2024-10-20

ミレイ氏は英雄ではない

ハビエル・ミレイ(アルゼンチン大統領)に関するハンス・ヘルマン・ホッペ(オーストリア学派経済学者)の「財産自由協会」第18回年次総会におけるコメントを、オスカー・グラウ(ホッペ公式サイトのスペイン語版編集者)がスペイン語に翻訳した。(以下は英語への自動翻訳から抜粋)
ミレイ政権下のアルゼンチンでは労働法が自由化され、いくつかの補助金が廃止されたが、すべてが廃止されたわけではない。いくつかの規制緩和が承認され、民営化も行われたが、それほど多くはなかった。一部の「政治的に正しい」省庁は閉鎖されたが、職員の多くは他の部署に移っただけだった。たしかに、公務員を解雇された者は一定数いたが、全員が解雇されたわけではなく、多くは単にある機関から別の機関へ異動させられただけだった。減らされた税金もあったが、燃料税や輸入税など増税された税金もあった。そして忘れてはならないのは、税金はミレイから見れば強盗だということだ。

アルゼンチンは財政黒字になったが、減税につながったわけではない。黒字は政府の手に残り、政府はそれを使い続ける。地方分権もなかった。財政黒字は支出削減だけでなく、増税によっても達成された。ミレイ大統領の内政には賛成だが、革命的な改革ではなく、レーガンやサッチャーのものに近い。


ミレイ大統領は中央銀行を廃止すると約束したが、アルゼンチンの中央銀行はまだ存在している。インフレ率は下がったが、年率にするとまだ250%という巨大なインフレだ。インフレを抑えるのはそれほど難しいことではない。中央銀行を閉鎖し、紙幣を増刷しなければいいだけだ。

(ミレイ大統領が影響を受けたというリバタリアン思想家)マレー・ロスバードやリバタリアンにとって、戦争と平和こそが最大の問題である。リバタリアンの伝統的な立場はこの点でも、たとえば(元米下院議員)ロン・ポールに代表される。リバタリアンは中立国の立場をとる。他国の問題に干渉しない。

支配者は間違った歴史を語るが、ミレイ大統領はそのことを知らない。ロスバードのことを頻繁に口にはしても、ミレイが真剣に勉強したかどうかは疑わしい。だからこそエリートたちは、ミレイを脅威とは考えていないのだ。外交政策では主流派に従うだけの良い子だからだ。

ミレイが愛するのは米国民ではなく、米政府である。最も帝国主義的で、好戦的で、行く先々で問題を引き起こし、何十万人もの人々を殺す政府だ。各国で殺害した人数を数えれば、間違いなく一番である。ミレイはなぜわざわざ米政府につくのか。中立を保てばいいだけのことだ。

ウクライナやイスラエルに送られる武器はどこから来るか。米国からだ。ミレイはウクライナのゼレンスキー大統領を崇拝している。しかしゼレンスキーは犯罪者の道化であり、無意味な戦争のためにウクライナの住民を犠牲にしている。

イスラエルのネタニヤフ首相がガザ地区を空爆し、何万人もの(パレスチナの)人々を殺害しているのに、なぜミレイはネタニヤフと踊るのか。現在最も犯罪的な人物はネタニヤフ氏なのに、そのネタニヤフ氏と街頭で踊っているのだ。(実際にミレイ氏が一緒に踊ったのはネタニヤフ首相ではなく、他のユダヤ人シオニスト)
ミレイ大統領は陸軍の軍人の給与を引き上げ、将来は陸軍も内政上の義務を負うべきだと述べた。テロや麻薬密売などと戦うために軍を使うべきだというのだ。つまり、アルゼンチンを攻撃する外国の侵略者に対してではなく、自国民に対して軍隊を使いたいのだ。

多くの人がミレイを普通の政治家たちと比べて、それより優れていると言う。私(ホッペ)もミレイの方がいいと思う。どちらも犯罪者だとは思うが、カマラ(・ハリス)よりトランプの方が好きだ。そしてもちろん、他の多くの政治家よりもミレイの方が好きだ。

しかし無政府資本主義(ミレイは自分の哲学的信念だと言っているが)の観点からは、ミレイはもちろん大失敗(ひどいもの)だ。そして、リバタリアン界隈で彼を一種の英雄に仕立て上げることには賛成できない。彼は英雄ではない。

Javier Milei es un desastre | Javier Milei is a disaster [LINK]

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