2025-09-04

「国防」という虚飾

トランプ大統領が「国防総省(Department of Defense)」の名称を「戦争省(Department of War)」に戻そうとした件について論じる。喧伝される「強い響き」は戦争への誘因となり得るが、実際には第二次世界大戦以降、米国はいわゆる国防省と称しながらもほぼ恒常的に戦争状態にある。名称を戦争省に戻すなら、憲法が定める戦争宣言の義務も復活させるべきである。これにより、「防衛予算」という虚構をやめ、「戦争予算」として明確に議会の責任で審議すべきだ。確かな勝利を導いたのは名称ではなく、過去に実際に議会の宣言に基づいた戦争だけであり、紛争の「連戦連敗」は議会による正当な戦争宣言の欠如と無期限戦争体制の果てであるとする。戦争省への改称は、むしろ虚飾を放棄する機会である。(2025年9月2日)
Department of War? - The Ron Paul Institute for Peace & Prosperity [LINK]

世界中の平和を望む人々は、米イスラエルによる12日間の戦争が終結した6月にほっと息をついた。しかし、トランプ大統領が「イランの核計画を破壊した」と誇示した一方で、イスラエルおよび西側勢力はすでに次の攻撃の舞台を整えている。フランス、ドイツ、英国は国連安保理に向け、核合意(JCPOA)のスナップバック条項を使った制裁再導入の手続きを開始した。これによりイランは核査察や核不拡散条約(NPT)からの撤退に踏み切る可能性がある。イスラエルの戦略は、イランを「次のレバノンやシリア」のごとく、米国が関与せずとも無制限に空爆できる対象国に変えることであり、これにより米国を長期戦へ引きずり込む政治的仕掛けでもある。従って、さらなる軍事衝突と米国の再関与が避けられない状況が進行中である。(2025年9月2日)
Israel And The West Set The Stage For Next Round Of Warfare On Iran - The Ron Paul Institute for Peace & Prosperity [LINK]

Moon of Alabama は、欧州委員会委員長ウルズラ・フォン・デア・ライエンが語った「ロシアによるGPS妨害で飛行機が1時間待機し、紙地図を用いて手動着陸を余儀なくされた」とする一連の発言は「ウソ」であると断じている。記事は、FTが匿名の関係者の発言を引用したことに疑念を呈し、ブリュッセル空港周辺でタクシーなどのGPSが機能不全に陥ったという報告がまったくない点を指摘する。また、航空機はGPSに依存せず、慣性航法装置(IRS)や地上の計器着陸システム(ILS)によって正確に着陸可能であり、「紙地図の使用」や「1時間の待機」は技術的にも非現実的であると述べて、航空データ共有サイト Flightradar24 によると当該機のトランスポンダー信号にはGPS品質低下の兆候が全くなかったと報告している。この記事は、フォン・デア・ライエンによる「偽の反ロシアプロパガンダ」への批判として締めくくられている。(2025年9月2日)
Von der Leyen Is Lying About Russian GPS Interference - The Ron Paul Institute for Peace & Prosperity [LINK]

トランプ大統領はベネズエラ沿岸に米海軍攻撃部隊を派遣した。艦艇7隻、海兵隊約2,200名を含む4,500名規模であり、ミサイル駆逐艦3隻や攻撃型原子力潜水艦も含まれている。公式には麻薬対策とされるものの、カーリーン・リーヴィット報道官はマドゥロを「麻薬カルテルの逃亡指導者」と表現し、政権の正統性を否定している。匿名の米政権高官は「ノリエガ作戦の再来となる可能性がある」と述べ、マドゥロ政権の動揺を示唆している。記事は、こうした「麻薬対策」の名目は方便にすぎず、実際は資源豊かなベネズエラを帝国が支配しようとするレジームチェンジ介入であると指摘する。「このエンパイアはいつもそうだ。口では別の理由を唱えつつ、実際は目的を隠している」と断じている。(2025年9月1日)
They're Lying About Venezuela While Moving War Machinery Into Place - The Ron Paul Institute for Peace & Prosperity [LINK]

1975年のヘルシンキ合意は、東西の緊張緩和を目的として政治的自由(集会・表現・移動など)の尊重を条件に、ソ連と東側諸国による西側との関係正常化を進めた。しかし、社会権(教育・雇用・住宅など)は対象外であり、「人権」概念は西側中心の政治的自由に偏った形となった。この枠組みにより、Helsinki Watch(後のHuman Rights Watch)などの西側監視団体が創設され、反体制派を支援することで東側内部からの圧力が強化された。こうして「人権」は、西側が制裁・破壊活動・軍事介入などを正当化するための強力な道具へと転用された。この構造は、東欧の社会民主主義的保障が速やかに解体される「ショック療法」へつながり、「自由」とされる政治構造の下で、失業や不平等などの深刻な社会問題を招いたのである。(2025年9月1日)
How 'Human Rights' Became Western Weapon - The Ron Paul Institute for Peace & Prosperity [LINK]

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