法上、可能かどうかあいまいだし、自称リバタリアンが制度上の制約を増やすのではなく、むしろ減らすよう主張するのは、多くの人にとって奇妙なことだ。
Javier Milei and Argentina's Economic Challenge | Mises Institute [LINK]
資本家に不公平な富を与えているのは、労働者からの剰余価値の搾取ではない。政府の経済支援策によって流れ込み続けるタダの金だ。マルクスは市場経済が問題だとし、解決するために政府の介入を求めた。介入政策は、皮肉にもマルクス主義が非難する不平等を永続させる。
How Corporate Bailouts Inflate the Money Supply | Mises Institute [LINK]

インフレと景気循環は必然ではなく、政策の選択である。インフレは終わりのない戦争に資金を提供する。インフレは政府が自分たちの政策にコストがかかっていないように見せるための簡単なトリックだ。その代償は、コスト上昇と市民社会の破壊という形で隠されている。
What Was Missing at NatCon 2024 | Mises Institute [LINK]

各国の不換紙幣を統合しても、より良い、信頼できる、倫理的に健全な通貨は生まれない。むしろさらに悪いものを生み出す。ユーロという創造物を何としても維持しようとする試みは、ユーロをさらに邪悪なものにするだけだ。それがもたらす損害は、ユーロ圏の人々を破滅させる。
The Euro Is a Frankenstein-Currency | Mises Institute [LINK]

財はそれが最も役立つ民間部門にできるだけとどまるべきであり、政府部門からはできるだけ資源をなくすべきだ。政府組織は解体するか、民間組織に転換し、誤りを犯したときにはその結果を明らかにし、市場が提供する情報を隠蔽・無視させないようにするべきである。
MMT: Feeding the economically inferior machine | Mises Institute [LINK]

2024-08-30

自然法は宗教ではない

自然法の原理は、神学的な原理から導き出されたものではなく、理性と合理的探究の独立した手順によって導き出されたものである。人間がそのような法則を理解する道具は理性であり、信仰でも直感でも恩寵でも啓示でもない。
Natural Law and Rothbardian Liberty | Mises Institute [LINK]
物理学における法則は絶対ではなく、暫定的なものでしかない。一方、経済学は基本的な公理(「個人は選んだ目標に向かって意識的に行動する」など)について完全で完璧な知識を持つ。それらの公理は人間の行為そのものに内在するもので、人間が存在する限り絶対有効である。
The Reality of Human Action | Mises Institute [LINK]

自然界を規制し、私たちが望むような自然を再構築しようとする試みは愚かである。野生動物が捕食者にならないように訓練することはできないし、「共有された価値観」を守るために多様性、公平性、包摂性の訓練を受けさせることもできない。
Praxeology and Animals | Mises Institute [LINK]

集団間の成果の違いを、成功した集団による、成功しなかった集団の支配と抑圧の証拠とみなすのは誤りである。こうした違いは、自然かつ有機的に起こりうるし、実際に起こっている。これは、抑圧と支配が過去および現在において存在することを否定するものではない。
The Primitive Superstition of our Age | Mises Institute [LINK]

人々が金持ちに抱く嫉妬を利用することで、政府は大衆に重い税負担を受け入れさせることができる。高所得者、とくにその最上位に課される高い税率から得られる税収は、税収全体に比べ非常に小さく、他の人々の税負担にほとんど違いをもたらさない。
The Politics of Envy - LewRockwell [LINK]

2024-08-29

ロシアは敵ではない

ウクライナ戦争によって、米国人がロシアを敵だと決めつけるのは自然なことだ。だがそれは違う。私たちの敵は、米国の国家安全保障機構だ。すなわち国防総省、CIA、NSAである。彼らこそウクライナでの戦争に責任を負い、米国人の生活、自由、幸福を破壊している。
Russia Is Not Our Enemy - The Ron Paul Institute for Peace & Prosperity [LINK]
もし北朝鮮が米国に向けて核弾道ミサイルを発射したら、米国防総省はこれに応じ、北極上空から北朝鮮に向けてミサイルを発射する。ロシアは目標が自国の都市だと考え、撃ち返す。世界核戦争を防ぐには敵との意思疎通が不可欠だが、米政治エリートにとってそれはタブーだ。
Diplomacy, Distrust, and Nuclear War | Mises Institute [LINK]

ハリス大統領になれば、中東など特定の地域では戦争を多少抑えるかもしれないが、ロシアと中国に対しては、核戦争につながりかねない体制派の政策を続けるだろう。真の自制とは、戦争と対立は死と破壊をもたらすだけだと認識することだ。ハリス大統領で真の自制は望めない。
Personnel is Policy for Kamala Harris | Mises Institute [LINK]

米国の中国との戦争はコストがかかり、複雑なものになるだろう。米国は太平洋に艦隊を駐留させているが、必要な艦船を編成するには数週間かかる。米日台が中国と対峙する机上演習は通常、中国の敗北に終わるが、米国はおそらく数十隻の艦船と数百機の航空機を失うだろう。
Trump and Biden can't wait to send more assistance to Ukraine | Mises Institute [LINK]

2005年にイスラエルがガザから撤退した後、米国はパレスチナに民主主義を押し付けた。パレスチナ人はハマスを選び、ハマスは2007年からガザを支配した。米国がハマスの政権獲得を後押ししたのは皮肉だ。ハマスはイスラエルと米国からテロリスト集団とされているのだから。
Another Presidential Debate, Another Loss for the Palestinians | Mises Institute [LINK]

2024-08-28

自由主義は保守ではない

自由主義は、既成の見識を単に「保守」する思想ではない。むしろ急進的な思想である。自由に対する最大の脅威は、しばしば国家を含む既成の制度によってもたらされることを認識している。自由は人間の本性に根ざした道徳原理であり、正義の原理である。
An Optimistic Strategy for Liberty | Mises Institute [LINK]
自由な社会では、他者を攻撃したり財産権を侵害したりしない限り、親切で思いやりのある人間であろうと、凶悪で悪意に満ちた人間であろうと自由である。その場合、優しさや思いやりが自由主義者に不可欠ということにはならないし、悪辣さや悪意が必要ということにもならない。
Distinguishing Libertarian Philosophy from Political Strategy | Mises Institute [LINK]

良好なビジネス環境を成り立たせるのは、堅固な財産権と協力の自由である。政府はこれらの権利を政策で侵害することしかできず、ビジネスのしやすさには貢献しない。欧米諸国がビジネスのしやすさランキングで優位に立つのは、財産権に関する長い歴史があるからだ。
The Best Thing Governments Can Do for Business Is Get Out of the Way | Mises Institute [LINK]

関税は現実的な財源ではないし、かりに財源になりうるとしても適正な額を決める方法はない。トランプ氏は減税できるよう歳出削減に集中し、関税引き上げが歳入増に役立つという保護主義的でお粗末な言辞を弄するのはやめるべきだ。
Trump’s Faulty Tariff Scheme | Mises Institute [LINK]

ミレイ(アルゼンチン大統領)はファシストではない。むしろファシストを打ち負かした。ミレイの対立候補は公然たるペロン主義者だった。フアン・ペロン元大統領はムッソリーニを称賛し、その哲学の一部を信用するとともに、ナチスの戦犯を欧州から逃がす手助けをした。
No, Milei Is Not a Fascist | Mises Institute [LINK]

2024-08-27

税という搾取

政治権力は搾取の有効な手段だ。搾取は強盗、貢納、奴隷制、地代の徴収を経て、最後の段階で、政治権力は生産物に対する課税によって支えられるようになった。何世紀にもわたる慣行が私たちをこのビジネスに慣れさせ、習慣と法律が正しさのオーラを与えてきた。
Taxation Is Robbery | Mises Institute [LINK]
米大統領選挙では二大政党が異なる政策を示すが、いずれも国債発行の増加と財政赤字の拡大を招き、インフレを悪化させ、債券市場を脅かす恐れがある。現在と将来の世代にさらなる税と債務の負担を強いることに国民がどれだけ耐えられるかが問題だが、変化の兆しは見えない。
Be Prepared to Hear More about Taxes, Taxes, Taxes | Mises Institute [LINK]

西暦301年、ローマ皇帝は1200以上の商品に価格の上限を設けた。銀貨が過去250年の間に劣化し、市民が物価高に不満を抱いたからだ。銀貨の銀含有量は50年当時の約3.9グラムから、200年には2グラム以下に、250〜275年には「わずかな銀のコーティング」だけになっていた。
Thousands of Years Later, Price Controls Are Still a Bad Idea | Mises Institute [LINK]

どの国でも最低賃金法の影響を歴史的に調査すれば、他の条件がすべて同じであれば、労働力を売りたい労働者の一部の失業をつねにもたらすことが明らかになる。失業した大量の熟練労働者が非熟練労働市場に参入するため、非熟練労働者の賃金も低下する。
The New Minimum Wage Increase in Nigeria is a Pyrrhic Victory for Organized Labor | Mises Institute [LINK]

ポピュリズムはイデオロギーではなく、戦略である。どのような政治哲学にも染まりうるし、危険にも有益にもなりうる。ポピュリズムはエリートと大衆の利益が一致しているかどうかを問い、ほとんどの場合、政治エリートの利益は大衆の利益と対立すると正しく結論づける。
Tucker Carlson's Broadside Against Austrian Economics | Mises Institute [LINK]

2024-08-26

小さな政府の不正

思想家アイン・ランドの小さな政府論を批判する人々によれば、たとえ小さくても政府に正当性はなく、人間の本性に合致する唯一の社会制度は無政府資本主義である。政府が権利を侵害するのは避けられないし、小さな政府はいつまでも小さなままではいられない。
Anarcho-Capitalists Against Ayn Rand | Mises Institute [LINK]
ミーゼスが欧州で権力を握ったマルクス主義や社会主義と戦わねばならなかったように、今日我々は文化マルクス主義や左翼の暴徒に直面している。その誤った教義を暴露する以外、長期で勝利する方法はない。悲観する理由は十分あるが、少なくとも朗らかな悲観主義者になろう。
Mises the Sunny Pessimist | Mises Institute [LINK]

貯蓄と投資は豊かで進んだ経済への道を開く。貯蓄と投資を弱めれば、政府の財源である生産性も弱めることになる。アルゼンチンのミレイ政権は、規制緩和や一部減税の一方で、為替規制を維持し、広範な増税を行い、数十万人のサラリーマンに所得税まで導入した。
Milei's Monetary Conundrum | Mises Institute [LINK]

レーガン元米大統領は財政赤字を非難し、「お金を使っても金持ちにはならない」と述べた。保守派やリバタリアンによく引用されるフレーズだ。しかしレーガン政権下で政府支出は60%以上増加した。軍事費の増加は一部にすぎない。教育への支出は68%、医療費は71%増加した。
Romanticizing Reagan | Mises Institute [LINK]

米民主党全国委が承認した2024年党綱領で、中東に関する項目は驚くほどタカ派的で、まるでとびきり戦争好きの共和党議員が書いたかのようだ。イスラエルへの支援と武器輸出の継続は「鉄壁」だと繰り返し呼んでいる。トランプ氏はイランに甘すぎると批判している。
Democrats Release Insanely Hawkish Middle East Policy Platform - The Ron Paul Institute for Peace & Prosperity [LINK]

2024-08-25

田中正造の戦い

北関東を流れる渡良瀬川の上流にある足尾銅山は、もとは幕府直轄の銅山だった。1876(明治9)年12月、生糸貿易商の古河市兵衛はこの銅山を買い取り、設備を近代化して採鉱を開始した。のちに会社組織の古河鉱業となる。開発が進むにつれて銅の産出量は年々増加した。

田中正造 (センチュリーブックス 人と思想 50)

