2021-06-18

『PCRは、RNAウイルスの検査に使ってはならない』〜PCR検査のまやかし


テレビや新聞は連日、都道府県の発表に基づき、新型コロナウイルスの感染者数を報道している。それを見て人々はコロナを恐れ、早くワクチンを打たなければと焦る。しかし、もしそれが大きく水増しされた不正確な数字だったら、どうするだろう。

新型コロナに感染しているかどうかは、おもにPCR検査によって判定されている(抗原検査もあるが、その割合は小さい)。PCRとはpolymerase chain reaction(ポリメラーゼ連鎖反応)の略で、ウイルスの遺伝子を大量に増やす手法だ。遺伝子の基礎研究のほか、個人識別や親子鑑定、犯罪捜査など広範に利用されてきた。

それが新型コロナの発生とともに、世界保健機関(WHO)のお墨付きにより、コロナ感染の判定手段として各国で大々的に活用されるようになった。

しかし一部の専門家は、コロナ感染の判定にPCRを使うのは問題だと指摘する。徳島大学名誉教授の大橋眞はその一人だ。大橋は著書『PCRは、RNAウイルスの検査に使ってはならない』(2020年)で、PCR検査の本質的な欠陥を以下のように指摘する。

PCRの利点として、特異性(特定の抗原を認識する性質)が99%と非常に高いことが強調される。いわば精度が高い。しかしコロナのPCR検査は、病原体のゲノム遺伝子全体のごく一部だけを調べる検査であり、この限られた部分についてのみ、高い精度で調べることができるにすぎない。

遺伝子の一部だけを高い精度で調べても、あまり意味はない。遺伝子のごく一部が他の遺伝子と類似するのは、ごくありふれた現象だからだ。大橋は「設計図図面の切れ端だけを見て、2つの建物全体が同じであるという推定をするようなもの」と喩える。

また、新型コロナウイルスなどのRNAウイルスは、変異が多いことで知られる。変異が進めば、PCR検査では検出できなくなる。2019年12月初旬にウイルスが発生したとして、2020年8月には変異率10%に達した計算で、「PCR検査ではほとんど検出できないレベル」になっていたはずだ。

ところがその後もPCR検査は続けられ、陽性者は感染者としてカウントされている。新型コロナウイルスは変異によりPCR検査では検出できないはずなので、それ以外の遺伝子を検出している可能性が高いが、その検証はされていない。

大橋は「もはや、医学的に意味のない検査を使い続けて、一体何の意味があるのだろうか。ただ何かわからないが、陽性反応が出るから良いだろうというようないい加減なことで済まされることではない」と批判する。

PCR検査の問題については最近、米国の医師ポール・アレクサンダーも別の角度から指摘している。

大臣や知事は「感染拡大」を口実に、市民の自由をいつまでも縛るつもりだ。マスク着用や対人距離の確保、外出・営業自粛といった対策の多くは、無症状者が感染源になるという説に基づき、その説の根拠はPCR検査だ。PCR検査という手法がまやかしであれば、根底から覆る。

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