2021-06-30

人の通らぬ道


異端とは、思想の自由の別名である。
 —作家、グレアム・グリーン

さまよう者すべてが道に迷っているわけではない。
 —作家、J・R・R・トールキン

自分が多数派に回ったと知ったら、行いを改めるか、ひと息入れて反省するときだ。

遠い昔、あるところで、
森の中で道が二つに分かれていた
そして私は、人のあまり通っていない方を選んだ
そのためにどんなに大きな違いができたことか
 —詩人、ロバート・フロスト

国家は、国民に陰謀論への嫌悪を叩き込む。陰謀の追究は、不正行為の動機と責任の追究を意味するからだ。陰謀論を非難すれば、国民は、国家が横暴な行為の口実とする「公共の福祉」を信じやすくなる。陰謀論は、国民に国家の思想的プロパガンダを疑わせ、体制を揺るがすことができる。

陰謀論のどれが本当でどれが嘘かは、多くの場合わからない。情報が不十分だからだ。ある陰謀論が本当だとわかるのはたいてい、ジャーナリストを含む歴史家が調査によって妥当な結論に達することによる。陰謀論の真偽は歴史が判断する問題といえる。このことに政府当局は満足しない。歴史は政府の天敵だからだ。

民主主義とは国家権力の一形態でしかないから、他の政治体制より自由であることを意味しない。ある集団が他の集団を力で支配する実態を、覆い隠すにすぎない。国民の一部があるとき弾圧者を選び、弾圧者は任期中、個人を「統治」し、経済を「計画」する合法な権威を手にする。

民主主義の信奉者は、平和な話し合いでは解決できない争いがあることを認めない。哲学や道徳上の争いだ。争う双方が同じ国家内で生きるよう強いられる限り、どんな和解も、一方が自分の立場を他方に強制する形をとる。敗者は課税され、自分たちの意見を無視する政府を支える。

<関連ニュース>

0 件のコメント:

コメントを投稿