ところがそれに伴い、渡良瀬川やその沿岸で異変が起こる。魚が大量に死んだり、山林や稲が枯れたりし始めたのである。銅の精錬に伴う亜硫酸ガスの放出量が増えるとともに、銅・亜鉛・鉛・砒素などの有毒重金属を含む鉱毒が川に大量に垂れ流されたせいだと、後日判明する。

栃木県選出の改進党代議士、田中正造は、この問題の解決は足尾銅山の操業停止しかないと考え、1891年の第2回議会に質問書を提出した。農商務大臣の陸奥宗光は答弁を避け、議会解散後に答弁書を官報に載せた。それには、被害は事実だが原因は確実でない、鉱業人(古河市兵衛)はなすべき予防の措置を準備しつつある、とあった。まるで「政府は鉱業人の代言人(弁護士)」のようだと批判を浴びる。陸奥大臣の次男は古河の養子だった。

正造は政府の言い逃れに騙されはしなかった。翌年の臨時議会に再度質問書を提出する。今度は専門家の分析結果が発表されたので、政府も足尾の鉱毒を認めたが、一方で手を回して、県知事や県会議員を仲裁役に立て、被害農民と古河の間に示談を成立させた。それは古河に著しく有利なものだった。

日清戦争中、足尾銅山は一段と発展し、被害は依然として続いた。田中は議会ごとに声を枯らして政府を難詰したが、事態は容易に進まなかった。

田中正造は1841(天保12)年、栃木県の名主の家の生まれで、19歳の若さで名主を継ぐと、農民を苦しめる領主の悪政を改めるために奔走し、捕えられ投獄されたという前歴がある。自由民権運動を経て国会開設とともに推されて議員となり、ほぼ10年間の議員活動の大半を、この鉱毒問題に注いだ。

1901年2月に正造の行なった質問は、「亡国演説」として有名である。正式な表題を「亡国に至るを知らざれば之れ即ち亡国の儀につき質問書」という。登壇した正造は、次のように政府を厳しく批判した。「民を殺すは国家を殺すなり。法を蔑(ないがしろ)にするは国家を蔑(なみ)するなり。皆自ら国を毀(こぼ)つなり。財用を濫(みだ)り民を殺し法を乱して而(しこう)して亡びざるの国なし」

同じ月の13日、被害地の農民2500人が大挙して議会への請願のため、上京に向かった。ところが利根川べりの川俣(群馬県明和町)で当局が待機させた200人の警官・憲兵と衝突し、数十人が逮捕され、上京は阻止された。「川俣事件」である。

正造は川俣事件に強い衝撃を受け、ただちに議会で2度の質問に立ち、警察・憲兵の暴行を批判した。2月15日には憲政本党(改進党の後身)への失望から、同党を脱党した。

同年3月の第15回議会では、あらためて鉱毒についての質問を数度行う。そのなかでとくに重要なのは、人民は国家権力の不当な行使に対して抵抗することができるという「抵抗権」の思想をはっきりと表現したことだ。

もし政府が古河市兵衛の指図を受けて、憲法で保障された人民の請願を妨害したり、被害民を捕えて牢へ入れるといった乱暴なことをするなら、政府は人民に「軍(いく)さを起す権利を与えるのである」と正造は主張した。

第15回議会は、北清事変(義和団事件)の出兵に充てる増税案を可決して閉会した。この出兵を機に日本は帝国主義に向かって大きくカーブを切る。当時、銅は生糸、綿製品に続く重要な輸出品であり、政府は輸出の花形である銅を守り、被害民を切り捨てたのである。

同年10月23日、正造はついに衆議院議員を辞職した。「憲法・政府・政党・議会といった制度を他力的に頼っても、問題が少しも解決しない」(布川清司『田中正造』)と悟ったからである。

しかし、すべての制度に絶望したかにみえる正造にも、ひとつだけ最後の希望が残っていた。それが辞職からまもない12月10日、第16回議会の開会式から帰る明治天皇に対して敢行した直訴だった。

この日、正造は黒の綿服、黒の袴、足袋はだしで拝観人の中から飛び出し、直訴状を手に高く掲げつつ、「お願いがござります」と叫びながら天皇の馬車に突進した。慌てた警護の警官がこれをさえぎろうとして落馬。正造もつまずいて転び、警官に取り押さえらえた。正造は麹町警察署に連行され、一晩留め置かれ、「狂人」として釈放された。

直訴文は正造の依頼で、当時名文家として知られた社会主義者の幸徳秋水が執筆し、当日の朝、正造が訂正・捺印したものだった。直訴という衝撃的な行為によって世論を喚起しようとしたのである。世間の人々は鉱害の認識を深め、その惨状に心を動かされ、支援の輪が広がった。

1902年、政府は渡良瀬川下流の谷中村を買収して村民を立ち退かせ、遊水池にして洪水を防ごうという計画を打ち出した。正造は遊水池化に反対して村民とともに運動を展開し、谷中村に移り住んで抵抗したが、1907年、政府は「土地収用法」を適用し、最後に残った16戸を強制破壊した。ちなみに政府側責任者の内務大臣原敬は、前年まで古河鉱業の副社長だった。

正造には他にも、現在においてもなお輝きを失わない主張がある。非戦平和の思想だ。

正造は、日露戦争開戦前の1903年2月10日に、静岡県掛川で初めて非戦論を主張した後、「倍々(ますます)非戦争論者の絶対なるもの」になっていった。日露戦争の際には、「日本の開戦ハ誠に山師の主張ニて国民の主張ニあらず」と述べ、その階級的性格を鋭く指摘する一方で、「戦争ニ死するものよりハ寧ろ内地に虐政に死するもの多からん」と言う視点から、日露両国政府に抑圧されているもの同士が国境をこえて連帯する必要性も呼びかけた。

また、ポーツマス講和条約の締結後も、「矢張小国ハ小国なり」として、油断して大国ぶることを戒め、日露戦争に勝利した日本だからこそ世界に先駆けて軍備を全廃するのが日本の「権利」であるという独特の認識を形づくるに至った。

20億円の軍事費を全廃すれば、5人家族平均125円となり、10年間無税にすることができる。あるいはまた、そのかわりに外交費を30倍、300倍に増やして、日本が世界平和の唱道者にならなければならない、それこそが日本の世界的使命であると主張した。「人類は平和の戦争コソ常に奮闘すべきもの」というのが、正造の基本的な考えであった。「まぎれもなく、日本国憲法第九条の先駆者の一人であるといえよう」(『田中正造』)と歴史学者の小松裕氏は指摘する。

正造は残った農民とともになおも抵抗を続けたが、1913(大正2)年9月4日、71歳で死去した。

1911年6月9日の日記に、正造は次のように書いた。「対立、戦うべし。政府の存在せる間は政府と戦うべし。敵国襲い来らば戦うべし。人侵さば戦うべし。その戦うに道あり。腕力殺伐を以てせると、天理によりて広く教えて勝つものとの二の大別あり。予はこの天理によりて戦うものにて、斃れても止まざるは我が道なり。天理を解し、この道実践のもの宇宙の大多数を得ば、即ち勝利の大いなるもの也」

歴史学者の由井正臣氏は、「まことに彼の生涯は、人民の生活を破壊し、権利をうばうものとの、天理・人道にもとづく壮絶な戦いの連続であった」(『田中正造』)と総括する。

政府と親密な有力企業が環境汚染などによって人民の生活を破壊するケースは、今もなくならない。人間の権利という「天理」に基づく抵抗の大切さを、田中正造の生涯は教えている。

<参考文献>
  • 布川清司『田中正造』(人と思想)清水書院、1997年
  • 由井正臣『田中正造』岩波新書、1984年
  • 海野福寿『日清・日露戦争』(日本の歴史)集英社、1992年
  • 松本三之介編著『強国をめざして』(日本の百年)ちくま学芸文庫、2007年
  • 大日方純夫ほか『日本近現代史を読む』新日本出版社、2010年
  • 小松裕『田中正造——未来を紡ぐ思想人』岩波現代文庫、2013年

2024-08-24

デフレを止めるな!

経済成長は、起業家が生産コストを削減する新たな方法を採用することで起こる。産業によってコスト削減にばらつきはあるが、全体として、経済が成長すれば物価の下落(デフレ)が起こるはずだ。つまり購買力が高まる。デフレを止めるためにお金の量を増やす経済的理由はない。
Do We Need 3% Inflation? Economic Growth and Deflation | Mises Institute [LINK]
貧困の原因は誰か他の人の富だというゼロサム思考では、社会が経済的に成長し、貧困率が低下するために何が必要かを理解することはできない。経済が成長するのは、企業家が市場の中で、損得に導かれ、資源を価値の低いものから高いものへと移動させる方法を見つけるからだ。
What Anticapitalist Christian Economists Get Wrong | Mises Institute [LINK]

平等主義者は不平等の原因には関心がない。不平等は歴史的抑圧や人種差別などの不公正が原因であることは自明だと主張し、適切な救済策は富の再分配だと宣言する。富の再分配が全員を等しく裕福にすることに失敗すると、それはさらなる再分配が必要な証拠だという。
Identifying the Causes of Economic Inequality | Mises Institute [LINK]

自由主義とファシズムの政治戦術を区別するものは、暴力の役割に対する評価の違いだ。ファシズムが本当に社会主義と闘おうとするならば、社会主義に暴力ではなく思想で対抗しなければならないだろう。しかし社会主義に有効に対抗できる思想はただ一つ、自由主義だけである。
Was Mises a Fascist? Obviously Not. | Mises Institute [LINK]

政治学者ミアシャイマーがいうように、ウクライナ戦争は米国とその同盟国が引き起こした。ロシアがウクライナに侵攻し、戦争を始めたのは事実だが、紛争の主因は、ウクライナのNATO加盟決定にある。ロシアはこの脅威に対処するため、2022年2月24日に予防戦争を開始したのだ。
Why We Need Revisionist History | Mises Institute [LINK]

2024-08-23

無政府主義の倫理

無政府主義に反対するリバタリアンは、功利主義に基づいて、「無政府ではうまくいかない」などと主張する。しかし無政府主義とは、無政府状態が「うまくいく」と考えることではない。侵略は正当化されず、政府は必然的に侵略を行うと信じているだけだ。倫理的な見解なのだ。
What It Means To Be an Anarcho-Capitalist - LewRockwell [LINK]
トランプやマスクのような実業家は、政府を「ビジネスライク」にするといつも口にしており、「効率化委員会」はその第一歩だ。自分を責任者にすれば、政府はスムーズに動く機械になると彼らは言う。しかし効率的な政府はありえない。政府はその性質上、そもそも非効率なのだ。
Elon Musk’s D.O.G.E Is a DODGE - LewRockwell [LINK]

万人が主張できるのは、生命、自由、財産について、万人に同様に与えられる保護を受ける権利だけである。平等法制が形式的平等から実質的平等へと変質する傾向は、偶然や見落としではなく、公正を強制する性質に内在する。実際には、格差の根絶は結果の平等化と変わらない。
The Folly of Legislating against Unfairness | Mises Institute [LINK]

19世紀は独、米、露などの国々において、帝国と統合の世紀だった。政府の統合は、「民主主義国家」を権威主義国家に変えるカギだった。政府の意思決定が遠くなればなるほど、市民が政府に対して持つ影響力は小さくなるからだ。政府は国民のしもべではなく、むしろ主人になる。
U.S. Imperialism through the Lens of Mises’s Nation, State, and Economy | Mises Institute [LINK]

中東で都市を破壊し、何千人もの命を絶つことによって自由民主主義を創設することは、古典的な自由主義ではなく、絶え間ない不安定さの原因だ。米政府にとって自由と人権がそれほど重要であるならば、宗派に関係なく、中東で罪のない人々を虐殺する者を支援すべきではない。
U.S.-Zionist Imperialism and the Middle East | The Libertarian Institute [LINK]

