2022-07-12

マルクス搾取論の終焉

経済学者、カール・フリードリヒ・イスラエル
(2019年8月26日)

マルクス『資本論』の第2巻と第3巻はそれぞれ1883年と1894年に、盟友エンゲルスの編集で死後出版された。当時、1867年の第1巻で提示されたマルクスの経済体系の基礎は、完全に時代遅れになっていた。それでも資本家が賃金労働者を実質搾取するという物語は、生活水準の向上や技術革新による快適さにもかかわらず、今日も健在である。

搾取が社会に存在しても、それが自由市場における資本・労働関係から生じることはない。この主張は、オーストリアの経済学者ベームバヴェルクが著書『マルクス体系の終焉』(1896年)で早くから実証してきた。

マルクスは『資本論』第1巻で「ある商品の価値は、その生産に伴う社会的に必要な労働時間によって決定される」という考え方を示した。マルクスによれば、労働は価値の唯一の決定要因である。ある量の異なる財が市場で互いに交換されるということは、これらの量に同量の社会的に必要な労働時間が蓄積されていることを意味する。

マルクスの理論によれば、賃金労働者は労働力を消費し続けることができるように、生命と健康の維持に必要な財・サービスの束の価値に相当する価格で報酬を受け取る。しかし、一つの事実が残る。生産された財の価値の総和は、労働者に支払われる賃金の総和を超える。この超過は、唯一の価値源泉である労働が、自らの報酬を上回る剰余価値を生み出すことを意味する。この余剰価値が、労働者階級の搾取の源泉である。

『資本論』第1巻が出版された直後の1870年代に大きく発展した主観価値説の立場からすると、搾取論の基礎となる労働価値説がなぜこれほど影響力を持ちえたのか、むしろ驚きである。それはマルクスから始まったのではない。搾取論の種は、アダム・スミス、デビッド・リカードといった古典派経済学者の著作に見出すことができる。マルクスは、労働が価値の唯一の源泉であるという考えを、究極の結論に押し上げたにすぎない。

マルクスの搾取論にとどめが刺されたのは、『資本論』第3巻が出版された後だった。第3巻でマルクスは、(労働量の異なる)さまざまな経済部門で利潤率が均等化する現象に、自分の理論が矛盾しないことを証明しようとしたが、失敗した。驚いたことに、ベームバヴェルクは、マルクスのこの失敗を『資本論』第3巻の出版前に予期していた。

マルクス自身、「価値理論は物事の実際の動きと両立せず、後者を理解する試みはあきらめなければならないようだ」と認めている。マルクスが問題を解決しようとする試みは、価値、ひいては市場価格が労働によって決定されるという考えを否定することに終始している。財やサービスの価格や交換価値が、その生産に使われた労働力に比例して形成されるとき、利益が均等化されるということは、単純にありえない。

マルクスの搾取論がベームバヴェルクによって致命的な打撃を受けたにもかかわらず、搾取というテーマは、ねたみやゆがんだ正義感から行動する人々の心の中に生き続けている。

(次より抄訳)
The End of Marxian Exploitation Theory | Mises Wire [LINK]

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