2021-07-13

大企業と政府の癒着


大企業と大きな政府は、世間の思い込みと違い、仲は悪くない。政府が支出・課税・規制の何かを通じ大きくなると、大企業は利益を得る。資本主義は非情と言われるが、それは本当の資本主義ではない。政府に頼んで競争相手を規制させ、商売から締め出す。これこそ非情なことだ。

19世紀米国の鉄道王らは成功してからまもなく、規制に縛られた。1887年の法律に基づき、州際通商委員会(ICC)が発足し、すぐに運賃を統制した。鉄道王らは競争に疲れたのか、規制を歓迎した。少なくとも当面、既存の鉄道会社は、自分たちを蹴落とそうとする後発企業から保護された。

米国では2008~2014年の選挙で、バイオ燃料業界が国会議員に1090万ドルの選挙献金を行った。ロビー活動には1億8800万ドルを費やした。農業団体は1ドル献金するごとに、平均2132ドルの「政治的送金」(補助金のこと)を受け取った計算という。腐敗した農業政策の大半は合法だ。

米コロラド州は今年施行した同一労働同一賃金法で、男女間の賃金格差の是正や透明性の確保を狙っている。同州の住民を雇う企業に対し、職位ごとの給与や賞与の開示を義務付けた。多くの企業はそうした情報を公にしたがらない。当然ながら、同州の人を雇わない企業が出てきた。

「日本株式会社」と騒がれた日本の産業政策を論じた本や論文は、日本の多くの失敗を予測できなかっただけでなく、中国が未来の経済大国になる可能性も予見できなかった。韓国、シンガポール、台湾に言及しただけだ。国や経済の未来を予測する専門家の能力とは、そんなものだ。

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