2024-08-22

同意による国家

国家の境界線がすべて公正だとは限らない。リバタリアンの目標の一つは、既存の国民国家を、私有財産の境界線と同じ意味で、境界線が公正と呼べるような国家に変えることだ。あらゆる集団があらゆる国家から離脱し、同意した他の国家に加盟することを認められるべきだ。
Nations by Consent | Mises Institute [LINK]
リバタリアン社会を望むなら、右派の価値観を受け入れる必要がある。右派は人間の相違という現実を受け入れるが、左派はそうではない。左派はすべての人を平等にしようとするので、人間の違いをなくすために政府が大規模に介入することを支持する。
Getting Libertarianism Right | Mises Institute [LINK]

お金の量が同じで、商品の数が増えれば、他の条件がすべて同じなら、物価は下がる。物価上昇と経済成長が一緒に起こる可能性があるという事実は、経済成長が物価上昇につながることを証明するものではない。どちらもマネーサプライの拡大によって起こる。
Economic Growth Does Not Cause Price Inflation | Mises Institute [LINK]

トランプ前大統領はビジネスで「大金を稼いだ」ため、金利のあり方についてFRBのメンバーよりも「優れた直感」があると考えている。だからといって、「正しい」金利を知る能力が高いということにはならない。「正しい」金利は、人々の市場での自由なやり取りによって決まる。
Donald Trump Does Not Know the ‘Correct’ Interest Rate - The Ron Paul Institute for Peace & Prosperity [LINK]

人々に晩婚化、小家族化、核家族化を促したのは資本主義ではない。この傾向はすべて、工業化が始まる何世紀も前から北西欧州に存在していた。特異な家族習慣が資本主義への道を開いたのであって、その逆ではない。西洋における現在の家族観は、中世の習慣の遺産かもしれない。
Don't Blame Capitalism for the Decline of the Extended Family | Mises Institute [LINK]

2024-08-21

リバタリアンの使命

もしリバタリアンが自由社会への前進を望むのならば、特定の政策を主張するだけでなく、国家を善玉と考えるパラダイムを覆すべきだ。国家主義の教義だけでなく、「一般常識」も批判しなければならない。常識や直観的な概念を批判することは、知的リバタリアンがとるべき道だ。
Reflections on the Libertarian Role in Society | Mises Institute [LINK]
プーチン、金正恩、習近平をペテン師、ギャング、殺人者と呼ぶのは正しい。しかしミレイ(アルゼンチン大統領)のように、トランプやゼレンスキーをほめ称え、ネタニヤフの味方をするのは、ただ呆れるばかりだ。それだけでミレイはリバタリアンとしては完全に失格である。
Javier Milei Versus the Antiwar Cause - LewRockwell [LINK]

戦争にかかる費用は莫大だ。インフレは政府がその費用を国民から隠そうとする手段である。戦争がもたらす富の破壊は、もし開始と同時に増税をするしか手段がなければ、すぐに明らかになる。お金の量を自由に膨張させることができる政府は、このような破壊を隠すことができる。
War and the Money Machine: Concealing the Costs of War beneath the Veil of Inflation | Mises Institute [LINK]

入植者による報復がいわれのないものだとはいえないが、1864年のサンドクリーク虐殺や、2023年のガザでのアパート破壊を正当化するのは難しい。イスラエルによる民間人居住区の爆撃や都市住民の追放は、19世紀に入植者村が攻撃された際の米国の反応と全然異なるものではない。
American History Is a Preview of the Israel-Palestine End Game | Mises Institute [LINK]

脱成長論者は、地球がずっと居住可能だと信じ、人類の文明を終わらせかねない自然の脅威を無視している。小惑星の衝突、超新星爆発、ガンマ線バーストなど、地球は見えない危険に直面している。マスク氏が構想する宇宙移民に向けて、テクノロジーと富を進歩させる必要がある。
Degrowth Means Certain Death for Humanity - Human Progress [LINK]

2024-08-20

戦争と中央銀行

戦争には資金が必要であり、そのため政府は銀行に助けを求める。中央銀行による貨幣増発は戦争屋を活気づける燃料だ。インフレ、つまり偽金づくりは、中央銀行の特権である。米議会がウクライナやイスラエルに何十億ドルもの不換紙幣を送ると決議しても、合法とされる。
What has the Fed Done to Our Lives? | Mises Institute [LINK]
評論家やエセ経済学者は、政府はほとんど何の制限も害もなく、お金を使ったり、借りたり、作ったりできると信じ込ませようとしている。国債の利子が予算の多くを食い尽くし、他の予算がほとんどなくなったら、どうなるだろう。残念ながら、政府が店じまいすることはあるまい。
TGIF: Gaslighting | The Libertarian Institute [LINK]

米国で1973年初めまで、生産者は1年半の価格統制を受けた。価格の凍結は多くの生産者にとって、製品を市場に出すことがもはや採算に合わないことを意味した。商品とサービスの供給は減り、価格は上昇した。消費者物価は1972年に3.8%、1973年に8.8%、1974年には12.2%上昇した。
Kamala Wants Price Controls, and It's Not Because She Has "Good Intentions" | Mises Institute [LINK]

エンジニアリングは社会にとって重要なツールだが、その限界を認識する必要がある。社会の成功は、最適化の専門家だけでは達成できない。人間の繁栄には起業家もまた欠かせない。起業家はこう問いかける。そもそもこの最適化プロセスは必要なのだろうか、と。
Elon Musk on the Difference between an Engineer and an Entrepreneur - FEE [LINK]

ウォルズ副大統領候補は最悪の「進歩主義者」であり、完全な共産主義者に近い。悪名高いジョージ・フロイド暴動の際、BLM(黒人の命は大切だ〈しかし白人の命は大切でない〉)の略奪や放火を許し、白人の生命と財産を守るために州警察と州兵を派遣することを拒否した。
The Dangerous Tim Walz | Mises Institute [LINK]

2024-08-19

FRBは金を持たない

米FRBは金を所有していない。1934年の金準備法により、FRBはすべての金の所有権を財務省に移すよう義務づけられた。それと引き換えに、財務長官はFRBに対し、財務省が保有する金に対してその時点で適用される法定価格で、移管された金の量に応じた金証券を発行した。
The Federal Reserve Does Not Own Gold | ZeroHedge [LINK]
金で測ると、イーロン・マスク氏のドルはロックフェラーのドルよりもはるかに価値が低い。約90年にわたるドル切り下げの結果、金は今年1オンス約2500ドルの記録的水準に達した。それでもマスク氏の2350億ドルの富は9400万オンスの金にあたり、ロックフェラーの2倍強ではある。
John D. Rockefeller, Elon Musk, Millionaires, and the Price of Gold - The Ron Paul Institute for Peace & Prosperity [LINK]

自由な市場価格が乱れると経済に影響が生じる。最高価格が定められた商品の不足だ。以前は政府と消費者は値段の高さを心配したが、今では入手できるかどうかも心配しなければならない。今の価格で購入する意思のある消費者でさえ、もはや市場でそれを見つけることはできない。
Nigerians Should Understand Their Long-Run Interests | Mises Institute [LINK]

古代ローマ帝国は、銀貨の銀含有率をわずか0.02%にまで切り下げた。その結果、物価は高騰し、帝国全体の経済を脅かした。ディオクレティアヌス帝は、900種類の商品と130種類の労働力・運賃の価格統制を導入し、違反者には死刑を科すことで、物価高を食い止めようとした。
Price-Control Failures, Then and Now | Mises Institute [LINK]

19世紀前半、ほぼすべての米国人は、連邦政府が一方的に奴隷制を廃止する法的権限を有しているとは考えていなかった。唯一の平和的な代替案、つまり唯一受け入れられる代替案は、連邦からの分離独立だった。
Leggett: Disunion Is Better than Slavery | Mises Institute [LINK]

2024-08-18

政商から財閥へ

ロシア報道に登場する「オリガルヒ」は、「新興財閥」と訳されることが多いが、ときに「政商」という訳語を目にする。こちらのほうが本質を言い当てている。政商とは「政治家や高級官僚といった政治権力者と関係を持って、利権や情報を得ている商人」をいうからだ。

企業家に学ぶ日本経営史 -- テーマとケースでとらえよう (有斐閣ブックス)

日本では、政商は明治初期に登場し、特権的立場を利用して膨大な富を蓄積した。その半面、権力者との癒着には大きなリスクもつきまとった。その一つは、権力者が政商に特権を与えた見返りに、何らかの利益を求めてくることだ。後で述べるように、三井銀行ではそうした要求を断れず、権力者に融通した資金が不良債権となり破綻の危機に瀕した。

そこで、ある時点で一部の政商は、政府との関係を意図的に弱めていく。政商のままでは、権力者の意向を配慮するあまりに、自由な事業活動が束縛されてしまうからだ。権力者との関係を弱めることに成功した政商は、それまでに蓄積した資本を元手に、多角的な事業活動を展開し、「財閥」へと発展していく。財閥とは「富豪の家族・同族の閉鎖的所有、支配下に成り立つ多角的事業経営体」を指す。

財閥が多角的な事業を展開するにあたって、事業を管理するトップマネジメントが必要となった。旧来の番頭経営では近代的なビジネスに対応することはできない。そこで、専門知識と企業家精神を持った人材を外部に求め、管理者として登用していく。そうした人材の多くは「学卒者」と呼ばれる高等教育機関の出身者だった。代表的な人物の一人が、三井銀行の雇われ経営者として同行の再建に成功し、三井の近代化の担い手となった中上川(なかみがわ)彦次郎である。

三井銀行は官金取り扱いを目的に設立された私立銀行だ。しかし1882(明治15)年に日本銀行が設立されたことによって、一般の商業銀行への転換が急務となった。

当時、三井銀行は多額の不良債権を抱え、経営危機に陥っていた。不良債権の多くは、官金取り扱いの見返りとして、不利な条件で政府関係者に貸し出したものだった。政商活動は三井にとって官金取り扱いといううまみがある半面、見返りの融資によって不良債権が増えていくというジレンマがあった。官金を取り扱っている限り、政府関係者に強く返済を促すことができなかったのである。

1891年、三井銀行の京都分店で取り付け騒ぎが発生し、同行は倒産の危機に直面した。そこで明治政府は、明治の元勲で、三井家顧問の井上馨に三井銀行の救済を依頼する。井上は、三井家内部に適当な人材が見当たらないことから、中上川彦次郎を三井家に推薦した。

中上川彦次郎は1854(安政元)年、中津藩(大分県中津市)に生まれた。母親は福沢諭吉の姉だった。1869(明治2)年、上京した中上川は叔父の福沢が設立した慶応義塾に学び、21歳で英国に留学する。帰国後、ロンドンで知り合った井上馨の招きで工部省に入るが、「明治14年の政変」による井上の失脚とともに明治政府を後にする。その後、福沢と設立した新聞社「時事新報社」の社主を経て、山陽鉄道の経営に携わっていた。

三井入りをするにあたって、叔父であり恩師でもある福沢諭吉に相談したところ、福沢は「三井の信用をもってすれば天下の金を左右することができるのだから面白い仕事だと思う」と勧めた。三井入りを決断した中上川は三井銀行の実質的経営者である副長となり、三井の改革を進めていく。

中上川はまず、不良債権の原因となっていた官金取扱業務から撤退する。業務を政府に返上し、全国に23あった取扱店を廃止した。

次に、徹底した債権回収に着手する。不良債権の筆頭は、京都の東本願寺に対する100万円の貸付金だった。中上川は東本願寺の別邸である枳殻邸(きこくてい)を抵当に取り、1年以内の返済を求めた。本願寺は中上川を仏敵として非難しつつ、全国の信者から浄財を集め、借入金を返済した。

