2021-08-20

経済の自由と平和


マルクス社会主義者が海外での戦争を拒否するのは、敵は外国でなく自国の所有階級と考えるからだ。ナショナリスト帝国主義者が革命を拒否するのは、自国のあらゆる層は外敵との戦いで利害が一致すると信じるからだ。どちらも軍事介入や流血に対する一貫した反対ではない。(経済学者、ルートヴィヒ・フォン・ミーゼス)

自由主義が侵略戦争を拒否するのは博愛心からではなく、功利の観点からだ。戦争の勝利は有害とみなし、征服を望まない。最終目的を達するには適さない方法とみなすからだ。国は戦争と勝利ではなく、労働でしか国民の幸福の前提条件を整えることができない。(同)

生産手段の私有と自由な経済秩序に基づかない平和主義はすべて、ユートピアでしかない。国家間の平和を望む人々は誰であれ、政府とその影響力を厳しく制限しなければならない。(同)

恒久平和への道は、社会主義のように政府と中央権力を強化することでは開けない。政府が個人の生活に広く介入し、個人にとって政治が重要になるほど、人々の間に不和をもたらす。(同)

人と物の完全な移動の自由、個人の財産と自由の最大限の保護、学校制度における政府のあらゆる強制の廃止。すなわち1789年フランス革命の理念を完璧に適用することが、平和に不可欠の条件である。(同)

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