2021-01-25

結束の強制


バイデン新大統領は就任演説で「結束」を繰り返したが、実際の政策は、結束を調和ではなく同一化と考えているようだ。中央権力で強制するしかない画一的な政策だ。コロナ対策は原則州と自治体で講じてきたが、新たに「コロナ対応調整官」という中央の高級官僚が調整にあたる。

バイデン新大統領はマスク着用を義務づける大統領令に署名した着任初日、リンカーン記念堂で家族ともどもマスクなしでいる姿を目撃された。報道官は「歴史的な日を祝っていたから」とコメント。でも祝賀は例外に入っていない。政治家は他人への命令を自分では守らなくなってきた。

バイデン新大統領は環境保護の一環として、カナダの油田と米メキシコ湾岸の製油所を結ぶパイプライン「キーストーンXL」の建設認可を取り消した。同パイプラインは再生可能エネルギーの使用を約束していたうえ、鉄道など他の輸送手段を使うとCO2の排出量はむしろ多くなる。

バイデン新大統領の経済対策は経済悪化の根本原因を無視している。政府によるロックダウン(都市封鎖)と経済規制だ。カリフォルニアやニューヨークなど経済中心地では店舗が閉鎖、人は在宅を強いられている。連邦政府が多額の対策を行なっても、地方政府の規制に縛られた経済は回復できない。

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