政府高官の情実や口利きによる融資、高官個人への貸付なども断固とした態度で回収していった。三井入りを推薦した井上馨の反対を無視して、井上の友人・知人に対して返済を迫ることもあった。これが井上の不興を買い、のちの失脚の原因となる。「中上川は自分の信念に反することは、恩人の井上からの忠告であっても聞くことはなかった」と経営学者の山崎泰央氏は指摘する(『企業家に学ぶ日本経営史』)。

中上川は官金取扱業務からの速やかな撤退と不良債権の徹底回収によって、わずか2年で三井銀行の再建に成功する。この過程で三井と政府の関係を弱め、政商路線からの脱却を成し遂げた。

さらに中上川は、三井銀行の不良債権処理で回収した資金などを利用して、工業分野への展開を進める。それまでの三井家事業は呉服に始まって、銀行、商社など商業的な色彩が強いものだった。

鐘淵紡績(鐘紡)、芝浦製作所(東芝の前身)、新町紡績所、富岡製糸場などを経営したほか、王子製紙、北海道炭礦鉄道を三井傘下に収めた。同時にこの時期には三井物産が三池炭鉱の払い下げを受けた。455万5000という巨額の払い下げ代価であったが、同炭鉱とともに三井に入ったマサチューセッツ工科大学(MIT)出身の技術者・団琢磨の努力により、三池は発展し、三井のドル箱となった。

中上川の急進的な改革は、長くは続かなかった。日清戦争後の不況によって工業部門が不振になると、改革に不満を持つ反中上川派の台頭や井上馨の反発、三井同族からの警戒などによって、三井内部で孤立していった。さらに彼自身、健康を害したこともあり、療養のため第一線から身を引くことになった。1901(明治34)年10月、48歳という若さで失意のうちに世を去る。三井改革は、彼の死とともに、およそ10年で終わった。

失脚したとはいえ、中上川の改革は三井家だけにとどまらず、日本経営史に大きな足跡を残した。その成果は、①三井家が財閥に発展する基盤をつくったこと、②財閥の事業発展の方向を示したこと、③専門経営者(雇われ経営者)進出の端緒をつくったことだ。「中上川は三井を政商から近代的財閥へと再出発させたエース投手であった」と経済学者の宮本又郎氏は評価する。

<参考文献>
  • 宇多川勝・生島淳編『企業家に学ぶ日本経営史』有斐閣、2011年
  • 宮本又郎『企業家たちの挑戦』(シリーズ日本の近代)中公文庫、2013年

2024-08-17

貧困からは抜け出せる

米国で貧困から抜け出す最も一般的な方法は、生涯をかけて株式で財産を築き、それを子供たちに残すことである。移民たちの物語が示すように、人々が貧困から永久に抜け出すことは可能なのだ。「よほど幸運でない限り、勝ち組になることは不可能だ」という主張は間違っている。
Is Poverty Inescapable? An Immigrant's Perspective [LINK]
お金を節約するには、物をたくさん持たないこと。物を持つには購入時のお金のほか、維持するお金や時間、心のコストがかかる。購入時のコストしか考えず、いらない物専用の部屋や収納スペースを作る人が多い。所有の生涯コストを考えると、物の入手をためらうようになる。
7 Simple Ways to Save Money—and Tens of Thousands of Dollars [LINK]

独禁法訴訟でイノベーションをもたらすことはできない。企業は財産権と法の支配という憲法上のルールの下で活動しており、官僚主義的な市場介入体制の下では苦しむことになる。独禁法戦略は、企業のインセンティブを歪めることで成長の見込みを著しく減退させる。
Innovation through Antitrust Litigation? The Myth of Linear Progress | Mises Institute [LINK]

インフレは米国民の暮らしを荒廃させた。しかしそれは米政府の経済介入がもたらした経済的な苦痛の一部にすぎない。FRBを通じた人為的な低金利によって、企業は持続不可能な生産ラインを立ち上げることになり、不況、あるいは市場の調整は避けられなくなった。
The Harris Campaign Will Base Its Platform on Biden’s Fake Economic Accomplishments | Mises Institute [LINK]

イラン国民のためだけでなく、米国民のためにも、現時点で米政府ができる最善のことは、イランを放っておくことだ。制裁を解除し、脅しをやめ、陸海軍をすべて米国に帰還させるのだ。しかし残念なことに、カマラ・ハリスもドナルド・トランプもそれを望んでいない。
US Hypocrisy on Supposed Iranian Meddling in the US Election - The Ron Paul Institute for Peace & Prosperity [LINK]

2024-08-16

社会主義はお好き

社会主義を語ることと実際に生きることは全然違う。人に利用されるのが嫌な人、何かを強制されるのが嫌な人、限られた選択肢や独占が嫌な人、騙されたり操られたりするのが嫌な人、傲慢で悲観的な人とつるむのが嫌な人は、どんな形であれ、社会主義を好きになるべきではない。
You May Think You Like Socialism, But You’re Probably Not a Socialist at Heart [LINK]
現代の人道的介入がしばしば現地住民の流血と貧困に終わったという事実は、民族自決の否定が何をもたらすかを思い起こさせる。西洋の帝国主義がすべて地元民に啓蒙をもたらす「価値あるもの」であったとは到底思えない。むしろ西洋への反感を生み出す役割を果たしてきた。
Self-Determination, Imperialism, and Secession | Mises Institute [LINK]

人間は人種差別を含め、コストを度外視して何かをすることはない。人種差別は差別される側にコストを課すが、差別する側にもコストがかかる。 人は本能としてコストを削減しようとするから、経済学によって、差別者がコストを減らすために用いる方法を分析することができる。
Walter Williams and the Race Hustlers | Mises Institute [LINK]

政府が国内の特別利益団体のご機嫌を取ろうと自由経済を介入経済に変えると、保護主義の前提条件が整う。政府が保護する雇用や産業は、安価な代替品の輸入に脅かされる。保護主義の高まりは、外交政策や国際紛争をもたらす。これは戦争や軍事衝突へとエスカレートする。
The Goose that laid the Golden Egg | Mises Institute [LINK]

中央銀行がお金の量を増やして政府支出をまかなうとインフレが起こる。同じ量の商品をより多くのお金が追い求めることになる。これによって、なぜほとんどの商品の価格がいつも上昇しているのか、誰がそれを引き起こしているのか、それが何を意味するのかを説明できる。
Musk-Trump Interview: What Really Caused the Inflation of the Biden Presidency? | Mises Institute [LINK]

2024-08-15

なぜ働くのか?

人々が働くことを選ぶのは、働くことが自分にとって有益であることを理解しているからであり、抑圧されているからではない。自由市場における雇用者と被雇用者の関係は相互に有益であり、双方が失う以上のものを得ることができる。
Why Do We Work? | Mises Institute [LINK]
自由な交換や経済の自由を「不道徳」とみなすのはおかしい。市場全般に反対することは、人と人との会話全般に反対するのと同じくらい奇妙なことだ。表現の自由や結社の自由、人と人との会話を道徳的に擁護することは、結果が平等であるかどうかに左右されない。
Presenting the Moral Case for Capitalism | Mises Institute [LINK]

パイを切り分けるように、所得から資本に税負担を単純に移すことはできない。資本に課税すると生産コストが上昇し、将来の消費財の供給が減り、実質所得が減少する。その結果は主に低所得者にもたらされ、所得よりも物価が先に上昇するため、消費の削減を余儀なくされる。
Tax the Rich? Not a Good Idea | Mises Institute [LINK]

喫煙や電子タバコは不健康かもしれないが、政府は、個人が自分の身体でできることに口を出す権利はない。個人が消費するものに関して自分で決定することを、政府が禁止する場合、それは個人の自主性を侵害しており、倫理に反する行為である。
Why Britain’s Proposed Smoking Ban Is Immoral - FEE [LINK]

トランプ氏は「州兵保護法」を支持するべきだ。この法律は憲法が要求するように、議会が公式に宣戦布告しないかぎり、州兵部隊の海外派兵を阻止するための州法である。州兵は「週末の戦士」とみなされているにもかかわらず、世界規模の対テロ戦争における主要な戦闘部隊だ。
Donald Trump Should Endorse the 'Defend the Guard' Act | The Libertarian Institute [LINK]

2024-08-14

倒産が経済に良い理由

経済ゲームにおける真の勝者は、企業自身ではなく、その企業が対象とする顧客である。企業間の競争こそが、イノベーションを起こし、人間の欲求をより良く満たす原動力であり、競争に敗れた企業が倒産することは、その健全な過程にとって必要な部分なのだ。
Why Business Failures Are Good for the Economy [LINK]
保護主義は停滞の元凶だ。芸術や科学を妨げ、共通の利益の絆を破壊し、外国人に対する理解やその長所に対する評価を低下させ、戦争に対する商業的・道徳的障壁を低くし、世界連邦の理想である人間の兄弟愛を弱める。
The Only Difference between International and Domestic Trade Is Geography [LINK]

平和の維持とは、平和でない行為を禁止することである。政府が平和な行動を禁止する場合、そのような禁止そのものが一見して平和的でない。人がどれほど国家主義者であるかは、平和な行動をどこまで禁止するかで判断できる。
On Keeping the Peace [LINK]

米国はベネズエラ国民が主権によって選挙結果を決定するうえで、何の役割もありはしない。選挙妨害について判断したりコメントしたりする権利もない。米国はこれまで他国はもちろん、ベネズエラで選挙干渉やクーデターをさんざんしてたきたし、今回の選挙でもそうだからだ。
The US Has No Right to Interfere in Venezuela's Election - Antiwar.com [LINK]

パリ五輪で水泳競技場にいたファンは、中国選手に敬意を払い、感謝した。米国のドレッセル選手ら一部の外国選手もドーピング論争を無視し、正しい行動をとり、中国選手の勝利を祝福した。中国水泳陣を苦しめ、中国の国際イメージをおとしめようとする試みは成功しなかった。
US Elites Fail To Sink Chinese Swimmers - Antiwar.com [LINK]

2024-08-13

平和運動は必要だ

実現可能で合理的な要求(軍拡競争の凍結、原爆投下の禁止など)を中心に組織された平和運動は、デモや手紙、投票で政治家に圧力をかける。アイゼンハワー元米大統領は「長い目で見れば、平和を促進するためには、政府よりも人々の方が多くのことを行うだろう」と言った。
We Need a New Peace Movement to Prevent Nuclear War [LINK]
戦争とは、課税という盗みによって資金提供された、嘘に基づく大量殺人キャンペーンだ。 有史以来、どの国の国家安全保障エリートも、国民に自由を放棄させ、死んだり手足を吹き飛ばされたりする高い代償を負わせるために、嘘をつき、外国の見えない脅威を煽り立てる。
Justifying Evil | The Libertarian Institute [LINK]

元米国家安全保障担当補佐官バンディ、外交官ケナンらは1982年、ソ連が欧州に侵攻した場合の核兵器配備計画を中止するよう求めた。核の先制使用を禁止することで、第三次世界大戦の発生を避けようと考えた。このような正気で倫理的な核政策への支持は、現在の米政府にはない。
Time to Adopt a ‘No First Use’ Nuclear Policy - The American Conservative [LINK]

イラクが米国を攻撃したことはなく、イラクを攻撃したのは米国であることは議論の余地がない。米政府はイラクに対する侵略戦争に関し、ニュルンベルク裁判で宣言された戦争犯罪の罪を犯している。副大統領候補のバンスもワルツもイラク派兵命令を拒否する道徳的義務があった。
Both Vance and Walz Experience Moral Blindness on “Serving” in Iraq – The Future of Freedom Foundation [LINK]

