2023-06-08

NATO前事務総長「一部加盟国、ウクライナに派兵検討」

リバタリアン研究所
(2023年6月7日)

北大西洋条約機構(NATO)の元文民トップは、近く開催されるNATOサミット(首脳会議)で同盟諸国がウクライナに重要な誓約をしない場合、一部の東欧諸国はウクライナに派兵する用意があると警告している。
NATO前事務総長で、現在はウクライナのゼレンスキー大統領の顧問を務めるアナス・ラスムセン氏は、7月に〔リトアニアの首都〕ビリニュスで開くサミットでウクライナが期待できる支援の程度を測るため、欧米を回っている。ラスムセン氏によれば、「ポーランドは、ウクライナがビリニュスで何も得られなかったら、有志連合の結成を真剣に検討すると思う。ポーランドの感情を過小評価すべきではない。ポーランドは西欧があまりにも長い間、ロシアの真の心理に対する自分たちの警告に耳を傾けなかったと感じている」

ラスムセン氏によれば、NATOがリトアニア・サミットでウクライナに十分強く関与できない場合、ポーランドとバルト3国はウクライナに軍隊を派遣する可能性がある。「もしNATOがウクライナの明確な前進に合意できない場合、いくつかの国が個別に行動を起こす可能性があるのは明らかだ。ポーランドがウクライナへの具体的な支援に積極的なことは周知のとおりだ。ポーランドが国単位でさらに強く関与し、それにバルト諸国が続き、もしかしたら軍隊が進攻する可能性も排除できない」

NATO加盟国は数カ月前から、ビリニュス・サミットでウクライナの地位をどのように格上げするかについて議論してきた。一部の西欧諸国と米国はこれに同意せず、ロシアとの戦争に議論を集中させようとしている。

「ブカレスト9」と呼ばれるNATO内の東欧諸国の小グループは6日、声明を発表し、ウクライナ加盟の道筋をつけるよう求めた。「ビリニュスでウクライナとの政治的関係を新たなレベルに格上げし、条件が整えば同国のNATO加盟につながる新たな政治的軌道を開始するよう期待している。ウクライナがその道を歩めるよう支援を継続する」と声明は述べている。

フランスのマクロン大統領は先月、同国はウクライナの完全な加盟を支持しないと述べた。同大統領はNATOに対し「イスラエルに提供される安全保障と完全な加盟の間に何かを構築する」よう求めた。

NATO加盟国の間では、重要な複数年の関与の一部としてウクライナを武装させることに合意があるようだ。「米国と同盟国は、現在の戦場におけるウクライナのニーズを満たすと同時に、今後何年にもわたって侵略を抑止・防御できる戦力を構築する手助けをしている」とブリンケン米国務長官は2日、フィンランドでの講演で述べた。「つまり長期的な資金で、将来のウクライナ軍の構築を支援するということだ」

ラスムセン氏によると、マクロン氏はこの問題について譲る兆しがある。今ではフランスを含め、「スタートは遅かったが、この考えの背後に勢いがついている」という。またドイツなど一部の加盟国が、ウクライナに加盟の道筋をつけるとロシアを刺激しかねないと考えていると指摘した。

しかしラスムセン前事務総長は、ウクライナに軍隊を派遣すると脅す加盟国が、ドイツや他の加盟国に対し、ウクライナ加盟の道筋を早く整えるよう働きかけると考えている。

Former NATO Head: Some NATO Countries Are Considering Sending Troops to Ukraine | The Libertarian Institute [LINK]

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