2023-05-15

ロシア領攻撃、ひそかに計画 ゼレンスキー大統領、米紙報道

ウクライナ当局はロシア領の攻撃に欧米提供の武器は使わないと主張するが、流出情報はその逆を示唆

アンチウォー・ドット・コム
(2023年5月14日)

ウクライナのゼレンスキー大統領は、自軍が欧米から提供された武器を使ってロシア領土を狙うことはないと公言しながら、ロシア国内の大規模な攻撃をひそかに計画している。米紙ワシントン・ポストが13日報じた。
報道では、SNS(交流サイト)ディスコードから漏洩した機密情報の一部である米国防総省の文書を引用し、ゼレンスキー氏は以前、ロシアの村を占領してロシアのハンガリーへのパイプラインを爆破しようと提案し、ロシア領土を攻撃できる長距離兵器の不足に懸念を表明していたと述べている。

ある文書によると、ゼレンスキー氏は1月に開いた会合で、ウクライナ軍が「ロシアで攻撃を行い」、ロシア領内に兵力を移動させて「ロシア国境の不特定の都市を占領する」可能性を示唆した。この攻撃のアイデアは「ロシアとの交渉でウクライナに影響力を与えるため」とみられる。

以前報道された別の文書では、2月にゼレンスキー氏がウクライナの総司令官であるザルジニー将軍に対し「ウクライナは、ロシア国内に配置された同国軍に届く長距離ミサイルも、攻撃できる何もない」と「懸念を表明した」とあった。

ゼレンスキー氏が最も挑発的な提案をしたのは、2月のスビリデンコ副首相との打ち合わせでのことだ。北大西洋条約機構(NATO)加盟国のハンガリーに石油を供給するドルジバ・パイプラインを「爆破」しようと提案した。文書によると、ゼレンスキー氏は「ウクライナはパイプラインを爆破し、ロシアの石油に大きく依存するハンガリーのオルバン(首相)の産業を破壊すればよいと……強調した」という。

この文書の示唆するところによれば、ゼレンスキー氏が「ハンガリーに対する怒りを表現しているため、大げさで無意味な脅しをかけている可能性がある」。しかしいずれにせよ、この暴露はウクライナとハンガリーの間の緊張を高めることは間違いないだろう。米国とウクライナの両政府関係者は、ハンガリーが停戦を呼びかけ、欧州連合(EU)の対ロシア制裁を緩和する努力をしたことに激怒している。パイプラインに依存するハンガリーなど中欧諸国は、EUのロシア石油禁輸から免除されている。

今回の暴露は、英国がウクライナに長射程の巡航ミサイル「ストームシャドー」を納入し始めた後に行われた。このミサイルの射程は約250キロで、米国がウクライナに提供してきた武器弾薬よりもはるかに遠い。米国は英国の動きを歓迎し、ディスコードからの情報漏洩にもかかわらず、紛争が激化する可能性について懸念していない。

「ウクライナは、ロシアの侵略に対抗するために必要な場合、米国が提供する武器を責任を持って戦略的に使用することを繰り返し約束しており、今後もそうであると確信している」と米国防総省当局者はポスト紙に語っている。

ゼレンスキー大統領は流出した内容を「空想」と呼び、ロシア国内の標的を攻撃するために長距離兵器を使用することはないと強調している。同大統領は14日にも同様のコメントを出し、待ち望まれるウクライナの反攻作戦はロシア領の攻撃が目的ではないと述べた。

Zelensky Privately Plotted Bold Attacks on Russian Territory - News From Antiwar.com [LINK]

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