2021-08-12

医薬品行政の害悪


米食品医薬品局(FDA)が医薬品の品質を保証しようとして採る手段は、命令と統制だ。それはちょうど社会主義理論上、中央当局が経済全体を計画どおりに動かすため、資源の効率配分を命令と統制によって行おうとするのに似ている。(エコノミスト、ロバート・ヒッグス)

経済学者ミーゼスハイエクによれば、計画経済は必ず失敗する。本来動的な問題に対し、静的な解決策を押しつけるからだ。政府は、つねに変化する経済データをすべて把握することはできない。(同)

米食品医薬品局(FDA)の意思決定者は、医薬品に関し個人がどのくらいのリスクを許容するかわからない。だから、どのくらいの期間、試験と観察を行えば、個人が新しい医薬品を使おうと思うかわからない。(同)

政府当局に科学の専門知識があろうとも、患者自身やその主治医よりも優れた判断ができるという考えは誤りだ。ある薬の使用についてただ一つの決定(全面解禁にせよ全面禁止にせよ)を押しつけるのはあまりにも単純で、実際の状況において利用者にとって命取りになりかねない。(同)

医薬品を求めて市場を訪れる消費者が実際に重視するのは、多様な情報と、その情報をコスト、便益、リスク負担に関する自分の主観的な価値観に組み合わせる自由だ。それによって消費者は自分特有の状況にふさわしい、最適な判断をすることができる。(同)

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