イランが何をしようとも、西側帝国とマスコミのプロパガンダ担当は、いわれのない非道な侵略行為と決めつけ、イスラエルを「攻撃者」から「守る」ことについて語り始めるに違いない。帝国の歴史は常に、イスラエルの侵略の直後から始まり、報復が起こると時計の針が動き出す。
US Policy: Let Israel Escalate Against Iran, Then Tell Iran Not To Escalate Back - The Ron Paul Institute for Peace & Prosperity [LINK]

2024-08-12

奴隷の自由

自由人だったら給料の一部で野菜を買いたいと思う奴隷が、主人から野菜を与えられたからといって、経済的に自由だとは言えない。同様に、政府の独占事業が提供するようなサービスを、自由な市場でも購入したかもしれないからといって、自由だとはいえない。
How Slavery Can Be Used as a Litmus Test for Claims about Liberty [LINK]
共和党にとって財政悪化の解決策は簡単だ。予算を均衡させ、これ以上借り入れを必要としないようにする。そのための増税に反対しているのだから、歳出の大幅削減を意味する。しかし、共和党員にどこを削減するのかと尋ねると、口ごもり、どもり、独り言をつぶやいて立ち去る。
Out-of-Control Spending and Debt Means More Tyranny – The Future of Freedom Foundation [LINK]

米国の福音派キリスト教徒は政治家の道具になった。ブッシュ息子やトランプら共和党候補が教会を救うと繰り返し信じ込まされ、選挙を道徳の国民投票に変えてしまった。 「神の国と自分の国を混同してはならない。キリスト教を国旗で包んではならない」という警告のとおりだ。
American Theocracy: Politics Has Become Our National Religion - The Ron Paul Institute for Peace & Prosperity [LINK]

米政府が選挙運動に税金を投入する意図は、候補者の競争条件を公平にし、主要政党の候補者が総選挙中に政治献金を求める必要性をなくすことにあった。その結果、大統領候補の選挙運動は納税者の税金に依存するようになった。長期にわたる政府の介入は選挙費用の増大を招いた。
Watergate-era "reforms" made the federal government even stronger | Mises Institute [LINK]

米財政赤字を増税で削減することは不可能だ。年間2兆ドルを生み出す歳入策はなく、投資意欲を損ねることなくこれ以上の増税はできない。FRBが政府債務をマネタイズし続ければ、米国人はインフレの影響と住宅費の上昇に苦しむことになる。米ドルの購買力は低下し続けるだろう。
Americans are poorer: the United States Misery Index rises again | Mises Institute [LINK]

2024-08-11

植民地支配の教訓

日清・日露の戦争をきっかけに、日本は台湾や朝鮮半島で植民地支配に乗り出していく。明治政府が植民地政策を推し進めた背景には、ロシアの南下政策に備えるという国家戦略があった。しかし今から振り返ると、植民地支配は自由貿易に比べ、政治的・経済的に無理のある政策だった。

日清・日露戦争をどう見るか 近代日本と朝鮮半島・中国 (NHK出版新書)

まず台湾から見てみよう。日清戦争は1895(明治28)年4月の下関条約で講和が成立し、形式的にはその時点で終結した。しかし日本軍による台湾征服戦争は、それから始まった。

下関条約によって日本に割譲されることになった台湾では、割譲反対派により「台湾民主国」の建国が宣言され、日本の支配に抵抗する動きがあった。5月末に台湾北端部に上陸した日本軍は、各地で武装した民衆によるゲリラ戦に悩まされ、南部の台南を占領したのは10月下旬のことだった。

この5カ月間の侵攻・鎮圧作戦により、台湾の軍民約1万4000人が犠牲になったとされる。日本側も戦死527人、戦病死3971人を出した。歴史学者の山田朗氏によれば、これは台湾征服戦争を含めた日清戦争全体の日本軍の戦死・戦病死者1万3458人の実に33%を占め、台湾島民の抵抗がいかに激しかったかを示している(『日本近現代史を読む』)。

日本は1895年8月に台湾総督府を設置し、翌96年3月まで軍政(占領軍による直接支配)を敷いた。4月から民政に移行し、恒常的な植民地支配を始める。民政移行後もゲリラ鎮圧作戦は間断なく続けられた。児玉源太郎総督の統治時代に民政長官を務めた後藤新平の報告によれば、1898年から1902年までの5年間だけで「叛徒」1万950人を処刑もしくは殺害したという(海野福寿『日清・日露戦争』)。

産業政策では農地改革を実施したほか、製糖業を中心に米・樟脳・木材などの産業振興策をとった(樟脳はクスノキから樹液を精製した薬品で、この当時は火薬の原料として使用された)。1897年には植民地における最初の特殊銀行である台湾銀行を設置し、日本本国からの資本導入の窓口とする。ただし、これらの産業政策の狙いは台湾の近代化というよりも、台湾統治の財政基盤を確保することにあった。

日本は朝鮮半島でも植民地化を進めた。韓国(当時朝鮮は「大韓帝国」と改称し、韓国と呼ばれていた)に対し、日露戦争開戦中の1904(明治37)年締結の第1次日韓協約によって、財政・外交に関する日本人顧問を韓国政府が任用することを認めさせた。続いて日露戦争終結直後の1905年、第2次日韓協約を結ばせて韓国を保護国とし、外交権を奪い、漢城(ソウル)に統監府を置き、伊藤博文が初代の統監となる。さらに1907年には、韓国皇帝(高宗)を退位させ、第3次日韓協約を結んで軍隊を解散させ、以降、司法・警察権も掌握するに至る。

このように韓国に対する支配力を強めたうえで、1910年、韓国併合条約を成立させ、韓国を朝鮮と改めて植民地とし、漢城を京城に改め、朝鮮総督府を置いて統治した。韓国併合である。

日本の進出・支配に対しては日清戦争中の1894年から農民主体の義兵闘争が始まり、日露戦争中にも朝鮮半島南部を中心に義兵闘争が広まった。1907年に韓国軍隊が強制的に解散されると、旧韓国軍の将兵たちの多くが蜂起して農民義兵に合流し、反日武装反乱が各地に広がった。日本軍はこれを厳しく弾圧する。

日本は朝鮮の土地支配のために、1908年に農業拓殖事業を行う国策会社である東洋拓殖会社を設立、1910年には朝鮮の土地調査事業を本格的に開始する。日本は朝鮮を食糧(米)と工業原料(生糸・綿花)の供給地と位置づけ、農民に作付転換などを強要した。

さらに鉄道網の整備、中央銀行の設置も進める。すでに台湾では中央銀行の台湾銀行を設置し「台湾銀行券」を流通させていたが、韓国では早くから日本の第一銀行釜山支店が活動しており、第1次日韓協約によってこの第一銀行が「朝鮮銀行券」の発行業務を行っていた。1909年には韓国銀行を設置し、中央銀行券の発行業務を第一銀行から継承する。総裁も行員も建物も、すべて第一銀行から引き継いだ(原朗『日清・日露戦争をどう見るか』)。

こうした日本の植民地支配は台湾・韓国に技術やインフラを導入することで、第二次世界大戦後の経済発展の土台を築いたといわれることがある。当たっている部分はあるものの、全般には誇張されているようだ。経済アナリストのリプトン・マシューズ氏はそう指摘する。

同氏が米シンクタンク、ミーゼス研究所のウェブサイトで公表した記事によれば、台湾・韓国で日本企業は政府官僚とのつながりを利用して特権を手に入れ、コネのない地元企業は排除された。一部の地元企業は恩恵にあずかったものの、大半は民需に基づくものというより、軍事的・地政学的な需要だった。

台湾・韓国の産業成長は、アジアの他地域と比較してそれほど急速ではなかった。日本の植民地はインフラの先駆者だと思われているが、ライバルより優れているというよりも、むしろ同等だった。どの植民地でも、植民地技術者は鉄道、道路、灌漑事業などの建設に、都市住民の専門知識を活用した。たとえば、オランダのジャワ島での成果は、日本の台湾での成果と似ている。オランダはジャワ島に大規模な灌漑網を建設し、それは現在も残っている。

健康面でも日本の植民地はアジアの日本以外の植民地と大差はなく、台湾の乳児死亡率は英領マラヤより少し低い程度だった。教育面では、台湾・韓国には学校が建設されたが、エリート主義であり、ほぼすべての台湾人が高等教育やホワイトカラーの仕事に就くことを拒否された。日本は韓国の初等教育に投資したものの、敵対的な文化政策をとり、韓国語の使用を制限し、韓国固有の教育制度を崩壊させた。1944年には韓国で学校教育を受けた人は14%未満、初等教育以上の教育を受けた人は2%となった。

日本の植民地政策は先進的に見えるかもしれないが、日本以外の植民地と比較すると、むしろ平凡だった。「韓国・台湾が戦後に遂げた目覚ましい発展は、植民地時代の後に加速した経済政策、起業家精神、人的資本への投資によるものだと推論できる」とマシューズ氏は指摘する。

<参考文献>
  • 大日方純夫ほか『日本近現代史を読む』新日本出版社
  • 歴史教育者協議会編『日本の戦争ハンドブック』青木書店
  • 海野福寿『日清・日露戦争』(日本の歴史)集英社
  • 原朗『日清・日露戦争をどう見るか 近代日本と朝鮮半島・中国』NHK出版新書
  • Was Japanese Colonialism the Engine of Later Prosperity for Korea and Taiwan? Probably Not | Mises Wire [LINK]

2024-08-10

中国経済はなぜ成功したか

所得再分配の比率が西欧諸国で国内総生産(GDP)の50%近くに肥大化しているのに対し、中国は28%にとどまる。これが中国の経済的成功を説明するものだ。欧米は所得への累進課税を好み、起業家精神が旺盛で勤勉な人々にペナルティを課し、労働意欲を減退させ、貯蓄や投資を抑制してきた。
China’s competitiveness is driven by low taxation, not by industrial policy | Mises Institute [LINK]
人々の貯蓄意欲や生産への投資意欲の高まりによって下がる金利と、政治権力によって人為的に引き下げられる金利には大きな違いがある。人為的に金利を下げると、生産者はあたかも生産に利用できる資源が実際よりも多くあるかのように錯覚し、バブル景気と反動の不景気を招く。
A Fed rate cut will not solve our economic problems | Mises Institute [LINK]

生産のアウトソーシングは倫理的に中立だ。労働力の搾取によって生産が行われる場合にのみ、非難できる。しかし誰が搾取し、搾取されたのか、どうやって決められるのだろうか。最低賃金を下回る賃金で働く人がいても、搾取されているとはいえない。仕事は自由に選べるからだ。
Exploitation in the fashion industry? | Mises Institute [LINK]

強い大統領はいらない。アメリカ合衆国憲法が採択された当時、大統領の権限が強くなりすぎるのではないかという懸念は大きかった。憲法反対派はそうなると言い、憲法支持派はそうならないと言った。 しかし、強い大統領は危険だという点では、誰もが同意していた。
Why We Need a Weak Presidency - LewRockwell [LINK]

大日本帝国のために殺し、死ぬことは、多くの日本人にとって大きな誇りであり、当然のことですらあった。国家のような抽象的なものに奉仕する多くの人々は、自分がその勃発を後押ししたかもしれない戦争について、苦難や悲惨、破壊への加担と責任を否定しがちだ。
Stand With Dignity: The Honor of Li Xouyin | The Libertarian Institute [LINK]

2024-08-09

法の支配が守るもの

法の支配という概念は伝統的に、単に「政府に従え」という意味ではなかった。法はすべての個人の自由権と財産権を等しく保護するべきだという考えを反映していた。そうだとすれば、財産権を守るのでなく失わせる法律は、法の支配ではなく、まさにその正反対である。
The rule of law and property rights | Mises Institute [LINK]
EUで過剰債務が深刻な問題となっている。2023年のGDPに占める債務の割合はEU全体で81.7%だった。フィンランドとフランスは支出を削減し、スペインは大幅な増税に踏み切った。国防費と環境対策費が支出減と増税を上回っているため、これらの措置は十分ではないかもしれない。
Is the European Union headed for another debt crisis? | Mises Institute [LINK]

