2023-05-13

ウクライナのメディア、「次の暗殺対象」で投票

ジャーナリスト、アレクサンダー・ルビンシュタイン
(2023年5月9日)

英BBC、独誌シュピーゲルなど欧米報道機関と提携したウクライナのメディアグループは、作家ザハル・プリレーピン氏への自動車爆弾攻撃の次に、どのロシア人知識人を暗殺すべきかについて読者に投票を行った。バイデン米政権はウクライナのテロ作戦を許可した。
ロシアの作家で活動家のザハル・プリレーピン氏が自動車爆弾の標的となり殺されそうになった数時間後、ウクライナの人気通信社は、読者に「ロシアのクズ宣伝家のうち次に暗殺されるべきなのは誰だと思うか」という投票を行った。

ウクライナのUNIAN通信社によると、政府の戦争努力を支持するロシアの知識人に対する狩りの解禁期間だそうだ。ロシアのニジニ・ノヴゴロド州でロシアの小説家ザハル・プリレーピン氏を狙った自動車爆弾事件が発生した後、同通信社は通信アプリ「テレグラム」で利用者に投票を募り、暗殺される可能性のある著名なロシア人の名前のリストを提供した。

ウラジーミル・プーチン露大統領に対する2件の暗殺未遂事件を除くと、プリレーピン氏は、ウクライナの工作員によって暗殺の標的とされた3人目の著名なロシア人となる。同氏の遭難は、ロシアの民族主義哲学者アレクサンドル・ドゥーギン氏を狙ってその娘でジャーナリストのダリア氏が死亡した自動車爆弾事件、人気テレグラムチャンネルを運営するウラドレン・タタルスキー氏(本名マクシム・フォミン氏)が出演した公共イベントの爆破事件に続くものだ。UNIAN通信によるテレグラムの投稿では、ドゥーギン、タタルスキー、プリレーピン各氏がはっきり言及されている。

標的となりうるリストの中には、他のテレグラムチャンネルの運営者である、RT編集長のマルガリータ・シモニャン氏(投稿では「ビーバー食い」と乱暴に呼ばれている)、ロシアTVニュースのホスト、ドミトリー・キセロフ氏やセルゲイ・マルダーン氏などが含まれていた。この記事の掲載時点で、約5万人のテレグラム利用者が投票している。

UNIAN通信の企業概要ページによると、この報道機関は英ロイターや米ブルームバーグと「情報発信と交換のパートナー」であり、配信先にはBBCやシュピーゲルといった海外の著名な報道機関も含まれる。

UNIAN通信は、ウクライナのオリガルヒ(新興財閥)であるイホル・コロモイスキー氏が所有する1+1メディア・グループに所有され、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領とネオナチのアゾフ大隊の長年の支援者である。この企業集団は最近、モスクワで毎年5月9日に行われるナチズムの敗北を祝う式典の際、赤の広場へのドローン(無人機)によるテロ攻撃に懸賞金を出したテレビニュース番組TSNの親会社でもある。

プリレーピン氏に対する暗殺未遂事件は、米国籍のゴンサロ・リラ氏を含む11人の戦争批判者を一網打尽にしたウクライナ国内の襲撃事件と時を同じくして発生した。ウクライナの情報機関SBU(ウクライナ保安局)は5月4日、「敵のインターネット扇動家の別のネットワーク」を逮捕したと発表した。

米情報機関とつながりのある米国のジャーナリストらが、ネット上のインフルエンサーを標的にすることを正当化しようとしている。米政府出資の報道機関べリングキャットでロシア調査主任を務めるクリスト・グロゼフ氏は、サンクトペテルブルクのカフェで行われた公開イベントの爆破を、標的が「扇動家」だという理由で正当化した。

同様に、ウクライナの武装勢力に入隊した米国人記者で元民主党工作員のサラ・アシュトンキリロ氏は、同じ理由で米国人のゴンサロ・リラ氏がウクライナ情報機関に逮捕されたことについて現実離れした弁護を撮影している。ウクライナ保安局は顔をぼかしたリラ氏の画像しか公開していなかったが、アシュトンキリロ氏はどうにか無修正版を作ることができた。

一方バイデン米政権は、ロシア国内でのウクライナのテロ作戦に青信号を灯した。ロシアのプーチン大統領に対する2度目の暗殺未遂事件後、アントニー・ブリンケン国務長官は、ロシア領内の攻撃に対する米国の見解について質問された。「これはウクライナが自国をどう守るかの判断だ」とブリンケン氏は答えた。

空軍州兵のジャック・テシェイラ氏がリークした極秘文書には、米報道機関の引き出しの奥でゆっくりと分解されているであろう、ウクライナの反撃に関する米国の悲惨な予測を詳述した文書もある。ウクライナは2014年以前の領土全体を奪還する望みが薄れるにつれ、ロシアの有力な論客を標的とした暗殺作戦に頼り、その領域内にとどまる者たちを消そうとしている。

Ukrainian media asks 'who should be next' after car bombing of Russian writer - The Grayzone [LINK]

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