2023-03-03

よみがえる反戦運動

元米下院議員、ロン・ポール
(2023年2月27日)

2月19日、ワシントンのナショナル・モールで、この20年間で最大の反戦集会が開かれた。講演者には〔自分を含め〕4人の元米大統領候補が名を連ね、左派・右派の枠を超え、幅広く多様な反戦活動家が顔をそろえた。
「戦争機構への怒り」と名付けられたこの集会には数千人の参加者が集まったが、多くの戦争擁護派は、20年前のイラク戦争に反対する大規模な集会の規模には及ばないと熱心に指摘した。

それに対して私は、「どうでもいいじゃないか」と言いたい。米国の主流メディアは、フォックスニュースのタッカー・カールソン氏を除いて、ノンストップで戦争プロパガンダに従事している。だから、戦争マシンの中心地であるワシントンまで行って声を上げる勇気のある人がいたことは、奇跡だと思う。 反撃に多数派は必要ない。教育を受け、献身的な少数派がいれば十分だ。この集会で私たちはそのことを確信した。

私はスピーチをするために控室で座っていたが、元民主党大統領候補のトゥルシー・ギャバード、デニス・クシニッチ両氏、元緑の党大統領候補のジル・スタイン氏と会う機会があった。政治評論家のジミー・ドーア氏やクリス・ヘッジズ氏も来ていたし、多くの著名な自由主義者たちもいた。舞台裏では誰もが同じメッセージを伝えていた。「この戦争に反対する新たな幅広い連合を築くために、互いの意見の相違を脇に置かなければならない」

反戦運動は、国内でも海外でも火がつき始めているのだと思う。ワシントンの集会に続いて、パリ、ベルリン、ロンドンなどでも大規模な反戦集会が開かれた。

ピュー・リサーチ・センターやAP通信など最近のいくつかの世論調査によると、米国人のウクライナへの支持率は低下している。欧州連合(EU)でも、新たな世論調査で、国民が自国政府の戦争支持に強く反発していることが示されている。最近のイプソスの世論調査によると、ドイツ人の半数以下しか、ウクライナに武器を送り続けることを支持していない。変化が起きているのだ。

ワシントンの集会は、どのようにして米政府がノルドストリーム・パイプラインを爆破し、主流メディアがそれを必死に隠蔽しようとしたかを示す、セイモア・ハーシュ氏の驚くべき調査報道を背景として行われた。真実は明らかになりつつあり、それは想像以上に醜悪なものだ。

米国の主流メディアは、自分たちの支配する物語が消えつつあることに、明らかに神経質になっている。なぜメディアが神経質になっているとわかるのか。反戦集会や反戦論に対する嘘や中傷の度合いを強めているからだ。

〔米MSNBCの〕レイチェル・マドー氏は、過去6年ほど「ロシアゲート」の嘘を米国に流し続けたが、「戦争機構に対する怒り」の集会について青筋を立てて誹謗中傷した。集会後のマドー氏の発言は文字どおり、すべてが客観的に虚偽であり、狡猾にも集会参加者を「変人」と誤って描いた。マドー氏は、集会が「白人至上主義者」「〔極右団体〕プラウドボーイズ」「反ワクチン陰謀論者」でいっぱいだったと嘘をついた。

集会にいた人は誰も、マドー氏の発言の意味がわからなかっただろう。しかし同氏の仕事は集会を説明することではなく、その名誉を傷つけることだった。集会についてのマドー氏のヒステリーは何を示しているのだろうか。神経質になっているのだ。主流メディアが、ほぼ完全な権力を握っているにもかかわらず、恐れていることを示している。自分たちの物語が台無しになることを恐れているのだ。よろしい。いよいよだ。もっと多くの米国人が怒り始めることを期待しよう。戦争機構への怒りだ。

The Ron Paul Institute for Peace and Prosperity : The Antiwar Movement Roars Back to Life [LINK]

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