人間は石油が存在すると知らなかった場所で石油を発見し、新しい技術で以前は利用できなかった埋蔵量を解き放つ。石油が希少になれば、その価格は上昇し、消費の抑制と生産の増加を促す。価格が経済の現実を自由に反映する限り、石油が使われなくなる前に枯渇することはない。
In Defense of Cornucopianism - Human Progress [LINK]

石油は使えば使うほど発見される。埋蔵量は1980年以来158%増え、現在では2400億トンを超える。これは世界人口が80億人以上に82%増えたのと同じ時期に起こった。人口が1%増加するごとに石油埋蔵量は1.92%増えている。地球上にどれだけの石油が存在するのか、見当もつかない。
More Oil or More Knowledge? - Human Progress [LINK]

パレスチナ、サウジアラビア、ウクライナが中国と対話するということは、かつて米国の専売特許だった地域や戦争に関して、中国と連携する意思を明確に表す。この3者すべてが旧敵と対話する意欲を示している。ファタハはハマスと、サウジはイランと、ウクライナはロシアと。
Look Who’s Talking: America, Russia, Ukraine, China, and Palestine | The Libertarian Institute [LINK]

2024-08-08

アメリカ帝国は持続不可能

アメリカ帝国主義の現在の進展は、帝国そのものの永続に逆効果だ。軍事的優位は持続不可能であり、国際覇権を主張する前提としては不適切だ。米国は自制しなければ生き残れない。超大国であり続けたいのであれば、もはや無謀な帝国主義の名の下に経済を食いつぶす余裕はない。
The U.S. military machine is unsustainable | Mises Institute [LINK]
米財政赤字が問題でないかのように装う人々は、国債の利子が政府予算の最大の項目となり、歳入の40%にも達するという事実を無視している。これは持続不可能だ。FRBの赤字穴埋めによるドルの下落が基軸通貨の地位否定につながれば、大恐慌以来の経済危機が起こるだろう。
America Reaches a Sad Milestone - The Ron Paul Institute for Peace & Prosperity [LINK]

攻撃しなかった個人をテロリスト集団の一員だとして罰することは、リバタリアンだと認められる行為ではない。イスラエルの情報源でさえ、ガザで1万6000人の民間人が死亡したと認めている。私はユダヤ人だが、自分の血統が古代イスラエルまで遡れるかどうか、全然わからない。
Libertarianism and Zionism Can’t Be Squared | The Libertarian Institute [LINK]

最近の調査によれば、米国で70%の学生が「言論は物理的暴力と同じくらい有害でありうる」と考えている。3人に2人が教室での討議中に「自己検閲」をしている。とくにその傾向が強いのは共和党支持の学生だ。保守的な教授陣が粛清された不寛容な言論環境では不思議ではない。
'The Movement is Winning.': Polling Shows Drop in Support for Free Speech - The Ron Paul Institute for Peace & Prosperity [LINK]

収入が倍増し、余った富で自分や家族、自分の選んだ慈善団体に何ができるかを想像してみてほしい。そのようなことが、ほとんどの米国人に起こったかもしれない。しかし税金や規制が新しいイノベーションを常に阻害し、認めなかったために、米国では成長が著しく鈍化している。
The Human Meaning of Economic Growth - Human Progress [LINK]

2024-08-07

ローマ帝国はなぜ衰退したか

ローマ帝国の衰退をもたらしたのは、経済の相互依存の崩壊であり、蛮族の侵略ではなかった。3〜4世紀の政治混乱の中で、皇帝たちが通貨価値の切り下げに手を染め、衰退は決まった。通貨安は最高価格制と相まって重要な食料品の生産販売を麻痺させ、社会の経済組織を壊した。
How Mises Explained the Fall of Rome [LINK]
貨幣は無制限に刷ることができ、インフレを起こすこともないと長年考えてきた各国中央銀行は、論理に立ち返り、保有資産に金を増やそうとしている。ドルやユーロ建て債に損失が生じる恐れが強まり、金の買い増しに動き、新たなインフレ圧力の爆発から身を守ろうとしている。
Central banks purchase gold to offset their own money destruction | Mises Institute [LINK]

保護主義で競争がなくなれば、ある産業が他の産業よりも成長しやすくなる。しかしこれは、保護される産業以外の人々を犠牲にする。純粋な自由市場では、生産はより効率的な場所で行われる。保護主義は、政治的に人気のある特定の産業を振興するために、非効率を強いる。
Protecting infant industries doesn’t help the economy | Mises Institute [LINK]

ハイエクの自由論には、略奪する国家についての説明がない。政府権力の恣意から個人を守る法の支配の重要性を擁護する一方で、政府を権利の源泉とみなしている。政府そのものが自由に対する最大の脅威であることを認めていない。歴史的に、政府が略奪を控え続けたことはない。
Hayekian liberty and the predatory state | Mises Institute [LINK]

ファシズムは資本主義に反対すると主張したが、同時に伝統的なマルクス主義の国際主義にも反対した。ファシズムは社会主義のもう一つの形態だった。ファシズムとマルクス主義との戦いは右翼と左翼の戦いではなく、異なる左翼思想、すなわち国際主義と民族主義との戦いだった。
There's No Denying the Socialist Roots of Fascism [LINK]

2024-08-06

民主主義という宗教

民主主義は宗教である。十分に信仰し、何千万人もが投票に行けば、正しい判断が下されると信じている。なぜそうなるのか、誰も説明しないし、そうはならない。それは魔法への信仰であり、魔法は実在しない。民主主義という宗教には欠陥がある。ほとんどの有権者は無知なのだ。
TGIF: Democracy as Religion | The Libertarian Institute [LINK]
政府によるルール作りを否定することと、ルールそのものを否定することとは違う。政府によるルールがなくても、共同体はメンバーのためにルールを作り、利益をもたらす伝統を築いていく。このような真に優れたルールは、それを生み出す過程を妨げない場合にのみ存在しうる。
An open letter to Jordan Peterson | Mises Institute [LINK]

経済成長の最も重要な条件は経済的自由だ。ポーランドとベトナムがその例だ。ベトナムは1990年当時、世界で最も貧しい国だった。ポーランドは欧州で最も貧しい国の一つだった。今驚くことに、ポーランドは過去30年間、欧州の経済成長の王者で、ベトナムも非常に繁栄している。
How Nations Escape Poverty | Podcast Highlights - Human Progress [LINK]

米連邦準備理事会(FRB)が今できる最善のことは、2001年の景気後退後に初めて住宅バブルを発生させて以来維持してきたインフレバブルを、本物の景気後退によってすべて吹き飛ばすことだ。2008年以降にFRBが住宅ローン担保証券や国債を買い入れたせいで、住宅や国債など多くのバブルを生んだ。
Bidenomics: New employment numbers say recession is here | Mises Institute [LINK]

1941年12月7日に日本が真珠湾を攻撃するまで、米国民の大多数は枢軸国への宣戦布告を避けたいと考えていたが、連合国支援を支持する人々は、戦争の危険を冒す非中立的な手段をいとわなかった。英独とも米国内のプロパガンダに資金を出したが、英国ははるかに大規模だった。
Rachel Maddow's hunt for imaginary fascists | Mises Institute [LINK]

2024-08-05

政治民主主義より市場民主主義を

市場民主主義(資本主義)は政治民主主義よりも公平だ。政治民主主義では、多数派の候補者や多数派の計画に投じられた票だけが、政策を形成する上で有効だ。少数派の票は政策に直接影響しない。市場では無駄な1票はない。使われた1円1円が、生産過程に働きかける力を持つ。
Democracy is Dead, and Democracy Killed it [LINK]
労働力を必要としながらも支払い能力のない政府にとって、徴兵制はその単純さゆえに魅力的な政策手段である。政府は徴兵制によって、労働力の提供を強制することができる。その賃金率は明らかに、強制されない個人が自由意志でサービスを提供する場合よりもはるかに低い。
Now for another failed UK policy: Conscription | Mises Institute [LINK]

今日米軍はウクライナで、その軍隊に米軍の武器を使ったロシア軍の殺し方を教え、イスラエルではその国防軍にガザでの民間人の殺し方を教えている。これは米大統領の秘密命令によって行われた。ロシア軍とガザの市民は、米国人の生命、自由、財産に何の脅威にもならないのに。
When Presidents Kill - The Ron Paul Institute for Peace & Prosperity [LINK]

パレスチナの対立勢力を和解させる「北京宣言」のおかげで、パレスチナ人は、もし国民和解政府が樹立されれば、統一できる立場となった。これはイスラエルのネタニヤフ首相にとって脅威であり、ハマスの政治指導者ハニヤ氏が北京合意の数日後に暗殺された理由の一つでもある。
The Beijing Declaration: Quest for Middle East Peace After the Haniyeh Assassination - Antiwar.com [LINK]

ロシアのいわゆる「十月革命」は革命ではなく、少数派によるクーデターだった。 社会主義史観では、十月革命はレーニンとボリシェヴィキが自由主義派の臨時政府を倒したボトムアップの人民運動だとする。しかし実際には、革命的多数派の要求に応えたものではなかった。
The "October Revolution" was a coup, not a revolution | Mises Institute [LINK]

2024-08-04

グローバル化の恩恵と希望

世界は良くなっているのか、悪くなっているのか。ニュースを見ていると、つい悲観的になってしまいがちだ。しかし、報道には一定の偏りがあることを忘れてはならない。悪いニュースは高い視聴率や閲覧数につながるから多く報道されるが、良いニュースはめったに報道されないという偏りだ。

OPEN(オープン):「開く」ことができる人・組織・国家だけが生き残る (NewsPicksパブリッシング)

それでは、人類の本当の姿はどうなっているのだろうか。第二次世界大戦後、世界で起きた変化のいくつかを具体的な数字で見てみよう。

▽1950年に出生時の平均寿命はわずか48.5歳だった。2019年には72.8歳になっている。50%も伸びているのだ。
▽1950年の出生児1000人のうち、20.6人が5歳の誕生日を迎える前に亡くなった。その数は、2019年にはわずか2.7人。87%の減少である。
▽1950年から2018年の間に、1人あたりの平均所得は3296ドルから1万5138ドルへと上昇した。インフレ調整後で359%の増加だ。
▽1961年から2013年の間に、1人あたりの1日の平均食料供給量は2191カロリーから2885カロリーに上昇した。31.7%の増加である。
▽1950年、人が通常受けられる学校教育の長さは2.59年だった。2017年には8年となった。これは209%の増加だ。

これらのデータは米シンクタンク、ケイトー研究所が運営するウェブサイト「ヒューマン・プログレス」に掲載されたものだ。メディアに日々あふれる暗いニュースに覆い隠されがちだが、世界はこの約70年間、驚くようなスピードで良くなっている。

さらに長期間でみても、ほぼ同じことが言える。同研究所の主任研究員マリアン・テューピー氏によれば、「近代」と呼ばれるこの2〜3世紀は、人類がおもに農耕民族として生きたそれまでの1万2000年だけでなく、人類出現以来の30万年とは根本から異なる。古代シュメールの農民は古代エジプト、古代ローマ、大革命前のフランスには違和感なく住めるだろうが、「1900年や2000年頃の先進国の生活は理解できないだろう」という。

同氏が指摘するように、古代ギリシャの女性は男性の所有物だった。これに対し現在、女性は多くの国を運営し、大半の国で投票権がある。男性が危険な仕事をしたり、外国の戦争で戦ったりして死ぬ可能性は昔よりずっと低い。奴隷制はおそらく農業の誕生以来、存在していたが、18世紀英国で組織的・持続的な反奴隷運動が起こった。昔、児童労働と体罰は珍しくなかったし、同性愛は罰せられた。動物への残酷な行為はいたるところで行われていた。魔女狩り、人肉食、新生児遺棄、人間の生けにえも忘れてはならない。

