2020-07-21

危機と政府

政府はなくてはならない。政府だけが物事を首尾よくやれる。政府がなければ、外国の攻撃から身を守れず、国内の秩序を保てず、私有財産の定義も保護もできない——。そう言われる。残念ながら、政府が私たちを守れるほど強ければ、その力で私たちを押しつぶすかもしれない。
Robert Higgs, Crisis and Leviathan: Critical Episodes in the Growth of American Government

政府は巨大な非人間的物体ではない。政府を人間離れした存在だと思い込むと、その本質と行動を誤解してしまう。現実の政府は、政府以外の人々から支えられなければ、少なくとも許容されなければ、存続できない。支配する側と支配される側との間を絶えず行き来する人々もいる。
Robert Higgs, Crisis and Leviathan: Critical Episodes in the Growth of American Government

経済が複雑になったからといって、経済問題をうまく調整するのに政府の指示拡大が必要とは言えない。スミスやハイエクら多くの経済学者によれば、社会・経済を最もうまく調整できるのは、自由な市場だ。市場だけが、絶えず変化する消費者と生産者のシグナルに反応できる。
Robert Higgs, Crisis and Leviathan: Critical Episodes in the Growth of American Government

米国史上、重要な危機には2種類ある。戦争と経済恐慌だ。戦争が起こると、政府の軍事活動に伴う需要が急増する。市場による資源の配置に代わり、税が引き上げられ、財政支出が増え、残った民間経済への規制が強化される。戦争が拡大し長引くほど、市場経済が強く抑圧される。
Robert Higgs, Crisis and Leviathan: Critical Episodes in the Growth of American Government

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