テューピー氏は、悪いニュースが高い視聴率や閲覧数を集めやすい現象には、人間の進化で形成された特質が関係していると指摘する。人間のハードウェア(脳の構造)とソフトウェア(心理学)は、否定的な事柄に強く反応するように進化してきた。これは危険・残酷・不快な世界で生き残るには適切なメカニズムだ。脅威かもしれないものに過剰反応し、それが偽物だとわかっても、取り越し苦労で済む。しかし本物の脅威に過小反応しかしなかったら、命にかかわる。

けれども世界が大きく変化した今、人類にとって重要なのは、脅威を過剰に恐れ、規制によって安全を求めることではない。歴史から正しい教訓を学び、世界の繁栄は個人の自由、経済の自由と深く結びついていると理解することだ。それができなければ、「経済が停滞し、自由が後退する恐れさえある」とテューピー氏は警告する。

経済の繁栄にとって、カギを握るのは他者との協力だ。同じくケイトー研究所の主任研究員ヨハン・ノルベリ氏は著書『OPEN(オープン)』で、その理由を以下のように説明する。

ホモ・サピエンスは協力的な生物種だ。人間は他の多くの動物に比べると、特に強くもないし足も遅いし、外皮も弱いし空も飛べず、泳ぐのもあまり上手ではない。だが、圧倒的な優位性をもたらす別のものがある。他の人間たちだ。

言語の発達と、社会関係を把握する過大な脳のおかげで、大規模な協力が可能になり、他人のアイデア、知識、労働が使えるようになった。この協力のおかげで、人工的な強さ、速度、衣服や医療という優れたものが得られた。そして動物界のどんな生物よりも速く空を飛び、海を渡れるようにすらなった。

人は生まれながらの交易者だ。たえず他人とノウハウや頼みごとや財を交換し、自分一人の才能や経験に限定された場合よりずっと多くのことを実現できる。

「今日のグローバル化は、この協力を国境を超えて拡大し、世界中に広げて、ますます多くの人々が、世界中のどこにいようとも他人のアイデアや仕事を活用できるようにしただけの話だ」とノルベリ氏は指摘する。

同氏はさらに、「洞察の数、アイデアや解決策の組み合わせは、潜在的に無数にある。あらゆる知識を使い、あらゆるアイデアを試す唯一の方法は、みんなの好きにさせて、自由に協力しやりとりができるようにすることだ」と強調する。

経済学者ミーゼスは「社会とは、協調行為であり、協業である」としたうえで、「社会的協業の組織下では、社会構成員の間に、同情と友情の感情や連帯感を生むことができる。これらの感情は、人間の最も喜ばしい、最も崇高な経験の源泉である。これらは、人生の最も貴重な光彩であり、動物の一種族である人間を、本当に人間的な存在の高さにまで引き上げる」と述べる

ミーゼスが言うように、人間同士の協力は、互いに経済的な恩恵を生むだけでなく、友情や連帯感を育む感情面の効果もある。グローバル化によって協力が世界に広がれば、国家間の対立を和らげ、平和をもたらす役割を果たすだろう。

ウクライナ紛争をきっかけに米欧日がロシアに対する経済制裁に踏み切り、これまで順調に発展してきたグローバル化にブレーキがかかろうとしている。これは憂慮すべき事態だ。世界が再び繁栄と希望の道を歩むためには、早期の停戦を実現するとともに、効果に疑問も持たれる経済制裁を中止し、世界の人々の間に経済的な協力関係を復活させることが欠かせないだろう。

2024-08-03

米財政はネズミ講

米政府は際限のない支出を続けている。どう見てもネズミ講だ。借金を返すには、さらに借金をするしかない。議会はそんなことには目もくれず、海軍でいう「酔っ払った船乗りのような支出」を続けている。レーガン大統領がよく口にしたように、それは水兵に対する侮辱である。
The Great Ponzi Scheme [LINK]
大統領に誰が選ばれようと、米連邦準備理事会(FRB)はいつもと同じように、経済が悪化するにつれて金利を引き下げるだろう。大企業や政権のお友だちに対する救済措置を画策するだろう。多くの経済指標が、景気後退の接近か開始を示している。FRBは利下げを準備している。唯一の問題は時期だけだ。
The Fed is holding interest rates steady. This won't last much longer. | Mises Institute [LINK]

政府官僚は専門分野で有能な能力を発揮することが多い。だからといってその影響範囲を社会全体に広げるのはよくない。私たちは強制よりも自発的な解決策を好むし、判断を委ねる相手を押しつけられたくない。権力は当局者の判断を曇らせ、その選択に悪影響を及ぼすことが多い。
The technocratic fallacy | Mises Institute [LINK]

トランプ氏がディープ・ステートを打ち砕くと思う人は多い。しかし彼は哲学がないので、政府を廃止する代わりに利用するだけだろう。大統領時代に何兆ドルもの政府支出を承認した。再選されれば、また何兆ドルも使うだろう。そのすべてがディープ・ステートを養うことになる。
Your Enemy, The Deep State - LewRockwell [LINK]

ソ連が価格を廃止したことは、その多くの弊害の一つだった。ソ連経済の成長は非効率であり、無理な工業化と技術改良の結果だった。国家計画委員会(ゴスプラン)が戦車や兵器といった非小売品に生産を振り向けると決定すれば、国民は何も買わずに済ませなければならなかった。
The Soviets Tried to Run an Economy without Market Prices [LINK]

2024-08-02

意図ではなく結果で

経済介入政策の効果を評価する際には、掲げる目標を達成したかどうかを含め、有用か有害かを確かめなければならない。経済政策はその意図ではなく、結果に基づいて評価しなければならない。最低賃金法はその意図に反し、低技能の黒人労働者を雇用から排除してしまう。
Law and state coercion: The liberating effects of free markets | Mises Institute [LINK]
複雑な経済が機能するためには、利益と損失を計算する能力が必要だ。国家が財や産業を所有すると価格シグナルを妨げ、排除する。もし国家があらゆる種類の財を所有すれば、それらの財に本当の市場価格は存在せず、企業家は異なる生産工程間のリターンの違いを計算できない。
MMT: Feeding the economically inferior machine | Mises Institute [LINK]

米国の対ベネズエラ制裁は野蛮で非道徳的だ。しかし過去20年間にベネズエラで起こった経済崩壊の責任は、制裁にはない。たしかに制裁は生活水準をさらに低下させ、とくに最下層の人々に重くのしかかったが、その影響は経済全般の崩壊を引き起こすほど広範囲には及んでいない。
Socialism, not US sanctions, ruined the Venezuelan economy | Mises Institute [LINK]

ヘリテージ財団がまとめたプロジェクト2025の外交政策は、ポピュリスト的なアメリカ・ファーストよりも、ブッシュ時代のネオコンに近い。米政府は中国、イラン、ベネズエラ、北朝鮮、ロシアに弱腰だと非難し、太平洋、中東、南米、東欧で行動するため資金を費やすよう説く。
Project 2025: The good, the bad, and the frustrating | Mises Institute [LINK]

130万の兵士を擁し、100万近い官僚に支えられる恒久的な国家管理の軍隊を、米建国の父たちはどう思うだろう。無謀な軍国主義や野蛮な帝国主義に反対することは、不戦主義ではない。米国の政治と軍国主義の現状を正直に見つめ、憤慨することは、人としての美徳と共感の問題だ。
Why You Needn't Be a Pacifist to Oppose the Military | Libertarian Christian Institute [LINK]

2024-08-01

アダム・スミスは経済学の父か

ミレイ氏(アルゼンチン大統領)はアダム・スミスを経済学の父と称えるが、スミスはいかなる意味においても先駆者ではなかった。一般にスミスの貢献とされるものは、他の人々によって先取りされている。たとえば分業に関して、スミスは一つの工場における分業に限定し、産業間の分業は無視している。
Deconstructing Mileinomics | Mises Institute [LINK]
1920年代以降、気候に関連した死亡者数は97%以上減少した。この間、世界人口は300%増加している。人口が1%増加するごとに、気候関連の安全性は53%高まった。人間が自由に適応し、イノベーションを起こせば、リスクを劇的に減らし、生活を安全なものにすることができる。
Freedom from Climate-Related Death Risk - Human Progress [LINK]

ハリス氏はガザ問題に関し民主党の進歩派に歩み寄るため、米外交の強硬路線を和らげるだろうか。「自由主義陣営」が何十年も続けてきた路線を和らげることは誰にも許されない。これがディープステートの態度だ。ハリス氏が柔軟路線に転じることは、米国では通用しないだろう。
Is There a Risk that Kamala Harris Might 'Go Soft' on Foreign Policy? - The Ron Paul Institute for Peace & Prosperity [LINK]

米大統領を目指すハリス副大統領のウクライナ戦争に関する単純すぎる解説。「ウクライナは欧州にある国ですね。ロシアという別の国の隣にあります。ロシアは大きな国です。強い国です。ロシアは小さいウクライナを侵略しようと決めました。だからそもそも間違っています」
Why We Don’t Want Kamala - LewRockwell [LINK]

生徒の長期欠席を取り締まるために、強制を強化することは、今日の大規模学校教育モデルが非常に望ましくないという現実を無視している。子供たちに学校に行ってほしいのであれば、子供たちが行きたがる学校と、その学校を創設している起業家たちに投資すればいい。
Chronic Absenteeism Is a Problem, but Most Proposed Solutions Miss the Point - FEE [LINK]

2024-07-31

エリートはイノベーションを嫌う

どの社会でもエリートは、特定の生産方法とある種の神話や思想の上に権力を築く。既得権益層には、現状を揺るがすリスクのあるイノベーションを阻止するか、少なくとも統制しようとする動機がある。エリートが勝利すると変化は押しとどめられ、社会は長い停滞に逆戻りする。
What Are the Causes of Human Progress? - Human Progress [LINK]
政府が税金を取り、公共サービスに使ったり、他の人に配ったりするとき、その受益者は本当にそのお金を受け取る資格があるのだろうか。明らかにない。一方、納税者は多くの場合、自分が稼いだお金なのだから、自分で使う資格がある。課税が増えるほど、公平性から遠ざかる。
Responding to Reich, Part 3: Defending the Unfairness of Capitalism - FEE [LINK]

経済制裁を受けた政府には、以前よりも国民からしばしば大きな支持を得るという「旗下結集効果」が起こる。制裁は敵対する外国勢力の行為だと国民がみなすからだ。また制裁は対象各国を相互依存に追い込む。対象国は米国の同盟国から孤立し、必要に迫られて敵国と結びつく。
Washington Post Fails to Learn Anything About Sanctions - Antiwar.com [LINK]

トランプとハリスの政策で重要なのは、共通点だ。多くの人々を殺し、多くの生活に悪影響を与え、生態系に大きなダメージを与える、完全に一致した部分であって、取るに足らない相違点ではない。違いよりも共通点を見る方が、米国とその帝国について多くを学ぶことができる。
US Presidential Races Hide The Criminality of the US Empire - LewRockwell [LINK]

イスラエルは1948年、シオニズムを信奉する欧州系ユダヤ人によって建国された国であり、1948年以前にパレスチナ系ユダヤ人によって正当に取得された土地は、現在のわずか7%にすぎない。建国と拡張はほとんど、アラブ系住民に対する収奪、脅迫、テロ、戦争、征服の結果である。
Socialism, Israeli-style | Mises Institute [LINK]

2024-07-30

「脱成長」論者という蛮族

水道橋など古代ローマの驚くべき技術は、蛮族に脅かされ、ついに破壊された。現代の繁栄の源泉である人間の創意工夫も、同様に脅威にさらされている。今日の「脱成長」運動は、水道橋を破壊した蛮族のように、エネルギー使用を根本から削減するよう提唱している。
Degrowthers Are the New Barbarians - Human Progress [LINK]
人類の歴史の大半で、労働者や商人であるよりもエリート学者、政府官僚、宗教関係者のほうがはるかに名誉であり、商業や技術革新は蔑視された。17世紀の英国とオランダでこの文化が変わり始めた。革新を受け入れ、称賛するようになり、今日享受する質の高い生活につながった。
The Role of Culture in Innovation - Human Progress [LINK]

マルクス主義者は経済的不平等の原因を誤認している。資本家に不公平な富を与えるのは、労働者からの剰余価値の搾取ではない。マネーサプライの増加によるタダの資金の流入だ。マルクス思想は、インフレや企業救済など国家の介入で金融エリートを利し、経済格差を永続させる。
Inequality is caused by inflation | Mises Institute [LINK]

マルクス主義哲学者スラヴォイ・ジジェクの理論の欠陥は、彼が「私たちのコモンズ」と呼ぶ、集団所有の考え方にある。この考え方は、富の平和な生産者から収益を没収することを正当化するために、社会主義者、共産主義者、ファシストなど様々な集団主義者によって提唱される。
The Poverty of Slavoj Žižek’s Collectivist Vision of Property Rights [LINK]

健全な経済政策はユートピア的な願望から導かれるものではない。誰かが時給20ドル以下で働くことは「不公平」かもしれないが、その金額で働くことを禁止すべきではない。最低賃金法は失業水準を全般に引き上げ、最も不利な立場に置かれている人たちを完全に失業させてしまう。
How capitalism defeats racism | Mises Institute [LINK]

2024-07-29

保護主義の害悪

英国の自由貿易論者がよく語ったように、自由貿易の下では、同じ額の所得で多くのものが買える。つまり保護主義の下では、買えるものは少なくなる。保護主義は希少な資源を浪費し、個人の自由を制限し、幸福の追求を妨げる。これが一番のポイントだ。
TGIF: Damn Consumers! | The Libertarian Institute [LINK]
米国憲法は完璧というにはほど遠いものだが、欧州のいくつかの憲法に見られる非常に危険な規定がない。国家緊急事態が発生した場合、大統領が憲法を一時停止することを認める規定だ。かりに緊急事態に対処が必要だとしても、なぜそれを一人の人間の手に委ねる必要があるのか。
No exceptions, please! | Mises Institute [LINK]

米国人が次期大統領として最も必要としているのは、「世界を動かす」ことを望んでいない人物である。そんなことは不可能だ。何十年にもわたる見当違いで費用のかかる戦争の後、米政府は平和を選択し、米国が再び普通の国になるよう認めるべきである。
Will Americans Stop Trying to ‘Run the World’? - The American Conservative [LINK]

ベネズエラの故チャベス前大統領に始まるチャベス主義は、25年以上にわたって国の制度を解体し、大統領職に権力を集中させてきた。これは典型的な社会主義につながり、市民に深刻な影響を及ぼし、700万人以上のベネズエラ人がより良い機会を求めて国外に逃れている。
Citizens Hope to End Maduro’s Dictatorship As Venezuela Goes to the Polls - FEE [LINK]

ネタニヤフ・イスラエル首相は米議会演説で、ハマスという「怪物が女性を強姦し、男性の首をはね、赤ん坊を生きたまま焼いた」と主張した。信頼できる独立情報源によって確認されているように、それはすべて嘘であり、イスラエル政府が作り出したプロパガンダの一部である。
War Criminal Benjamin Netanyahu Addresses the US Congress - The Ron Paul Institute for Peace & Prosperity [LINK]

2024-07-28

絶対君主制と革命の流血

フランス革命が血にまみれた無数の乱行を招いたことは否定できない。だが、ここには絶対君主制の痕跡がある。結局のところ、地方自治をつぶし、近代化された大官僚体制を作り上げ、権力者の気まぐれに答える単一のフランス国家という考えを作り上げたのは、君主だったのだ。
Medievalism, Absolutism, and the French Revolution | Mises Institute [LINK]
古典的自由主義の経済学者ミーゼスはフランス革命に好意的だったが、それは革命の初期、法的特権の廃止など自由主義の信条が主張されたためだった。「我々と人類にとって救いはただ一つ、1789年(フランス革命)の思想である合理主義的な自由主義に立ち戻ることだ」と述べた。
Was the French Revolution Good or Bad? | Mises Institute [LINK]

合理主義的な啓蒙主義者たちは、立憲君主制、自由主義的な経済・法秩序、科学の進歩、有能な行政を支持していた。もしフランスのエリートが、このような改革路線に合意していたら、革命の恐怖政治、ナポレオンの専制政治、中央集権的な国家主義革命は起こらなかっただろう。
What Brought on the French Revolution? | Mises Institute [LINK]

フランス王政の破綻を招いた最大の原因は、費用のかかる戦争だった。しかし革命から3年も経たないうちに、仏新政府はオーストリアに先制宣戦布告した。その後22年間、フランスはほとんど常に戦争状態となった。共和国のために欧州大陸を安全にするという名目による。
How Nationalism and Socialism Arose from the French Revolution [LINK]

1790年3月17日、フランス革命国民議会はアシニアと呼ばれる新紙幣の発行を決議した。91年後半までにその購買力は14%低下し、93年8月には60%下落した。95年11月には発行以来99%減少した。この5年間で、革命期フランスの貨幣は、印刷された紙よりも価値が下がってしまったのだ。
Inflation, Price Controls, and Collectivism During the French Revolution [LINK]

ニクソン・ショックで失われたもの

1971年8月15日、米ドルと金の交換が停止された。当時のニクソン大統領が緊急会見で発表したため、「ニクソン・ショック」と呼ばれる。これにより、世界で米国だけがかろうじて維持していた金本位制は完全に失われた。それは健全な通貨の規律が失われた瞬間でもあった。

ロン・ポールの連邦準備銀行を廃止せよ

金本位制とは、金を本来の通貨とする制度だ。中央銀行の発行する紙幣はいわば金との引換券で、一定量の金と交換が約束されている。中央銀行は紙幣を大量に発行しすぎると、金との交換を次々に求められた場合、保有する金が底をついてしまう。米国が金ドルの交換停止に追い込まれたのは、まさにそれだった。

大戦の終結間際、米国を中心とする連合国が戦後の国際通貨秩序であるブレトンウッズ体制を策定した。その柱として米国はドルを1オンス35ドルで金と交換することを約束し、ドル供給量の拡大に制約を課した。

1950年代後半から60年代にかけ、米国は国内消費の増加に加え、東西冷戦を背景に新興独立国へ莫大な経済援助を行ったり、ベトナム戦争で軍事費が膨らんだりしたことなどから、国際収支が大幅な赤字となった。各国は獲得したドルを米中央銀行の連邦準備理事会(FRB)に提示し、金への交換を請求したため、大量の金が海外に流出した。

米国は外交圧力によって外国政府からの金の交換要求を遅らせることしかできなかった。1950年代初めから1971年の金ドル交換停止までの間に、米国は金の保有高の55%を失うことになる。

この間、米国はドルの動揺を抑えようと、さまざまな防衛策を講じた。たとえば1960年から貿易収支改善のため、政府が優先的に米国製品を購入することを定めたバイアメリカン法(米商品優先購入法)の適用を始めた。また同時期、やはり国際収支改善のために、輸送に米国船の利用を義務づけるバイシップ政策が採用されたが、どちらも大きは効果は上がらなかった。

また、米国からの長期資本流出を阻止するため、株式や社債が発行される際に臨時税を課した。金利平衡税という。しかし平衡税の対象にならない短期資本の借り換えや直接投資が増加して、ドルの流出は止まらなかった。

手持ちのドルを金に交換する各国の請求に米国が容易に応じなかったため、各国はロンドンの自由金市場で金ドルの交換を行なった。そのためロンドンの金価格はじりじり値上がりし、米国の保証する公定価格と大きな差が生まれた。米国と欧州主要国はドルの信用を回復しようと1961年から金プール機構を作り、ロンドンの金市場で金売り介入を行った。

1968年になると、金取引がさらに拡大したため、金は1オンス35ドルの公定価格以外に自由価格を認める二重価格となった。自由金市場では金1オンス600ドルにもなった。ドルは市場によって事実上切り下げられたことになる。

米国から金の流出に歯止めはかからず、ニクソン大統領は金ドルの交換停止を宣言することになった。当時は一時的な措置の予定だったが、結局、現在に至るまで金本位制を放棄したままとなっている。

ドルは商品の裏付けから完全に切り離され、純粋な不換紙幣となった。FRBは民間人、企業、外国政府、外国の中央銀行からの金との交換請求にわずらわされることなく、ドルを自由に発行できるようになった。

一見よいことのように思えるが、ひとつ問題があった。お金を自由に生み出せる「打ち出の小槌」を手にした人間は、節度のある使い方をすることが難しい。予算のばらまきに走りがちな政治家なら、なおさらだ。ドルが大量に発行されるのと並行して、政府の債務が急膨張していく。

米連邦政府の総債務は1970年末に約4000億ドルだったが、2022年1月末に初めて30兆ドル(約3450兆円)に達した。約半世紀で75倍に膨張している。約30兆ドルのうち、国債など連邦政府自身の債務が約23兆5000億ドル、社会保障基金などその他の公的機関の債務が約6兆5000億ドルとなっている。また、外国に対する債務は約7兆7000億ドルあり(2021年11月時点)、そのうち日本に対する債務が約1兆3000億ドルと最も多く、中国の約1兆1000億ドルが続く。

世界全体でも債務は膨らんでいる。とくにここ十数年は2008年のリーマン・ショックをきっかけとする世界金融危機、2020年からの新型コロナ感染症の流行に対し、各国政府が財政による対策に乗り出したため、公的債務の増大に弾みがついた。

国際通貨基金(IMF)によると、2020年に民間部門を含む世界の債務は第二次世界大戦以降、最大の年間増加額を記録し、債務残高は過去最高の226兆ドル(約2京5800兆円)に達した。対国内総生産(GDP)比は28ポイント上昇の256%となった。

債務増加額の約半分は政府が占め、残りは非金融企業と家計部門だ。公的債務は今や世界全体の40%を占め、ここ60年弱で最大となっている。世界の公的債務は対GDP比で過去最高の99%に跳ね上がった。

債務拡大はとくに先進国で顕著で、公的債務の対GDP比は2007年の約70%から、2020年には124%まで上昇した。中国を除き、新興国・途上国の割合は比較的小さい。

IMFは2022年4月に公表した論評で、世界の債務負担が「危険な水準」に達したと警鐘を鳴らした。新型コロナ対策がいまだに多くの政府予算に重くのしかかるなか、ウクライナでの戦争を受けてリスクがさらに増したためだ。「負債の透明性を改善し、債務管理の政策および枠組みを強化するために、当局者による改革が急務」と呼びかけた。

しかし米欧日諸国は債務を削るどころか、ウクライナの戦争支援や物価高対策などに支出を増やしており、財政は一段と悪化する恐れが強まっている。

そうしたなか、ロシア大統領府は2022年4月29日、通貨ルーブルと金やその他商品の交換比率を固定することを検討していると明らかにした。

ロイター通信によると、ペスコフ大統領報道官が記者団との電話会見で「この問題をプーチン大統領と話し合っている」と表明した。ロシア中央銀行のナビウリナ総裁は記者会見で「いかなる形でも議論していない」と語っているものの、実現すれば、ニクソン・ショック以来の金本位制復活となる。

半世紀にわたる債務膨張への反省から、通貨制度の枠組みが大きく転換するのか、注目される。